[CSD]2006年 6月18日《ヘッドライン》

[CSD]2006年 6月18日《ヘッドライン》
 = 1面 ニュース=
★インドネシア・ジャワ中部地震:医療品救援物資が不足——支援団体の活動活発化
★市民らの危機感強く——「共謀罪」成立回避

 = 2 面 ニュース=
◎教育基本法「改正」に危惧——教界から反対声明相次ぐ
★教育・医療の支援必要——アフガン難民救援NPO「燈台」が報告
◎NCC「アジア祈祷日」——歴史の転換点にあるネパール
★<落ち穂>私のボンヘッファー体験

 = 3 面 クリスチャンライフ=
★地球規模のキャンプへ行こう——大自然の中で「ロイヤル・レンジャー」
★<私の子育て失敗談>あなたではなくまず私から 記・斎藤 望

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★美を追い求めたすえに——伊藤 嘉子さん[上](SFT国際美容師・白い家フェローシップチャーチ牧師)
★<ミッションと起業>松谷義範(東邦薬品[株]創業者)[下] 記・宮田矢八郎

 = 5 面 牧会/神学/社会=
★「戦後60年と日本のキリスト教」シンポより:戦争責任の視点でこれからを展望する?——「受け入れられたい」という呪縛 発題・吉高 叶
★<オピニオン>旭山動物園革命から宣教を学ぶ 記・三谷 康人

 = 6 面 関西だより=
◎逆シルクロードをたどる世界宣教へ——マキノ福音日本語学校開校
★身障者伝道担い新たな船出——単立・淀川栄光教会が新会堂献堂
★みことば入りTシャツ、おしゃれに全国発売
★聖句書道展と林五龍遺作展開催

 = 7 面 結婚特集=
★純白のチャペルで「神に祝福された結婚」を——長野・サンクゼールチャペル
★ゴシック様式の教会でヨーロッパの雰囲気を——札幌・宮の森フランセ教会

 = 8・9 面 法律特集=
★公益法人制度改革の大波——新法案を精査し早めに対策を 記・佐藤 丈史
★教会会計イロハのイ——神と人との前に健全な教会会計を 記・曽田 敏彦

 = 10 面 教会学校=
★<いまどき子ども事情>家庭での信仰教育が不可欠 記・福井 誠
★<CS分級>トイレットペーパーの芯で作る——くにゃくにゃダックス 記・石橋 えり子

 = 11 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★BOOK:『キミはどう生きたいのか』ロバート・S・マクギー著(CS成長センター、1300円税込)
★BOOK:『キリストを宣べ伝える』安食 弘幸著(イーグレープ、1575円)
★CD:「Your First Love」小堀 英郎[ピアノ](ライフ・ミュージック、2310円税込)
★REVIEW:『神には栄光 人の心には喜び』ヘレーネ・ヴェアテマン著(日本キリスト教団出版局、1470円税込) 評・渡辺 善忠

 = 12 面 教会=
★教会の若者ら引き連れフィリピンへ宣教ツアー——保守バプ・古川聖書バプテスト教会



教育基本法「改正」に危惧−−教界から反対声明相次ぐ=0606180201

 4月28日、与党は教育基本法の「改正」法案を国会に提出し、国会審議が始まった。また、5月24日に対案として提出された民主党案でも、現行の教育基本法の基本理念を否定するという点で、与党案と同様の内容だった。このような状況で、教育現場や市民などの間で教育基本法「改正」を危惧する声が高まりつつある。東京・千代田区の日比谷公園野外音楽堂で6月2日に開催された「教育基本法の改悪をとめよう! 全国集会」(「教育基本法の改悪をとめよう! 全国連絡会」主催)には、全国各地から3千人以上が参加し、教育基本法「改正」に断固として反対していく意思を確認し合った。
 キリスト教界でも、各教団、団体などで「改正」を危惧する動きが出ている。日本キリスト教協議会(NCC)教育部は、「『君が代・日の丸』の教育現場での強制の実体を見るとき、法案の成立によって、間違った『愛国心』教育が合法化され、強化されるであろうことは容易に想像されます。このような『改正』は、反省して廃棄したはずの敗戦前の教育のあり方に逆戻りするものです。わたしたちは教育基本法を『改正』するのではなく、ひとりひとりの尊厳を大切にする教育を推進していくことこそ急務と考える」として「教育基本法『改正』に反対する声明」を出した。
 日本ホーリネス教団は教育基本法「改正」案に対し、「国が個人の思想・良心に踏み込み特定の道徳的価値観を押しつける国家主義的な性格を帯びることを危惧する。ことに宗教教育について、『宗教に関する一般的な教養』の名の下に、憲法の信教の自由(20条)および政教分離原則(89条)がないがしろにされることがないよう、強く要請する」として「教育基本法『改正』案における宗教教育を危惧する声明」を出した。
 日本バプテスト連盟は、「日本政府は、先の侵略戦争の反省から生まれ、世界に対する『公約』である教育基本法を捨て去ろうとしています。キリストは、すべての人々を『幸いで新しい人』の姿に招いてくださっています。この普遍的な招きを、国家が妨げてはなりません。わたしたちキリスト教会は、かつて軍国主義教育に深く関与した過ちを二度と繰り返さないためにも改悪に反対します」として「教育基本法の改悪に反対する声明」を出した。
 日本同盟基督教団「教会と国家」委員会は、「戦前の国家主義体制復古の恐れがあること」「国会による愛国心教育強制の恐れがあること」「憲法第二十条の保証する信教の自由が侵害される恐れがあること」などから、「教育基本法案に反対する緊急声明」を出した。

NCC「アジア祈祷日」−−歴史の転換点にあるネパール=0606180203

 アジア・キリスト教協議会(CCA)では、1974年以来、加盟教会および協議会、協力団体の連携を強めるためにペンテコステ前の日曜日を「アジア祈祷日」と位置づけアピールをしている。アジア祈祷日では、その年ごとに差し迫った重要課題や困難な状況にあるメンバーに焦点を当てて祈る。今年の東京集会は5月28日、目白聖公会(東京都新宿区)で開かれ、「平和のために祈り、働くことができますように」をテーマに、現在政治的に大きな動きをみせているネパールの状況を覚えて祈った。
   ◇  
 第1部では、CCAがネパール教会協議会(ネパールNCC)の協力を得て作成した式文に沿い、聖書や祈りの言葉を朗読するなど「いのり」の時をもった。第2部では、日本キリスト教海外医療協力会(JOCS)常任理事でネパールに在住経験がある石川光子氏が同国の文化やJOCSの働きについて語った。
 石川氏は、69年にインドへ。隣国ネパールは何度か訪れ、2年ほど生活もした。その間、当時JOCSから派遣されてネパール中を巡回診療するなどの活動をしていた岩村昇医師とともに働きに従事した。現地で多くの出会いを経験したという石川氏は「それらの出会いを振り返ったとき、私の人生はなんて祝福に満ちているのだろうと感じました。みなさんも色々なところに出て行って、人との出会いの中で神の祝福を体験してください」と語った。
 ネパールは現在、歴史の転換期にあるといえる。2002年に全閣僚を解任して全権を掌握し、事実上「独裁体制」を進めていたギャネンドラ国王が今年4月、大規模な民主化要求デモを受け、直接統治に終止符を打つ意向を示した。同24日には下院が復活し、コイコラ元首相による新政権が発足。また、5月に入ってからはネパール政府と反政府組織「マオイスト」(ネパール共産党毛沢東派)との3年ぶりの和平協議が進められ、96年から続いた内戦の終結を目指すとともに、新憲法の制定が話し合われている。 
 石川氏はこうした状況をおぼえ、「ネパールの現状が心配されます。新しい国造りのために働く多くの人々に力が与えられるように」と祈った。

逆シルクロードをたどる世界宣教へ−−マキノ福音日本語学校開校=0606180601

 「世界の青年クリスチャンたちと共に、宣教への関心を高め、重荷を分かち合う」ことを目的に、7月21日から8月11日まで、京都府宇治市のキリスト伝道隊国際シャロームキリスト教会(林茂宏牧師)が運営する滋賀県マキノ町の伝道・宿泊施設「ユウオデヤびわ湖」で「マキノ福音日本語学院(MEJI)」が開校する。台湾基督長老教会と林牧師が会長を務めるアジア福音宣教会が協力して推進するこのプロジェクトは、アジア福音宣教会が目指す「日本と台湾と韓国が力を合わせて逆シルクロードをたどる世界宣教」への一歩となる。  日韓の宣教のパイプはあるが、日台のパイプは弱い。台湾で日本のための宣教師を募っても、日本語が難しいという点がハードルになっている。この問題点を打開し、日本のクリスチャンと交流することで台湾の青年たちが日本宣教の情熱を持ち、互いに宣教ビジョンを分かち合って世界宣教への重荷をもってほしいと、日台の教会協力の下に開校が決定した。受講者を募集したところ、定員20人に50人の問い合わせがあり、台湾の青年たちの日本への関心の高さと愛の深さに、林牧師は驚いたという。
 「将来、日本宣教に重荷をもっている人という応募条件に、これほど多くの人が応答してくれました。日本はこんなに愛され、祈られている。神は確信をもってやれと言われているのだとわかりました」
 学院の執行者は台湾基督長老教会総会助理総幹事の林芳仲牧師と林茂宏牧師。顧問は総統府資政・松年大学校長の高俊明牧師、台湾基督長老教会総会総幹事の張徳謙牧師、日本基督教団東京台湾教会の李孟哲牧師、日本基督教団今津教会・学校法人恵みの園理事長兼園長の浅見文博牧師、日本基督教団安土教会の奥村直彦牧師、知能に重い障がいをもつ人たちの家「止揚学園」リーダーの福井達雨氏。学院のプログラムは、平日は授業及び外出先での買物・見学などを通した日本語会話の学習、週末は京都地区の協力教会にホームステイして交流を深めるという内容だ。教会の人々との親交は、将来の世界宣教の強力なパートナーシップの育成につながる。
 ここで学んだ青年たちが、本格的に宣教師として再来日を果たすことを展望し、いずれは台湾だけでなく、アジアの広範囲、また世界の人々にまで門戸を広げていくことを目指して進めていく。
 学院の拠点となる「ユウオデヤびわ湖」は、青年伝道に用いられることを願って建てられた。ここからマキノミッションが起こされるよう祈ってきた林牧師は、学院の実現がこの祈りへの一つの答えだと確信している。
 「これは、将来を見据えた種まきです。日・台・韓が協力して世界宣教に乗り出す一歩です。政治ではどうしようもない。福音しか人々の心は変えられないのですから」