ヘッドライン
[CSD]2008年11月30日号《ヘッドライン》
[CSD]2008年11月30日号《ヘッドライン》= 1面 ニュース=
◎模範信者装い教会乗っ取り——韓国教会に大打撃「新天地イエス教」
★通巻2000号記念を迎えて
= 2 面 ニュース =
★日本基督教団総会:「未受洗者配餐」問題、戒規申立決議が無効に——教団議長に山北宣久氏4選
◎「襲撃対象は最下層の人々」——インド・オリッサ迫害から3か月
★<教会の実情を知る:ルポ>[34]まず神様に聞くことからに方向転換——プログラムをこなすことが伝道との誤解
★<落ち穂>伝道とは、神が働かれること
= 3 面 教界ニュース =
★WEA総会:飢餓撲滅、世界宣教、迫害下の教会、教会の公共性に焦点——新議長に金相福氏 記・具志堅 聖
★韓国基督教総連合会との協力強化を——JEA理事長ら訪韓
★ワールド・ビジョン・ジャパンがコンゴ東部人道危機に緊急募金
★<オピニオン>前航空幕僚長の盲信を他山の石に 記・水谷 潔
= 4・5 面 2000号を振り返って=
★キリ番で見る教界の動き——週刊クリスチャン新聞 宣教の媒体として41年
★週刊ペースで福音「再発見」——教会間協力への情報提供
= 6 面 読者の声=
★2000号に寄せて:教会学校の話題にも役立った
★2000号に寄せて:時にはイベントに参加したり…
★2000号に寄せて:福音界にはばたく新聞として期待
★2000号に寄せて:生活、家族の問題にも新聞通として
= 7 面 全面広告=
☆クリスマスにあなたの愛を 日本国際飢餓対策機構
ホームページ http://www.jifh.org/
= 8・9 面 特集/現代日本の教会の実情を知る=
★アンケートのコメントから:祈りとビジョンで閉塞感打開へ
★アンケートのコメントから:地域・社会と教会の接点をもとう
= 10・11 面 特集/在韓日本人伝道 =
★異文化はイエス様に出会うチャンス——オンヌリ教会日本語礼拝部・こひつじクラブ
★韓国教会の愛に感謝——在韓日本人の憩いと伝道の空間サランハウス
★マナ・ハウス オープン——日本人留学生のための憩いの広場
★寄稿:在釜山日本人伝道の実が結ぶことを願いつつ 記・金 応守
= 12・13 面 特集/スザンナ・ウェスレーの家庭教育=
★教育を重んじたメソジスト運動
★両親をモデルにした敬虔と理性
★宗教教育の基礎は意志征服
★心身を統御する約束の教育
★ものの所有と自我形成
★BOOK:『スザンナ・ウェスレーの祈り』——母の祈りに込められた思い
= 14 面 ビジネスパーソン =
★元銀行マンが市議会議員に——辻 正雄さん(高松市議会議員)
★<サーバントリーダーシップ>[6]「権力」「権限」に頼らず人を動かす 記・真田 茂人
= 15 面 牧会/神学/社会 =
★美濃ミッション事件と現代の危機[2]——「過去から学ぶ時代悪化の兆候」石浜みかる氏講演から
★<精神障害と教会>[40]回復(2)——治っていなくても回復は可能 記・向谷地 生良
= 16・17 面 関西だより =
★心が「晴れる家」オープン——安らぎの介護シャロームの生涯安心住宅
★近放伝:女性セミナーで重荷分かち合い
★<逝去>富浦佳子さん(日本福音教会元夫人委員長、同国分福音教会牧師夫人)
★VIP関西10周年へ——小さな祈り会がビジネスマン
★インフォメーション:カルチャー、コンサート情報
= 18 面 情報 =
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★MOVIE:「懺悔」——悔い改めと赦しを問うグルジア映画(ザジフィルム配給、12/20より東京・岩波ホールでロードショー)
★BOOK:『こころの散歩道』堀 肇著(いのちのことば社、945円税込)
★REVIEW:『うつになった聖徒たち』ブレンダ・ビンセント著(CS成長センター、1,470円税込)評・斉藤善樹
= 19 面 クリスチャンライフ =
◎心肺停止、奇蹟の生還が賛美CD生む——アルバム「両手いっぱいの愛」
★25年越しに日本公開されたグルジア映画「懺悔」——主演のA・マハラゼさん初来日
= 20 面 ひと =
★神様が私に訪れてくださった——イ・ミンソプさん(ソウル・オンヌリ教会礼拝担当牧師)
◎“模範信者”装い教会乗っ取り−−韓国教会に大打撃「新天地イエス教」=08011300101
模範的信徒を装って教会に潜伏し、ひそかに仲間を増やして教会を乗っ取る―そんな手口の異端が韓国で深刻な被害を与えている。11月6日、都内で在日本韓国基督教総連合会が主催した異端セミナーで、韓国の異端専門家らが口をそろえてその猛威に警戒を呼びかけた。「新天地イエス教証拠(証しの)幕屋聖殿」。長老教会に出席していた李マンヒ(77)=現・新天地イエス教総会長=が神秘体験をし、ユ・ジョエルの「幕屋聖殿」に入ったが80年に離脱。その強い影響を受けた終末的教理体系で新天地イエス教を創設した。主から直接啓示を受けたとし、「聖書の著者と同等かそれ以上」と自称している。
セミナー講師の一人、韓国基督教総連合会(CCK)異端対策委員会副委員長の朴浩根氏(大韓イエス教長老会合同総会異端対策委員長)は、在米韓国人社会で新天地の活動が活発だといい、「在日の数も多い。東京などで活発だ」と警告した。東京で数年前70人の新天地信者を確認したが、今ではその拠点が4か所に拡大し信者数も増えているという。「韓国教会はまるごと新天地にのみ込まれたり分裂したり、大きな被害を受けている。同様の被害が起こらないよう予防が必要です」
やはり同委員会副委員長で韓国基督教異端相談所長の陣用植氏は、正統教会の信者を奪う新天地の手口を解説した。新天地信者は正統教会の信徒になりすまし3~10年潜伏。熱心に集会出席し奉仕する模範信者として信用を得、セルリーダーや教会役員になる。その間に新天地の教えで一人ひとり教会員を奪い、しまいに牧師解任を決議して追い出し新天地出身の牧師を招聘する。看板は普通の教会のまま中身がそっくり新天地に入れ替わってしまう。
ソウル首都圏の大教会では数百人から千人の新天地信者が潜伏していた例が複数あり、長老や副牧師が奪われた教会もある。忠実に牧師に仕え、牧師が「この人を見習いなさい」と推奨するような模範的信者を装っていた。被害教会では、「長年この教会で厳しい弟子訓練を受けたのに、なぜ異端から改宗しなかったのか」といぶかる。神学校に入って勉強しても変わらないという。
「新天地の教えはそれほど深く入っている。いかに熱心に教会で学んでいるように見えても、それは全部演技。彼らは毎日厳しい訓練を受けて正統教会を熟知しており、信者をどのように奪うかシミュレーションをしている。聖書から学びましょうと誘われ、普通の教会の信者は太刀打ちできない」。陣氏は、韓国教会の弟子訓練が教会成長に重点を置き、教理教育が手薄だったと弱点を指摘する。牧師の子弟で新天地に入ってしまう例も多く、大学生伝道団体にも入り込んでいる。
韓国のプロテスタント人口は25%と言われてきたが、近年は減少傾向で20%を切り861万人。それに対し異端カルトは200万人に急増しているという。朴氏は「毎年1万人がプロテスタントから異端に移る。そのうち異端がプロテスタントを上回ることも考えられる」と危機感を表した。
すでに日本語サイトもあり、「この内容は教会や聖徒の信仰の知識のために公益的な目的で聖書を根拠として書いたものです」と聖句を引用しながら教義を流布している。
◎「襲撃対象は最下層の人々」−−インド・オリッサ迫害から3か月=08011300202
インド東部オリッサ州でのキリスト教迫害から3か月。同州のジャングルには今もなお多くのクリスチャンが逃げ隠れしており、100人以上が殺害され300以上の教会と信徒宅が襲撃されたという。だが、詳細は今も分かっていない。10月に来日した、インド南部ケララ州で貧しい子どもたちを助ける働きをするインド・ゴスペル・ミッション(IGM)シャローム子どもの家代表のロイ・アパロース氏に話を聞いた。◇
IGMにはオリッサ州に4つのブランチ教会があり、8人(うち7人がオリッサ出身)の宣教師を送っている。だが、オリッサ出身の宣教師とは連絡がとれていない状態だという。「オリッサでは、かなり計画的で組織だった襲撃が行われた。4つの教会は破壊され、何も残っていないという。この暴動が起こった後は危険なため、オリッサに近寄れない」
「政府は、暴動をやめさせなければ州政府の強制解散を発令すると言っているが、ヒンズー第一主義の保守勢力の発言が増しているためできない」とも。「そのような政治的背景があるため、迫害が広がるのを許してしまっている。政府も警察もあてにならない」という。
「今回のヒンズー原理主義者の襲撃対象は、最下層カーストの人々」とロイ氏。「宣教師は『家畜以下』といわれてきた最下層カーストの人々に福音を伝えてきた。その結果彼らが改宗し、カースト制度から解放されていった。これは、インドの考え方を根底から覆してしまうことになる。それで、ヒンズー原理主義者は彼らを襲撃対象にした」
「この暴動は他州にも飛び火している」とも。「州によって状況は違うが、牧師が殺されたり教会が襲撃されることは起こっている。だがオリッサ州のような組織だった襲撃でなく、個別的なものだ」。「一般のヒンズー教徒は親切で友好的。ひと握りの超保守的な過激派が問題だ」とも付け加えた。
この状況に対しロイ氏は、(1)インドの平和、憲法で保障されている信仰の自由が守られるように、(2)オリッサの人たちに経済的支援が届くように、と祈りを要請した。インド・オリッサ迫害への救援募金の問い合わせはFax.03・5300・0872、堀井まで。