ヘッドライン
[CSD]2007年7月 1日《ヘッドライン》
[CSD]2007年7月 1日《ヘッドライン》= 1面 ニュース=
◎「最後まで子どもに寄り添うキリスト」——子ども人権救済活動を著した坪井節子弁護士
★超教派作家の力作そろう——第31回キリスト教美術展開催
= 2 面 ニュース =
◎「先進国の使命を果たせ」——WEA総主事がG8合意に声明
★WVJがG8非難声明——HIV対策が不十分
★競争から共生へ——キリスト教主義小学校教職員協議会
★アルファ・コネクション:地域教会の重要性を強調
★<教界ニュース>キリスト教学校教育同盟
★<落ち穂>夏休みに教会の「祭り」を企画
= 3 面 教界ニュース =
★ルース・グラハムさん(大衆伝道者ビリー・グラハム氏夫人)逝去
★家族を愛し続ける信仰を証したルース・グラハム夫人
★検証:牧師転落死事件から学べること[3]献身者の孤独に配慮を 記・藤掛 明
★<オピニオン>李登輝氏靖国神社参拝の持つ意味 記・渡部 敬直
<あなたの一票を>[5]国立に吹いた「新しい風」 記・関口 博<下>(国立市長選立候補者)
= 4 面 ビジネスパーソン=
★人々の「心のゴミ箱」に——早川 須賀子さん[上]([株]ジェイ・アール代表取締役社長)
★<ゴールデンルール>[16]交換がコミュニケーションの本質 記・田上(たのうえ)昌賢
= 5 面 牧会/神学/社会=
★日本はどこに行くのか[5]日本で告白すべき聖書信仰とは 講演・後藤敏夫
★救出の決め手資料を再版——『ものみの塔のアキレス腱』
★<精神障害と教会>[6]病気に逃げる(下) 記・向谷地 生良
= 6・7 面 ザ・対談=
★ユーモアは閉塞感を打ち破る——中野雄一郎 vs 水谷 潔
= 8 面 全面広告=
☆2007 ALL JAPAN ジーザス・フェスティバル 主講師:趙 基
2007/7/16 P.M.1:00~ 会場:千葉幕張メッセ・イベントホール
ホームページ http://www.fgtv.jp/Tel.03-3232-0667
= 9 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★BOOK:『もう一つの愛』小助川 次雄著(新風社、1,155円税込)
★BOOK:『やさしい心で子育てできる31のヒント』本間江偉子著(フォレストブックス、1,050円税込)
★BOOK:『社会性のワナ』リック・ボイヤー著(ホームスクーリング・ビジョン、1,680円税込)
★REVIEW:『子どもたちに寄り添う』坪井 節子著(いのちのことば社、1,365円税込) 評・崔 善愛
= 10 面 新会堂建築シリーズ =
★地域の憩いの場に——同盟基督・招待キリスト教会
ホームページ:http://shoutai.missionjapan.org/
= 11 面 クリスチャンライフ =
◎クラシカルとポップスでの「トゥー・テナーズ」——各地でコンサートツアー
★日本の教会に新風を——日韓の教会共催で文化伝道「フライデー・ラブ・ソナタ」
= 12 面 ひと=
★学生伝道は青年期の「最後の砦」——安藤理恵子さん(キリスト者学生会総主事に就任)
◎「最後まで子どもに寄り添うキリスト」−−子ども人権救済活動を著した坪井節子弁護士=07070101
いじめ、体罰、虐待、子ども売春…。今、日本は、このような子どもへの人権侵害が多発し、子どもを取り巻く環境がますます悪化してきている。そんな中、弁護士の坪井節子さん(日基教団・弓町本郷教会員)は20年以上にわたり、いじめ、虐待などで傷ついてきた子どもたちの声に耳を傾けてきた。その体験を綴った自著『子どもたちに寄り添う』の出版記念講演会「子どもは大人のパートナー」(いのちのことば社出版事業部主催)が6月1日、東京・新宿区西早稲田の日本キリスト教会館で開かれた。(9面に関連記事) 坪井さんは早稲田大学卒業後、79年に弁護士に。87年頃から東京弁護士会子どもの人権救済センター相談員、児童相談所協力弁護士として、少年事件の付添人活動や学校、家庭、福祉の現場での子ども人権救済活動に携わってきた。そのような活動から04年、NPO法人「カリヨン子どもセンター」(坪井節子理事長)が誕生。助けを必要とする子どもたちの緊急避難場所、シェルター「カリヨン子どもの家」には、開設以来3年間で78人の子どもが訪れた。坪井さんは「子どものことなら難しくないだろうとたかをくくって相談員になったが、電話、面接相談を始めたら度肝を抜かれた」と語る。相談の7、8割は学校問題で、特にいじめが多く、この傾向は20年間変わらないという。また、児童虐待通報件数は91年に1千件だったが、06年は3万4千件に激増。「日本の子どもたちがこんなに傷つけられ、絶望し、苦しみを抱えて生きている姿に慄然とした。私はどうしていいか分からず、逃げ出したいと思うこともあった」という。
例えばいじめ。A君は中学3年の時にいじめに遭った。陰口、からかい、無視…。「なぜ、自分がいじめられるのか」との問いに苦しみ、自分を変えようと努力したが状況は変わらなかった。学校の先生、両親にも打ち明けたが「君が悪い」、「もっと、がんばりなさい」と言われ、「もうがんばれない。死ぬしかないと思った」。
坪井さんは言う。「いじめは被害者の問題で起きるではない。どんな子でも、その子をいじめようと思えばターゲットになる。いじめる側の子どもの怒り、不満、ストレスがいじめを生み出している。しかし、誰もそう言ってくれないから、いじめられた子どもは自分を責めてしまう」
そんな子どもたちの現実に「ただ途方に暮れ泣くことしかできない自分がふがいなく、何度も相談員を辞めようと思った」と坪井さん。しかし、「こんなに一生懸命、子どもの話を聞いてくれる大人がいるとは思わなかった」と言うA君のひと言に救われたとも。「無力だけれど、一緒にいておろおろすることはできる。もし、これでいいのなら、私でも続けられると思った」
そんな子どもたちとのかかわりを通し、子どもに伝えるべき3つの人権があることを見いだしたという。・あなたは生まれてきてよかった、・あなたはひとりぼっちではない、・あなたの人生はあなたのもの、だ。坪井さんは、事あるごとに子どもたちにこの3つを伝えている。
坪井さんは幼児洗礼を受け、小さい頃から教会に通っていたが、高校生の時に教会を離れていた。しかし20年後、苦しむ子どもたちと接する中で「子どもたちの苦しみに最後の最後まで寄り添い苦しみを共にできる方は、イエス・キリスト以外におられない」と気づき、再び教会に戻った。
「今日はうれしいです。クリスチャンとしての初講演、初めての本だからです」。坪井さんは、笑顔でそう語った。
◎「先進国の使命を果たせ」−−WEA総主事がG8合意に声明=0707010201
世界福音同盟(WEA)のリーダーの1人が、先週ドイツのハイリゲンダムで開催された先進8か国首脳会議(G8)で合意された地球温暖化、ダルファーでの大量殺戮、アフリカでのエイズへの戦いに関する協定に対して声明を発表した。◇
G8のコミュニケは、ダルファーの人権侵害者に「責任を負わせなければならない」とし、「スーダン政府、あるいは反体制運動が義務を果たさないなら、私たちは安全保障理事会でしかるべき行動に出るだろう」とも。
WEAのジェフ・トゥニクリフ氏(国際総主事)は「ダルファーでのG8リーダーのコメントを評価するが、リーダーたちは十分に審議を深めず、スーダンでの大量殺戮にもなんら解決を与えなかった。もし殺戮を最後まで看過するつもりならば、私たちは行動を起こさなければならない」と語る。
エイズ、マラリア、結核と闘うための600億米ドルの拠出に関して、トゥニクリフ氏は「これはグレンイーグルスでなされた約束への潜在的裏切り。HIV/エイズと共に生きる何百万人もの人々が、長期基金の呼びかけへのこの不ぞろいの応答に苦しむことになるだろう」と語った。
「G8がエイズやHIV患者のための抗薬ARVを再度提供すると踏み込んだのは朗報だが、ARVをHIVで苦しむ人たちのもとへ届けるためには不十分といえる。600億米ドルの拠出金は、この計画を軌道に載せるには全く十分とはいえない」
またコミュニケには地球温暖化について「世界規模の地球温暖化ガス放出量上昇を、実質的に減少させ、くい止めなければならない」とし、さらに「放出量削減の世界的ゴールは同意されるべきもの。少なくとも2050年には放出量を半分にするという要項を含んだ、EU、カナダ、日本での決定を厳粛に受けとめねばならない」と触れている。
トゥニクリフ氏はG8はこの点について「重大な進歩が見られなければならない12月のバリの気候変動についての国連交渉に焦点を合わせ、もし、今年から交渉が始まり09年までに合意されれば、私たちは壊滅的な気候変動を避ける道に進み出すことができる」と語る。
アンディ・アトキンス氏(WEA環境問題グローバル・スポークスマン)は、G8公報の気候変動に対するこれらの発表に対し、慎重な態度を見せ、「重要な達成」という言葉で表現。「G8リーダーはいくつかの重要なハードルを越えたが、最終ラインまではまだ長い道のりがある」とし、「発展途上国が破壊的気候変動を続けることに関して、少しも具体的な新しい公約をしていないのは残念」と続けた。
【ANS】
◎クラシカルとポップスでの「トゥー・テナーズ」−−各地でコンサートツアー=0707011101
世界的リリックテナー(テナーの中でも叙情的な表現に適した声質をもつ)歌手として知られるバリー・クラフトさんを中心に「1人はクラシカルな、そしてもう1人はモダンでポップなスタイルをもつ2人のアーティストで結成」されている「トゥー・テナーズ」が5月に来日、日本各地で巡回コンサートを開いている。来日は今年で41回目。 バリーさんは「若手のクリスチャンアーティストの指導・共演」をする中で、若手の才能あるアーティストを発掘し、育てていこうと毎年様々な若手アーティストと共に世界各地を巡回し、演奏を続けてきた。ベッリーニやドニゼッティなどのベルカント・オペラ、そしてカール・オルフの「カルミナ・ブラーナ」のような交響楽の非常に高い声域に定評があり、リリックテナーとして多数のオペラ団との共演のなかで主要な役割を担ってきた。
そのほかにも、プッチーニの「ジャンニ・スキッキ」、バッハの「マタイ受難曲」、メノッティの「アマールと夜の訪問者」など舞台監督者としても高い評価を得るなど、そのキャリアを着実に積み上げてきた。また、英国の女王エリザベス2世や、スロバキア共和国のコバック大統領、日本の天皇の前にも招かれ歌った経験をもつ。彼自身、高い評価を得ている ことに満足するだけでなく、「若手育成」にも強い思いをもっている。
今年一緒に来日したオースチン・エンジェルさんは、「トゥー・テナーズ」の中でも、若い世代へのアプローチ役を担う。オースチンさんは教会のクワイアで知り合ったという両親のもとで育ち、教会の中で声楽をみがきながら成長した。所属していた児童聖歌隊の指導者が彼の歌唱力を誉めたことで自信をもち、以後音楽に没頭することに。高校時代は管楽器・ユーフォニアムの奏者として、大学時代には「世界に名高いア・カペラグループのメンバーとしても活躍した」という。その後も、彼の音楽活動はミュージカル、オペラなど多岐にわたる。
「トゥー・テナーズ」の結成は1993年、バリーさんが自宅でくつろいでいた時、テノール歌手のルチアーノ・パバロッティーさんとイギリスのロック歌手スティングさんとの共演をテレビで見たことがきっかけだった。バリーさんは、この2人の音楽的ジャンルの異なる歌手が、セザール・フランクの「Panis Angelicus」を共演しているのを見て驚いた。世界的に有名な芸術家が、まったく異なった音楽スタイルの曲を演じているのに注目するうち、バリーさんの中にある考えが生まれた。「1人はクラシカルな、そしてもう1人はポップなスタイルをもつ2人のアーティストが『チャペルコンサート』で共演したなら、どうだろうか?」と。
ちょうどこの頃、米国の教会では『伝統的音楽』と『コンテンポラリー音楽』との賛美論争が起こっていた。多くの教会が神学的な相違でなく、教会音楽に関する見解の違いのために分裂した。「このような時代だったからこそ、2つのジャンルの持ち味を生かした『トゥー・テナーズ』は教会に受け入れられたのだ」とバリーさんは語る。世界各地でのコンサートを展開しながら、異なった背景、音楽スタイルをもつ2人が「心を1つ」にして「キリストについてのメッセージを語ることができるということを証明していきたい」という。
現在、関西・中国各地を巡回中の2人と共に、高校生のトランペッター・ジェイコブ・テーラーさんもゲストとして合流し、3人でコンサートを行っている。「ジェイコブは、多くのトランペッターと違い、聴衆の前でより実力を発揮できる才能をもっている」と、その実力を高く評価するバリーさん。ジェイコブさんは高校の首席トランペッターであると共に、ギターリストとしても熟練した技をもつ実力者だ。来年6月、7月にも、バリーさんとジェイコブさん2人の来日が決まっている。今回の来日を主催するゴスペル音楽院のジョシュア佐佐木学長は「実力の高い音楽家『トゥー・テナーズ』は今後も日本伝道に大いに用いられることでしょう」と語る。
問い合わせ=Tokyo Worship企画(ゴスペル音楽院内)
TEL:03・5246・9555 Eメールgospel.k@worship-japan.com(担当=大音師みちの)