ヘッドライン
[CSD]2008年2月10日号《ヘッドライン》
[CSD]2008年2月10日号《ヘッドライン》= 1面 ニュース=
★「スポーツネット」がISCに加盟——北京五輪 伝道に連携強化
★JEA神学委員会:第5回日本伝道会議に向けアイヌ問題の学び会 = 2 面 ニュース=
◎神のかたちの回復としての宣教——9月に名古屋で東海宣教会議?
★各教会が市政のため祈祷会——東京・国立市関口市長新年度の政策語る
★<逝去>織田 昭氏(『新約聖書ギリシア語小辞典』編纂者、80歳)
★<逝去>岡 幸男氏(元相模鉄道副社長、衣笠病院前理事長、83歳)
★<教界ニュース>書き損じハガキでアジア・アフリカの児童支援を
★<落ち穂>日本福音学校と神の国運動 = 3 面 =
★「祈りの姿勢を正そう」——断食祈祷聖会2008
★<教会の実情を知る:集計データから>教会の立地と経過年数——10年以下の教会72・4%が「閉塞感ない」
★<オピニオン>イスラム世界の拡大と宣教挑戦 記・趙 南洙 = 4 面 ビジネスパーソン=
★聖書に見る現代の経営——前原 利夫さん[上](経営コンサルタント、牧師)
★<コミュニケーションのヒント>[3]案ずるより伝えてみると… 記・森宗秀敏 = 5 面 情報 =
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★BOOK:『これだけは知っておきたいキリスト教』山我哲雄著(洋泉社、1,470円税込)
★BOOK:『こうして光があった 聖書のことば』絵:ターシャ・テューダー(日本キリスト教団出版局、1,470円税込)
★BOOK:『バッハのコラール』川端純四郎・関口直人編著(、円税込)
★REVIEW:DVD「十戒は愛のことば」黒田禎一郎講演説教(ミッション・宣教の声、6,000円税込)評・高原幸男 = 6・7 面 聖書特集特集 =
★<教会の実情を知る:地域宣教座談会・東海>地域教会から考える教会の閉塞感 = 8・9 面 2・11特集 =
★「日の丸・君が代」強制——信教の自由からノーに 最高裁どう判断?
★解説:ピースリボン裁判
◎中国・重慶爆撃から70年 西川重則氏語る——「キリストにある平和 打ち立てて」
★2・11集会情報 = 10 面 教会学校 =
★子どもたちが変わってきた——東京FM・川越国際キリスト教会
★<CS分級アイデア>白熱バトルゲーム——ジョニー JFキッズ = 11 面 クリスチャンライフ =
◎一緒に暮らせるのは日本だけ——ジランちゃん一家、国外退去命令取り下げ求めて控訴
★<映画>「フランチェスコ」身近な存在として描いた作品(彩プロ配給、2月2日公開)
★スイス:U2のボノとゴア前米国大領領の対談——ゴア氏を神父に見たてて懺悔?!
= 12 面 教会 =
★「神が民のために備えてくださった」——元仏具店を新会堂に改装 アライアンス・川口キリスト教会
◎神のかたちの回復としての宣教−−9月に名古屋で東海宣教会議?=0802100201
今年9月22日から3日間、名古屋港湾会館(地下鉄・名古屋港駅下車2番出口、徒歩3分、Tel052・652・7151)を会場に「第5回東海宣教会議」(同実行委員会主催、河野勇一実行委員長)が開催される。同会議は2001年に愛知県瀬戸市で開催された「第4回東海宣教会議」以来7年ぶりの開催となる。今回のテーマは「神のかたちの回復としての宣教」(こころ・からだ・いのち)~創世記1・27~。主講師にはアメリカ・カベナント神学校教授(キリスト教と現代文化)で、フランシス・シェーファー研究所専任研究者のジェラム・バーズ氏と、金城学院大学学長で精神科医、淀川キリスト教病院名誉ホスピス長の柏木哲夫氏。
東海宣教会議は87年に第1回が開催され、第1回、第2回は「宣教の働き」、第3回、第4回は「教会形成」にそれぞれ焦点を当てたテーマを取り上げてきた。
今回のテーマ設定に当たり河野実行委員長は「現代社会は表面的な繁栄とは裏腹に、ますます複雑化して混迷を極め、その中に生きている人たちは様々な歪みを受けています。生きていることの実感が薄くなり、人間のこころ・からだ・いのちが危機に瀕しています。そのような状況の中でキリストの福音こそが、その歪み、破れの真の原因である罪を取り上げてつつ『神のかたち』を回復するものだということを改めて確認したい」と語る。
今回はバーズ氏の3回の講演、柏木氏の1回の講演のほか、小堀英郎氏によるピアノコンサートもある。
2回予定されている分科会のテーマは講演形式で行う「題目別セッション」、「シングル・結婚・職業」(多様なライフスタイルと神からの召命確認)、「社会の霊性・宗教習俗と福音」(古来の習俗や現代流行の「スピリチュアル」)、「『こころ』と人間関係(コミュニケーション)の危機」(様々な精神的問題へのキリスト信仰からのアプローチ)、「キリスト者の『からだ』的責任」(環境・平和などの社会的課題への取り組み)、「『いのち』と人間の尊厳」(胎児から末期医療まで問われる人間観)、「教会の礼拝を豊かに」(賛美・祈り・御言葉・交わりが信仰生活の原動力に)の6項目。
また討論会形式で行う「宣教フォーラム」は「学生・若者宣教」(宣教現場の声・情熱・意見交換)、「クロスカルチャー(異民族・文化)宣教」(滞日・在日外国人、帰国子女、海外宣教)、「キリスト者の子育て・信仰継承」(夫婦・家庭生活・学校教育)、「高齢化社会における教会と宣教」(高齢者による伝道、対高齢者のケアと伝道)、「東海地域での宣教と教会形成」(地域の歴史・特徴、教役者の情報交換)、「教会の多様性と一致」(主流派・福音派・カリスマ派の相互交流と理解)の6項目。会議ニュースは緑キリスト教会のホームページhttp://www.midori-church.net/ で見ることができる。
問い合わせ=東海宣教会議・実行委員会事務局〒466-0823名古屋市昭和区八雲町81ノ14、日本アライアンス教団名古屋キリスト教会、Tel&Fax052・837・1847。Eメール nagoyac@kuc.biglobe.ne.jp
◎中国・重慶爆撃から70年 西川重則氏語る−−「キリストにある平和 打ち立てて」=080210090
戦後63年、戦争の記憶も薄れつつある中で、防衛庁から防衛省への昇格、教育基本法の改定、国民投票法の成立、憲法改定への動きなど、徐々に戦前の日本に近づいている。この危機の時代に、アジア諸国への侵略・加害の歴史を検証、反省し、キリストにある平和な世界をクリスチャン一人ひとりが考え、行動する時がきているのではないか。「政教分離の会」事務局長の西川重則氏に話を聞いた。◇
70年前の2月18日、日中戦争のさなかに日本軍は重慶への空爆を開始した。蒋介石率いる国民党の攻撃を目的とした空爆は5年有余に及び、死傷者は民間人含め2万人以上と言われている。大規模な爆撃であったにもかかわらず、日本人に広く知られるようになったのは今から4年前。重慶で行われたサッカーのアジアカップで、日本チームや日本人サポーターが中国人から、野次や罵声を浴びたことによる。60年以上たってもなお「過去」となっていない中国人の感情に触れ、重慶爆撃の歴史の重さに直面したのだ。しかし、多くの日本のマスコミは「中国の反日教育による被害者意識」として、歴史の検証をし認識を改めるきっかけにしなかった。
重慶爆撃から70年の節目となる今年、私はクリスチャンとして神による真の平和を築きたいと願う。そのために04年から毎年中国・重慶、成都に渡り、被害者やその遺族と直接会って、先の爆撃の事実に対し心から謝る機会をつくっている。昨年は重慶爆撃の被害の様子を再現した重慶中国三峡博物館を訪れ、空爆の惨劇を改めて知り、一日本人としてクリスチャンとして謝罪をせずにはいられなかった。
無差別空爆の犠牲は深刻で、被害者の悼み、悲しみ、憤りは消えるはずもない。小泉首相当時のことだが、想像を絶する戦争の惨禍を、直接体験した被害者の言葉で印象的だったのは、「首相の靖国神社参拝を、どうかやめてください」という警告だ。日本軍の兵士が「英霊」として祀られる靖国神社に、爆撃をしたパイロットも祀られていることを思えば当然の感情だろう。重慶を訪れた昨年末、時を同じくして福田首相が訪中していた。靖国参拝をしないと発表している首相が北京大学で講演をし、「過去をきちんと見据え、反省すべき点は反省する勇気と英知」が必要と述べ、学生から拍手喝采を浴びた。しかし、年明け早々に閣僚らと伊勢神宮へ参拝するなど、言行不一致といえる。加えて、臨時国会でテロ対策特別措置法が57年ぶりの衆議院の再議決で通ると、インド洋での給油活動再開を2月中旬にも予定。十分な国民の合意、議論がないまま、日本が戦争に加担しているといえる現状は、アジアの人々にも脅威である。
日本の侵略・加害行為によって今も精神的に苦しめられているアジア諸国の人たち、また命を落とした人たちへ真に謝罪し、反省の思いをどうかたちにするのか。「共に平和に生きる世界を創り出すこと」ではないだろうか。また、クリスチャンとして主にあって歴史に学び、今をどう生きるかという視点から、アジア全体で歴史認識を共有することが重要だ。
63年前の戦争について、検証を十分にしていない今の日本。まして重慶爆撃の惨禍を知ることもないまま、再び戦争に加担しつつあるということは、思想、良心の自由、信教の自由が脅かされるだけではない。憲法改正も勇み足で近づいている今、イエス・キリストの父なる神様を中心とした平和を打ち立て、日本に警鐘を鳴らしていく必要があるのではないか。
◎一緒に暮らせるのは日本だけ−−ジランちゃん一家、国外退去命令取り下げ求めて控訴=080210110
埼玉県川口市に暮らすクルド人、サルマン・タスクンさん(31、トルコ国籍)と、妻でフィリピン人のベルトランさん(41)、娘のジランちゃん(6、フィリピン国籍)の一家は現在、日本政府から国外退去命令を受けており、命令の取り下げを求めて東京高裁に控訴中だ。一家はこれまで4度、難民認定を申請してきたが、日本政府は2004年1月に申請を却下し、一家を東京・品川区の入国管理センターにバラバラに収容した。仮放免中の現在は家族そろって暮らしているが、「ジランには、その時のショックがいまだに残っています」と両親は話す。「日本は、外国人を閉め出そうとしているようです」。タスクンさんは、日本政府の一連の対応に憤りを隠さなかった。タスクンさんは17歳の時、クルド人を迫害していたトルコ軍への兵役入隊を逃れて日本へ来た。実家があるクルド人居住区は、ほとんどがイスラム教徒だ。一方、ベルトランさんはキリスト教徒で、実家はカトリックの「頑固で保守的な土地柄」。イスラム教徒と結婚したため、実家とは絶縁状態だという。ジランちゃんも日本で生まれ育ち、日本語しか話せない。トルコかフィリピン、どちらの国へ行ったとしても言葉や生活環境、習慣の問題に直面することは明らかで、政府の迫害や地域からの差別を受ける恐れもある。
「家族で暮らせるのは日本しかない」。その一念で申請してきた難民認定は、日本政府によって却下された。タスクンさんはトルコへ、ベルトランさんはジランちゃんとフィリピンへ帰るよう命令され、入国管理センターのそれぞれ別の部屋に収容された。当時3歳になったばかりのジランちゃんは
すぐに仮放免され、近くに住む親戚に引き取られたが、両親と引き離された状況を理解することができなかった。「面会に来るたび、ガラスの向こうで泣くんです。『ママ、どうしてそこにいるの? そっちへ行きたい、鍵はどこなの? ジランのこときらいなの?』…」。当時を振り返り、ベルトランさんは顔を歪めた。