[CSD]2006年10月29日《ヘッドライン》

[CSD]2006年10月29日《ヘッドライン》
 = 1面 ニュース=
★世界宣教へのうねりを起こす——聖霊宣教大会閉幕
★メシアニックの会衆導くアラブ人牧師——シムエル・アウェイダ氏来日

 = 2 面 ニュース=
◎迫害が進む中での祈り——聖霊宣教大会で中国・地下教会のリーダーが証
★神様が有罪だった人生を変えてくれた——メルボルン事件の勝野良男氏が証
★ユダヤ人伝道への協力を要請——メシアニック・ジュー指導者ヨセフ・シュラム氏来日
★霊的な介護含めた統合化を——第15回キングス・ガーデン連合研修会
★<落ち穂>アーミッシュの少女の最期の言葉

 = 3 面 クリスチャンライフ=
◎父から娘夫婦へ宣教のバトンタッチ——ペルー宣教師・田口吉元氏からみのり・ルーカス夫妻へ
★ペルー・日秘福音教会2期目の奉仕に出発——川崎淳・亮子宣教師夫妻
★<暮らしの中の信仰>[最終回]運命と摂理 記・東後 勝明

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★自分にしかない翼広げ——山本 富美子さん[下](Angel Bank代表取締役社長)
★<池田守男に聞くサーバントリーダーシップ>[3]社長が組織の一番下で全体を支える

 = 5 面 牧会/神学/社会=
★<私の愛国心>[3]東京の学校を縛る「愛国心」 記・岡田 明
★<オピニオン>「優先順位」「目標管理」とはひと味違う手帳 記・藤掛 明

 = 6・7 面 放送伝道特集=
★無牧教会・離島の必要にも応えて——BSデジタル「ゴスペル・ジェネレーション」
★「ラジオ大阪」から福音を——「VIPアメージング インタビュー」
★「草の根」の人々に寄り添い——ラジオ伝道「まことの救い」
★目的は視聴者と地域の教会の架け橋——福音テレビ番組「ゴスペルアワー」

 = 8・9 面 特集/現代に生きる宣教と神学 =
★宣教の視点から見たウェスレーの聖餐論——信仰の回復、変容の場としての聖餐 記・坂本 誠
★ジョン・ウェスレー略伝

 = 10 面 教会学校=
★励ましと勇気与える「ユースライブ」開催——「心から主に歌えた」と参加者も満足
★<CS分級アイデア>ゲームで学習環境を整える 記・篠田真宏

 = 11 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★EVENT:ヒルソング・ユナイテッド・ライブ東京'2006(11月19日:東京・青山講堂)
★CD:「Dying For A Heart」クリスタル・マイヤーズ(ライフミュージック、2,000円税込=2ヶ月間限定価格)
★REVIEW:『人は無理数で生きる』田上昌賢著(アイシーメディックス、1,260円税込)

 = 12 面 ひと=
◎迫害下を生きた笑顔の証し人——ブラーザー・ユン(中国・家の教会指導者)



◎迫害が進む中での祈り−−聖霊宣教大会で中国・地下教会のリーダーが証=0610290201

 10月8日から4日間、聖霊宣教大会では4つの聖会、3つのセミナー、20の分科会中、中国での宣教をテーマとしたものが約半数。特に注目を集めたのは著書『天国の人』で知られるブラザー・ユン氏(12面に関連記事)、スー・ヨンツェ氏らの働きだった。  「中国地下教会で最大のグループを形成するリーダーで、その群れの1千万人以上の信徒たちから『霊の父』と慕われ、『中国のビリー・グラハム』とも呼ばれる」と紹介されたスー・ヨンツェ氏。
 ヨンツェ氏は、イザヤ書、マラキ書、黙示録を引用し、「主の栄光は東から現れること」「福音は日の昇るところから始まって、日の下るところに至る」「海沿いの国々から栄光が現される」など、「聖書のいたる所に極東の国・日本のことが記されている」とし、「まず神様は、日本にこの約束を与えられ、御心を日本を通してなさろうとしている。それは、日本の人々が本当に神様を捜し求めるため。日本とは、最後の使命を担った国であること、宣教の導き手であること、そして宣教大国となることを自覚してほしい」と語った。
 ユン氏が奇跡的な脱獄を果たした時にその脱獄の手助けをしたというヨンツェ氏は、「自分たちがどこの牢に送られたのかさえわからない状態の中で、公安に何度も平手で殴られ、鉄の門にくくりつけられ、多くの苦しみを経験した」と振り返る。牢の中でユン氏の釈放のために祈り続けたヨンツェ氏は、聖霊に示されて牢の扉に手を掛けた。鍵がかかっているはずの扉は開き、ユン氏が投獄されている部屋へと導かれることに。そこには、両足の骨を折られ、壁にもたれかかるユン氏の姿があった。「神はあなたを逃がそうとしておられる」と目で合図をし、ことばはかわさずに再びドアを閉めて自分の部屋に戻った。「心臓が飛び出しそうだった。毛布をかぶり、神がユン氏と共にいてくださるよう祈った」。するとまもなくして、ユン氏が牢からいなくなったとの情報をヨンツェ氏は聞いた。
 「誰にこのようなわざができるだろうか。それは私たちの神、アブラハムの神、生ける神。神はこの30年の間に、中国を世界一クリスチャンの多い国にしてくださった。日本でも、それは必ず起こる。主ご自身がリバイバルを起こされる」と語った。
   ◇
 3日目の分科会では佐藤浩氏(AFJ宣教師)・竹内宣雄氏(チャイナ・コーリング宣教師)が中国宣教について、日本人宣教師の視点から語った。96年、アッセンブリー東京メトロチャーチ(林幸司牧師)から宣教師として北京に渡った佐藤氏は、急速なリバイバルにより指導者の不足が深刻化している中国で活動を続けて来た。「49年、70万人いたキリスト者が現在1億人を超えている。その中で異端も増加している。地方教会の70%の人は字が読めず、国の経済発展に伴って若者が都市部へ流れ、農村の過疎化が進んでいる」と、中国宣教の現状について言及。「これから更に上昇するのか、横這ばいか、下降するのか、大きく成長してきた中国宣教は今、過渡期に入っている。新たな指導者の育成、次世代を担う青年クリスチャンの育成、宣教師の育成と派遣が急務」と語った。

◎父から娘夫婦へ宣教のバトンタッチ−−ペルー宣教師・田口吉元氏からみのり・ルーカス夫妻へ=06102

 ペルーで最初の日系人教会・日秘福音教会を首都リマに開拓した田口吉元・悦子元宣教師夫妻の長女みのりさんが、米国人の夫ジョン・ルーカスさんとともにペルーで宣教活動を続けている。このほど家族で来日したみのりさんに、両親の宣教スピリットを受け継いだ現地での活動の様子を聞いた。  田口牧師が家族でペルー宣教に向かったのは1981年。その時みのりさんは14歳だった。リマの高校を卒業した後、父の知り合いを頼ってカナダの大学に留学した。大学でブラジル、ペルーなど南米5か国で宣教活動をしている南アメリカミッションの働きを知り、団体のサマーチームに参加した。その時はまだ、宣教師になろうと思っていたわけではなく、行き先にペルーを選んだのは「ついでに実家に帰れるし」という軽い気持ちだったという。だが、インディオ宣教の現場の村に6週間住み込んでの経験は、みのりさんを新しい境地に押し出した。
 「それまでは宣教師の子として親についていくだけでした。初めて自分で宣教チームに加わってシピーボ族を知り、そこで働きたいという願いが起こされたのです」
 シピーボ族の住むプカルパは、リマからアンデス山脈を越えて軽飛行機で1時間、車なら24時間かかるアマゾン源流の地域。村人の教会はあるが、そこに立つ現地の牧師の養成を必要としていた。政府の方針で、環境保護の観点からアマゾン流域には今後、外国人が住むことが難しい。その地域の宣教は将来、インディオ自身が携わることになる。そのため南アメリカミッションでは、現地の献身者を訓練する聖書学校の働きに力を入れていた。
 ジョンさんと知り合ったのは2回目のサマーチームで。ジョンさんはグラフィックアーティストの仕事をしていたが、教会の弟子訓練に参加して宣教に目が開かれ、サマーチームに参加。帰国後祈りの中でペルー宣教に対する思いがどんどん強くなり、もう一度サマーチームに参加してみのりさんに出会った。ビジョンが一致した2人は1年後には結婚。91年からプカルパに入り、聖書学校などでの働きにあたっている。
 宣教団の総務・財務も担当するジョンさんの願いは「聖書を基にしたマネージメントを教え、財政的なことも任せられるリーダーを育てたい」。みのりさんは、聖書学校で学ぶためのスペイン語のほか、女性たちに衛生指導や裁縫も教える。卒業後、村々に帰っていく献身者たちが実際的な奉仕ができるように、と。「現地の人たちが福音を伝えていくことが目標です。卒業生の中から、別の部族への宣教師も出てきてほしい」
 ペルー宣教への重荷を娘が引き継ぐことになったことについて、04年に引退・帰国した田口吉元氏は「親として、初めは娘も親と同じ苦労をするの? と思いましたが、今は奥地で苦労するのはいいことだと思います」と目を細めている。

◎迫害下を生きた笑顔の証し人−−ブラーザー・ユン(中国・家の教会指導者)=0610291201

 「聖霊宣教大会」講師で『天国の人』著者である中国家の教会指導者・ブラザー・ユン氏。16歳の時に主の召しを受けて伝道を開始し、その福音宣教のために公安当局から迫害を受け、4回の投獄と30回にわたる拘留を体験。97年に奇跡的に中国を出国し、現在はドイツを活動の拠点に「エルサレムから始まった福音を、中国からエルサレムまで伝えて行こう」という「バック・トゥー・エルサレム」運動推進者として世界中で巡回奉仕をしている。想像を絶する迫害下を通ってきたにもかかわらず、いつも穏やかで笑顔を絶やさないユン氏にインタビューした。 ―日本の印象について教えてください。
 来日は今回初めて。今まで日本のため祈り続けてきました。集会では、本当に皆さんが飢え渇いて来られているのを感じました。中国を造り変えてくださった神様は、日本をも造り変えてくださいます。
 中国の兄弟姉妹は日本を本当に愛していますし、日本の人たちの祈りに対しても感謝しています。もちろん、日本と中国の間には暗い歴史がありますが、主イエス・キリストの血潮を通し本当に一つになっていくと信じています。日本と中国の教会がまず主において一つとなって愛し合っていけば、その力が政府にも及んでいくと思います。私はアジアが復興し、最終的に福音がエルサレムに伝わっていくことを願っていますが、そのことで日本と中国は一つとなって闘っていけるのではないでしょうか?
―日本では迫害よりも罪、誘惑への妥協のほうが試練です。ユンさんの激しい迫害下の証をどう日本人に適用すべきでしょうか?
 日本では別の意味で圧迫があります。中国人には中国人、日本人には日本人の十字架がある。でもその重みは変わらないし、どんな場合でも十字架を負って主に従っていくことが一番大事。もし熱くもなく、冷たくもない状態で日本のクリスチャンたちが生活し、福音を伝えないならば、迫害は来ません。悪魔は、生ぬるい教会は全然怖くないですから。
 私たちはイエスを主と告白したために牢屋に入れられました。私たちの信仰生活が熱くも冷たくもなく生ぬるい状態だったら、牢屋に入ることはなかったでしょう。もし、日本に中国のような迫害が訪れ、牢屋に入れられても福音を勇敢に伝えていくならば、また殉教が起こっていったとしたならば、その時日本にリバイバルが起こるでしょう。
―迫害下ではどうしても恐れが来ます。その恐れをどう克服するのですか?
 迫害が来たその時、必ず神様は一人ひとりに力と命と、恐れ勇敢に戦う力を与えてくださいます。また、迫害を受けた人たちのために祈るなら、それによりリバイバルされていきます。
 迫害が来て誰かが捕まった時、教会では祈りが生じ、私たちも「神様怖いです、助けて下さい」と必死に祈る。それを通して教会が本当に生き生きとして力強くなっていく。迫害が祈りを、祈りがリバイバルを起こすのです。実は日本にも迫害がいっぱいあります。それは麻薬や性的な誘惑など。これらのものから逃れられるよう祈らないといけません。
―ユン氏は『天国の人』で有名になりました。有名になると堕落してしまうことがある。その危険から守られるため、どういうことを心がけているか?
 私は一度も自分が有名人だと考えたことはありません。今も自分は小さく弱く、愚かな存在です。ただ、いただいている福音が世界各地に伝わり、そして最後にエルサレムに伝わってイスラエルの人たちが救われていくこと、またキリストが私をどう思ってくださるかだけが関心事です。
 私の願いは、私が天に移された時「よくやった。良き忠実な僕よ」と言ってもらうことです。聖書の御言葉が本当に一人ひとりに伝わり、主が崇められていくこと、それが私の望みです。