2006年 4月9日号ヘッドライン

[CSD]2006年 4月9日《ヘッドライン》
 = 1面 ニュース=
★祈りは理論ではなく行動——首都圏キリスト教大会講師クリストファー・サン氏来日
◎次期「日本伝道会議」説明会開く——6月のJEA総会に提案へ

 = 2 面 ニュース=
★公立教育現場に露骨な思想選別——国歌斉唱に異議唱え、採用辞退を決断した青年
★「今は冷戦時より危険」——VIP赤坂で石破茂氏国防の重要性語る
★イースター控え死の備え考える——改革派・田無教会で専門家招きセミナー
★アフガニスタン:キリスト教改宗者の裁判に欧米が批判
★<落ち穂>B・グラハム氏最後の伝道説教

 = 3 面 クリスチャンライフ=
◎受験は1人でやるもんじゃない——JECA・本郷台キリスト教会「なんちゃって受験部」
★<暮らしの中の信仰>光と影に似ている物事の成り行き 記・東後 勝明

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★ビジネスの現場で「信仰が生きて働く」——沼田 誠さん[上](みずほオフィスマネジメント[株]業務第三部管理チーム参事役)
★<ミッションと起業>波多野鶴吉(グンゼ[株]創業者)[下] 記・岸 回生

 = 5 面 牧会/神学/社会=
★「ピースリボン」裁判結審——最終弁論で訴え、7月判決
★<オピニオン>子どもの安全に配慮する教会 記・杉本 玲子

 = 6 面 チャーチスクール&ホームスクール特集=
★「家族体験」通して信頼関係構築——フリースクール 恵友学園
★<書籍紹介>『神の知恵と親の情熱』ルー・プリオロ著(ホームスクールビジョン、1680円)
★<書籍紹介>『ホームスクーリングの心』クリストファー・クリッカ著(ファミリー出版、2520円)

 = 7 面 全面広告=
☆ミラクル・イン・ジャパン 5月5日(金)・6日(土)開催
特別講師:カルロス・アナコンディア 会場:ポートメッセなごや(愛知県)
Tel.0569—21—4855
ホームページ:http://www.miraclej.com/
 = 8 面 全面広告=
☆チアにっぽん コンベンション2006
大阪:5月19日(金)・20日(土) 会場:クレオ大阪北
東京:5月26日(金)・27日(土) 会場:オリンピック記念青少年総合センター
主講師:ザン・タイラー氏、ルー・プリオロ氏
Tel.03—5155—9212
ホームページ:http://www.cheajapan.com/
 = 9 面 特集=
★「人のために生きる」を信条として——元祖便利屋・右近 勝吉さん

 = 10 面 情報/読者の声=
★集会リポート:全国青年宣教大会関西大会——古きを「革命」新しい自分へ
★集会リポート:キリスト者学生会 National Conference——周囲への無関心に気づく
★<なんでもご意見箱>ニセメール事件とイラク戦争に共通する本質

 = 11 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★MOVIE:「家の鍵」——絆を回復させていく父と子(公開:4月8日、東京・岩波ホール)
★EVENT:「松井やよい 全仕事」展(会場:WAM=Tel.03-3202-4633)
★BOOK:『唱歌・讃美歌・軍歌の始源』小川和佑著(アーツアンドクラフツ、2415円) 評・天田 繋

 = 12 面 ひと=
◎吉枝 隆邦さん(元hi-b.a.代表)——高校生伝道への情熱、今なお

次期「日本伝道会議」説明会開く−−6月のJEA総会に提案へ=0604090102

 日本福音同盟(JEA、小川国光理事長、具志堅聖総主事)は3月28日、都内で次期日本伝道会議(JCE5)の説明会を開き、加盟団体へのアンケートの集計を報告、加盟各教団・教派・団体から意見を聞き取った。
 日本伝道会議は1974年以来、JEAを軸とし8年から9年おきに開催してきた。第4回を00年沖縄で開催後、04年12月JCE5検討委員会を発足。第4回会議の「沖縄宣言」を検証する座談会や発題講演、懇談会、フォーラム、加盟団体への数次のアンケートなどを実施し、第5回日本伝道会議の可能性とあり方を探ってきた。
 説明会ではその経緯をたどり、第4回の事務局長を務めた原田憲夫理事が日本伝道会議の意義を「日本の教会の課題を時代の問題との関係でとらえてきた」と説明。JCE5検討委員会から竿代照夫理事が検討中の案を提示した。それによると開催時期は09年9月、候補地は北海道、仙台、首都圏、名古屋、広島が提案された中から北海道を推薦。テーマ案は「みことばに基づく宣教の協力~21世紀ポストモダンの時代にあって」。これをたたき台に、次期JEA理事長を実行委員長として実行委員会を組織し審議する構想だ。今回の聞き取りを経て4月理事会で案をまとめ、6月JEA総会に提案する。竿代氏は「信徒も参加しやすい時期に開催したい。次の10年への戦略会議的な意味をもつようにしたい」と述べた。【根田祥一】

受験は1人でやるもんじゃない−−JECA・本郷台キリスト教会「なんちゃって受験部」=06040903

 「サクラサク」。受験生にとってこれほどうれしい言葉はない。つらかった受験生生活。1人ではくじけそうになることもしばしばだ。横浜市栄区にあるJECA・本郷台キリスト教会(池田博牧師)が主催する部活動の1つ、「なんちゃって受験部」では、約20人の受験生が共に励まし合って大学、専門学校への合格を目指してきた。  「なんちゃって…」には、「『勉強漬け』ではなく時には適度な息抜きもしつつ、お互いに励まし合って受験生時代を過ごそう」という意味合いを込めた。日曜日の礼拝後に近況を報告し合ったり、いっしょに勉強をしたり祈り合ったり。「受験は進路を決める大きな節目の時で、いろんな悩みが出てきます。そういう時、同じ境遇にいる者同士だからこそ、心を許して話し合えることもあります。知ってもらうことで祈ってもらえるし、祈ってくれていると分かっているので、がんばれます」と、この1年、受験部の部長を務めてきた西田みのりさんは語る。
 学校の部活動が忙しく、高校に入学してからは教会に来ていなかった男の子も受験生になり、受験部を通して再び教会に来るようになった。西田さんの友人の1人も受験部に加わり、やがて信仰をもった。「『受験』は、勉強に必死で教会から離れていってしまうことの方が多いと思います。伝道にはマイナスに見える環境も、すべてをささげていく時、神様が用いてくださるのだと感じました」と、ユース牧師の池田恵賜氏。西田さんも昨年の4月は、受験生だからと教会の活動から「フェイドアウト」する気でいたという。だが、受験部副部長の尾崎幸さんから突然部長をやらないかともちかけられ、話をする内に「(かかわっていくことを)祈ってみよう」という気になった。以後、自身の勉強のかたわら、メンバーと常にコンタクトをとり続け、教会のスタッフに近況をメールで知らせた。受験シーズンが本格化してからは、メンバーの受験日程を書いたカレンダーをつくり、祈祷課題が一目で分かる工夫も。「『いつ勉強してるんだろう』というほど、多くの時間をささげてくれていました。その労と犠牲を神様が見ていて、きちんと報いてくださったんですね」と、スタッフで受験部顧問の西山薫里さん。西田さんは、メンバーの中でも一番最後の3月下旬まで受験し、この春から国立大学の学生として新生活がスタートする。「初めはみんなを励ませればという思いでやっていたのですが、私自身が励まされることの方が多かったです。受験は1人でやるものではないんですね」と西田さん。同教会では、受験部の4月からの新体制はまだ整っていないが、どういう形で進めていくか、祈りつつ考えていくという。           【藤野多恵】 ★予告…来週から隔週で新連載エッセイ「私の子育て失敗談」が始まります。執筆は中野バプテスト教会L-STARSディレクターの斎藤望さんです。お楽しみに!
 L-STARS=2~6歳の子どもとお母さんのためのグループ。

吉枝 隆邦さん(元hi-b.a.代表)−−高校生伝道への情熱、今なお=0604091201

 「高校生伝道一筋」。今年3月末でhi-b.a(高校生聖書伝道協会)の代表を退いた吉枝隆邦さん(67)を表現するには、このひと言に尽きる。開成高校1年生の時から52年間hi-b.a.と共に歩み、スタッフとして42年間、高校生の魂の救いのため情熱を傾けてきた。02年7月、脳梗塞で倒れた。現在、右半身がまひし、難聴、視力低下、目薬と杖が手放せないなど、様々な後遺症を抱えている。しかし、高校生への情熱は今も変わらない。「難しい、つらいこともあるけれど、それ以上に楽しいことがある。だから高校生伝道はやめられません」と語る。  「イエス様はヨハネ15章で『私はまことのぶどうの木』とおっしゃいました。弟子たちには『その枝』だと言われました。そして私には『良し枝(吉枝)』と言われました」。吉枝さんお得意の駄洒落だ。集会では、この駄洒落で笑わせながら、高校生の心をつかんできた。
 中学生の頃、「人生の目的や意味は何か。死んだらどうなるか」という問題で悩んだ。高校1年生の時、友だちに誘われ、学内で開かれていた聖書研究会に参加。これが一つのhi-b.a.集会だった。初めて聞いた聖書の言葉は「罪から来る報酬は死です。しかし、神の下さる賜物は、私たちの主キリスト・イエスにある永遠のいのちです」(ローマ6・23)。「この聖書の言葉が求めるべき方向性を示してくれた。その年(1954年)の夏のキャンプでイエス・キリストこそ私の救い主だと信じた。その日から毎日が変わり、勉強にも身が入るようになった」
  57年高校卒業後献身し、日本クリスチャンカレッジ(JCC)=東京基督教大学(TCU)の前身=で4年間、聖書を学んだ。同級生のほとんどが牧師、伝道師になっていく中、hi-b.a.に導きを覚えていた吉枝さんは「超教派伝道団体の将来の可能性と限界を真剣に考える」必要性を感じ、さらに聖書神学舎で3年間研鑽を積んだ。神学生の間も、夏休みは2か月間、千葉県長生郡一宮町にあるhi-b.a.キャンプ場に泊まり込み、高校生伝道に明け暮れた。
 64年、正式スタッフに。日本でのhi-b.a.創始者ケネス・クラーク宣教師夫妻、ジョン・マイヤー宣教師夫妻、初代スタッフ堀内顕さん、元代表の大竹一行さんらと共に、高校生伝道に邁進していった。「最初は神奈川地区担当。毎週6集会を指導しました。日曜日は担当地区内の教会訪問、1日おきに学校前でトラクト配布などをしました。若さで突っ走っていました」。こんな思い出も。一時期、千葉県・松戸集会を担当。その集会に来ていた高校生のうち5人がその後、牧師になった。「一緒に過ごした高校生が牧師になるのはうれしいこと」。でも、ひと言「牧師になることだけが目的ではなく、みんなが神様の忠実なしもべになることが目的」と付け加えた。
 00年、それまで代表を務めてきた大竹さんが引退。吉枝さんが後を引き継いだ。その2年後、サマーキャンプ本番前のワークキャンプ直後に倒れた。5か月入院。その間、エレミヤ29章11節の言葉が迫ってきた。「『わざわいではなく、平安を与える計画で、将来と希望を与えるもの』と書かれていました。その時は、目もよく見えず、耳もほとんど聞こえず、話もろれつが回らない状態。歩くこと、立つことはおろか、1人でベッドから起きあがることもできない。でも、これが主の約束だからと信じ、リハビリに励んだ」。今では、説教ができるほど回復した。
 今日までこの働きを続けてくることができた秘訣について、こう語る。「相手は15歳から18歳ばかり。でも、年を取っても心が若ければ、かなり続けられるのです。私の場合、やりすぎましたけどね」。今後はhi-b.a.役員の1人として残り、月1回「吉枝スタッフの聖書研究会」を担当。テキスト小冊子「月刊hi-b.a.」の執筆も続けるという。     【中田 朗】