ヘッドライン
2000年11月26日号《ヘッドライン》
2000年11月26日号《ヘッドライン》
= 1面 =
◎「JEA世界宣教青年大会」準備段階から若者が参加——21世紀の宣教切り拓く
★「私も映画に感動し教会へ」——映画「親分はイエス様」バラバの妻役のナ・ヨンヒさん
★聖書協会世界連盟:「教会の宣教使命の一翼」自覚——「UBSの基本と精神」声明を採択
★<いやしの時代>[29]精神障害者が運営する事業 浦河「べてるの家」の人々(下)
★<落穂抄>教会の顔が地域に伝わる方策を = 2 面 =
★<突然の災害>[4]三宅島噴火:弱さの中で支え合う恵みを体験
★教会はなぜ若者を捕らえられないのか?——JEA宣教推進会議「次世代への宣教」模索
★国際福音伝道会連盟:「21世紀における和解の福音」語り合う
◎「訓練不足で現地と不和」は根拠ない——日本人宣教師160人からのアンケート結果
★OCインターナショナル日本理事長に神田英輔氏
★<論説>迫害下の教会のため祈ろう 記・油井 義昭
★<教界の動き>聖協団京都教会、ディアコニア教会大阪伝道所、渡辺暢雄氏
★<論説>帰国者には移行期が必要 記・片岡 伸光
★<神の国の物語>[4]私の教会が建つ地域 記・谷口和男 = 3 面 全面広告=
☆近畿・四国クリスマス集会ガイドほか = 4・5 面 三浦綾子 召天1周年=
★<インタビュー>綾子は神が備えた配偶者だった——三浦光世
★若者が語る三浦文学の魅力
★三浦綾子の生涯年表・著書一覧
★三浦綾子関連の新刊情報 = 6面 全面広告=
☆映画「親分はイエス様」 = 7面 プロテスタントの信仰と遺産=
★メソジストの創始者ジョン・ウェスレー——18世紀英国リバイバルの担い手 = 8 面 特集/教会と福祉=
★開拓伝と同時に介護福祉事業——川崎市「ホッとスペース中原
★教会の福祉勉強会から生まれた障害者自立センター
★私塾でホームヘルパー養成講座開設——アライアンス学園 = 9 面 =
★神の力意識し演技——映画「親分はイエス様」バラバの妻役のナ・ヨンヒさん
◎名古屋でも第2回全国青年宣教大会——地元若手牧師の要請で開催
★米国:説教の題材に困る牧師のためのお助けサイト
★小坂忠さん25年ぶりにセキュラー舞台でパワフルに歌唱
★<召天>米田 奈津子(ホーリネス・西落合キリスト教会牧師) = 10 面 =
★<聖書66巻>マルコ福音書 触れ合いを通じて教える主 記・奥村 修武
★<書評>「イエスの隠された生涯」マーク・ダーリ著(集英社)
★<新刊書紹介>「愛されて、許されて」鈴木 啓之著(雷韻出版)
★<新刊書紹介>「教会と教会堂」長久 清著(日本基督教団出版局)
★ = カラー別刷り特集 =
☆クリスマス・スペシャル
「JEA世界宣教青年大会」準備段階から若者が参加−−21世紀の宣教切り拓く
教会における若年層の減少や低迷に対する危機感の高まりとともに、青年への宣教のチャレンジや児童伝道を促す様々な取り組みが模索されている。そうしたなかで日本福音同盟(JEA=蔦田公義理事長)では、地域教会の協力を軸にクリスチャン青年の活性化を図り、二十一世紀の宣教の担い手となる青年を育てようと、世界宣教に関する青年の大会の計画を進めてきたが、十一月六日から八日、長野県の恵みシャレー軽井沢で開いた第二回世界宣教コンサルテーション(世界宣教委員会主催)で概要が固まり、具体的な準備に入った。一方、同時開催された第三回宣教推進会議(宣教委員会主催)では「次世代へ向けての宣教」を主題にすえた。(関連記事2面) 「JEA世界宣教青年大会」は、二〇〇三年八月十四日から三日間、千五百人から二千人規模の集会として開催することが今回のコンサルテーションで決まり、東京周辺を中心に開催地を絞っている。同大会は、JEA世界宣教委員会(三ツ橋信昌委員長)が九八年の第二回世界宣教日本会議、九九年の世界宣教コンサルテーションの懇談などを経て、多くの青年クリスチャンが一堂に会し、世界宣教のビジョンを共に分かち合い、主に自らをささげる時と場を持つことが必要だとして立案、今年六月のJEA総会で承認されたもの。
「新世紀に向けての世界宣教」を主題とした今回のコンサルテーションでは、JEA傘下の教団教派に参加を呼びかけ「JEA世界宣教青年大会」開催について協議。大会の目的、名称、期日が決められ、来年一月半ばには、実行委員会が発足する見通しとなった。大会名称に入れられた「世界宣教」という言葉は、単に狭義の「海外宣教」を意味するのではなく、日本宣教も含め、すべての宣教を包括する言葉として用いることも確認された。
大会の目的は「二十一世紀の宣教を切り拓くクリスチャン青年が、福音の豊かさを知り、
世界宣教の現状とみことばから宣教のビジョンをいただき、主からのチャレンジを受け止め、地域教会に仕え世界宣教の担い手となる」とされ、運営にあたっては、実行委員会、実務委員会に青年が加わり、準備段階から青年がかかわることも確認された。
大会への目標として参加者から「献身者が起きること」「リーダーシップの継承と育成」「地域教会の活性化」「牧師の覚醒」「キリスト教界の中での青年の役割強化」「世界/社会における青年の役割を知る」などの意見が出され、実行委員会にゆだねられることになった。
三ツ橋信昌JEA世界宣教委員長は「キリスト教界に限らずあらゆる組織が二十一世紀をいかにして生き残ろうかと考えている。どの組織もやはり若者の肩にかかっています。このような大会が継続され、日本の教会の若者が二十一世紀の日本と世界の宣教に立ち上がって『ここに、私がおります。私を遣わしてください』と言って、遣わされる場に出て行くことを願っています。教会から送り出され、世界の教会に仕えるということが求められているのです」と語っている。
「訓練不足で現地と不和」は根拠ない−−日本人宣教師160人からのアンケート結果
第2回世界宣教コンサルテーションで、JEA世界宣教委員会(三ツ橋信昌委員長)がまとめた日本人宣教師基礎資料の分析結果を、同委員の清野勝男子氏(元インドネシア宣教師、同盟基督・土浦めぐみ教会牧師)が発表した。この基礎資料は、日本人宣教師264人を対象に実施したアンケートで、160人から回答を得た。結果は6月に沖縄で行われた日本伝道会議に合わせて集計されたが、細かい分析は今回が初めて。宣教師の派遣先は東南アジアが最も多く、次いで南米、北米の順になっており、派遣方法は76%が教団教派の宣教師として派遣されている。超教派の宣教団体から派遣される宣教師は40・9%おり、教団教派の宣教師を超教派の団体を通して送り出す方法がかなりの数に上ることが分かった。
また、宣教地での平均奉仕年数は11・16年で、もっとも長い人は38年になる。宣教師派遣にあたっての訓練については、1か月以上1年未満の訓練を受けた人が55・2%、3年未満の訓練を受けた人を合わせると8割を超えた。
退任した宣教師に退任理由を聞いたところ、子弟教育がトップで、次いで教団内人事となっている。現地協力関係不調和は一件だけ報告されている。
清野氏は「今まで、日本人宣教師は十分な訓練を受けていなかったから現地とうまくいかなかったといわれていたが、それはまったく根拠のないことが分かった。訓練は受けているし、退任理由に現地との不調和も極めて少ない。その一方で、独身の女性宣教師の献身的な働きに支えられている面もある」と分析した。
今回の調査で、未回答者の中には日系人教会や現地教会の牧師に近い立場の人が多くおり、世界宣教委員会ではアンケート結果は十分実質を反映していると評価している。
名古屋でも第2回全国青年宣教大会−−地元若手牧師の要請で開催
地元若手牧師の要請で開催 「主の勇士よ!立ち上がれ!」とのテーマのもとに十月二十八日、名古屋市内の布池文化センター・セシリアホールで「第二回全国青年宣教大会」が開催された。これは、今年三月に大阪で約八百人を集めた第一回全国青年宣教大会に出席していた大橋健治氏(41)=クリスチャンライフ・今大会実行委員代表=など中部地方の十数人の若手牧師の要請で実現したもの。来年二月には東京での大会開催も決まっており、今後各地で継続されることが期待されている。 名古屋での集会は午後から半日だけの集いだったが、プログラムは盛りだくさん。第一部はSOON、ノエル・シンガーズ、純福音名古屋聖歌隊、がんばるばんどなど、地元の教会のバンドや聖歌隊が次々出演するコンサート。日ごろ同世代のクリスチャンとの交わりの機会のない青年にとって、互いに励まされ刺激し合うひと時となった。第二部は、パネルディスカッション。二十代、三十代の学生や社会人六人がパネラーとなって「私にとって伝道とは」のテーマで約一時間の討議。
伝道とは、自分が隣人との関係を強め、信頼関係を作る中で自然な形でという意見と、「時が良くても悪くてもみことばを宣べ伝える」ことが必要であり、様々な機会を用いて伝道の時を用意し実践することが必要だとの意見が出た。
コメンテーターの藤林イザヤ氏(36)=京都中央チャペル牧師・全国青年宣教大会相談役=が、若いクリスチャンがぶら下がった生き方ではいけない、親に対しても、社会に対しても、国に対しても、教会に対しても、一人ひとりがしっかり自立して、自分の持つべき責任を果たすべきではないかと語ると、会場から拍手が起こった。
「同世代の意見が聞けて考えさせられた」「次回は自分がパネラーになりたい」「定期的に集まってこのような話がしたい」など出席者からは積極的な反応が返ってきている。 不満でなく
アイデアを そして第三部は、講師の万代栄嗣氏(41)=松山福音センター牧師=による力強いメッセージ。黙示録三・14節から22節より「教会批評家になってはいけない。もっと伝道したらいいのにと思うなら、あなたが牧師に声をかけて始めればいい。教会学校がふるわないと思うなら、あなた自身が具体的なアイデアを出してやり始めなくてどうする!」と青年らを叱咤激励。
一時間にわたるメッセージの後、約二百五十人の出席者のほとんどが立ち上がって、不
満を言うのではなく、自分自身が主のために出て行こうという悔い改めと決意の祈りをさ
さげた。また献身の招きに応じて、二十五人が講壇の前に進み出て、主のために生涯をさ
さげるとの熱い祈りをささげ、地元の牧師らも手を置いて祝福を祈った。 翌日、伝道
した中学生 実行委員として中心的な役割を担った中岡茂一氏(39)=神の家族アガペチャーチ瑞浪チャペル牧師=は、こう感想を述べた。「青年たちがその場限りの感動に浸ったのでないことは、彼らの言動によってわかります。私の教会では翌日、ある中学生が福音を伝えなければならない友人を心に示されたので、と言い実際にクリスチャンであることを伝え教会に誘ったと報告をしてくれました」
次世代の教会を建て上げる青年信徒と教職者を生み出して行こうという若手牧師らのビジョンから始まった同大会は、出席者には年齢制限はないが、十代から三十代を主なターゲットにしており、講師はじめ実行委員にあたる教職者は四十五歳以下という枠を設けている。 福音派の教
会と一緒に 大橋牧師は「今回は準備期間が半年と非常に短く、ペンテコステ教会が中心だったが、次回はぜひ、福音派の教会と先生方といっしょにゼロからこの大会を創り上げて行きたい。そして自分の教会にしっかりと結びついて教会を担っていく青年たちを起こしていきた
い」と抱負を語っている。