[CSD]2006年 7月9日号ヘッドライン

[CSD]2006年 7月9日《ヘッドライン》
 = 1面 ニュース=
★日本文化と信仰の融合を——茶の湯の心で読む聖書
★教会協力と宣教協力の実——西日本宣教セミナーが30回目

 = 2 面 ニュース=
◎再開発で街中に特養——コンビニ・市営住宅との複合施設「宮城キングス・タウン」開設
◎ワールド・ビジョン・ジャパンがWVJアソシエート・アーティスト活動を開始
★「否定的言葉は人を殺す」——教会成長セミナーでチョー・ヨンギ氏
★子どもの怒りの最大の原因は親——チア・にっぽんがコンベンション
★<落ち穂>日本軍山西省残留問題を正面から問うドキュメンタリー映画「蟻の兵隊」

 = 3 面 クリスチャンライフ=
◎「地域に仕え、教会に仕える」を目的に——祈りと賛美の会社「五つのパン」
★<暮らしの中の信仰>レシピは集めたが 記・東後 勝明

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★「大失敗」が出発点に——是久 昌信さん[上]([有]グレイス代表取締役)
★新連載<ザ・ゴールデンルール>[1]人間存在、原理が凝縮 記・田上昌賢

 = 5 面 牧会/神学/社会=
★講演:国際聖書フォーラム2006より[1]「神」の訳語をめぐる造語とその限界 講演:ミン・ヨンジン
★<オピニオン>憲法判断を避けた最高裁判決 記・辻子 実

 = 6・7 面 葬儀特集=
★葬儀通して福音を伝える——(有)ナザレ企画
★問われる「葬儀の神学」——葬儀業者任せに出来ない課題
★意志を表現する生前葬——墓碑に刻む人生 (株)山本石材店
★「死に備える」関連チェックリスト

 = 8・9 面 特集/矯正施設伝道=
★教会に来られない人に牧師として何ができるか——愛知・内村撒母耳氏
★新たな犯罪防ぐには抜本的な改革必要——東京・黒木安信氏
★神は無きに等しい者をあえて選ばれた——大阪・西本誠一郎氏
★刑務所は社会の縮図を表すリトマス試験紙——茨城・唐沢 伝氏
★世界各地の刑務所を慰問——歌手・森 祐理さん

 = 10 面 教会学校=
★<いまどき子ども事情>子どもの好奇心に知的に応じる 記・福井 誠
★<分級アイデア>パン!と大きな音がする「ペーパークラッカー」 記・石橋えり子

 = 11 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★BOOK:『キレる子どもたち』ルー・プリオロ著(ホームスクーリング・ビジョン、1680円)
★BOOK:『小さなおいのりのたび』ロイス・ロック文、アリソン・ジョイ絵(いのちのことば社、1680円)
★BOOK:『ふり返れば、そこにイエス』上林順一郎著(コイノニア社、1680円)
★REVIEW:『聖書は誰のものか』J・ペリカン著(教文館、2625円)

 = 12 面 ひと=
★クリスチャン流「絶対自分主義!」——ロックミュージシャン クリスタル・マイヤーズ

 = 別刷り 世界宣教・国際協力ガイド=
★派遣団体ガイド
★国際協力スタッフ・宣教師ガイド

再開発で街中に特養−−コンビニ・市営住宅との複合施設「宮城キングス・タウン」開設=060709020

 宮城県の県北、気仙沼市に社会福祉法人キングス・ガーデン宮城(佐藤春子理事長)がケアハウス「南三陸キングス・ガーデン」を開設して10年目の今年、複合福祉施設「キングス・タウン」(森正義施設長)を開設した。
 同複合施設は、市の再開発事業の一環として建てられた。特別養護老人ホーム、ショートステイ、通常型デイサービス、認知症対応デイサービス、在宅介護支援センター等を擁するキングス・タウンは4月にオープンし、6月9日には、法人創立10周年とキングス・タウン開設の記念式典を気仙沼市内のホテルで開いた。
 キングス・ガーデン宮城が加わった今回の事業は、気仙沼市役所近くの中心市街地再開発事業で、特養を中核とする福祉施設のキングス・タウンのほか、コンビニエンスストア、市営住宅、分譲住宅を抱える複合施設。特養を含む再開発事業は全国でも初という。
 この再開発事業は15年前に基本計画が立てられていたが、核になる施設が見つからず、計画が進展しないままになっていたもの。それが6年前にキングス・ガーデン宮城が作成したシルバーハウジング構想のプランが市にわたり、具体化したもの。
 キングス・ガーデン宮城は、事業組合に参加、途中からは地権者としてもこの事業にかかわった。鉄筋コンクリート8階建て、気仙沼市内で一番の高さを誇る建造物として竣工した。
 佐藤春子理事長は「今回気仙沼市の再開発事業に組み込まれ大きな事業にかかわれたことは感謝。町中に福祉の拠点を作ることで地域への貢献ができることも感謝なこと」と記念式典であいさつした。
 また、施設長の森正義氏は「町づくりの一環として福祉施設を作ったのは全国初。特養が町中にあることで孤立感がないと思います。実際見舞いにこられる方も目にみて多くあります。これからの地域福祉、施設福祉のあり方も変わっていくのではないでしょうか」と語る。
 キングス・ガーデン宮城は現在、今回オープンした特養のほか、ケアハウス、高齢者グループホーム、2か所での訪問介護、4つのデイサービス、訪問看護、ショートステイなど高齢者福祉全般の働きを進めているが、近年は、福祉ショップ、小規模福祉作業所「潮吹きの里作業所」、障がい者ホームヘルプ事業などの障がい者福祉への働きが広がっている。
 「高齢者福祉から始まり、困っている人たちのニーズに応えていくうちに、障がい者にもかかわらざるを得なくなったということです。キングス・ガーデンと言えば高齢者福祉でしたが、これからその働きと使命はもっと広がっていかざるを得なくなると思います」と森施設長は語る。
 キングス・タウン〒988-0085宮城県気仙沼市三日町3ノ1ノ1、TEL:0226・24・3001。

ワールド・ビジョン・ジャパンがWVJアソシエート・アーティスト活動を開始=0607090202

 貧困や困難な状況にある世界の子どもたちのために支援活動を続ける特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)。
 同団体は、キリスト教精神に基づく活動を続けてきたが、さらに活動の幅を広げ「WVJアソシエート・アーティスト活動」を行うことを6月5日、記者会見で発表した。
 WVJアソシエート・アーティストは、クリスチャン芸術家のボランティア。困難な状況の中で生きる開発途上国の子どもたちへの支援、子どもたちを取り巻く様々な問題について啓発活動を行う。趣旨に賛同し、集まったアーティストはシンガーソングライターの泉堅、岩渕まこと、現代的な教会音楽の創作、作詞作曲家の久米小百合、ボーカルデュオのたまりの、トランペット奏者、ピアノ伴奏の戸部豊、生恵、福音歌手の森祐理の各氏。
 それぞれのアーティストとしての活動を通じて、WVJの活動に協力するほかチャリティーイベントへの参加をする。
 「娘を天国に送ってから、子どものために何かしたいと思っていた」(岩渕)、「母となってから具体的に被災地の母子のことを思うようになった」(久米)、「弟を阪神大震災で亡くした。特に苦しみのある人のために何でも協力したいと思う」(森)、と自らの経験からこの活動への思いを熱くするアーティストも多い。
 「子どもたちに温かいものを届けたい。あなた自身が大切な存在だと伝えたい」(泉)、「子どもたちが元気になるような曲や、現地の曲を奏でたい」(戸部豊)、「どこに生まれるかは選べない。貧しい国に生まれた子どもたちのために働けることは感謝」(戸部生恵)、「メキシコに留学中、神に造られたことは知っていても神に愛されていることを知らないという子どもたちに出会った。神様に愛されていることを伝えたい」(たまりの・珠乃)、「友人を亡くし、人間はいつ死ぬか分からないと思った。今伝えたい」(たまりの・梨乃)、など、それぞれが子どもたちへのメッセージを音楽に込める。
 WVJ事務局長の片山信彦氏は「自分の賜物を子どもたちのために生かしてくださるアーティストに感謝している。できれば1年に1回はまとまって活動をしたい。まずは思いを一つにするために現地へのツアーなども検討したい」と語った。

「地域に仕え、教会に仕える」を目的に−−祈りと賛美の会社「五つのパン」=0607090301

 クリスチャンの証の本やDVD製作、聖書の言葉入り、はがきやしおり作りなど、様々な事業を展開して「福音の前進のために仕える」有限会社「五つのパン」(横浜市都筑区)。2002年5月に設立した同社の背後には、代表である岩永敏朗さんの熱い思いと、所属する日本バプテスト・バイブル・フェローシップ港北ニュータウン聖書バプテスト教会(鹿毛独歩牧師)の祈りがある。  岩永さんは、元大手商社のビジネスマン。妻千里さんとの出会いをきっかけに信仰をもち、「出世、業績などの競争を脱して、労働を通して主の栄光を現したい」と願うようになった。祈り模索する中で、聖書の「神の国とその義とをまず第一に求めなさい」(マタイ6・33)の言葉に従い、毎週水曜の祈祷会には必ず出席することを決めた。しかし、平日の5時に退社することはビジネスマンにとっては難しく、「ののしられた」ことも。それでも決めたことを曲げない岩永さんの姿は、次第に職場の理解も得られ、「水曜日は、5時には岩永さんを帰そう」という空気に変わっていった。
 水曜の祈祷会はもちろんのこと、鹿毛牧師と月に1度始めた徹夜祈祷会でも新たな道を求め祈り続けた。いつしかそれは教会全体の祈りになり、徹夜祈祷会に参加するメンバーも増えていった。「労働を通して主の栄光を現したい」という岩永さんの思いはますます強くなり00年3月、15年勤めた会社を退職。アルバイトで生計を立て、準備を進めた。収入は激減したが、「祈りと多くの犠牲に支えられながら、牧会の大切なことを身をもって学びました。また、この学びの期間、弱さの中にあって聖書の言葉が輝くような、さまざまな出会いが与えられました。教会に集われた一人ひとりの生活の困難や求め、苦悩や叫びから、具体的に何を祈り、何をなすべきかということが明らかになりました」と当時を振り返る。
 アルバイト時に出会った精神障がいの青年や肢体不自由の青年が、苦しみながらも神の愛を知り、救われる姿を目の当たりにした岩永さんは「弱さをもった人々と祈り、賛美の中で励まし合いながら働けるような場を作りたい」と強く願うようになった。
 退職して2年後、?コリント9章22、23節と12章22節、詩篇27篇4節の言葉に確信を得、教会で一丸となって続けてきた祈りが、精神障がい者へのホームヘルプサービスを行う有限会社「五つのパン」の設立となった。04年6月には、地域のより多くの人の必要に応えていくため、「五つのパン」の福祉的な働きをNPO法人「Five-breads」として立ち上げた。「弱さを隠さず、かえってそれを絆として希望をもって生きること、働く喜びに満たされて、地域社会の一員として暮らすこと、一人ひとりがかけがえのない人間として、違いを認め合い、許し合い、支え合いながら、共に歩んでいくこと、これが『Five-breads』の願いです」。現在、「Five-breads」では障がい者の生活支援や就労場所の提供などを行い、「五つのパン」では本やDVD、聖書の言葉入りのマグカップやしおりなどの製作を行っている。
 オフィスには気軽に地域の人々や教会員が集まり、ハーブティーを飲みながら岩永さんらスタッフとおしゃべりをしていく(五つのパン「SHOP&CAFE」)。家庭内暴力などに悩む人が、証の本やDVDを見て聖書の言葉に触れ、教会へとつながったことも。「地域の福音を求める方々のやすらぎの場所として、集われた方々の賜物が用いられる場としていただければ」と、願っている。「5つのパンと2匹の魚をささげた少年のように、私たちも持っているものはわずかですが、神様を愛し、人々を愛し、祈りと賛美をもって多くの人の喜びのために仕えていきたいと望んでいます」と語る。現在五つのパンでは、イラストや写真、商品を、「SHOP」での販売以外にネット上で展示・販売する事業「デザイナーズBANK」の準備を進めている。
 問い合わせはTEL:045・947・1778 ホームページ=http://homepage2.nifty.com/five-breads/