ヘッドライン
[CSD]2006年 7月2日号ヘッドライン
[CSD]2006年 7月2日《ヘッドライン》= 1面 ニュース=
★真実の愛と希望感じてもらえる映画制作を——「ロゴスフィルム」旗揚げ
★星野富弘さん名誉群馬県民に——困難な時に鳴る心の鈴の音に励まされて
= 2 面 ニュース=
◎官房長官らの統一協会関連団体への祝電に抗議の声——公開質問状も提出
◎「二極化の克服」が課題——山北宣久・日基教団議長がJEA総会で初講演
★統一教会脱会めぐり8年3か月の裁判に決着——黒鳥・清水両氏に勝訴の最高裁判決
★サウジアラビアに改宗者5万人——MTC20周年集会でヒシャム・カメル氏語る
★日本キリスト教会:退職教職者の福利を拡充
★中国:河南省で家の教会を捜索
★<落ち穂>「二極化の克服」への課題
= 3 面 クリスチャンライフ=
◎中国人殉教者の詩に作曲しCD制作——悲しいときに勇気づけられた詩
★<私の子育て失敗談>親のまなざしと神のまなざし 記・斎藤 望
= 4 面 ビジネスパーソン=
★究極の美を多くの人に——伊藤 嘉子さん[下](SFT国際美容師・白い家フェローシップチャーチ牧師)
★<善久のちょっと気になる発想法>[最終回]従業員満足なくして顧客満足なし 記・斎藤 善久
= 5 面 牧会/神学/社会=
★「戦後60年と日本のキリスト教」シンポより:戦争責任の視点でこれからを展望する?——平和と和解の福音に仕える人づくり 発題・吉高 叶
★<オピニオン>真の愛国心とは?…原理主義と福音派 記・岡山 秀雄
= 6 面 関西だより=
★音楽で伝える愛と勇気——難病と闘う人のためCD作成
★弟子を作り出す教会を建て上げよ——2006近畿宣教教会会議プレ大会
★クリスチャンの憩いと集いに一役買います——イタリアンレストラン「ヴェラーチェ アモーレ
= 7 面 特集/社会福祉法人ミッションからしだね=
★地の塩、世の光の拠点からしだね館オープン——新たな視点で精神障がい者福祉施設
= 8・9 面 医療特集=
★精神医療への関心広めたい——「聖書と精神医療研究会」が10周年
★草の根の人々と共に歩む活動——日本キリスト教海外医療協力会
★医療・福祉関係者の励まし合いの場——福音主義医療関係者協議会
★職場も「公認」の伝道人生——医療法人康生会理事の矢崎富子さん
★医療関係イベント情報
= 10 面 情報=
★リポート:97歳現役牧師に刺激受け——「魂に幸いを得る聖会」 記・金 良禧
★リポート:自然の中で「隣人」と出会う——森本二太郎さんと歩く浅間山麓 記・美都かんな
★<なんでもご意見箱>『べてる』を読みました他
= 11 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★CD:「Live worship vol.2 Hallelujah(」Hallelujah Music Ministries、2,000円)
★BOOK:『心病む人々に教会ができること』聖書と精神医療研究会編(いのちのことば社、1,050円)
★BOOK:『漢字に秘められた聖書物語』ティモシー・ボイル著(マルコーシュ・パブリケーション、1,785円)
★REVIEW:『創造と進化 付・ダーウィンの宗教観』J・H・ブルックス著(すぐ書房、3,360円) 評・中山良男
★
= 12 面 教会=
★教会、商店街、大学で「十条国際交流フォーラム」——聖契・グレースミッションチャーチ
官房長官らの統一協会関連団体への祝電に抗議の声−−公開質問状も提出=0607020201
福岡市内で、5月13日に行われた統一協会のダミー団体「天宙平和連合」の集会に、安倍晋三官房長官、安岡興治元法務大臣らが祝電を送っていたことが明らかになった。これを受け6月19日、抗議のための公開質問状が参議院議員会館において提出され、同時に記者会見が開かれた。主催は日本基督教団統一原理問題連絡会、全国霊感商法対策弁護士連絡会、全国統一協会被害者家族の会。主催者によると広島での会合にも祝電が送られていた模様で、この問題が明らかになったのは、統一協会の世界日報韓国版に掲載された記事による。「まことのお父様・文鮮明」をメシアとして仰いで、同氏を世界の王にすることを目的とした統一協会。その目的のため多数の統一協会信者が、国会議員の動向を探るために国会に送り込まれており、その数は3桁にものぼるとみられる。
「すでに送り込まれた秘書たちは、国会議員の知らないところで統一協会主催の会議を開き、自分が仕える議員たちの動向を詳細に報告してきた事実が確認されている。人間をロボットにし、自分たちの目的のためならなんでもするというその手口、資金集めの方法、霊感商法の手口、合同結婚式のもち方が違法であると社会的非難も以前からあり、最高裁でもすでに5回(違法との)判決が下されている。このような団体の行った集会に、現職の官房長官、あるいは元法務大臣が祝電を出すなどもってのほか。2度とこのようなことがあってはならない」と抗議した。
岩崎隆牧師(日本基督教団統一原理問題連絡会代表世話役)は、「被害は毎日のように深刻化している。家族の断絶、青年男女の行方不明、霊感商法や悪質な資金集めによる経済的な被害などが社会問題化している。私たちは宗教者の立場から、異端として懲らしめるというのではなく、人権問題として、被害が続く限り活動を続けていきたい」と語った。
ミッション系の学校を中心に被害防止のためのトラクト配布などに力を入れる統一協会問題キリスト教連絡会の平岡氏は、「統一協会は教育の場でも、様々なダミー団体を使って活動している。統一思想を植え付けた後、『実は統一協会だった』『あなたが信じたのは文鮮明だった』と明かす、極めて悪質な布教活動を行っている。今回の祝電問題によって現職の政治家たちが統一協会を支持していることになり、末端の信者たちが励まされたり、勧誘活動などにも影響してくことを危惧している。当会は、祝電を送った議員たちにしっかりとした適切な対処を求めたい」と声明を発表した。
「二極化の克服」が課題−−山北宣久・日基教団議長がJEA総会で初講演=0607020202
日本福音同盟(JEA)は札幌市で開いた第21回総会で6月6日、再編20周年企画として公開講演会を開催し、山北宣久・日本基督教団総会議長が「日本の教会の課題・今後への展望」と題して講演した。日基教団総会議長がJEA総会で講演するのは初めて。山北氏は、現代社会に対する教会の課題を、聖書との関連で拝金主義、利己主義、世俗主義、虚無主義、冷笑主義、快楽主義と指摘。その中で「どこを衝くのか」について、人の心の虚しさ、孤独、罪意識(強迫観念)、死の恐怖を挙げ、これらは「福音をもってしか埋められない」と強調した。
献身者不足によって無牧の教会が増大、教会学校生徒や青年が減少していることに危機感を表明。宣教か伝道か、教会形成か運動体か、霊性か実践か、信仰告白か社会的責任か、などの「二極化の克服」が課題だとして、「霊性に裏打ちされて実践がある。差別、人権、反戦平和は大事だが、福音と祈りによらなければ実を結ばない」と述べた。
JEAについて「あかしにおける一致(公同)をもっている。何よりも祈りをもって粛々とやっている。取り戻すべき方向を学んだ」と評価。「憲法9条の問題など(JEAも取り組んでいることは)心強い。一緒にやっていきたい」との意向を示した。
「伝道する教団」へ不退転で再生促す
また、あいさつの中で山北氏は、67年に戦争責任告白を議長声明として出した鈴木正久氏が総会議長に選出されてから40年となる今年10月の第35教団総会で、これまで自らが掲げてきた「伝道する教団としての再生」を総括し、さらに不退転の決意で臨む意志を公にした。今度の総会で山北氏は総会議長2期目を終え、3期目の信任を得るかが伝道再生路線への評価の1つの指標になるものと見られている。
中国人殉教者の詩に作曲しCD制作−−悲しいときに勇気づけられた詩=0607020301
殉教したある中国人伝道者が遺した詩に曲をつけた歌のシングルCDが制作された。曲名とCDタイトルは「中国の獄中で殉教したある伝道者の詩」。作曲は山中知義さん(横浜オンヌリキリスト教会牧師)で、プロデュースは音楽宣教師の米田浩司さんだ。「最も落胆している時にこの詩と出合い、力づけられた」と語る山中さんは、「この歌を聴いて、迫害下のクリスチャンたちが見つめているものを、日本のクリスチャンにも一緒に見つめて欲しい」と願う。 このCDは、山中さん自身が歌うバージョンと、この詩にまつわる山中さんのメッセージ、そしてカラオケバージョンで構成されている。収録は昨年秋、茨城県水戸市のスタジオで行われた。山中さんがこの詩と出合ったのは98年ごろ。当時、ニューヨーク州にある日本人教会で神学生として奉仕していたが、「自分が仕えていた教会で色々な問題があり、教会と聖職に対する夢を失っていた」時だという。
そんな意気消沈の中、ある友人が中国家の教会の現状を記した印刷物を送ってくれた。その中にこの詩があった。一読し、「大変感動して涙があふれた。すべてを投げ出したい心境だったが、再び立ち上がる勇気をもらった」
「この詩は私の人生における金字塔です。自分の魂に刻むために曲をつけた」と山中さん。
その後、教会や友人の前でこの歌を歌うようになった。するとすぐに反響があり、「楽譜はないのか」との問い合わせも来るようになった。
特に熱心にCD化を勧めてくれたのが、友人の米田さんだ。こんなエピソードがある。ある時、米田さんがこれから手術を受ける女性に、この歌が入ったテープを贈った。曲を聴いたその女性は「手術のことでくよくよしていた自分が、とてもちっぽけに見えた。勇気をもらった」と感想を述べた。その時米田さんは「この歌をCDにしたいと思った」。
山中さんは言う。「私自身、歌が本職ではないので、CDにするつもりは全くありませんでした。でも、米田さんがこのCD制作を進めてくれたのです」。
山中さんは、この詩との出合いだけでなく、在米中から迫害下の国から来たクリスチャンとの交流が多かったと振り返る。「その多くは共産圏の国から来たクリスチャン。彼らは母国ではつらい思いをしていたが、とても輝いていた。旧ソ連から来た神学生に、迫害下に書き写したという手書きの聖書を見せてもらった時はショックだった」。これら殉教者の信仰に触れるうちに教えられたのが、日本やアメリカなど先進国の教会と迫害下の教会との違いだった。「先進国の教会の興味は、例えば『自分らしく生きる』ことや、『束縛や傷からの解放』など。でも迫害下の教会は自分に関することにはもはや興味がないようだ。彼らは良い意味で地上生活を諦観的に見つめている。「この地に良いものなど何もない」といった悟りと、強烈な天国への憧れの間で、彼らは不思議な光を放ちながら生きている。どちらが初代教会に似ているかと言えば、明らかに迫害下の教会だと思う」
山中さんは、「初代教会」とその霊性を維持する「迫害下の教会」のことを「世界水準の教会」と呼び、自らの牧会と教会形成の指針としている。「世界水準、つまり世界で言うところの『普通のキリスト教』とはどんなキリスト教なのか。それが初代教会のものと一致する事実に気づかされる時、私たちは自分の殻が破られるという体験を通る。この中国人伝道者は一粒の麦となり、その力をこの詩に込めた。日本のリバイバルに貢献することを確信する」
CDは1枚千円税込。収益金の一部はアジア宣教の働きのために寄付される。問い合わせは、TEL&FAX:045・641・6468、横浜オンヌリキリスト教会まで。