[CSD]2007年11月25日号《ヘッドライン》

[CSD]2007年11月25日号《ヘッドライン》
 = 1面 ニュース=
★小さな祈り会が全国へ——キリスト者学生会60周年
★国際:世界改革教会連盟が改革派エキュメニカル協議会に統合を提案

 = 2 面 ニュース=
◎牧師のSOSと危機対応——TCU国際宣教センターが協議会
★賜物を発見しチームで教会づくりを——DCAT 2007 JAPANに40教会参加
★靖国問題を国際社会に訴える——在米韓国人団体がキャンペーン
★国際:名画「最後の晩餐」をネットで無料公開
★<落ち穂>日本とタイの教会を結びたい

 = 3 面 =
★<戦争を知らないあなたへ>[13]焼夷弾当たり左手失う——西條 初栄さん
★<逝去>門屋昭平氏(光のミッション専務理事・事務局長、73歳)
★<逝去>田村美昭氏(日本メノナイト・富良野のぞみ教会牧師、77歳)
★<オピニオン>世界の歴史を導かれる聖書の神 記・渡部 敬直

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★この仕事は私にとっての神学校——菰渕 泰さん[中](大阪地方裁判所執行官)
★<セールスウーマンの楽しい伝道>[5]死んだらどうなると思う? 記・渡辺明日香

 = 5 面 情報 =
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★BOOK:『心の井戸を深く掘れ』安食弘幸著(イーグレープ、1,260円税込)
★BOOK:『神さまに用いられた人 三浦綾子』宮嶋裕子著(教文館、1,260円税込)
★CD:「Memorial Christmas」小坂 忠ほか(ミクタムレコード、2,800円税込)
★REVIEW:『真夜中に戸をたたく キング牧師説教集』クレイボーン・カーソン/ピーター・ホロラン編著(日本キリスト教団出版局、2,730円税込) 評・古川修二

 = 6・7 面 葬儀特集 =
★葬送を通して伝える福音——故人・遺族の意向を最大限尊重し 復活社
★墓地・埋葬の諸問題にもアドバイス 石の東陽インマムエル
★BOOK:『愛する人と自分のためのキリスト教葬儀』水野 健著(いのちのことば社、735円税込)

 = 8 面 特集/愛のささげもの =
☆豊かに蒔く者は、豊かに刈り取る

 = 9 面 全面広告 =
☆日本ペンテコステ親交会 第43回教役者大会
テーマ「時代を勝ち取る教会」
2008年1月29日(火)~2月1日(金) 会場:静岡県・遠鉄ホテル「エンパイア」
大会事務局:ホープ・チャーチ Tel.047-333-5698

 = 10 面 教会学校 =
◎57回迎えた「キリスト教教育週間」——NCC教育部100周年記念事業で足跡をDVDに
★<CS分級アイデア>折り紙でつくろう——クリスマスの星 記・石橋えり子

 = 11 面 クリスチャンライフ =
◎神様の御言葉、手渡すために——日英対訳小冊子「ブック・オブ・ホープ」普及へ
★親子3代のゴスペルハーモニーNO—EVIL FAMILY——クリスマス向けアルバムをリリース
★<私の子育て失敗談>[38]愛しているけど、好きじゃない 記・斎藤 望

 = 12 面 教会 =
★地域との交流深め広がるネットワーク——埼玉:アッセンブリー・サンライズクリスチャンチャーチ——

 = ?—? 面 日本キングス・ガーデン連合特集 =
★砂漠を主の園のようにする
★充実した老後をサポートするために——自立生活を支援するケアハウス
★経験・知恵を分かち合う——連合研修会で常により良いケアを研鑚
★ケアハウスを利用するには
★日本キングス・ガーデン連合加盟・友好関係施設一覧

◎牧師のSOSと危機対応−−TCU国際宣教センターが協議会=0711250201

 人間関係が築けない、精神的疲労、危機対応の失敗など、牧師のストレスが増加し、辞任せざるを得ない例も少なくない。こうした実情を把握、情報交換し、対策を探ろうと、東京基督教大学(TCU)国際宣教センター(倉沢正則学長・センター長)が11月5、6日、先ごろ千葉県印西市の同大学内に竣工した国際宣教センター館を会場にしての最初の企画として「牧師のSOSと危機対応」をテーマに教会教職育成継続プログラムを開催した。各教派・団体の教師の危機管理責任者らに呼びかけ40人余りが参加、同大や東京基督神学校の学生、教員も交えて活発な議論を交わした。コーディネーターは山口陽一・東京基督神学校校長。
   ◇
 玉井邦美(同盟基督・新鎌ヶ谷聖書教会牧師、オアシス・チャーチ・ミニストリー代表)、藤掛明(聖学院大学准教授、牧会ジャーナル編集委員、浦和福音自由教会員)、坂野慧吉(浦和福音自由教会牧師、牧会ジャーナル編集長)の3氏が講演。藤原導夫(日本バプテスト教会連合)、古畑和彦(カンバーランド長老教会)、丸山園子(日本同盟基督教団)、森直樹(日本福音キリスト教会連合)の4氏が、それぞれ属する教派の実情や危機対応を事例報告し、協議会で現代における牧師の危機にどう応えるかを話し合った。
 玉井氏は、各地の教会で悩む牧師・牧師夫人たちの声を聴いてきた経験から「牧師は神との関係、自分との関係、他との関係の中で働きに召されている。そのことを見つめることができずに、問題だけに取り囲まれ押しつぶされているのではないか」と現状分析。神との関係を第一に優先することを強調し、神が自分や他者をどう見ているかという認識が必要だと提言した。牧会者の霊的分野におけるSOSは召命感の欠如、救いの不明確さ、神との交わりの希薄さにあることを指摘。過密なスケジュール、リーダーシップの欠如、教職どうしの協力の中でのトラブル、牧師家庭内にうっ積した問題など実際的な面や、牧師の資質について概観した。
 藤掛氏は「牧師のストレスとセクハラ」の題で講演。臨床心理の見地から「牧師ほど複雑な人間関係を扱う職業はない。(人間援助職として専門的な)何の訓練も受けずに丸腰で戦いに行くようなもの」と、牧師があらゆる人を相手に悩みや問題を聴く一方、組織の管理者としての責任も負う重層的なストレスがかかる特殊な立場にあることを指摘。ストレス反応として金銭や異性関係など問題行動に出る心理メカニズムを解説し、対策として、自分の弱さを認め受け入れること、親しい友やスーパーバイザーから助言を受けること、自助グループ的な本音の交流ができるネットワーク構築などを挙げた。
 坂野氏は、牧会者の牧会年数や年齢、健康、人間関係など個人としての危機、夫婦関係や子どもの成長、経済など家族としての危機、牧師交代や会堂建築など教会としての危機などを踏まえて、「牧師の危機対応の具体策」を提言。神学校における実践神学の強化、牧会経験3年、10年など、家族の休暇も含めて定期的な研修をすることなどの予防策、専門家グループ(牧会経験者、牧会神学者、臨床心理士、家族カウンセラー、医者、精神科医、スピリチュアルケアをする人など)によるケアや自助グループ、ネットワークによる相互ケアの必要を述べた。
 協議会では、牧会者の自助グループやケアに役立つ機関についての情報交換、国際宣教センターの今後の役割などについて活発に討論した。
 国際宣教センターでは活動の一環として、今後も継続的に牧師・宣教従事者を支援するプログラムを提供していくことにしている。

◎57回迎えた「キリスト教教育週間」−−NCC教育部100周年記念事業で足跡をDVDに=071125

 今年で設立100周年となる日本キリスト教協議会(NCC)教育部では、1年を通し様々な記念事業を展開している。毎年秋に開催しているキリスト教教育週間も、今年はその一環として行われ、日本の子どもたち、世界の子どもたちを改めて覚えるひとときとなった。57年に及ぶ教育週間の歴史を振り返りつつ、10月21~28日に開催された今年の様子を紹介する。

 キリスト教教育週間のスタートは1951年。第1回のテーマは「若き者の心にキリストを」だった。「戦後の混乱期に、子どもたちの心をキリストに向けよう、青年や子どもを通じて一般家庭に伝道しよう、と始まりました」と、NCC教育部のスタッフ福井貴絵子さんは言う。当時の趣旨は、第2回「すべての家庭にキリストを」(52年)、第3回「だれがよい国をつくるか」(53年)のテーマからも伺える。
 しかし、戦後10年以上が経過し日本が豊かになってくると、58年に日本で初めて世界キリスト教教育大会が開かれたことをきっかけに、教会学校関係者の関心は発展途上国への支援、そして世界伝道に向かい始めた。「日本の子どもへの教育的伝道を目指していた教育週間は、『恵みの分かち合い』を趣旨とするように変わっていきました。教育週間の第2段階ですね」と福井さんは語る。60年には、「全世界に出て行って、すべての作られたものに福音を伝えよう」をテーマに、アフリカでの医療活動に身を投じたアルベルト・シュバイツァー博士の働きを支援した。
 第3段階と呼べる動きは80年代後半になってから。89年、子どもの権利条約が国連で採択されると、キリスト教教育者の間で「日本の子どもたちの状況に目を向けよう」という声が上がるようになる。「いじめ、体罰、差別などが問題視され始めた当時、『大人と子どもが共に生きる』ことを問うようになっていったんですね」
 そして、96年から現在にかけては、・大人は、子どもが人として大切にされ、成長できるようにするにはどうしたらよいか、キリスト教教育の働きについて考える。子どもは、自分は大切な存在であることを知る時とする、・互いに愛し合うしるしとして、子どものいのちと権利を守る働きに献金し、アジアの子どもたちのいのちと権利を守る働きのために捧げる、の2点を趣旨とし、教育週間を行っている。
 今年は、「希望はここに」をテーマに開催。「今の子どもたちは、かないそうにない夢や努力が必要なことを避け、『身の丈にあった希望』しか求めないようになってきているのではないか」との懸念から、「どんなに状況が厳しくても、必ず私たちとともにいてくださる方がいる、『ここにある希望』を子どもたちに伝えよう」との思いを込めた。また、チェルノブイリ原発事故で大きな被害を受けたベラルーシ共和国にある子どものための保養施設「希望21」への支援を募った。
 NCC教育部では毎年、教育週間のために全国4千の教会、幼稚園、学校などに案内を配布。希望の教会には現地の写真を紙芝居にした子ども向け視聴覚資料を貸し出している。また、CD—RОМバージョンも200円で販売。教育週間の期間に大人と子どもの合同礼拝を特別にもったり、献金を寄せたりと、「加盟教会の間で、教育週間が少しずつ定着してきている感じがする」と福井さん。「今の子どもたちの課題を、多くの教会がおぼえて共有してくれていると思うとうれしい」と語った。
 100周年記念行事としては、12月にDVD「日曜学校から始まるキリスト教教育の歩み」を発売予定。予価千785円税込。注文・問い合わせはTel&Fax03・3203・0731。

◎神様の御言葉、手渡すために−−日英対訳小冊子「ブック・オブ・ホープ」普及へ=0711251101

 「みことばを若者・子どもたちの手に渡すこと」を目的に発行、配布されている日英対訳の伝道用小冊子「ブック・オブ・ホープ(希望の本)」(発行・ブック・オブ・ホープ・ジャパン)は国内ですでに40万部が発行されている。日本の窓口、ブック・オブ・ホープ・ジャパンは、年内に小学校低学年版「君のブック・オブ・ホープ教師用マニュアル」の発売や日本語版のホームページ設置を予定。10月にブック・オブ・ホープ創設者ボブ・ホスキン氏が来日し、東京・千代田区神田駿河台のお茶の水クリスチャンセンター(OCC)で集会を開き、「ブック・オブ・ホープ」の紹介と共に、国内外ですでに用いてきた教会・団体の牧師らによる報告や意見交換をした。

 「ブック・オブ・ホープ」とは、イエス様の誕生から復活までの流れを、新約聖書の四福音書からピックアップしてまとめたもの。「コンプレックス」、「流行」、「恋愛」、など11のトピックスに分けて多くの若者が抱く疑問に答える。章ごとにワークブック型式の振り返りのページがあり、「イエス様がどのようなお方か、なぜ来られたのか、どのように救い主として受け入れるか」など救いまでのステップをたどる。
 日本では青年用「ブック・オブ・ホープ」、「君のブック・オブ・ホープ」、英会話テキスト「ブック・オブ・ホープ・イングリッシュ・レッスン」(CD付)を発行している。
 創始者のホスキン氏は、米国アッセンブリー教団宣教師として1964年に中東・レバノンに赴いた時「分かりやすい文書で伝道をしよう」との思いを抱いた。福音を簡単にまとめた文書をアラビア語で作文し、地元の新聞に小さな広告を出した。「その結果、大きな反響があったのです」と語る。
 この時、「福音の力は福音そのものにある」と気づき、80年から社長として勤務した米国の出版社ライフ・パブリッシャー・インターナショナルから、スペイン語圏向けの伝道用冊子を製作し、送った。すると87年、エル・サルバドルの教育省から「エル・サルバドル内の学校に通う『希望』のない環境におかれているすべての子どもたちに、聖書のことばを届けてほしい」との要請を受けた。
 それに応える形で、教育の専門家の助けを借りて「ブック・オブ・ホープ」の前身「ブック・オブ・ライフ」を作成。これが始まりとなり、以後世界百数十の国と地域で配布されてきた。旧ソビエト連邦の宗教相から初の宗教の公認出版物として、1億4千万部の注文を受けたこともあった。現在、52か国語に翻訳されている。
 「人の知恵ではなく神様の知恵が現れるためイエス様は、多くの優れた哲学などについて語らなかった。神についてのことばではなく、神のことばを世界中の若者、子どもたちに届け続けたい」とホスキン氏。
 集会では、福岡県内の大学や都内の大学でバイブル・スタディーのテキストとして用いた結果、その中から洗礼を受ける人や、伝道者を目指す若者が起こされている例が報告された。配布する際の注意点として「学校で配布する際は学校側から許可を得る。得られない場合、警察に許可をもらう」、「地域教会に結びつけることを勧める」などを挙げた。
 同小冊子は無料(英会話用のみ900円)、送料のみで取り寄せ可。問い合わせTel03・5974・9058、Fax03・3940・4168、Eメール BookofHopeJapan@aol.com