ヘッドライン
[CSD]2006年 6月25日《ヘッドライン》
[CSD]2006年 6月25日《ヘッドライン》= 1面 ニュース=
★けんかで始まり涙で終った——刑務所でアルファ・コースを実践
★第5回日本伝道会議09年9月開催——JEA総会で大枠決議
= 2 面 ニュース=
★JEA総会:憲法「改正」に反対を——日本福音同盟総会で呼びかけ
★JEA総会:新しい聖書翻訳団体の組織化へめど
◎サッカー・ワールドカップ伝道も本番
★<教界ニュース>日本同盟基督教団
★<落ち穂>最近の統一協会の活動
= 3 面 クリスチャンライフ=
◎戦争体験者の記録残したい——戦災障害者・杉山千佐子さんのドキュメント映画「人間の碑」各地で上映
★地元教会の準備実る——森田哲也さんの報告会「エチオピアの風を感じる集い」
★<暮らしの中の信仰>恵みと報酬 記・東後 勝明
= 4 面 ビジネスパーソン=
★「真の美」をイエスに見いだし華やかな仕事色あせる——伊藤 嘉子さん[中](SFT国際美容師・白い家フェローシップチャーチ牧師)
★<佐藤綾子のイキイキクリスチャン自己表現法>[13]「モーセの手」をあげよう
= 5 面 牧会/神学/社会=
★「戦後60年と日本のキリスト教」シンポより:戦争責任の視点でこれからを展望する?——「主告白」で平和宣言に生きる 発題・吉高 叶
★<オピニオン>落穂拾いをはじめなさい 記・神津 喜代子
= 6・7 面 カウンセリング・セラピー特集=
◎動物がひきだす「ことば」——きさらづ小児発達センター「のぞみ牧場学園」
★選択理論を基盤に会社設立——アチーブメント(株)代表取締役・青木仁志さん
★変えられるものに焦点——設立20周年迎えた日本リアリティセラピー協会
★自分らしい牧会するためにカウンセリング経験生かす——傾聴ボランティの市民ネットワーク
= 8・9 面 特集/みなと横浜=
★船乗りに福音と憩いを——日基教団神奈川教区海員宣教協力委員会ヴァリーノ宣教師夫妻
★少子高齢化時代の必要に応える事業——創立120年を超えた横浜YMCA
★礼拝第一主義は今も変わらず——捜真学院が創立120周年
= 10 面 教会学校=
★<「成長」攻略法>「ヤコブ」から「イスラエル」への成長 記・中台 孝雄
★<CS分級>迷路に挑戦:ヤコブのおじさんに会いに行こう 記・矢吹 博
= 11 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★BOOK:『ですから、聖書に戻るのです』大川従道著(教文館、1,260円)
★BOOK:『クリスチャンの成長を阻む12の誤解』ヘンリー・クラウド、ジョン・タウンゼント共著(地引網出版、1,890円)
★CD:「j-woaship vol.3」(ライフ企画、2,300円)
★REVIEW:『キリスト者の完成』ジョン・ウェスレー著、藤本 満訳・注(イムマヌエル綜合伝道団、2,100円)評・岩本 助成
= 12 面 ひと=
★番組制作通じて信仰を持つ——鴨田哲也さん([株]ジャパンビジョン制作プロデューサー)
サッカー・ワールドカップ伝道も本番=0606250203
第18回2006FIFAワールド・カップ・ドイツ大会(略=ドイツW杯)が6月9日、ドイツ対コスタリカ戦(ミュンヘンスタジアム)を皮切りに開幕。連日、白熱した試合が繰り広げられている。それに合わせ、ドイツW杯出場選手や有名選手の証を収録した伝道用小冊子、CD―ROM、DVDが発売された。◇
全国家庭文書伝道協会(EHC)は、伝道用小冊子『CHAMPION!!! ドイツ ワールドカップ2006』を発売。予選で日本とも対戦するスパースター軍団、優勝候補筆頭のブラジルチームで活躍するカカ、ルシオ、エジミウソン、ゼ・ロベルトの4選手の証を収録。カカ選手は「可能な限り、神なるイエス様と歩む人生について語り、相談相手になって助けたい」、ルシオ選手は「私のTシャツに書かれた『JESUS LOVES YOU』の言葉で、世界中の人がイエス様に愛されていることを知ってほしい」と語る。
また「『ファウル』を犯しても、神様はすべての『イエローカード』『レッドカード』を無効にし、あなたに新しい人生を与えてくださる」など、サッカー用語を用いて伝道メッセージも。W杯の歴史の解説や今大会の対戦表もあり、ドイツW杯を見て楽しみながら読めるよう工夫されている。サッカーファンへのプレゼント用小冊子としてお勧め。A5判、カラー16頁、52円税込。注文は50部単位。問い合わせはTEL:03・3353・9349、EHCまで。ホームページhttp://www.wlpm.or.jp/ehc/
日本キャンパス・クルセード・フォー・クライスト(JCCC)は伝道用CDROMとDVD「The Prize 栄冠を目指して」を制作。CDROMには日本の松波正信(現在は現役引退)、韓国のソン・ジョングクなど有名なクリスチャン・サッカー選手4人の証し、「ジーザス」のオーディオドラマを収録。またジャケットカバーの裏には、神、罪、キリスト、信仰をわかりやすく解説した「四つの法則」が収められ、伝道用トラクトとしても使用できる。1枚100円税込で、10枚単位(送料別)で注文できる。DVDは2枚組で「The Prize 栄冠を目指して」(24か国語)と映画「ジーザス」(8か国語、字幕付き)がセットになっている。1セット2千円税込。問い合わせはTEL:04・2926・0868、JCCCまで。ホームページhttp://www.japanccc.org/home.htm
戦争体験者の記録残したい−−戦災障害者・杉山千佐子さんのドキュメント映画「人間の碑」各地で上映
戦後、空襲などで死傷した民間人が国の援護の対象外になっていることに異議を唱え、救済を求め続けてきた杉山千佐子さん(全国戦災傷害者連絡会会長=日基教団・名古屋教会員)。今年3月、杉山さんの半生を描いたドキュメンタリー映画「人間の碑~九〇歳、いまも歩く」(製作/クリエイティブ21、脚本・監督/林雅行)が完成し、全国各地で上映されている。 杉山さんは45年3月25日、29歳の時に名古屋空襲で被災。避難していた防空壕が爆撃で崩れ、生き埋めになった時に顔の左半分をつぶされて左目を失う。「生きていたのが不思議」ともいえる状況だったが、一命を取り留めた。太平洋戦争時、日本では150か所を超える町や村が空襲に遭い、1千万人が焼き出され、51万人の民間人が死亡。47万3千人もの人々が重い身体の障がいを負った(1947年時点)。「人間の碑」でも、火傷で顔にケロイドを負った人、不発弾が爆発しひじから先を失った人、戦後数年たっても体中からガラス片が出てくる人など、多くの被災者の記録映像を使用している。しかし、国からはそうした被災者に対する救済の手はいまだに差しのべられていない。
「元軍人軍属やその遺族に対しては国からの補償があるのに、民間人が国の援護対象外になっているのはなぜなのか」。そんな憤りを隠せずに、杉山さんは73年、50歳代後半で私財を投じ「全国戦災傷害者連絡会」を設立。以来、国家補償を求めて33年間全国各地を飛び回った。運動が盛り上がり、70年代には社会、民社、公明、共産各党が援護法を共同提案したものの審議終了。杉山さんの思いは政治の厚い壁に阻まれた。それから30年以上たった今では、政党はおろか、議員個人ですら関心をもつ人はわずかだという。一方で時間だけが容赦なく経過し、なかなか動くことのない状況を前にあきらめたり、この世を去ったりと、年を追うごとに仲間は減り、悔し涙を流すこともしばしばだった。
◇
「戦後50年、60年と経過し、戦争体験者はどんどん減っていくわけです。その中で、今この人が話している少しの間とか、ためらいとか、そういうものも含めて映像として記録していく必要を感じました」と語る同社代表取締役でもある林監督は、様々なドキュメンタリー・テレビ番組などを製作してきた。「人間の碑」は同社の「碑」3部作で、「友の碑」「我が子の碑」に続く完結作。「碑」とは、「友—沖縄の女子学徒」「我が子—一組の夫婦」「人間—杉山さん」それぞれの人が歩いてきた軌跡、歩いてきた道、いま歩いている道を表しているのだという。
「人間の碑」は、活動家としての杉山さんだけでなく、「人間・杉山さん」を描いている。行きつけの店で好物の「ひつまぶし」を食べる杉山さん、数十年つきあいのある衣料品店での杉山さん、歌ったり踊ったりする杉山さん…。「私は伝えることを職業としています。作ったらそれで終わり、というわけにはいかないんです。杉山さんをはじめとして、戦争で傷ついた人々のことを片時も忘れず、『伴走者』としてつきあっていきたい。杉山さんの気持ち、生活を伝えることで、多くの人に身近な、同じ人間なんだということを感じてもらいたいですね」と林監督は語った。
同社では、98年に杉山さんの自叙伝『おみすてになるのですか—傷痕の半生—』を出版。また04年には演劇「負けぇせん! ある戦災傷害者の軌跡」を上演している。「人間の碑」は今後、名古屋、大阪、東京各地で上映予定。3部作については、DVDやビデオの貸し出しなども行っている。詳細は=http://www11.ocn.ne.jp/~cr21/
TEL:03・3226・5290
動物がひきだす「ことば」−−きさらづ小児発達センター「のぞみ牧場学園」=0606250601
千葉県市原市JR姉ヶ崎駅から、子どもたちの笑顔があふれる園バスに揺られて30分ほど、7千坪の広大な土地に馬や羊の姿が見えた。きさらづ小児発達センター「のぞみ牧場学園」(津田望理事長)は2003年4月に開設された知的障害児通園施設。アニマルセラピー、音楽療法、作業療法、言語聴覚、心理、保育の専門家による療育とセラピーを行っている。 乗馬セラピー「こんなに長い時間、馬に乗せてもらえるなんて」と園児の母親が目を細めて、誇らしげに馬にまたがる息子の「勇姿」を見ている。学園では年齢別、能力別にクラスがあり、個人指導も行う。乗馬セラピーも個人指導の一つ。ただやみくもに進むのではなく、「あの箱のところまで行ってみよう」と子どもに声をかける。「目標を伝えることで、視点を定め、背筋をまっすぐに保つこともできます。多動症の子どもはじっとできません。しかし、馬の上だと自分で落ちないようにするので(もちろんスタッフが一緒なので実際落ちることはないが)、振動にあわせバランスをとることを学んだり、注意集中がよくなったりします」と津田理事長。人間の骨盤と同じ動きをする馬に乗ることで正しいリズムの歩き方と呼吸法を体感することもできる。馬、豚、猫、犬、鳥など10種類、40頭近くいる動物それぞれにパーソナルディスタンス(対人距離)がある。子どもたちは園内至るところに存在する動物と自然に接することで、他人との心身両方の距離の保ち方を学ぶ。
弱者を造られた意味
「のぞみ牧場学園」は0歳児から就学前の知的障害児30人が通っている。日々通園の子どもが帰った後に、就学児や待機児(定員の空きを待つ)がデイサービスを受け、合計80人~90人近くの子どもたちがのぞみ牧場学園に在籍している。「障害児をできるだけ幼いうちに、多方面の専門家による指導をして、どれだけ発達するかということを立証したかった」と津田さん。認知レベル、言語コミュニケーション能力を上げ、特異な行動を抑えることで社会性が育ち、他人とかかわる能力を身につけることができるという。様々な療育法を学び、実践してきた津田さんが、神様が創造された動物を用いる「アニマルセラピー」に出合い、それを日本で体系化したかったこと、殺されていく捨てられた動物や実験動物を、救済したかったことが設立の理由だ。「社会の中で弱者とされている知的障害児。もっと虐げられているのが動物。動物の福祉は必ず人の福祉にもつながる。神様はみこころをなすために弱者を造られたのだと思います」
頭の中の「ことば」
津田さんは、祖父母の代から保育園を経営する家に生まれた。クリスチャンであった祖父母は、どんな子どもでも分け隔てなく受け入れていた。自閉症児などもその例外ではなかった。
学生の時に言語に興味をもち、イギリスで臨床言語士の資格を取った。その仕事に興味をもったのは保育園での知的障害児との出会いが大きい。「聖書に『初めに、ことばがあった』(ヨハネ1・1)とあるのに、音声言語をもたない子どもがいることに違和感を感じていた」。留学先で出会った知的障害児はイエス・ノーをしっかり表現していた。「『話しことば』を身につけるように指導していますが、私はそれよりも『頭の中にあることば』が大事だと思っています」。意志をしっかり表した少年との出会いは、音声言語を話せない日本の知的障害児にも、祖父母の保育園で見た子どもたちにも「ことば」があることを実感させてくれた。
「頭の中のことばが豊かになれば、自然と意志疎通をすることばも身につきます。祈りも頭の中のことばです。最終的には『なぜ神様が目の前のものを、また自分自身を造られたか』を考えてほしい」。アニメや友だちの影響で思ってもいない罵りのことばを発する子どもたちも多いなか、「ノーテンテ、キ!(望先生、好き!)」と満面の笑みで表現した子どもに神様が与えた「ことば」の重みを感じた。心のことばを豊かにする出会いや経験を提供する場が「のぞみ牧場学園」だ。
のぞみ牧場学園=〒292-0201千葉県木更津市真里谷2374ノ1 TEL:0438・53・5222