2000年12月3日号《ヘッドライン》

2000年12月3日号
《ヘッドライン》
 = 1面 =
★「オウムの子」もへだてなく——1主婦が実践する普通のつきあい
◎「教会と国家」学会が発足——クリスチャン議員らも参加
★「東京大聖書展」終わる——18日間で5万2000人見た
★<いやしの時代>[30]介護資格を持ったよろず屋 木之内 泉・けい子さん(上)
★<落穂抄>真剣勝負の伝道映画  = 2 面 =
★<突然の災害>[5]三宅島噴火:恐怖体験を越え生きる信徒・求道者
◎経済危機下の信仰経営が脈々——大阪で第14回CBMCアジア大会開催
★中国:福音派一掃キャンペーン——社会主義と両立する神学めざす
★中国:牧師・神学校教師解雇など排除の事例多数報告
★中国:外国人の宗教活動規制を強化
★インドネシア:マルク和平へ宗教間対話の兆し
★<論説>2000年のクリスマスを迎える 記・岡村又男
★<神の国の物語>[5]人間じゃない 記・谷口和男  = 3 面 =
★日朝国交正常化のために忘れてはならないもう一つの拉致問題 記・高戸 竹二
★日本の低出産率とキリスト者家庭 記・ロバート・シェード
★<記者の目>クリスチャンの熱心な「証し」が自己満足に見えるとき  = 4 面 特集/近畿福音放送伝道協力会=
★私はラジオ、テレビを通して救われました
★明日の近放伝を語る——21世紀に向けて期待と抱負  = 5 面 放送伝道特集=
★伝道の意識持ち支援を——「ライフ・ライン」来春千葉で放送開始
★ラジオ伝道から生まれた教会——米子福音ルーテル教会
★IT時代の意味するもの 記・湯口 隆司
★パーソナリティ募集——近放伝「福音の光」
★改革派教会ラジオ伝道部が改称——CRCメディア・ミニストリーに  = 6面 全面広告=
☆映画「親分はイエス様」  = 7面 ビジネスマン伝道特集=
★忙しくてもゴルフには来る——峰町キリスト教会「おやじ組」
★ホテルの会食なら夫も来てくれる——香川の地域教会がフェローシップ・ディナー
★日本在住のアフリカ人ビジネスマンにも福音を——VIPクラブ
★聖書的世界観を持ち行動する人であれポール・ジョンソン氏大阪で講演  = 8 面 伝道団体シリーズ=
★ユース・ウィズ・ア・ミッション——伝道・訓練・救済活動  = 9 面 全面広告=
☆ワールド・ビジョン・ジャパン  = 10 面 関西だより=
★第1回「国家朝餐祈祷会」大阪で開催
★金 泳鎮氏(世界クリスチャン議員連盟総裁)に聞く
★フェスティバル2001 1年前大会静かに燃える
★なにわ名物人物伝:田中宗興さん(ギデオンメンバー)
★大阪のクルセードの歴史  = 11 面 =
◎悔い改めポルノ捨て——米バイオラ大学で霊的覚醒とリバイバル
★唐に伝わった福音いきいきと碑文に——景教の足跡を現代訳
★21世紀への宣教と教会形成探る——韓日教会指導者が交流
★北海道牧場で働く鈴木光利さんCDアルバム制作
★チラシタイプの三浦綾子さんトラクト発行
★ブラジル:エイズ防止のコンドーム使用——急速に普及し感染減少  = 12 面 =
★<聖書66巻>ルカの福音書[1]全世界の救い主キリスト 記・津村 春英
★<書評>『<聖>をめざす旅』アラン・クライダー著(東京ミッション研究所刊)
★<新刊書紹介>『先生がいたから、生きてこれた』織田 明希著(文芸社刊)
★<新刊書紹介>『小説「聖書」使徒行伝』ウォルター・ワンゲリン著(徳間書店刊)

「教会と国家」学会が発足−−クリスチャン議員らも参加

「教会」は神の恩寵の秩序のもとに、「国家」は神の配剤のもとに置かれていることを知り、それぞれの存在理由、相互の関連と適切な機能について考究、その成果を世に問うことを目的とした「教会と国家」学会の創立会議が、十一月二十一日、東京・千代田区永田町の衆議院第一議員会館で開かれ、同学会の創立を全会一致で承認した。会長に同学会発起人の一人戸枝義明氏(日本宣教会議議長)を選んだほか、副会長、理事を選出した。
 当日はクリスチャン議員をはじめ、牧師・信徒約三十人が参加した。
 衆議院議員の土肥隆一氏(日基教団・和田山地の塩伝道所牧師)は紛争国を訪れた体験を話し、「教会と国家が様々な現実にぶつかっている。背景には宗教対立もある。国家が国家としての役割を果たすとは何か、この会で考えていきたい」と期待を述べた。
 参議院議員の竹村泰子氏(日基教団・札幌北光教会員)は「ここ一、二年で自分たちの気持ちをよそに、数々の法案が通過していった。悩み苦しみの毎日だが、神様は一つのグループを作って下さった。これからどう動いていけばよいか、学んでいきたい」と語った。
 戸枝氏は「日本の教会は国家とかかわりを持たない形で伝道してきた。しかし欧米では、教会と国家は重要な思想を占め、教会は国に真理、自由、平和の方向を指し示してきた。聖書から国家をどう見たらいいかが、『教会と国家』学会の意図だ」と方向性を示した。

経済危機下の信仰経営が脈々−−大阪で第14回CBMCアジア大会開催

 十一月八日から十一日、ビジネスマン伝道団体日本CBMC(日本基督実業人会=鈴木留蔵会長、一九八二年設立)が大阪市内のホテルで、「二十一世紀のビジョンとリーダーシップ」をテーマに第十四回CBMCアジア大会(中島孝夫実行委員長)を開いた。大会講師の一人で、ここ二、三年非常に拡大したビジネスマン伝道団体インターナショナルVIPクラブの代表役員、市村和夫氏が「圧倒的多数の未信者に届くためCBMCと協力し合いたい」と語るなど、日本のビジネスマン伝道が大きな協調・協力関係のなかで進んでいることを国際的に印象づける大会となった。各種の講演、討論プログラムを通し、アジア各国を襲った経済危機のなかにも、クリスチャンの実業人らが信仰を強め、精神論ではなく実際面で経営の刷新を行い、主の証し人になろうと奮闘しているさまが浮かび上がった。アジア八か国をはじめ十三か国から二百二十人が参加した。  特別経営シンポジウムでは、ソロモン経営研究所長中野工氏のコーディネートで「クリスチャンリーダーによる経営――その強みと弱み」がテーマ。パネリストとして、碁・将棋盤業界一位の西本誠一郎氏、調理場専用靴などユニークな発明で生き残ってきた二代目社長の石田栄助氏、靴下業界利益率第一位の上田利昭氏、動物病院コンサルティング第一人者の西川芳彦氏が、悩みや試行錯誤のなかで会得した経営実践やポリシーを分かち合った。実際的で信仰に裏打ちされた体験談が共感を呼んだ。
 国際競争のなかで生き残る能力主義と、弱者をいたわる考え方がどう両立するかなど、社会の動向や一般の経営論を認識しながらクリスチャンとしての志を生かすより良い経営戦略が、今後の交流のなかで生み出される予感を抱かせた。
 CBMC国際教育主事のポール・ジョンソン氏が、国際的なCBMCの戦略に基づき、大会テーマ「二十一世紀のビジョンとリーダーシップ――聖書に学ぶ成長、発展のための十の法則」について語った。人々をキリストに導くリーダーのあり方として「砕かれる」ことを学ぶ重要性を強調した。(講演要旨7面)
 長年国際的なビジネスマン伝道に携わってきた日欧交流研究所所長の黒田禎一郎氏が「パウロのリーダーシップ」と題し、イエス様との人格的な関係によって霊的に強められることを強調した。VIP責任役員の市村和夫氏は「リーダーシップとは?」と題し、成功ではなく主を求めることから来る謙遜、プライドや金銭、異性の問題を回避させる正直さ、すべてを動機づける愛を強調した。

悔い改めポルノ捨て−−米バイオラ大学で霊的覚醒とリバイバル

米国で屈指のキリスト教大学であるバイオラ大学で、霊的な覚醒とリバイバルが起こり、今なおその現象は続いている。
 九月十五日、通常のチャペル礼拝で、説教者が過去に大学で起こったリバイバルについて語る中で、学生の中から「どうして、神は今、ここで行われないのだろう」と大声で訴える声が起こった。さらに説教者は続けて、学生たちに自分の罪を告白し、神の前に義とされよ、と過去の大学のリバイバルの特徴である告白と悔い改めを訴えた。
  突然、学生たちが体育館の前方に続く長い行列をつくり、自分の罪を大勢の前で告白し始めた。男性は女性によくない扱いをしたことを、女性はねたみ、悪口を告白し、またほかの者は自分のプライドや不道徳、ポルノづけになっていたことなど、神から示された罪を涙ながらに告白した。多くの学生が「自分はまじめな学生に見えるだろうけれど、毎晩インターネットでポルノを見てる。やめられないんだ」などと告白したという。ゴミ箱は学生たちが捨てた雑誌でいっぱいになった。
 毎日の礼拝に使っている大学の体育館は二千席以上。集まった学生はおよそ三千人と見積もられ、これまでにおよそ一千人が罪を悔い改めたと学生部では語る。
 一人の学生がもう一人の学生の方に手を差し伸べ、罪の告白と悔い改めをし、祈りが続いた。このような非公式の祈祷会が礼拝に引き続いておこり、二十四時間態勢で日夜祈りは続き、昼間の祈祷会も合流している。
 バイオラ大学はロサンゼルスのダウンタウンにあり、一九〇八年に設立された。一九〇六年のアズサストリートのリバイバルのあと、多数の回心者のための聖書学校として始められた経緯がある。同じようなリバイバルは一九七七年から一九七八年にもあり、当時学生だった世代が神に「もう一度リバイバルを」と祈り続けてきた。
 ある学生は、この運動についてあまりにも長い間祈ってきたので、「とても現実とは思えない」と興奮していた。「神様は何か特別なことをしておられる。私たちはずっとその働きを見ていきたい」
 別の学生は「私はこれまでこんな痛みや涙を大勢の前で見せたことはありません。多くの学生が同じように恥、罪の意識、罪との戦いに対する恐れを告白しました。お願いします。どうかバイオラのために祈ってください。リバイバルのために祈ってください。私たちの学内から罪を一掃し、神の御心に目覚め、失われた魂や貧しい者、まだ福音を聞いていない人のために働けるように」と語る。
 同大学での七〇年代のリバイバルを経験し、今回も現地で目撃したケン・ジョセフ氏(ジャパンヘルプライン代表)は、「リバイバルはともすると単なる感情的な高揚だと批判されがちだが、私の人生はその日以来変わり、今もそのままです」と話している。