ヘッドライン
[CSD]2007年10月28日号《ヘッドライン》
[CSD]2007年10月28日号《ヘッドライン》= 1面 ニュース=
◎モンゴル伝統音楽で伝道——アジア・アウトリーチ・ジャパン
★スイス:09年カルヴァン生誕500年へ記念ウェブサイト開設
= 2 面 ニュース=
★「屈辱、恥からの解放を」——第22回聖化大会でS・シーモンズ氏講演
★参加教会へのよい刺激——ジョイジョイフェスティバルinヨコハマ2007
◎北朝鮮水害支援を呼びかけ——医療機関のダメージ深刻
★福田内閣陣容に「失望」——女性の人権確立を要請
★<落ち穂>『カラマーゾフの兄弟』新訳本の反響
= 3 面 =
★<戦争を知らないあなたへ>[9]敗戦で否定された忠君愛国——田中 豁さん
◎平和憲法の影の部分に着目——饒平名長秀氏「沖縄から見た平和憲法」
★<オピニオン>北京オリンピックと中国の人権問題 記・守部 喜雅
= 4 面 ビジネスパーソン=
★「言葉への興味」が仕事に——森宗 秀敏さん[上](広告代理店マネージャー)
★<ゴールデンルール>[21]願望こそエネルギーの源 記・田上(たのうえ)昌賢
= 5 面 情報 =
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★CD:「Heavenly songs」レーナ・マリア(大阪シャローム、2,500円税込)
★BOOK:『京のキリシタン史跡を巡る』杉野 榮著(三学出版、1,260円税込)
★BOOK:『アルファ・コース マンガスタイル・マニュアル』(アルファ・ジャパン、420円税込)
★REVIEW:『賛美のこころ』工藤篤子著(イーグレープ、1,575円税込)評・青木 勝
= 6・7 面 特集/チャールズ・ウェスレー生誕300年 =
★「詩人チャールズ」 記・馬渕 彰
★その賛美と霊的遺産——「歌う教会」の礼拝を再現
★兄ジョンを案じた人柄——人への愛情が主への愛に
= 8・9 面 放送伝道団体特集 =
★無牧教会に衛星放送アンテナを贈呈——日本CGNTV
★ゴスペルの真髄 ストレートに——Gospel Radio Revorevolution
★「視聴者の応援に励まされ」——ハーベストタイム アシスタント中村啓子さん
★ネットでラジオドラマ発信——福音ネット.com
★10月から東北でもラジオ放送開始——「あさのことば」
= 10 面 教会学校 =
★「次の世代を勝ち取らなければ」——ジョイジョイフェスティバルinヨコハマ2007
★<CS分級アイデア>ボンドで作るステンドグラス 記・石橋えり子
= 11 面 クリスチャンライフ =
★「心の力」絵に託して——障がい者の絵画展開催
★ベルギー:遊びまくりのキリストがテレビCMに
★<私の子育て失敗談>おいしいごはんのつくり方 記・斎藤 望
= 12 面 教会 =
★教団あげての開拓伝道——同盟基督・盛岡みなみ教会
◎モンゴル伝統音楽で伝道−−アジア・アウトリーチ・ジャパン=0710280101
「アジアをキリストのもとに勝ち取ること」を目的としたアジア・アウトリーチ・ジャパンが、アジア・アウトリーチ・モンゴルからプロのモンゴル伝統音楽チームを招いて、全国各地の教会をまわる音楽伝道ツアーを展開した。来日したメンバーは、9月15日から30日までの間に計18か所28回の公演を行った。神奈川県大和市の大和カルバリーチャペル(大川従道牧師)で開いた最終公演では、特にユース世代に向けてのメッセージと共に、音楽と踊りを披露した。
演奏の間に、バドマー・ツォゴー氏(ジェネシス─アジア・アウトリーチ・モンゴル主事)はキリストと出会った自らの体験について語った。「キリスト教と言えばロシアの宗教だと考えていた。しかしある時、友人がキリスト教の集会に誘ってくれた。その礼拝で賛美のメロディーを楽しんでいると、その歌詞が迫ってきた。私を誘ってくれた友人も周囲の人たちも、泣きながら賛美をささげる中で、私のうちに『愛』が入ってきたのが分かった。父が私の一番奥深くに触れて下さっているような感覚を覚えた」。バドマー氏は、その時「赤ちゃんのように」泣きじゃくり、キリストを救い主と信じたという。また、聖書個所から「だれでもわたしについて来たいと思うなら、自分を捨て、自分の十字架を負い、そしてわたしについて来なさい」(マタイ16・24)を引用し、集まった日本の若者に「今こそ、イエス様の近くに行きましょう」と迫った。
2本の弦を巧みに弓で奏でる馬頭琴と軽快なダンス、緊張した喉から発せられる笛のような声で歌う喉歌の演奏を披露した。馬頭琴奏者のアルタントゥグ氏は、今回で9回目の来日。05年にクリスチャンとなってからは初の来日となった。「これまでは興行のために来日していたが、今回は神様のために来た」と微笑む。「日本にいる、信仰を同じくする人たちと交流をもつことができ、大変励まされた」と感想を語った。
演奏後、バータージャヴ氏のもとに学生たちが駆け寄り「どうやってあのような声を出しているんですか?」と質問する姿も見られた。
公演の中で、バドマー氏の招きにより日本とモンゴルの若者たちがイエスと出会うようにと祈りの時をもった。
吉田隆氏(アジア・アウトリーチ・ジャパン宣教師)は、「モンゴルの伝統音楽チームとして海外に招いたのは、今回が初めて。手探りで臨んだが、どこでも喜んでもらえ、反響があってよかった」と語った。
90年、それまでの共産党による一党独裁から連立政権に移行したモンゴル。日本の4倍の広さの土地に260万人が暮らす。社会主義計画経済の崩壊により失業率は30%を超え、地方では65%にものぼる。経済などは自由にはなったが働くノウハウをもっていない人があふれているのが現状だ。「このような中で、聖書をもとに教育していくことができればと願っている。そのためにも、引き続き支援と協力を求めていきたい」と言う。
◎北朝鮮水害支援を呼びかけ−−医療機関のダメージ深刻=0710280203
今年8月の集中豪雨で深刻な被害を受けた北朝鮮の支援のため、日本・在日コリアンの団体が共同で「北朝鮮水害復旧支援キャンペーン」を実施。協力を呼びかけている。豪雨は8月7日から1週間にわたって降り続き、降水量は過去40年で最大量という600~850ミリに達した。貯水池やダムの崩壊で家ごと流されたり、土砂崩れや川の氾濫による死者・行方不明者は600人以上。全国各地で数万世帯の住宅が破壊され、工業、農業、鉄道運輸など各部門で深刻な被害が発生しているという。被災者は公共施設や親戚の家などに身を寄せているほかテントでの避難生活を送っているが、衛生環境が悪化し今後は感染症の蔓延が懸念されている。また清潔な飲料水の確保も難しく、下痢や急性呼吸器疾患も2割ほど増えており、特に子どもの健康状態が心配されている。
朝鮮赤十字会によると、保健機関も大きな被害を受けており、562の病院、2千100の診療所が破壊され、保管している医薬品が被害を受けているという。現地では、国際赤十字連盟、朝鮮赤十字会、国連機関のほか、欧米のNGOが支援に取り組んでいるが、復旧には6か月以上を要するという。
日本のNGOは、95、96年の大雨洪水被害で緊急支援に取り組み、これまで北朝鮮の人々と交流を続けてきた。キャンペーン実施団体は「難問が山積し、日朝のつながりはほとんど断たれていますが、このような時だからこそ、私たちは市民から市民への人道支援に取り組み、平和の土台を築いていきたい」と願う。
支援物資は、現地調達か日本からの持ち込みにより、キャンペーン参加団体のメンバーが江原道、平安南道、黄海北道など洪水被災地の医療施設に届ける。支援キャンペーンには在日本韓国YMCA、北朝鮮人道支援の会、日本キリスト教協議会、ピースボートなど6団体が参加。
郵便振替口座00180・4・75788 加入者名=日本キリスト教協議会(通信欄に「北朝鮮水害復旧支援」と明記。問い合わせ=KOREAこどもキャンペーンTel:03・3834・9808、ホームページhttp://www.key-j.org/etc/dprk_flood07/
◎平和憲法の“影の部分”に着目−−饒平名長秀氏「沖縄から見た平和憲法」=0710280302
国民投票法が成立し、「憲法改定」への危機にさらされている中で10月12日に「沖縄から見た日本国憲法——とくに第9条を中心として」(日本基督教団東京教区北支区教育部・社会部・沖縄委員会主催)が、新宿区の日基教団・信濃町教会で開かれた。講師には、戦前から敗戦まで六年間の学齢期を台湾で過ごし、戦後は琉球大学・岡山大学、東京の聖契神学校で学んだ饒平名長秀氏(よへな・ちょうしゅう=沖縄バプ連盟・神愛バプテスト教会牧師)を迎えた。饒平名氏は、「平和憲法の光の部分は多く語られているので、光を支える影の部分を語りたい」として、沖縄は薩摩藩の支配下になった近世琉球時代以降、本土国防・戦略の地政学的観点から重要視されており、時として日本にとって「捨石的な存在」という観点が今日まで続いていることを指摘した。このような本土と沖縄を切り離した観点は、日本(本土)人自身の中にもあり「60年安保の時、安保反対者たちの意識の中から『沖縄』はすっぽり抜け落ちていた。軍事基地化の沖縄への無関心、切り捨て(感覚)に、日本・日本人への幻滅を感じた」と言う。今日の9条の問題についても「日本が現憲法の9条を徹底すればするほど、沖縄は米国による軍事基地化を強められるという歴史がある。そこに本土とは異なる9条の見方を沖縄は持っており、本土とのねじれがある」ことを指摘する。
また、歴史教科書から沖縄戦で軍命による住民の「集団自決(強制集団死)」の記載が削除された問題についても「経験者たちにとっては、あまりにもつらい出来事だっただけに口にしたくないし、多くの人たちは語らなかった。だが、有ったことを公然と『無かった』ものにしていく動きに、つらい経験だが口にするようになってきた。これは、大きな日本のうねり——右傾化への流れに沖縄からはっきりと『ノー』と言っていることを意味する。戦時中の(日本の)軍隊の残酷性、占領下の(米国の)軍隊のひどさを味わったのは沖縄です。そのつらさを知っているゆえの拒否反応です」と語り、軍隊は決して国民(住民)を守らないという本質、そして軍隊が守ろうとする国家の本質とは何かという問題意識を喚起した。