[CSD]2007年7月15日《ヘッドライン》

[CSD]2007年7月15日《ヘッドライン》
 = 1面 ニュース=
◎聖書フォーラム2007:注目の「外典」に焦点——「外典は使徒継承の信仰と矛盾」
★畑で生きがい取り戻す——園芸療法のあるグループホーム「福音の園・川越」

 = 2 面 ニュース =
★ピースリボン裁判:東京高裁「社会通念」を多用し原告控訴を棄却
◎8月に「ユーオーディア音楽祭」——結成20周年を記念し開催
★<教界ニュース>GPSPEL・CCM大賞
★<落ち穂>「ごめんなさい」の手紙

 = 3 面 教界ニュース =
★世界60か国2億人が迫害の危機に直面——英国MI6が発表
★中国で「家の教会」の牧師拘束される——山東省・山西省で18人を逮捕
★カルト問題で揺れるオーストラリア長老教会
★<召天>奥地るり子氏(単立・芦屋福音教会牧師、7月3日、59歳)
★カトリック教会にも広がるアルファの輪 記・北 秀樹
★<オピニオン>慰安婦問題から見える「美しい国」 記・根田 祥一

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★あらゆる道からイエスへ——早川 須賀子さん[下]([株]ジェイ・アール代表取締役社長)
★<更正の手がかり>[4]ごまかしは災いとなる 記・梅津 善一(公認会計士)

 = 5 面 牧会/神学/社会=
★日本はどこに行くのか[6]「聖なる公同の教会」こそキリスト者の公 講演・後藤敏夫
★戦責告白をどう生きるか——40周年でクリスチャンアカデミーが対話集会
★<精神障害と教会>[7]信仰が足りないから病に? 記・向谷地 生良

 = 6・7 面 全面広告=
☆第39回 日本伝道の幻を語る会 8月27日(月)—29日(水)
主題「実を結べ!!一千万救霊」 会場:市川サンシティ
主催:日本キリスト伝道会 Tel.03-3804-1765

 = 8 面 全面広告=
☆ラブ・ソナタ東京 7月23日(月)—24日(火)
韓流ゲストも20人以上来日 会場:さいたまスーパーアリーナ
ホームページ http://www.lovesonata.org/japan/
 = 9 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★BOOK:『根にふれる祈り』ロブ・モリセット著(マルコーシュ・パブリケーション、1,890円税込)
★BOOK:『イスカリオテのユダ』大貫隆編著(日本キリスト教団出版局、2,520円税込)
★BOOK:『人生いつも迷い道』上林順一郎著(コイノニア社、1,680円税込)
★REVIEW:『もしかすると、この時のため』遠藤嘉信著(いのちのことば社、1,365円税込)評・菊池 実

 = 10 面 関西だより =
★誠実な仕事で伝道の橋渡し——キリスト教葬儀(株)Kアート
★優美な宣教拠点完成——改革長老・東須磨教会新会堂献堂
★田植えの「あいがも」泳ぐ——先祖の土地で先進「あいがも農法」を実践
★デュオ高瀬のCD「愛のまなざし」発売

 = 11 面 クリスチャンライフ =
◎廃棄食品で「貧困者」支援——(NPO)セカンド・ハーベスト・ジャパン
★ゴスペル音楽院:より魅力的な礼拝を——J-worship Vol.4を発売
★平和、人権の尊重訴え——今野 東氏民主党から参院選に出馬

 = 12 面 ひと=
★笑いは愛から生まれる——マルセ まゆみさん(お笑いタレント、伝道師)

 = I-IV 面 別刷り/世界宣教・国際協力ガイド=
★21世紀…変わり行く世界宣教地図
★世界宣教・国際協力スタッフ派遣者国別一覧

◎聖書フォーラム2007:注目の「外典」に焦点−−「外典は使徒継承の信仰と矛盾」=070715010

 「国際聖書フォーラム2007」(〔財〕日本聖書協会主催)が6月27、28日、東京・千代田区の東京国際フォーラムで開催。今回は『ダ・ヴィンチ・コード』(ダン・ブラウン著)などで関心が高まる聖書外典や、また正典、外典、偽典の成立過程などについて海外の研究者5人を招き、5回のセミナーが行われた。  リチャード・ボーカム氏(セント・アンドリューズ大学教授)は「福音書の正典性」と題し講演。四福音書がなぜほかの福音書と区別されるかについて説明した。「第1に、執筆された時代の問題。使徒の権威をもつ福音書は使徒の時代に起源がある。第2に、使徒の権威はイエスが任命した使徒集団に起源があること。第3に、使徒の権威は主流派教会の伝統に適合すること」。さらに四福音書に共通する特徴として、・文学ジャンルの点で伝記物語に属する、・イスラエル物語と関係がある、・ユダヤ教の唯一神信仰に深く根をおろしている、点を挙げた。
 これに対し、グノーシス的な外典福音書は「イエスの生涯の目撃者によるものでなく内容の多くが復活後の啓示に関するもの。イエスは物語に生きる具体的存在でなくほぼ完全に神秘的存在へと高められている。イスラエル物語との関連が見られず、神はイスラエルの神でもなく、イエスをメシアないしキリストと呼んでいない」とし、「使徒から継承された信仰と矛盾している」と述べた。
 「2世紀以降の主流派教会は、四福音書に見られる歴史とその解釈によって権威を認め正典とした。最近、正典以外の福音書に関心が高まっているが、それは今日のポスト・モダンの文化風潮だ。私たちは、初期の教会が下した決断に直面しなければならない」と述べた。
 一方、『原典ユダの福音書』の共著者マーヴィン・マイヤー氏(チャップマン大学教授)は、「トマス福音書」「マリア福音書」「ユダの福音書」などの写本(ナグ・ハマディ文書)の発見は「初期教会の姿に新たな視点を提供している。中傷され歴史の隅に追いやられていた弟子たちの名誉回復に貢献し、古代教会の多様性を提示した」と評価。
 「正典には権威がある。外典はあくまで参考文献では」との質問に対しては、「どの福音書に権威があるか決めるのは教会の仕事。歴史家の立場からすればすべての福音書が興味深い」と、自身の見解を述べた。
 そのほかフランソワ・ボヴォン(ハーバード大学教授)、キャロル・マイヤーズ(デューク大学教授)、ウイリアム・L・ホラディ(元アンドーバー・ニュートン神学校教授)の各氏が講演した。
 今回の内容は『国際聖書フォーラム2007講義録』として9月発行の予定。問い合わせはTEL:03・3567・1987。

◎8月に「ユーオーディア音楽祭」−−結成20周年を記念し開催=0707150202

 今年で結成20周年を迎えたクリスチャン音楽家のグループ、「ユーオーディア」。音楽伝道を目的に6人のクリスチャン演奏家から始まった活動が徐々に大きくなり、今では管弦楽団、合唱団をもち全国に300人近いメンバーがいる。活動も国内のみならず海外へと宣教の幅を広げている。そんな彼らが8月9日から11日の3日間にわたり、20周年記念「ユーオーディア音楽祭」(同主催)を催し、東京に賛美の音を響かせる。
 今回は演奏家たちによる「20周年感謝コンサート」(11日)だけではなく、聴衆参加型の音楽祭を予定している。柳瀬洋氏(ユーオーディア代表)をはじめ、「ユーオーディア」のメンバーが管、弦などの楽器や声楽の公開レッスンの講師を務める。また、大塚野百合氏(恵泉女学園大名誉教授)による「賛美歌ものがたり」、榊原寛氏(ワールド・ビジョン・ジャパン理事長)のメッセージ、鈴木和子氏(プロアナウンサー)の発声、発音セミナーや長島陽子氏(ドイツリート、オラトリオ歌手)による呼吸法、発声法セミナーなど、専門知識を持った講師陣による多彩な講座内容となっている。
 会場は、8月9日、10日は三軒茶屋ナザレン教会ユーオーディア・プレイズホール、11日はインマヌエル中目黒キリスト教会。チケットは事前申し込みが必要。必要事項を記入の上、ファクス・郵送・Eメールいずれかで申し込む。
 全日程(3日間)参加の場合は1万円、部分参加も可。
 申し込み・問い合わせ先/ユーオーディア=〒154-0024東京都世田谷区三軒茶屋2ノ19ノ15 三軒茶屋ナザレン教会B1階 T&F 03・6657・5011、 Eメールeuodia@crux.ocn.ne.jp 締め切りは7月25日(水)。

◎廃棄食品で「貧困者」支援−−(NPO)セカンド・ハーベスト・ジャパン=0707151101

 安全に食べられるにもかかわらず、包装の不備や発注ミスなどで大量廃棄されることになった食料を企業などから譲り受け、生活に困窮する人々に分配する食料支援運動「フードバンキング」。日本ではまだ新しい活動だが、NPO法人「セカンド・ハーベスト・ジャパン」(=2HJ、マクジルトン・チャールズ理事長)を通して企業間に、市民の間に、少しずつ広まりつつある。  農林水産省の調査によると、日本全国の廃棄食料は1日に3万トンを超える。多くは賞味期限切れによる廃棄や食べ残しだが、ラベルの誤りや包装の汚れ、不揃いな野菜や果物など、安全性に問題がないのに捨てられるものも多く、廃棄分の3分の1ともいわれている。
 その一方で、その日の食事にさえ事欠く人々が今、日本に確実に増えつつある。OECD(経済開発協力機構)の報告によると、日本では千950万人が「貧困者」(収入が国民の平均所得の半分以下)であるといい、2HJでは、十分な栄養を含む食べ物を手に入れることができない、いわゆる「フードセキュリティー」を欠いた状態にある人は65万人以上にのぼると試算している。
 2HJは、レストランや卸売・販売業者などから食料を譲り受け、孤児院や老人ホーム、生活困窮者の支援団体を通して母子家庭、ワーキングプア、低所得高齢者、路上生活者、災害による避難民などに配っている。また、公園での炊き出しや、家庭に直接食料を配布する「ハーベストパントリー」も行う。06年には265トン以上の食料を配給。現在は、炊き出しで週500人以上、ハーベストパントリー100世帯、そのほか毎週20を超える施設に食料を提供する。
 「企業にとっても、食料の廃棄は大きな課題です」とマクジルトンさんは言う。市場に出せない食料を1トン捨てるためには10万円ほどの費用がかかるといわれており、支出を減らすと同時に社会に貢献できるとして協力を申し出る企業は多い。現在では10社近くが協力企業として名を連ねている。2HJでも、譲り受けた食品すべてを安全に貯蔵、運搬、調理すること、決して市場に出回らないようにすることなどを企業に約束している。
 もちろん企業や団体などのほか、ボランティアの協力も不可欠だ。2HJでは、食料の寄付、配達、調理、食品の袋詰め、炊き出しなど、様々な働きでの協力を呼びかけている。カトリックの信徒であるマクジルトンさんは「特に、日本の教会にかかわってほしい」とも。2HJの運営には、プロテスタントの牧師が委員として加わり、4つの国際教会がスポンサーとして参加している。「ボランティアとしての協力だけでなく、教会に助けを求めてきた困っている人を紹介してほしい。日本の教会間でネットワークづくりができれば」と願う。「日本では、貧困の問題はあまり表面化していません。貧困者の実態を知らずに、支援活動を『甘やかし』ととらえる人もいます。もちろん、食べ物を提供することが問題の根本的な解決にならないことは知っています。ですが、人はとにかく食べないと何もできない。実際の問題に目を向け、自分たちに何ができるかを考えてほしい」とマクジルトンさんは語った。
 2HJ=〒111- 0053東京都台東区浅草橋4ノ5ノ1 水田ビル1F T&F03・3838・3827。http://www.2hj.org