ヘッドライン
2006年 4月16日《ヘッドライン》
[CSD]2006年 4月16日《ヘッドライン》= 1面 ニュース=
◎イースター・メッセージ:新しいいのちに生きる、しかしできない自分がいる 記・後宮 俊夫
★押し花アート「復活の光——永遠——?コリント15:20」 作:星野 浩・千津子
= 2 面 ニュース=
◎心に潜む罪からの解放——エリヤハウス・ジャパン発足
★在日南米教会と協力し名古屋で宣教大会——主講師にアナコンディア氏
★<教界ニュース>基督聖協団第49回大会、ウェスレアン・ホーリネス教団年会
★<落ち穂>韓国で開催される「こころの友伝道」大会
= 3 面 クリスチャンライフ=
★町の雰囲気を変えた路傍伝道——アッセンブリー・板橋神召教会の鵜川貴載さん
★新連載<私の子育て失敗談>[1]神様がくれた「子育て」という役割 記・斎藤 望
= 4 面 ビジネスパーソン=
★「クリスチャンである前に社会人であれ」と薫陶を受け——沼田 誠さん[中](みずほオフィスマネジメント[株]業務第三部管理チーム参事役)
★<佐藤綾子のイキイキクリスチャン自己表現法>[10]心配屋の「予期不安」のふせぎ方
= 5 面 牧会/神学/社会=
★『この事実を…』邦訳刊行の意味[上]——宣教師たちが見た「南京大虐殺」の証言 記・山口陽一
★<オピニオン>現代人に希望といのちのメッセージを 記・後藤 喜良
★英国:ウェールズ聖公会がムハンマド風刺画を謝罪
= 6・7 面 伝道団体シリーズ=
★世界で活躍する宣教師育て20年——宣教師訓練センター(MTC)
★卒業生は語る:学びが役立った——生活を共にし、異文化を理解
★イスラムは世界宣教最後の砦——ヒシャム・カメル博士を迎える意義
= 8・9 面 読書特集=
★『キリスト教礼拝・礼拝学辞典』今橋 朗ほか監修(日本キリスト教団出版局、特価8925円税込=6月30日まで=、定価9450円税込)——真の礼拝者を育むための資料集 評・福田 真理
★『ヘボン博士の愛した日本』杉田幸子著(いのちのことば社、1260円税込)——「平文先生」の人柄とその時代が身近に
★出版トピックス:えほんサイト「すくすく」開設 http://www.ehonya.jp/
★出版トピックス:品切れ名著をオンデマンド出版で復刊
★『黙想 十字架上の七つの言葉』加藤常昭著——御言葉を「味わう」深みへの誘い(教文館、1890円税込)
★『ペッレと二枚のてぶくろ』文・カーリー・ヴィンイェ、絵・ビビアン・ザール・オルセン(イーブックス出版、1995円税込)——子どもたちにも伝わる「死」と「復活のからだ」 評・澤谷 由美子
★『馬に乗ったお医者様』田中光晴著(ロバ通信、1300円税込)
★『信徒の献身と献金の信仰』鈴木重義著(バプテストスチュアードシップ刊行会、1470円税込)
★『回顧録——金森通倫自伝』『世界警告傳道』金森通倫著(アイディア出版、「回顧録」2800円税別、「世界」1900円税別)
= 10 面 カラー読書特集=
★キリスト教書店にもナルニア国ブーム——にぎわう各地の特設コーナー
= 11 面 カラー・イースタースペシャル=
★いのちの息吹を感じる食材で祝うイースター
= 12 面 イースタースペシャル=
◎事故ですべてを失って——星野 浩・千津子夫妻(押し花アーティスト)
= 13 面 関西だより=
★元焼肉屋を教会に改築「商店街に輝く十字架」——ペンテコステ・花園キリスト教会
★西日本福音ルーテル教会 21世紀プロジェクト進行——新女子寮の建築進む
★新渡戸稲造に学ぶ
★関西聖書塾開塾
= 14・15 面 全面広告=
☆教会・伝道団体・企業各社
= 16・17 面 全面広告=
★日本聖書協会主催「国際聖書フォーラム2006」
5月3日(水)—5日(金) 会場:ホテルニューオータニ
http://www.bible.or.jp/common/forum2006/
= 18 面 教会学校=
★<いまどき子ども事情>くどくど言ってもしょうがない——あっさり、必要なことを語る 記・福井 誠
★<CS分級>立体飾りを作ろう——でんぐりの花 記・石橋 えり子
= 19 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★BOOK:『おもしろキリスト教質問箱[Q&A77]』山北宣久著(教文館、1260円税込)——信仰生活の数々の疑問に答える
★BOOK:『天国と地獄の離婚——ひとつの夢』C・S・ルイス著(新教出版社、1995円税込)——C・S・ルイスの奇想天外寓意小説
★DVD:「きみは愛されるため生まれたfromイ・チソン」(ライフ・エンターテイメント、3990円税込)
★REVIEW:『洗礼——新しい命へ』W・H・ウィルモン著(日本キリスト教団出版局、2310円税込)——「洗礼は神からの恵み」強調、今日の矮小化を指摘
= 20 面 教会=
★<ちゃちゃチャーチ>時間をかけて意識改革——日本基督教団・大宮教会
イースター・メッセージ:新しいいのちに生きる、しかしできない自分がいる 記・後宮 俊夫
主のご復活を喜び祝うイースターです。イエス様の誕生を祝うクリスマスはあれほどに信徒でない人まで喜び祝うのに、イースターはそれほどではありません。教会においても、クリスマスほどにはこの世に向かって、その喜びを伝えていない現状を反省させられます。コリント人への手紙第一の15章3節以下に、「(福音の)最もたいせつなこととして伝えたのは、私も受けたことであって、次のことです。キリストは、聖書の示すとおりに、私たちの罪のために死なれたこと、また、葬られたこと、また、聖書の示すとおりに、三日目によみがえられたこと」と言われていて、わたしたちクリスチャンはそのように信じています。
使徒の働きの1章、2章に書かれている教会の誕生の記録を見ると、復活の主に出会った使徒たちが、「主よ。今こそ、イスラエルのために国を再興してくださるのですか」(1・6)と尋ねるのに対して、主は、「聖霊があなたがたの上に臨まれるとき、あなたがたは力を受けます。そして、エルサレム、ユダヤとサマリヤの全土、および地の果てにまで、わたしの証人となります」と言われています。
そして、聖霊が下ってからのペテロの説教の中で「神はこのイエスをよみがえらせました。私たちはみな、そのことの証人です」(2・32)と証言して、この3千人もの人が、この言葉を受け入れて洗礼を受け、仲間に加わったと記されています。
これらの聖書の証言を見ながら、今、どうなっているのかと考えざるをえません。現代の人々に復活を宣教しようとするとき、力強く語ることができないでいます。世の人々に語るとき、主の復活は使徒たちの信仰の告白であって、「信じる」のですと言うだけになります。聖書の記録は、復活の朝に墓は空であったこと、天使が主は復活なさって、ここにはおられないと告げたという点が共通するだけであって、これでは世の人々への証言にはなりません。
初代教会の使徒たちのように「私たちはみな、そのことの証人です」と語りえないところに、わたしの信仰の弱さがあります。まして、使徒信条に告白されているように「体のよみがえりを信ず」とは、どのように信じていると証言できるのかとなると、「そのように信じているのだ」と言葉だけのことに逃げている信仰にしか過ぎません。
こんなわたしでは全く駄目なのかと思うのですが、あの使徒たちも、復活の主に出会いながら、すぐに復活の証人にはなりませんでした。その弟子たちに、主は聖霊を送って立ち上がらせてくださいました。この出来事がなくては使徒たちも復活の証人とはなりえなかったのです。
イースターの前のレントの時、主がわたしの為に受けてくださった苦難を偲びつつ克己節制の生活をと励みます。ローマ人への手紙6章3節以下にあるように、主の愛により洗礼を授かりクリスチャンになったことは、キリストが死者の中から復活させられたようにわたしたちも新しい命に生きるためなのです。このように歩むことを心がけながら、そうできない自分が在ります。
主のためと言いながら、この世での栄誉が求められていたり、主の御栄光を表すのだと思いながら、この世での好評を得ることにすり替えていたりで主イエスの地上の歩みと似てもいないものとなっています。
しかし、このような者を主は愛し、命をもって救い出してくださった。この故だけに、主のみ言葉に聞き従うことに努める、それすらわたしの力ではなく、主のお助けによってできているのに過ぎません。その時にわたしの思いに勝る主のご栄光が表されます。主が今も生きておられることが確認できて、ご復活の証人となっていますし、このようなわたしが新しい命に生かされていることが、少しの時間であろうと証しできているのだと思います。(うしろく・としお/日本基督教団・甲西伝道所牧師)
心に潜む罪からの解放−−エリヤハウス・ジャパン発足
3月30、31日の2日にわたり、青山学院ガウチャー記念礼拝堂(東京都渋谷区)で「エリヤハウス・ジャパン発足記念セミナー」が開催された。テーマは「主のために、整えられた民を備える」。講師は『内なる人の変革』の著者ジョン・サンフォード牧師。 エリヤハウスとは、「心に潜む罪の性質を抱える人に気づきを与え、それを十字架につける祈りによって、解放へと導くミニストリー」のこと。1974年、ジョン&ポーラ・サンフォード 牧師夫妻がマラキ書4章5、6節とマタイ17章11節を元に、祈りと聖書に基づいた、個人的なクリスチャンカウンセリング「エリヤハウス祈りのミニストリー」を設立したのが始まり。「 ?内なる人の変革?家族の回復?教会の一致?人々の救い」を目的として掲げている。エリヤハウスのスクールを受講するには、「1年以上クリスチャン生活を送っている人、ほかの人のために仕えたいと願う人、牧師の推薦が必要」などの条件がある。
「日本ではセルグループの働きが広まってきたので、その中でエリヤハウスが用いられ始めている」と米南部バプテスト宣教団のエヴィリン・エッガー元宣教師は語る。93年、エヴィリンさんが宣教師として派遣されていた大津バプテスト教会(日本バプテスト連盟)でセルが始められた時のこと。
「セルではいつも、礼拝メッセージについて分かち合っていたが、心の奥の深い問題を扱えていなかった。しかし、セル・メンバーの方たちとお話しをしていて、色々な家庭の問題を抱えていることが分かり、驚いた」という。
入院中にエリヤハウスのテープを聴いてその働きを知った。「ずっと病気を患っていたこともあり、聖書のことばがスーッと心に入ってきた。私自身、自分の父親を赦せていなかったことなど、心の奥に眠っていた問題、傷に気が付くことができた。『主は、ほかの誰かでなく私自身を変えたいのだ』と確信できました」とエヴィリンさんは語る。 エヴィリンさんは、退院後すぐ3週間コースに申し込み、受講。学びの中で、自分で勝手に作り上げた偽りの誓い「内なる誓い」として「結婚はしない」というものがあることに気づいた。「内なる誓い」を捨てる決心をした数日後に、若い頃の友人ハーブさんから「君の手助けがしたい」との手紙を受け取る。2人は再会し結婚。エヴィリンさん67歳の時だった。
その後、ハーブ&エヴィリン・エッガー宣教師夫妻は、日本でエリヤハウスの働きを紹介し、用いてきた。
計6回のセッションで構成された今回の発足式。初日午後、セッション2の中でジョン・サンフォード氏は「神さまは強い思いをもって、とりなしの祈りをすることにあなたを召しておられる。主イエスは『私がこの国と人々に変革をもたらすために、あなたの祈りが必要だ』と招いておられる。日本のために祈り、とりなし手として立ち上がろう」と呼びかけ、その応答を求めた。
「この働きが日本の中で、人々が癒され、成長・成熟していくための、1つの解決法として用いられれば」とサンフォード氏は語った。
エリヤハウス・ジャパン=大津市瀬田3ノ21ノ17、TEL:077・544・1935、Eメール:elijahjp@theia.ocn.ne.jp
事故ですべてを失って−−星野 浩・千津子夫妻(押し花アーティスト)
1994年10月7日午後6時10分。この日を決して忘れることができない。結婚して6か月。新妻が待つ家に浩さんは急いでいた。結婚をして、仕事にもはりあいが出てきた。交差点で信号が青に変わり、いつものように直進した。「ブレーキ音しか覚えていません」。前方から交差点に入った車は確認せずに右折。浩さんの車にめり込んだ。
最終的に頸椎椎間板症との診断。父親と弟と塗装業を営み、体力に自信があった浩さんだったが、首からくる強い痛み、しびれから起き上がれなくなり、平衡感覚を失い、ひどい頭痛や耳鳴りなどに苦しむようになった。結婚して初めての妻の誕生日は病室。「プレゼントを贈れないばかりか、下の世話をしてもらうような有様だった」
仕事にはやりがいと喜びがあった。教会でも役員や教会学校の教師を務め、まさに順風満帆だった矢先、「すべてが取りさられた」。「先の見えない日々。何もかも思い通りに行かず、すべてのことに嫌気がさしていた。自殺する人の気持ちが分かったような気がした」。人間の強さと弱さが紙一重であることを知った。
支えられながら歩けるようになっても、昼間に家にいる若い男性の姿は近所で噂の的となり、逃げるように隣町の公園で過ごすこともあった。「2人で誰もいないところに行きたいね」と千津子さんは思わず言った。しかし千津子さんには確信があった。「あの事故は神様が許されたこと。神様が責任をとってくれる」
数年たち、千津子さんは以前から興味のあった編み物を習っていた。そこで押し花のインストラクター養成講座へ誘われる。「私よりも夫にどうだろう。妻に養われる立場は苦しいだろうし、押し花ならリハビリもかねて資格を取れる」と思った。次のステップに進めると期待しつつ、講座のことを浩さんに話すと、「オレが押し花? 押し花なんて女のすることだ!」と声をあらげた。しかし千津子さんは、初等教育の教職資格も持っている夫に押し花の先生はきっと向いているはずだと、こっそり祈り始めた。ある日、押し花がプレスしてから3日で出来上がることを知る。夫にそれを言うと、表情が変わった。
「実は、この言葉で私の心は決まってしまいました。イエス様の復活の姿と重なり、こんな体でも神様のためにさせてもらえるならと思った」と語る浩さんは1年後、自宅から電車を使って1時間ほど離れた大宮(現さいたま市)で開かれていた養成講座に出向く。
事故から4年。1人で電車に乗るのも4年ぶりだった。まだまっすぐ歩けず、手がしびれている。不安な気持ちを妻には隠して、精一杯の強がりで1人で行くことにした。しかし、養成講座の出席者は専門的知識が豊富で、何年も押し花をしている人ばかり。知識がない上に、膨大な資料を書き写さなくてはならず、実技もあった。首の痛み、震える手、専門用語は分からない。他の受講生が皆帰った部屋に残された。夕暮れ近く、ようやく終わり、公衆電話から妻に電話をかけた。声を聞いた途端涙があふれ、「もうだめみたい」とつぶやいた。千津子さんはまだ早かったのだと思いながら「いいよ、辞めよっか」と言った。その言葉に、浩さんはもう一度挑戦することを決めた。
やる前は簡単だと思っていた押し花だが、なかなかそのままの色を出すことができない。課題になるのは花や葉、果物など。手に入れることが難しいものもあり、さらに何十回やってもうまくいかないことも。2人で寝ずに課題をする日々を経て、ようやく資格を手に入れることができた。
「目線が変わりました」。以前は踏みつけていたような小さな花を愛しく思うと言う浩さん。最近は虫が食った葉や、落ち葉も味があると感じる。小さな野の花をも愛する神様がそのままの自分を愛してくれているのだと知り、ずっと願っていた「元に戻りたい」という考えは消えていた。
現在、浩さんは押し花インストラクター、ネイチャープリントの資格を持っている。夫と一緒に作品を作れるようにと千津子さんも、押し花とカリグラフィー、ラッピングコーディネーターの資格をとって2人で教室を開いたり、作品の依頼制作なども行っている。
「事故がなかったらよかったと何度も思った。しかし、あの日を境に嫌な人生だったかといえばそうでもない。事故があっても道は途切れなかった。不幸はいつのまにか恵みへと代わり、事故に遭わなかったら出合えなかったプレゼントをもらった。神様の前に格好つけないでいいと知った今は幸せです」