[CSD]2006年 9月10日《ヘッドライン》

[CSD]2006年 9月10日《ヘッドライン》
 = 1面 ニュース=
◎シンポジウム地方伝道を考える:無牧教会の増加を危惧——若者に役割与える牧会を
★韓国:統一協会信徒ら700人が新聞社を占拠——「大解剖統一教会王国」の記事に抗議行動

 = 2 面 ニュース=
★新旧の賛美を新しい心で——聖霊の力に焦点当てミクタムからワーシップCD
◎広がる小泉首相靖国参拝の波紋——改憲の流れに危惧
★日本人伝道へ熱い思い——南加クリスチャン・リトリート10周年記念集会
★<落ち穂>上海でのある洗礼式

 = 3 面 クリスチャンライフ=
◎地域に浸透、ベースボールクリニック——JECA・本郷台キリスト教会
CSD2405
★「一般でもいける」とエール——Migiwaの新CD「蟻と宇宙」にタケカワユキヒデも参加
★<暮らしの中の信仰>孫娘に教えられる 記・東後 勝明

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★父の会社が倒産、不動産鑑定士へ黒木 中(あたる)さん[下]([株]新都市不動産鑑定代表取締役社長)
★新<池田守男に聞くサーバントリーダーシップ>[1]自分に偽らず、誠実に生きたい

 = 5 面 牧会/神学/社会=
★講演:福音主義神学会東部部会研究会より[5]神のしもべか、貪欲な獣か<5> 内田和彦
★<オピニオン>弱くてもいい、と何故言えないのか 記・有北いくこ

 = 6・7 面 全面広告=
☆10月16日は世界食料デー 主催:世界食料デー実行委員会/日本国際飢餓対策機構
ホームページ http://www.fhi.net/jifh/
 = 8・9 面 地域宣教特集/東北=
★使命分かち合い希望の時代へ——東北宣教繋ぐ東北教役者会40周年へ
★東北圏の基本データと特色
★移転新装開店から1周年——ゴスペルショップ「オアシス仙台店」
★東北6県の宣教事始め

 = 10 面 教会学校=
★<いまどき子ども事情>「いまどきの子ども」その本質とは? 記・福井 誠
★<CS分級アイデア>画用紙で自分だけのジグソーパズル 記・石橋えり子

 = 11 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★CD:「蟻と宇宙」Migiwa(ライフ・ミュージック、1,500円税込)
★BOOK:『祈れないほど忙しい』ビル・ハイベルズ著(福音社、1,575円税込)
★BOOK:『ザ・マーク』ティム・ラヘイ/ジェリー・ジェンキンズ共著(いのちのことば社、2,100円)
★REVIEW:『ルカ福音書講解 1巻:1~2章』榊原康夫著(教文館、3,780円税込)

 = 12 面 ひと=
★ダンスは人生そのものです——ダンス講師・ダンサー 馬場賛恵(たたえ)さん



シンポジウム地方伝道を考える:無牧教会の増加を危惧−−若者に役割与える牧会を=0609100101

 8月22、23日の2日間、茨城県立吾国山洗心館で第7回シンポジウム「地方伝道を考える─自立と連帯─」(北関東神学研修センター主催)が開催された。このシンポジウムは「日本における人口の主要都市集中化に伴う地方教会の過疎化、無牧化などの問題を何とか打開するために」と始められた。発起人は、神山和典(福音伝道・宇都宮教会牧師)、斎藤篤美(同盟基督・衣笠中央キリスト教会牧師)、山口勝政(JECA・八郷キリスト教会牧師)、櫛田節夫(JECA・坂出白金キリスト教会牧師)の各氏ら。  最初の発題者・霜田実氏(JECA・笠間キリスト福音教会牧師)は、「このまま無牧の教会が増えていったらどうなるだろうか。伝道者の社会参加と地域社会への浸透、信徒の伝道者化がなされなければ、日本の福音派は危機に陥るのでは。適切な指導のもと、何もかも牧師頼りでなく複数教会の牧会や信徒伝道者など、これからの教会は教会員総ぐるみで臨むべき」と語った。
 「若者たちに役割を与える牧会的配慮が必要」と言う霜田氏。青年信徒らに祈祷会の司会、証やショートメッセージなどの奉仕の機会を与え、信徒が礼拝に「出席」ではなく「参加」意識をもつよう配慮してきた。
 「第2次大戦終戦の45年から今日までに、青年犯罪が多発した3回の波があった。現在は、小子化や心のしつけの欠落から凶悪犯罪が目立つ第4の波が来ているように思う。青少年の心の荒れを鎮め、心の豊かさを育てるため、救いの福音を託されている教会や教会学校の指導者はこのことに意を用いてほしい」と語った。
 「便利さと豊かさに頼り、心のしつけが欠落してきたといわれる現代、子どもたちに目標、良い自己像をもたせることが必要。青少年育成国民会議の資料によると、刑法犯少年の46・4%が家庭に問題(親の不仲)があったという。問題を起こさない生徒は、先生や大人に認められた喜びの経験をもち、親から愛されている実感をもっているため、先生や親に愛着をもっている」とも。
 地方教会の活性化のため「地方教会強化年の設定」「地方教会活性化にモデル教会設置」なども提言。「キリスト教会の不得意さが目立つのは、宣伝と協力では」とチャレンジした。
 2日目のパネルディスカッションでは、中田智之(南米宣教会ブラジル宣教師)、本多公久(JECA・横浜キリスト福音教会牧師)、鈴木邦夫(同盟基督・町田南キリスト教会牧師)、後藤一子(東洋福音・相馬キリスト福音教会牧師)、中林篤朗(福音伝道・佐野オリーブ教会牧師)の各氏が、それぞれの立場から地方教会の現状・今後の展望について語った。牧師・信徒の高齢化、牧師の人材不足、教会の老朽化、都市と地方の格差など、その問題意識に共通点も多く見られた。
 閉会礼拝において山口勝政氏は「自らも地方伝道で苦労してきた者として、全国にいる同じような状況にある先生方となんとか連帯を組むことができないだろうか、互いに助け合うことはできないだろうかとの思いから、活動を続けている。聖霊のお働きにより、地方伝道への熱意が各地で燃え上がることを期待する」と締めくくった。

現場にいる人たちこそ成功を達成する動力−−ミッシェル・メストレ氏講演から=0608200402

 東京・品川区東品川の天王洲セントラルタワーで7月22日行われた「VIPマネジメントセミナー」(インターナショナルVIPクラブ主催)では、ミッシェル・メストレ氏(米国バイオラ大学経営学部国際ビジネス経営学部教授)が講演。日産自動車のカルロス・ゴーン社長、ウイリアム・ブラトン元ニューヨーク市警本部長、預言者ネヘミヤの3人を取り上げ、そのリーダーシップの共通点について語った。その一部を紹介する。
     ◇
 3人の共通点は何でしょうか? それは実現可能と思われることに立ち向かったことです。
 日産のゴーン社長は2年間で日産を立て直しました。ルノー社が日産に投資するということを聞いた時、私は「ルノー社もついに狂った」と思いました。ネヘミヤは52日間でエルサレムの神殿を再建しました。外の壁を造るだけでなく、中身の組織も立て直した人です。ブラトン氏は2年間でニューヨークの犯罪率を大幅に下げました。
 3人とも短期間で成功を収めていますが、それぞれの行動には共通のキーとなるやり方があるのが見受けられます。 1.個人のスタンダードを持っている、 2.実際的な知識を持っている、 3.高い期待を持っている、 4.問題に真正面からぶつかっている、 5.最下層にまで説明責任を求めている、 6.全員参加で成り立っている、 7.業績が目に見えるようになっている。 これらが戦略の共通点です。
 ネヘミヤはどのように問題があることに気づいたのでしょうか? ネヘミヤは、実際に外の人と話をし、自分の足ですべての状況を視察し、把握しに行ったわけです。ブラトン氏がしたことは、現場の刑事と共に現場を見に行ったことです。実際に一緒にパトカーに乗って、遭遇する事件、問題を見ることで現場の人たちが何に問題を感じているのかを知ったのです。ゴーン氏は、一人ひとりに報告を求める説明責任を持たせて信頼を上げていったわけです。
 このことから、問題の対処法としてどこから手をつければいいのでしょうか? まず、自分の組織で起こっていることを知っていますか? 日本では現場という言葉を用いますが、役員の方々は現場に足を運んでいるでしょうか? 自分のところに来る報告書だけで経営判断してはダメです。
 真理はあなたを自由にします。これはビジネスでも非常に重要な原則となります。成功を助け、達成する動力となるのは、現場にいる人たちです。その求められている社員が自由に働け、動機づけられ、生産性を上げられる環境を作ってあげることが、経営者の責任なのです。

広がる小泉首相靖国参拝の波紋−−改憲の流れに危惧=0609100202

 日本同盟基督教団「教会と国家」委員会(朝岡勝委員長)は小泉純一郎首相の靖国神社参拝に対し、抗議声明を採択した。
 声明では、内閣総理大臣の靖国神社参拝は、いかなる理由、いかなる形式であれ、特定の宗教団体に対する国としての政治的関与であると指摘。さらに、A級戦犯が合祀されている靖国神社は、日本の侵略戦争を大いに正当化するものであり、参拝は、自衛隊の海外派遣、教育基本法や憲法「改正」の動きとともに、再び人々を戦争へと駆り立てる靖国神社の機能を強化するものに他ならないと抗議した。また、小泉首相の後継として有力視されている安部晋三官房長官の靖国参拝に関する発言も憂慮し、今後、このようなことが二度と起こらぬようにと、中止を強く求めた。
 日本キリスト者医科連盟は8月20日の第58回総会で、小泉純一郎首相と石原慎太郎東京都知事に宛てた靖国神社参拝抗議声明、及び、改憲のための国民投票法案と教育基本法改悪に反対する声明を採択した。
 抗議声明では、戦時中、大日本帝国憲法下で「国家神道」として国家と宗教が一体化することにより、先輩キリスト者など多くの「戦争反対」の声が弾圧されたこと、また「国家神道」の象徴である靖国神社が侵略戦争の精神的支柱となったことに触れ、そのために戦後、日本国憲法第20条「信教の自由」が制定されたと言及。このような歴史の教訓があるにもかかわらず、天皇、首相、閣僚などの公式参拝を実現しようとする声があり、小泉首相や石原都知事の参拝は、それらの実現の疑惑を抱かせるものである。憲法を尊重し擁護する義務を負う公務員はすべて、このような疑惑を抱かせる行為をすべきではないとし、今後の参拝中止を強く要請した。
 反対声明では、05年10月に公表された自民党新憲法草案の目的は、「国際協調主義」の名の下に、米国等の軍隊とともに武力を用いて他国に介入できるようにすることにほかならないと主張。政教分離を定めた第20条3項を変えることは、首相らの靖国参拝を合憲にし、公式参拝による「新たな戦死者」の追悼を視野に入れていると憂慮した。この「新憲法」制定のための国民投票法案や、教育基本法「改正」案が秋の国会に向けて継続審議となっていることを危惧し、「私たち一人ひとりが『平和をつくりだす人』でありたい」と、平和憲法の堅持を求めた。
 

地域に浸透、ベースボールクリニック−−JECA・本郷台キリスト教会=0609100301

 世界各国でスポーツを通して伝道を展開する「Unlimited Potential,Inc」(UPI)。毎年8月、「日本の子どもたちに野球を通して福音を」との願いから、元メジャーリーガーらが来日し、首都圏の教会を中心に子どもたちへの野球指導に当たっている。JECA・本郷台キリスト教会(池田博牧師)による「ベースボール・クリニック」の開催は今年で4回目。常連の子どもたちが増え、地域にも徐々に浸透しつつある。  同教会主催によるクリニックは、今年は横浜市栄区の小菅ヶ谷スポーツ広場で8月21、23、24日の3日間開催。元メジャーリーガーでUPI国際部門部長のミッキー・ウエストンさん、カイル・アボットさん、現役メジャーリーガーのティム・ドリューさんがメインコーチとして来日した。21日の午前には、読売ジャイアンツのジョー・ディロン内野手、ジョージ・アリアス内野手が試合前の時間を利用し、スペシャルゲストとして駆けつけた。日程調節が難しい中での参加は、「野球だけでなく、子どもたちに最も伝えたいことがある」ためだ。あこがれの選手を目の前にした子どもたちの感激は大きく、クリニックの人気の一つでもある。コーチ陣は、グラウンドに広がって練習する子どもたちを見て回りながら、手本を示したり腕を取って直接アドバイスをしていた。証タイムでは、ディロン選手が「野球だけでは埋められなかった心の穴を埋めてくれたのはイエス・キリスト。この1年はケガに悩まされたりと、私にとって困難の年でしたが、今は神様がそばにいて見守ってくれていると信じることができます」と語り、子どもたちは真剣に耳を傾けていた。
 参加者は例年、ホームページやポスティングなどで募集しているが、昨年の参加者や口コミで聞いた子どもたちなどの応募が多数寄せられ、午前の小学4~6年生の部は開催の2、3週間前にはすでに定員の50人を超えた。少年野球チームが参加したり、保護者も子どもの参加に乗り気で、当日はビデオカメラを片手に付き添う親も。クリニックを始めてから、教会の存在が地域により広く知られるようになったという。
 一方で、「参加してくれた子どもたちのフォローアップが今後の課題」と、同教会の池田恵賜ユース牧師は語る。「クリニックをきっかけに、教会のほかのイベントに参加する子どもたちも出てきましたが、そうした子たちに今後どのように働きかけ救いへとつなげていくかが重要です」