[CSD]2009年9月20日号《ヘッドライン》

[CSD]2009年9月20日号《ヘッドライン》

 = 1面 ニュース=
◎「情報ブック」宣教アンケート:帰国者クリスチャンがいる教会3割——約2割が海外に姉妹教会
★信仰×芸術 描き続け——個展で出合える「安富ブルー」

 = 2 面 ニュース=
◎「情報ブック」宣教アンケート:進展する海外教会との交流——帰国者信者への配慮不足も認識
★キリスト教主義学校調査:性教育は聖書科授業で——実践には大きな壁
★<落ち穂>衝撃的なアニメ映画「戦場でワルツを」

 = 3 面 =
★主と共に東海道500キロ完歩——祈り祈られ58教会を訪問
★国際:人身売買問題に特別チーム——世界福音同盟が組織化
★国際:WCC次期総幹事にトゥヴェイト氏
★ドナルド・マッキム博士来日講演(『リフォームド神学事典』編者)——10月9日東京で開催
★<オピニオン> 記・榎本 恵

 = 4 面 全面広告=
☆第6回首都圏キリスト教大会——あなたに希望を HOPE
10月24日(土)~25日(日) 会場:青山学院講堂
ホームページ http://shutoken.jesuscom.net/

 = 5 面 ビジネスパーソン =
★田畑 卓美さん[中](鹿島建設[株]滋賀営業所営業課長)——「鹿島さんにお願いしよう」と言ってもらえる営業マンに
★<ストップ・ザ・不祥事>[最終回]人材資源を適材適所に 記・楠田高久

 = 6・7 面 宿泊特集 =
★黙想と味覚で心身の癒し——兵庫:VIPアルパインローズ・ビレッジ
★「イエスの教えに基く接客を」——栃木:高原のキャセロール
★紅葉の中 静まるひととき——岡山:蒜山バイブルキャンプ

 = 8 面 全面広告 =
☆「クリスチャン情報ブック2010」いよいよ9月15日発売
ハンディな年刊プロテスタント情報誌
ホームページ http://jpnews.org/databook/2010/

 = 9 面 情報 =
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★DVD:「三浦綾子の足跡」(いのちのことば社、6,090円税込)
★BOOK:『「神さま」と呼ぶ祈り』木下宣世著、森本二太郎・写真(日本キリスト教団出版局、1,575円税込)
★REVIEW:『ロイドジョンズ ローマ書講解』D・M・ロイドジョンズ著(いのちのことば社、4,200円税込)評・鈴木英昭

 = 10 面 教会学校 =
★<教会学校の実情を探る>教会=「楽しい」場所にしたい——ホーリネス・青梅恵みキリスト教会
★<CSもうひと味>名前にひと工夫——「全員野球」のような協力体制

 = 11 面 クリスチャンライフ =
★キリストに魅せられ 描くキリストの世界——個展開く安富信也さん
◎「お年寄りと一緒に暮らす」——20年の祈り聴かれたアパート「めぐみの家」
★<痛みに中に生きる>[30]団塊編 闘キ同、闘った人たちは今

 = 12 面 教会 =
★今春開拓 「人」を建て上げる教会に——東京サラン教会



◎「情報ブック」宣教アンケート:帰国者クリスチャンがいる教会3割−−約2割が海外に姉妹教会=0909

 近年、海外でキリスト教の信仰をもち、現在は日本で暮らす「帰国者クリスチャン」と、受け入れる側である日本の教会とのコミュニケーションが、教会形成の課題の一つに取り上げられている。日本の教会の3割に帰国者クリスチャンが礼拝出席しており「積極的に受け入れるが、特別な配慮はしていない」という教会の対応が、2010年版『クリスチャン情報ブック』の調査で浮かび上がってきた。

 クリスチャン新聞では全国のプロテスタント教会および教団教派に教会アンケート調査の協力を得て、年刊『クリスチャン情報ブック』を発行し今日の宣教状況を報告している。今年同調査に関連して実施した「海外の教会および帰国者クリスチャンと日本の教会」アンケートの集計結果によると、約2割の教会が海外にある教会と姉妹教会の関係を結んでいることが分かった。また、回答を寄せた739教会の半数強には日本に滞在する外国人クリスチャンが礼拝に出席しており、教会も何らかの支援協力の関係をもっている。
 海外でキリスト教信仰をもった、あるいは受洗した後に日本にいる帰国者クリスチャンが礼拝に来ている教会は33・8%だった。帰国者クリスチャンは「いない」と回答した486件の理由は、教会に来ない(34・0%)、以前はいたが今はいない(20・2%)、理由の回答なし(42・8%)。現在、帰国者クリスチャンがいる教会と、以前いたが今はいない教会を加えると47・1%の教会が帰国者クリスチャンとかかわりをもったことになる。
 地球は一つの村になったといわれる今日、姉妹教会、滞在外国人クリスチャン、帰国者クリスチャンらとの交流が、日本の教会の徳が高められる交わりへと進展する方向性などについても、日本伝道会議のプロジャクトなどに期待したい。
 この宣教アンケートの集計結果の詳細は、9月15日発売の『クリスチャン情報ブック2010』(5千円税込)に掲載される。

◎「情報ブック」宣教アンケート:進展する海外教会との交流−−帰国者信者への配慮不足も認識=09092

 クリスチャン新聞発行の年刊『クリスチャン情報ブック2010』(9月15日発売、5千円税込)では、全国の約8千教会を対象に「海外の教会および帰国者クリスチャンと日本の教会」アンケートを実施。海外の教会との姉妹教会の有無、滞在外国人クリスチャンとの関わり、海外で信仰をもった帰国者クリスチャンとのコミュニケーションなどについて調査した。
     ◇ 
 宣教アンケートの調査結果によると、海外の教会と姉妹教会関係を結んでいる教会は約2割で、そのうちの3割強が1~5年の協力関係にあり、近年海外にある教会との連携が急速に進展しつつある状況がうかがわれる(設問と集計結果の表を参照)。これは既存の日本の教会が、海外の教会との姉妹教会関係を結ぶとともに、海外の各個教会が宣教プロジェクトの一環として日本にブランチ教会もしくは単立教会として教会形成し、姉妹教会関係を築くという形態が増加している影響もあるだろう。姉妹教会との交流の内容では、教会プログラムで相互交流(8・3%)、人的・経済的協力関係(8・0%)など相互の親睦・支援的なものが盛んな様子で、「礼拝、伝道方策で協力」のような宣教プロジェクト的な協力は3ポイントほど下がっている。
 日本に滞在している外国人クリスチャンと日本の教会のコミュニケーションについては、半数強の教会が滞在中の外国人クリスチャンとなんらかの関係をもっていることが分かった。国・地域では、韓国・中国・フィリピンなどのアジアからの滞在外国人が46・2%以上を占めており、アジアの中の日本は、教会にとってこれからの大きな宣教課題といえるだろう。
 海外でキリスト教信仰をもった、あるいは受洗した後に日本にいる帰国者クリスチャンは日本の教会にあまり定着していないとの見方があるが、その理由としては「海外の国々の教会と日本の教会との文化、生活面での違い」(39・8%)、「受け入れる側の日本の教会の対応や配慮が不十分、もしくは分からない」(21・8%)など、コミュニケーションのギャップを指摘する回答が多かった。一方で、教会の帰国者クリスチャンへの対応としては、「特別な配慮はしていない」(23・4%)、だが「積極的に受け入れる」(22・7%)というもの。
 さらに、帰国者クリスチャンが日本の教会に定着するための取り組みとしては、「日本の教会が帰国者クリスチャンの違和感に対応するよう意識改革と努力をする」(29・1%)、「牧師、リーダーが帰国者クリスチャンから率直な意見を聞くようにする」(21・8%)など、帰国者クリスチャンの受け止め方や考え方を理解しようとする回答が多い。
 関西のある教会の牧師は「対応しやすい教会と、難しい教会が、善し悪しではなく存在している。これは、教会の歴史や集っている会員たち、牧師のタイプやビジョン、海外経験などにも由来しているので、一面仕方ないこと。しかし、積極的に対応する意識や意欲、能力やプログラムがあるかどうかを表示する場を設け、帰国前に国外の教会と受け入れ側の教会が連絡を取れるようにできないだろうか。例えば、受け入れ歓迎教会をリンクしたり、歓迎教会を列記したホームページをつくるとか」という実際的な提案をコメントに寄せている。

◎「お年寄りと一緒に暮らす」−−20年の祈り聴かれたアパート「めぐみの家」=0909201102

 元気なうちは自由に、体の自由がきかなくなっても、介護を受けながら自分の好む生活を続けられるアパートが、秋田県秋田市の郊外にある。南国風の青い壁が爽やかな高齢者用賃貸住宅「めぐみの家」がそれだ。
 コの字型の平屋は、賃貸用の6部屋すべてが南向きで芝生の生えたドッグラン兼中庭に面している。建物の一部は訪問介護サービスの合同会社「グレイス」の事務所兼「めぐみの家」の家主であり「グレイス」の社長でもある細部聖名子さんの住居にもなっている。
 「老人ホームなどでは、起床や就寝時間が決められ、好きな時間に好きなことができなかったり、友達を泊めたりできなかったりするでしょ。そういう不自由さをなくしました。その上で、介護が必要な人は介護を受けながら生活することができます」と聖名子さん。
 「めぐみの家」を始めるきっかけは、聖名子さんの通うルーテル同胞・秋田中央キリスト教会の客員だった独り暮らしのSさんが倒れたことに始まる。キリスト教の老人ホームが秋田県内にはなく、ますます元気をなくしていくSさんに、聖名子さんが「3年待って。そうしたら一緒に暮らそう」と約束した。
 約束したものの具体的な形が見えないまま1年以上がたったある日、転機が訪れた。2006年7月、左足の手術をすることになり、飼っていた犬の散歩をかって出てくれた犬の散歩仲間の女性が、聖名子さんの事情と看護師の経験があることを知り、介護事業所の開設を勧めてくれたのだ。かつての同僚や仕事仲間に声をかけると、看護師やヘルパーの有資格者らが賛同し集まった。そしてわずか1か月半という不思議なほどの早さで、9月初めには貸家で訪問介護サービスの合同会社「グレイス」が開所した。銀行から頭金なしの全額を借りられ、約500坪の土地が与えられて、07年9月「めぐみの家」が完成。約束からちょうど3年目のことだった。聖名子さんはSさんだけでなく、以前から一緒に暮らそうと決めていたお年寄りたちとも暮らし始めた。
 実は、聖名子さんがお年寄りと一緒に暮らそうと考えるようになったのは、Sさんとの約束よりも11年も前のことだ。教会員のお年寄りが病気で倒れたとき、同じ教会の姉妹たちが付き添っていたのをみて、なぜ家族でもないのに付き添っているのかと疑問に思い、聞いた。すると聖名子さんを小さいときからかわいがってくれている関川トシさんが「今は家族がみるどがって時代ではね。みれる人が順番でみるんだ。おれのときにはおめだや」と言い、それを素直に受け止めたという。独身だった関川さん、一人暮らしのSさんたちの老後を心配をしていたのは、聖名子さんだけではなかった。実は聖名子さんの母も信仰の先輩でもある彼女たちの面倒をみてくれる人が起こされることを、20年以上もひそかに祈り続けていたのだ。
 現在、5人のお年寄りが暮らしている「めぐみの家」は、教会員のボランティアに支えられているものの、家賃を入居者の収入に応じて設定しているため、赤字経営だ。「でもいいの。神様にお金持ちのお年寄りも入居させてくれたらなってお願いしてあるから」と聖名子さんは明るく笑った。