[CSD]2006年10月8日《ヘッドライン》

[CSD]2006年10月8日《ヘッドライン》
 = 1面 ニュース=
★教界の声は「安倍首相不支持71.5%」——改憲不可、拉致問題に期待
★「国旗・国歌」義務なし——東京地裁判決で信教の自由も認める

 = 2 面 ニュース=
◎国旗・国歌不服従は信仰の課題——少数者の自由 判決動かす
★あなたならどうする 神か、国家か?——ボンヘッファー生誕100年記念で東條隆進氏講演
★ピースリボン裁判控訴審へ支持集会
◎「今こそ教会が立ち上がる時」——平良夏芽牧師を逮捕拘束
★<落ち穂>教育基本法の目標に逆行する「通達」強制

 = 3 面 クリスチャンライフ=
★いつでもどこでも誰でも祝福される——北米東海岸日本語教会が合同ファミリーキャンプ
★朗読と音楽で詩の世界味わう——横浜・星野富弘詩画展オープニングコンサート
★<暮らしの中の信仰>苛立つ一瞬 記・東後 勝明

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★不動産投資家は元アイドル——山本 富美子さん[上](Angel Bank代表取締役社長)
★<ゴールデンルール>[5]物の交換を通じ他者と出会う 記・田上(たのうえ)昌賢

 = 5 面 牧会/神学/社会=
★新連載<私の愛国心>沖縄で基地反対に取り組む[1]平良夏芽——聖書の示す「愛」は命が対象
★<オピニオン>私たちだけでなく、誰であれ——米内宏明 記・

 = 6・7 面 伝道アイテム特集=
★DVD「神が日本に残した指紋」を創造主知る手がかりに——ハワイの「アクアミニストリー」が制作
★「2007-2008 みことばつき手帳」(日本聖書協会、1,470円税込)
★「ギュルラフ訳 ヨハネによる福音書」を朗読CDで(日本聖書協会、7,000円税込)
★個展を伝道の機会に——作品解説で福音伝える 画家・井上達夫さん
◎あの先生の説教をもう一度——パソコンでも聞けるCD「肉声説教集」
★『カラフルソフトせいしょえほん・クリスマス』マンディー・スタンリー絵(CS成長センター、780円税込)
★『こねこのクリスマス』ターシャ・テューダー絵、エフナー・テューダー・ホールムス作(フォレストブックス、1,365円税込)

 = 8・9 面 特集/高齢者[2]=
★クリスチャンの老後の生き方を考える——教会高齢者問題 現実に
★BOOK:『地域福祉のこころ』阿部志郎著(コイノニア社、1,680円税込)
★BOOK:『老いた親が「ひとり」になったとき』河合千恵子監修(河出書房新社、1,470円税込)
★EVENT:「認知症高齢者——本人・家族への支援」ルーテル学院大学主催(11月11日午後1時30分から)
★EVENT:「少子高齢化と医師不足」東京YMCA主催(10月24日午後12時15分から)
★この地上で「天国」知ってほしい——認知症対応グループホームみくに松戸の園
★遠くの孫にメールしたい——バプ連盟・江波キリスト教会「高齢者パソコン教室」

 = 10 面 教会学校=
★<いまどき子ども事情>「ダメだ」信仰にはダメな結果が 記・城倉 翼
★<CS分級アイデア>紙と鉛筆ですぐに遊べる——三角陣取りゲーム 記・石橋えり子

 = 11 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★EVENT:「ワンボイスコンサート」千葉からリバイバルを(10月9日、Tel.0475-89-3900)
★BOOK:『キリストの恵みに憩う』遠藤信勝著(いのちのことば社、1,260円税込)
★REVIEW:『アメリカのキリスト教がわかる』大宮有博著(キリスト新聞社、2,625円税込)

 = 12 面 ひと=
★聖書を羅針盤に困難乗り越え——山本文夫さん


◎国旗・国歌不服従は信仰の課題−−少数者の自由 判決動かす=0610080201

 9月21日の東京地裁判決は、国歌斉唱義務等がないことの確認を求めた原告都立学校教諭らの主張をほぼ全面的に認め、国旗・国歌に対し、宗教上の信仰に準ずる世界観・主義に基づいて起立・斉唱したくない教員に、懲戒処分までして強制するのは少数者の思想良心の自由を侵害すると判断(1面・判決の骨子参照)。原告弁護団は「教育裁判の歴史上、最も優れた画期的判決」と高く評価した。  この裁判は、都教委が03年10月23日、都立高校及び都立盲・ろう・養護学校の校長に対し「入学式及び卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施について」通達を出し、教員らが実施指針どおり国旗に向かって起立し、ピアノ伴奏により国歌斉唱をするよう職務命令を出し、命令に従わない場合は服務上の責任を問われることを告知するよう求めたことが発端。通例「日の丸・君が代」に絡む裁判では、処分後その撤回を求めるのに対し、同裁判では処分以前に通達自体が不法・無効だとして04年1月、原告228人が提訴した。このため通称「予防訴訟」といわれる。その後、同通達に基づく処分者は300人を超え、原告団も401人に増えた。
 判決はその理由の中で、原告らが「自己の信念に従って職務命令を拒否するか、自己の信念に反して職務命令に従うかの岐路に立たされる」「職務命令が違法だった場合に侵害を受ける権利は、思想・良心の自由等の精神的自由権にかかわる権利で…事後救済になじみにくい」などとして予防的請求を認めた。その上で「通達及びこれに関する都教委の一連の指導は教育基本法10条(教育への行政権力の不当な介入の排除)に反し、憲法19条の思想・良心の自由に対し、公共の福祉の観点から許容された制約の範囲を超えている」と実質上の違憲判断を示した。
 注目されるのは、判決が「我が国において、日の丸、君が代は、明治時代以降、第二次世界大戦終了までの間、皇国思想や軍国主義思想の精神的支柱として用いられてきたことがあることは否定しがたい歴史的事実であり、国旗・国歌法により、日の丸、君が代が国旗、国歌と規定された現在においても、なお国民の間で宗教的、政治的にみて日の丸、君が代が価値中立的なものと認められるまでには至っていない」と、歴史認識や宗教面にまで踏み込んだこと。
 また、これに関連して「人の内心領域の精神的活動は外部的行為と密接な関係を有するものであり…国旗に向かって起立したくない、国歌を斉唱したくない、伴奏したくないという思想、良心を持つ教職員にこれらの行為を命じることは…自由権を侵害」すると判断した。これは、外部的行為と内心の自由を分離し、国旗への起立や国歌斉唱、ピアノ伴奏などの「行為」を強要しても内心の自由を侵したことにならない、と言い逃れてきた教育行政の論拠を根底から崩すものだ。
 こうした地裁の判断の背後には、多くの原告らが陳述で、「日の丸・君が代」強要により教員や生徒がいかに思想・良心の自由を踏みにじられ、精神的苦痛を味わわされているか、証言を積み重ねてきたことがある。キリスト者を含む原告らは、それぞれの信仰や信条に基づいて訴えた自分たちの言葉が初めて法廷に届いた、との手応えを感じている。   ピースリボン裁判控訴審へ支援集会  卒業式で思想・良心の自由があることを示そうと胸にリボンを着けたことが「職務専念義務違反」とされ、処分を受けた東京の小学校音楽専科教諭・佐藤美和子さんが、処分の不当性を訴え東京地裁で棄却された、通称「ピースリボン裁判」の控訴審へ向け、支援者らが力を結集しようと10月8日午後6時から国分寺労政会館(JR国分寺駅徒歩3分)で集会を開く。原告、弁護団、意見陳述書の提出者らが話す。参加費500円。
 TEL:042・573・4010。

◎「今こそ教会が立ち上がる時」−−平良夏芽牧師を逮捕拘束=0610080204

 9月25日、事実上の新基地建設地となるキャンプ・シュワブでの抗議活動をしていた日本基督教団うふざと伝道所の平良夏芽牧師が、同基地前で公務執行妨害の現行犯で逮捕された。
 27日午後1時に釈放されたが、その間名護署、名護市役所には抗議の電話、ファクスが集中、名護警察署周辺では「不当逮捕」に抗議する人が取り囲み、騒然とした雰囲気になったという。
 25日午前9時55分、平良氏らはキャンプシュワブ・ゲート前で抗議の座り込みをしていた。調査のためキャンプ内に入ろうとした名護市教育委員会の車を平良氏が制しようとしたところ、車はそれを無視して基地内に進入、その際に平良氏をはねた。幸いけがは軽かったが、平良氏が「ひき逃げだ。警察を呼んでほしい」と訴えたところ、やってきた名護署の警察官に公務執行妨害の現行犯で逮捕された。
 「これは、明らかに抗議活動に圧力を加えようとする不当逮捕。反対運動をつぶす弾圧にほかならない。しかし私たちはこのことでかえってつながりが強くなりました。今後この活動はますますパワーアップしていきます。マルティン・ニーメラーがその詩にしるしたように『しかしその時はすでに手遅れであった』と教会が後悔しないように、今こそ立ち上がってほしい」と、平良氏は釈放後に語った。

◎あの先生の説教をもう一度−−パソコンでも聞けるCD「肉声説教集」=0610080702

 1枚のCDに45時間の録音ができて、テープから取り込んだ何十という説教を目次から検索して聞ける説教集『肉声説教集』を野村富恵さん(恵泉社代表)が発行した。再生するのにデイジー専用再生機(DaisyとはDigital Accessible Information SYstem デジタル音声情報システムの略)を使ったり、またはパソコンに、無償のデイジー読み取りソフトをダウンロードする、MP3のままで聞く、MP3対応のCDプレーヤーでも再生可能な新しいタイプの説教集だ。
 「あの先生の説教をもう一度聞いてみたい」と故人の説教者・他教団の牧師の説教を通して「用いられた器、用いられている器を通して語られた主の恵みを皆で分かち合おう」と今、15人ほどの説教者の説教が既刊・企画されている。
 制作者の野村さんは、視覚障害者二級で矯正視力0.2、視野10度未満の不自由さの中、日本点字図書館が制作した新共同訳旧新約聖書デイジー版(6桁の数字で旧新約全巻のどこでも節単位に頭出しができる)と出合った。「これはすばらしい」と、説教集を作ることを思い立った。そんな時、知人から「それ、パソコンでも聞けるようにならないかね」と注文が付き、「それが可能なら更に需要が増える」と試行錯誤しながら、『肉声説教集』にたどり着いたという。野村さんは「『あなたがたの中に知恵の欠けた人がいるなら、その人は、だれにでも惜しげなく、とがめることなくお与えになる神に願いなさい。そうすればきっと与えられます』(ヤコブ1・5)と神が教えてくれた」と語る。
 40年以上前のテープによる録音は劣化が始まっているが、CDに焼くことで劣化の少ない保存が可能になった。価格は収録時間により異なるが、2千500円から(送料別途)とテープの説教集と比べ値段も安く、手に入りやすい。資料としての価値もあるシリーズ。
 問い合わせ先=恵泉社代表野村富恵、〒175-0082東京都板橋区高島平2ノ33ノ4ノ101、TEL:03・3934・5851、FAX:03・3934・7271
URL=http://www.k2.dion.ne.jp/~seishyo/osirase/sekkyoushuu.htm(肉声説教集)