[CSD]2007年2月25日《ヘッドライン》

[CSD]2007年2月25日《ヘッドライン》
 = 1面 ニュース=
◎各地で2・11集会:憲法「改正」したら教会は?——「信教の自由」の中身問う時代に

★聖書外典「ユダの福音書」研究者講師に——国際聖書フォーラム開催——

 = 2 面 教界ニュース=
◎2・11:「個人は公のため」思想を懸念——初期バプテストの流れから「信教自由を考える」
★2・11:朱基徹牧師の戦いから教会のあり方学ぶ——「信教の自由」東海福音主義者の会
★2・11:過去の克服は被害と加害を知ること——日キ教会・東京告白教会
★米国:カトリックからペンテコステ含む「キリスト教会一致」(CCT)発足——
★キューバ:聖公会の初の女性司教任命
★<落ち穂>訪問伝道で培われた姿勢

 = 3 面 教界ニュース=
★現況の看過は子どもらへの加害者に——「ピースリボン」原告の佐藤さん講演
★国の弱者への権利侵害が進み教育が返られている——2・11信教の自由を守る東信州の集い
★大阪で「福音主義キリスト者平和市民の会」設立
★米国:国際宗教の自由委が北京五輪機に圧力——宗教抑圧止めるよう国際的規模で
★国際:教会一致の働きはネットワーク次第

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★イエス様信じて貧しくなるなら…——佐々木 秀一さん[中](佐々木電気工事[株]取締役会長)——沼田 誠さん[上](みずほオフィスマネジメ
★<佐藤綾子のイキイキクリスチャン自己表現法>[23]ハレルヤ、命拾い!

 = 5 面 牧会/神学/社会=
★対抗的社会構造としての教会——平和とは何か・聖書が現代に問う課題? 講演・石田 学
★<オピニオン>問い直したい生命観——様々な社会事象の中で 記・水谷 潔

 = 6・7 面 新学期特集=
★新しいことを始めたいあなたに——「やってみよう」という動機づけが必要 記・守部喜雅
★神学校・大学の講座&セミナー案内
★働きながらしっかり神学——四国・中国の牧師が協力運営する西日本宣教学院
★働きながら学べる神戸神学館

 = 8・9 面 特集/教会形成=
★世界規模で教会と人をつなぐ——アルファ・コース、グラハム宣教団、パーパス・ドリブンが協働
★第16回小牧者コンベンションに300人
★教会形成の基本は弟子訓練——かつての反対者も今では同労者
★まず私たちが生ける命の川に降り注ぐ一滴の雨に——疋田國麻呂氏の説教から

 = 10 面 教会学校=
◎初めて教会に来た子どもへ——教会常備トラクト第3段「キリスト教?(はてな)」3月に発売
★神の愛をフルに体験——JOYJOYキャンプ 今年も開催
★<CS分級アイデア>神様の教育方法 記・篠田真宏

 = 11 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★BOOK:『デセクレーション』ティム・ラヘイ、ジェリー・ジェンキンズ共著(フォレストブックス、2,100円税込)
★BOOK:『御ことばのポイント』城倉良介著(日本バプテスト連盟昭島めぐみ教会、4,500円税込)
★CD:「魂歌——Tamauta」(TOKINOKOE Warship 2,100円税込)
★REVIEW:『人生を支え、導くもの』工藤信夫著(いのちのことば社、998円税込) 評・斉藤善樹

 = 12 面 ひと=
★「考える教会」に「牧者の心」を——呉正賢(韓国・サラン教会主任牧師)



◎各地で2・11集会:憲法「改正」したら教会は?−−「信教の自由」の中身問う時代に=07022501

 「信教の自由を守る日」を覚えて今年も全国で2月11日前後に集会が行われた。昨年の教育基本法改定を受け、さらに憲法改正への動きが本格化するという危機感を覚えて集会に臨んだところが少なくなかった。各地での集会の模様をリポートする。【関連記事2、3面】  日本同盟基督教団「教会と国家」委員会は2月12日、「信教の自由セミナー」を東京・世田谷区桜新町の世田谷中央教会(講師・上中栄=ホーリネス・鵠沼教会牧師)、大阪府茨木市水尾の茨木聖書教会(講師・袴田康裕=改革派・田園教会牧師)で開催。東京では上中氏が「自由を勝ち取るために」と題して講演した。
 初めに「戦後60年、自由は当然のものだったが、だんだん自由を勝ち取っていく時代に移ってきている。憲法が変わったらこの世との関係がどうなるか、という問題と直面する」と指摘。その上で「信教の自由の有無より、その中身が問われてくる」とした。
 「ホーリネス生まれのホーリネス育ち」と語る上中氏は、所属教団の戦時中の歴史に触れた。「戦前、神社参拝拒否をしていたホーリネスが、なぜそのトーンを下げていったか。それは日本の教会が日本精神を帯びていたことと無関係ではない」
 「戦時下の教会が、神社は宗教ではないとして神社参拝を受け入れたのは、単に『妥協』と言えるほど簡単なことではない。教会の信仰にいかに日本精神を取り入れるかという、いわば正しくない意味での『神学的思索』の結果であった」
 「ホーリネスだけでなく、戦時中の教会はほぼそういう世俗的なものを取り込んでいった」とも。「ホーリネス教会は戦前、『偶像礼拝を退け、皇室中心主義で行く』ということを総会で決議している。戦時下の牧師は、このような精神性を共通してもっていた」とし、「私たちはこのえたいの知れない精神作用を理解し、教会の中にそれを取り込まないため、どれだけその精神性から自由になっているかが問われる」と強調した。
 また、最近の憲法論議では立憲主義がないがしろにされている点を懸念。「案外誤解している人が多いのだが、99条によれば、憲法を守るのは国民ではない。憲法は為政者の権力を制限するものであるにもかかわらず、政治家が憲法を盾に自分の主張を正当化しようとしている」とし、「今は信教の自由、憲法、国旗国歌などについて論理を立てて批判することができるが、憲法が改正されればお上に従う風潮が加速し、教会は闘う土台を失うことになる。その時、私たちは同じ歴史を繰り返すのか、神様の御心を選び取っていけるのかが鍵になってくる」と述べた。
 講演を受け参加者らは、・教会が聖書から正しく教えられ平和をつくる者となれるように、・預言者、祭司の務めを果たせるように、・為政者たちが平和、信教の自由、政教分離の原則を守るように、・憲法改正の流れが止められるように、と課題を挙げ、心合わせて祈った。
 

◎2・11:「個人は公のため」思想を懸念−−初期バプテストの流れから「信教自由を考える」=07022

 東京・板橋区のバプ連盟・志村バプテスト教会で2月10日、「『信教の自由を守る日』を覚えての集会」(東京地方連合社会委員会主催)が開かれた。講師には、金丸英子氏(西南女学院大学助教授)を招き、「米国で信教の自由・政教分離を希求した初期バプテスト」の視点から、信教の自由と政教分離について学びを深めた。
 金丸氏はまず、「信教の自由とは、あらゆる人間が、宗教的な事柄に関してどんな外的な制約や圧力も受けることのない自由。人間のあらゆる権利に先立つ、最も基本的な権利」とした上で、「多くの場合、アメリカはキリスト教国であるかのように考えられ、最初からある程度完成した信教の自由があったかのように思われがちだが、独立前には、ある程度の宗教的寛容はあっても、『信教の自由』とまで言われるものは存在していたとは言い難い」と時代背景を解説した。
 1620年代からアメリカに上陸し始めたピューリタンは、植民地をつくり、キリスト教に根ざした政教一致の政治体制を敷いた。植民地は「公民」で構成され、その資格は植民地の会員でなければならず、そのため、教会の転入会なども全信徒の前で厳しく吟味された。
 また、植民地教会の信仰に同意しないものは異端視され、時には罰せられた。教会契約をもって入会することが神につながることと同義に置かれたピューリタンの信仰理解に対し、「それは、神と人間の間、すなわち、個人の魂のレベルで起きる極めてプライベートな事柄」として異を唱えたのがバプテストだった。そのため、バプテストは公権力から執拗な迫害を受けたが、闘いをやめなかった。
 「人間の魂の最終的審判者は神であり、人間であってはならない」として政教分離を主張し、万人のための信教の自由を唱えたロジャー・ウィリアムズ、ジョン・クラーク、信徒の視点から信教の自由を叫んだオバデヤ・ホームズなども迫害を受けた。
 米独立後は、合衆国憲法の権利章典によって、信教の自由が盛り込まれるようになる。「米民主主義精神の形成に、バプテストが大きな思想的影響を与えたと言える。1830年代には、バプテストは米2大プロテスタントの一つになるほど成長したが、それ以後、当初のラディカリズムは影を潜めた」と金丸氏。南北戦争の頃には、南部バプテスト連盟は奴隷制に賛成し、最近のイラク戦争ではブッシュ大統領を全面的に支持している。
 「『アメリカは本当にキリスト教国か』という疑問はよく聞かれますが、おそらく初期のバプテストたちはそれを肯定しないでしょう」とした上で、「日本でも現在、『公』が『個人』を飲み込みつつある。政治家はそれを『美しい国』と言い、『公』のために『女性は産む機械』とも言う。『個人は公のために』という考え方は、教会の中にもあるのではないでしょうか。信教の自由が失われつつあるこの時、米バプテストの流れを汲む私たちはどこに立つべきでしょうか」と投げかけた。

◎初めて教会に来た子どもへ−−教会常備トラクト第3段「キリスト教?(はてな)」3月に発売=07022

 少子化の影響、また幼児誘拐事件などを受けて教会に気軽に訪れる子どもたちが減ってきている現代。初めてきた子どもたちや知り合いに教会、聖書、キリストのことをわかりやすく説明する雑誌タイプの教会常備トラクト「キリスト教?(はてな)」(らみいコミックス)が3月に発売される。  クリスチャン新聞では、どうにかして子どもたちに福音を伝えるため子どもたちの大好きなマンガをふんだんに盛り込んだ月刊児童伝道雑誌「らみい」を発行し続けている。
 もっと広く多くの子どもたちに福音を伝えるために、「らみい」増刊号として読み切りの「教会?(はてな)」、「聖書?(はてな)」を発行してきた。3月にはこの「?(はてな)シリーズ」第3弾として「キリスト教?(はてな)」を発行する。イースターの特別集会でのプレゼントや入学・進級祝いに最適だ。
 内容は教会や聖書、キリスト教に初めてふれる子どもたち向け。祈り、賛美、献金など礼拝で行う一つひとつをやさしくビジュアル付きで解説するほか、キリストの生涯や聖書、教会3大行事(クリスマス・イースター・ペンテコステ)についても詳しく書かれている。分かりやすく、大人の新来会者にもおすすめ。
 巻頭には教会を初めて訪れた少女と少年のマンガを掲載し、教会が誰でも入ることのできる場所であることを伝える。
 ■ 内容紹介…「らみいメッセージ」、「エンジェルウィング」(ケリー・シノザワ)、「教会の十字架」(尾々井頼道)、「イエスさまをさがせ!」(みゆき)、「はじめてのクリスマス、イースターってなあに、ペンテコステのできごと、礼拝?(はてな)」(はるはる)、「らみいちゃんの聖書物語 |イエスさまってどんな方?」(みやしたはんな)、「神さまの作品」(トミきち)、「ケーコ、カラ、セディの『教えて神さまのこと』|聖書ってなあに?」(小平恵)、「らみいちゃんの4コマランド」(哲也☆商店街)。
 全国のキリスト教書店で3月から発売。問い合わせはTEL:03・3291・8524 FAX:03・3291・6700
(クリスチャン新聞購読課)。
 ■「?(はてな)」シリーズ活用法… JOYFULグレースチャーチ(藤原みな子牧師)では、藤原牧師が教えていた英語教室で「聖書?(はてな)」を子どもたちに配った。「集まるのはクリスチャンでない地域の子どもたちですが、置いておいたら興味をもつ子がいたので配りました。マンガなので子どもたちも喜んで読んでくれます」。教会を移転した今でも、子どもたちに「らみい」を送り続け、1人の子どもからは「イエス様を信じていきます」という反応があった。「収穫の少ない地ですが、子どもたちは純粋に受け止めてくれたと、うれしく思います」と藤原牧師は語った。
 IGM・インマヌエル深川キリスト教会(東京都江東区、横山文子牧師)では、「聖書?(はてな)」をイースターに用いた。同教会では、イースターをクリスマスとともに重要な出来事と位置づけ、子どもをメーンにオペレッタを実施している。当日、教会に訪れた多くの保護者にも配り、「良き伝道の機会となった」という。また教会学校(CS)では「バイブルマラソン」(聖書通読運動)に取り組むなど、子どもたちが聖書を大切にし、毎日読む習慣を育んでいる。「聖書?(はてな)」で「聖書を身近に感じてもらえたのでは」。