[CSD]2007年7月8日《ヘッドライン》

[CSD]2007年7月8日《ヘッドライン》
 = 1面 ニュース=
★集まった家族・親族91人の「家族会」——神主の家に芽生えた1人の信仰がいま40人のクリスチャンに
★ウズベキスタンで教会閉鎖——地方政府の迫害に危機感

 = 2 面 ニュース=
◎現在の教育現場の「迫害」状況に焦点——第16回ホーリネス弾圧記念聖会
★WEAとローザンヌ委が参加を表明——2010年世界宣教会議ローザンヌ?
★国際:同性愛問題めぐり聖公会対立
★<教界ニュース>パレスチナ自治区の抗争激化で教会に被災拡大
★<逝去>遠藤嘉信氏(同盟基督・和泉福音教会牧師、聖書宣教会教師。47歳)
★<落ち穂>日本を中国宣教へ橋渡ししたブラザー・ディビット

 = 3 面 =
★JEA総会講演:世界宣教の潮流から見える日本の課題と展望——「ペンテコステ神学の深化」学ぶ
★バチカン:教皇がキリスト教教育の大切さをメッセージ
★<オピニオン>どのような環境でも福音を伝え続ける 記・榮 義之
★検証:牧師転落死事件から学べること[4・最終回]事件後の今必要なことは 記・藤掛 明

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★死を決意した自分に「愛してる」の上の声届く——早川 須賀子さん[中]([株]ジェイ・アール代表取締役社長)
★<佐藤綾子のイキイキクリスチャン自己表現法>[29]スーパーパワーは地球を動かす

 = 5 面 情報 =
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★EVENT:「ラブ・ソナタ2007東京」7月24日、会場・さいたまスーパーアリーナ。要チケット(http://www.yokohamaonnuri.org/
★DVD:「ワーシップ入門」(ミクタムレコード、3,990円税込)
★BOOK:『私のキリスト教入門』隅谷三喜男著(日本基督教団出版局、1,470円税込)
★REVIEW:『カルト宗教』紀藤正樹、山口貴士共著(アスコム、1,890円税込)評・平岡 正幸

 = 6・7 面 葬儀特集 =
◎葬儀は人生最後の晴れ舞台——(株)クリスチャンサービス
★キリスト教葬儀の流れ——臨終から葬儀までの段取りを把握
★キリスト教葬儀社情報

★神を意識できる空間設計——グレース宣教会の新納骨堂「希望の家」
★教会が墓をもつことの意味——遺族に福音を語る機会に 土浦めぐみ教会での実践から
★キリスト教墓地・霊園・墓石施行情報

 = 8・9 面 横浜特集 =
★キリストの「愛」の精神消さず——高齢知的障害者施設・さがみ野ホーム
★横浜山手地区に息づく信仰の軌跡——捜真女学院
◎初の重複障害児のため専攻科・生活科を設置——横浜訓盲学校

 = 10 面 教会学校 =
★<いまどき子ども事情>愛のある「訓練」が自信あたえる——新松戸リバイバルチャーチでの実践レポート

 = 11 面 クリスチャンライフ =
◎映画「新・あつい壁」上映に反響広がる——「だまし討ち」の死刑執行を映画化
★<私の子育て失敗談>[29]与えられた瞬間を楽しみに 記・斎藤 望


 = 12 面 教会 =
★地域に根ざした伝道と牧会——日本基督教団久我山教会



◎現在の教育現場の「迫害」状況に焦点−−第16回ホーリネス弾圧記念聖会=0707080201

 第16回ホーリネス弾圧記念聖会(主催・弾圧同志会委員会=工藤公敏委員長)が6月24日、東京・新宿区のウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会で開催された。同聖会は、1942年6月26日、ホーリネス系諸教会の牧師らが治安維持法違反容疑で一斉検挙され、7人が殉教した事件を覚え、毎年6月に行われている。今年は前都立高校教諭、「日の丸・君が代」強制教育反対予防訴訟事務局の木村葉子氏(淀橋教会員)が「学校教育への弾圧と教会の祈り」と題して講演した。  同聖会では、第14回より「歴史に見る弾圧」をテーマにしてきたが、3回目の今年は「今、見つめるべきこと」として、日本の教育現場で今起きている「弾圧」に焦点を当てた。
 木村氏は、10・23通達(都教育委員会が03年10月23日、都立学校に出した通達)以降、卒業式、入学式において「日の丸に向かって起立し、君が代を歌い、ピアノ伴奏することが命令され、都教委職員が監視する中で処分者も出ている」と実態を報告した。「通達では『国旗は式典会場の舞台壇上正面に掲揚する』、『式典会場は児童・生徒が正面を向いて着席するよう設営する』と規格化されている。06年には『生徒が不起立をした時は、校長、教員を処分する』との新通達も出た。行政の教育への異常な介入が起きている」
 「以前は生徒の成長した姿を見て祝い喜ぶ卒業式・入学式の季節だったのが、今では処分のための『踏み絵』の時となり、心身を病む教職員が急増している」とも。木村氏によれば、卒業式での都立高校の国歌斉唱率は、98年には7%だったのが、国旗国歌法成立、石原慎太郎都知事就任後の00年には100%に達したという。また03年以降、教員が処分された件数は400に上るとし、「理由は様々だが『君が代』斉唱の時、起立や伴奏に苦しむ子どもや教職員がいる。信仰が理由のクリスチャンも多い」と現状を述べた。
 昨年9月、都教委の通達自体が不当だとして都立学校の教員ら401人が提訴した『国歌斉唱等不存在確認請求訴訟』(予防訴訟)に対する東京地裁判決についてもふれた。「東京地裁は原告教職員らの主張を全面的に認め、10・23通達は憲法違反、法律違反であるとして、少数者の『思想・信条の自由』を尊重する『寛容の精神』が必要であると判決した。しかし、都教委は不服として高裁に控訴した」
 木村氏の勤務校では04年、卒業式での国歌斉唱時の不起立で8人が処分を受けた。自身も「教育の責任と信仰により、この通達に従えない」とし、国歌斉唱時には座っていた。「『思想・良心・信教の自由』を認めない通達は教育を破壊する」と語気を強めた。
 聖会では峯野龍弘氏(淀橋教会主管牧師)が「迫害という名の恵み」と題して講演した。
 弾圧同志会委員会は6月、同聖会で語られてきた講演と宗教弾圧の証をまとめたホーリネス弾圧記念集会記録集・『神の言はつながれてはいない』(ホーリネス弾圧同志会委員会編、YOBEL,Inc、千円税込)を出版。
 問い合わせはTEL:03・3368・9165淀橋教会内「ホーリネス弾圧記念同志会委員会」まで。

◎葬儀は人生最後の晴れ舞台−−(株)クリスチャンサービス=0707080601

 「株式会社クリスチャンサービス」(加藤義孝代表取締役)は、今年5月16日に設立されたばかり。加藤さんは、別のキリスト教葬儀社で代表取締役まで務め経験を積み重ねてきたが、「葬儀社の枠を越え、様々な分野でより積極的に教会に仕えたい」と独立。経営理念を「主に仕え、隣人を愛し、教会を支える」とし、同社を設立した。

 同社では葬儀を中心に様々なサービスを展開している。その一つが、教会への橋渡しだ。「幼い頃教会に通っていた、キリスト教の学校に通っていた、事情で教会を離れていたなどの背景をもつ身内に、死を目前にして『自分のベースにはやはり聖書があって、葬儀はキリスト教式で』と頼まれた家族などが、教会を探すケースが増えています。そういう方の思いをくみ取り、天国に導いてくださるよう祈り、葬儀をし、その後の信仰につながりそうな教会・先生を探し、橋渡しをしています」
 また、路上生活者を支援するNPOや教会からの依頼も積極的に受け付ける。「プランによって低価格での葬儀が可能です。相談を受けた方の中には、生活保護受給者や低予算での葬儀を希望される方など様々な事情の方がおられます。そういった方々に低予算でも満足していただけるサービスを提供したい」と取締役の佐々木行恵さん。価格だけでなく、祭壇の花や棺の形など細かいところも故人や遺族の要望をできるだけ聞き入れ、葬儀に反映する。葬儀後は、ヘリコプターや船での海洋散骨や、肌身離さず持ち歩けるよう遺骨を加工するなど、ユニークなサービスも。
 葬儀に限らず、キリスト教企業のネットワークづくりを視野に入れ「印刷会社やメーカーなどと互いに協力しあうことで、サービスや商品一つとっても、祈りが込められているものを提供できたら」と加藤さん。
 また企業間だけでなく、同社が間に入ることで教会同士のつながりも広げたいという。「葬儀は急なものですから、幼稚園を併設している教会など、葬儀を日中に行うことが難しい教会もあります。近隣の教会との仲立ちをすれば、会場を借りるなどの協力を得ることができます」
 「クリスチャンの方も含めてですが、高齢者の方ですと、『身内に迷惑をかけたくない、葬儀はひっそりと執り行ってほしい』と思ってらっしゃる方が多い。葬儀は確かに費用も手間もかかります。ですが、信仰者の生き様やイエス・キリストに出会った経験を、家族や子どもたちに証する場として、人生の『集大成』として考えていただきたいのです。信仰者の人生の証が、教会にとっても支えになるのでは」と加藤さん。「今後様々なサービスを展開し、人生の最後の晴れ舞台としての葬儀を、多くの方に提供していきたい」と願う。
 株式会社クリスチャンサービス=http://www.C-SERVICE.co.jp

◎映画「新・あつい壁」上映に反響広がる−−「だまし討ち」の死刑執行を映画化=0707081101

 ハンセン病に罹患していた男性が殺人事件の容疑者として逮捕され、不当な差別・偏見のもとで死刑へと追いやられていく様子を描いた映画「新・あつい壁」(製作=中山映画株式会社、監督=中山節夫)がこの春に完成し、各地で上映され大きな反響を呼んでいる。  映画は1951年、熊本県北部の村で起きたある爆破・殺人事件を映画化したもの。事件では容疑者が死刑に処せられたが、ハンセン病に罹患していたため公正な裁判が受けられなかったとして、現在も冤罪の可能性が指摘されている。
 51年8月1日、村役場衛生課職員の自宅にダイナマイトが投げ込まれ、村民のFさんが容疑者として逮捕された。Fさんは、村役場に勤務していた同職員により、ハンセン病に罹患しているとして県当局に通報されており、そのことを逆恨みしての犯行と断定された。懲役10年を宣告されたFさんは、母と娘会いたさにハンセン病療養所「菊池恵楓園」内にある代用留置場を脱走。ところが指名手配中に、村内の山道で爆破事件の被害者である職員が刺殺されているのが見つかった。再逮捕されたFさんは53年8月、死刑判決を受けた。
 しかし、一連の事件でFさんが犯人とされるまでには、いくつもの疑問点が存在した。Fさんは裁判でも全面的に犯行を否認したが、国選弁護人ですらその声に耳を傾けなかった。
 「新・あつい壁」の製作・上映実行委員長を務める坂本克明牧師(アッセンブリー・ひばりヶ丘教会)は61年、熊本刑務所菊池医療刑務支所で教誨師を務めていた時にFさんに出会った。坂本牧師は「本人は死を覚悟しているのか、何か澄みきったものをもちながら時には激しい慟哭の涙をもって祈り、自分の無実を神に訴えておりました」と当時を振り返る。ところが、同事件における裁判の不当性を訴える声が全国的に高まりつつあった62年9月14日、突然Fさんに刑が執行された。知らせを聞いた坂本牧師は愕然とした。「死刑執行の時は、前日に法務大臣より執行命令がきます。教誨師は直ちに面接し、祈り、遺言を作成します。当日は最後の面接をし、執行に立ち会います。こういった規則も無視され、死刑はだまし討ちのようにして行われました。私が死刑執行を知ったのは、翌日です」。坂本牧師は、このことをきっかけに「新・あつい壁」を含め様々な形で事件にかかわり、ハンセン病差別の不条理を訴え続けてきた。
     ◇
 映画では、主人公・勇吉を通し、身に覚えのない逮捕、不当な取り調べ、差別的な裁判を受けたFさんの悔しさ、憤り、あきらめ、そして希望など様々な心情が伝えられ、ハンセン病患者が受けた人権侵害、そして今も根強く残る差別・偏見の事実を、見る者に強く訴えかけている。監督の中山節夫さんは菊池恵楓園の近くで生まれ、幼い頃からハンセン病に絡む様々な差別を目の当たりにしてきた。69年にハンセン病患者を親にもつ子どもたちが通学を拒否された「黒髪校事件」を映画化した「あつい壁」を製作。97年には「見えない壁を越えて」を製作し、ハンセン病差別の問題に取り組んできた。Fさんが処刑されてから45年。96年には「らい予防法」が廃止されるなど、ハンセン病に対する認識は変わってきたかのように思える。しかし、一方で03年にはハンセン病の元患者に対するホテル宿泊拒否事件が起こるなど、差別は根強く残る。
 中山さんは言う。「今の社会の中にあって、Fさんの事件を基底に、法の正義や人間の良識、人間愛や家族愛など、Fさんが死を賭して伝えようとしたことを、私たちは受け継ぎ、伝えなければならないのです。事件を映画化することは、『らい予防法』が撤廃されてもなお生き続けている差別と偏見を一人ひとりに問うことであり、私に課せられた使命です。私の今日までは、すべてこのための準備期間であったとさえ思えるのです」
 上映に関する問い合わせは、 映画「新・あつい壁」製作・上映実行委員会事務局 〒862-0950熊本市水前寺1丁目22ノ18丸山ビル104号 Tel:096・381・1214。
 また、7月31日までカンパの協力を呼びかけている。
 郵便振替=01960・7・23544、
 加入者名=映画製作実行委員会。肥後銀行・新町支店(0182・103)、
 口座番号=普通1438199、
 名義=中山映画制作上映実行委員会事務局 上田潤一。
 ホームページ=http://kumamoto.cool.ne.jp/nakayama2005827/index.html