[CSD]2010年7月18日号《ヘッドライン》

[CSD]2010年7月18日号《ヘッドライン》

 = 1面 ニュース=
★キリスト戦士プロ野球に旋風——阪神好調の助っ人マット・マートン選手・ジェイソン・スタンリッジ選手

 = 2 面 ニュース =
◎青山学院院長に山北宣久氏——キリスト者条項を堅持
★ハンセン病行政は終わっていない——「基本法成立後の今からが正念場」
★エジンバラ東京会議[8]宣教団体の聖書的根拠——神からの使命を植え付ける
★母子保健へのG8宣言にワールドビジョンは努力を評価
★<落ち穂>消えない心の重荷

 = 3 面 教界ニュース =
★<竜馬をめぐる人々>[14]沢辺琢磨の章:4——維新革命を担った神の器
★登戸学寮に初の女子寮オープン——50年の伝統変えてみたら 男子学生の態度良くなった
★<逝去>ものみの塔を内部告発したレイモンド・フランズ氏死去
★<オピニオン>インターネット時代の神学教師の責任 記・アブラハム 石原

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★戸田 安土さん[中](金城学院名誉理事長)——将来は無医村医療に捧げたい
★<モノトーンからの脱出>[11]イエス様と一緒に「深呼吸」 記・小川 巧記

 = 5 面 牧会/神学/社会=
★日本人キリスト者の見た「日韓併合」[2]韓国人「衰老」を併合理由と見た宮川経輝 記・山口 陽一
★国際:改革派新連合「改革派教会世界共同体」結成——2大組織が合流、信徒8千万人に
★<精神障害と教会>[77]こころの故郷(2) 「故郷」に戻る当事者研究 記・向谷地 生良

 = 6・7 面 全面広告特集=
☆第42回 日本伝道の幻を語る会
開催日時:8月23日(月)~25日(水) 会場:千葉県・市川サンシティ
主催:日本キリスト伝道会 Tel.03-3804-1765 Fax.03-3869-5262

 = 8 面 教界ニュース/歴史検証=
★過去ではなく今に続く痛み——「韓国併合100年」を思う
★日・韓・在日キリスト者による発題
★教会と国家学会講演会——牧会の地で生き証人と出会い

 = 9 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★CD:「目的地」石川達也(全7曲、MESSIAH Records、1,500円税込)
★BOOK:『ゆうべの祈り』C・ブルームハルト著(日本キリスト教団出版局、2,310円税込)
★BOOK:『祈りと聖書と霊想』鈴木武仁著(おとずれ社、315円税込)
★REVIEW:『和解と癒し』世界教会協議会 世界宣教・伝道委員会編(キリスト新聞社、2,310円税込)評・正木牧人

 = 10 面 関西だより =
◎消火器教会投げ込み事件の容疑者逮捕——「悔い改め、更生して」
★いのちのことば社60周年記念出版『聖書神学事典』——大阪で出版記念講演会盛況に
★社会福祉法人グッド・サマリタン設立
★集会・イベント情報

 = 11 面 クリスチャンライフ =
◎日本発!「四つの法則」漫画トラクトに——発売3カ月 伝道用にと好評
★「アーティストたちの熱気伝えたい」とサルーキ=が企画提供——「ゆめ☆あすVol.2」トレッサ横浜で7月18日開催
★Movie:「樺太1945年夏 氷雪の門」——戦争への憤りと平和への願い込めて(7月17日シアターN渋谷で公開)http://jpnews.org/pc/modules/smartsection/item.php?itemid=72

 = 12 面 ひと=
★小坂直輝さん(ジャズピアニスト)——賛美歌を弾くのは信仰告白


◎青山学院院長に山北宣久氏−−キリスト者条項を堅持=1007180201

 学校法人青山学院第13代院長に7月1日、山北宣久氏(日本基督教団総会議長、聖ヶ丘教会牧師)が就任。同日、東京都渋谷区の同学院講堂で就任式が行われた。08年6月30日に前院長の深町正信氏が退任して以来、半田正夫副院長・常務理事が代行に就任していた。当日は学院関係者、卒業生、保護者、キリスト教学校教育同盟などから千人以上が出席。2年ぶりの新院長誕生を祝った。
 山北氏は41年生まれ。63年、立教大学文学部キリスト教学科卒業。66年に東京神学大学大学院修士課程を修了。77年、聖ヶ丘教会の主任牧師に就任した。東京神学大学評議員・理事、日本キリスト教連合会委員長、日本宗教連盟理事長の要職にある。
 就任式で同氏は、「今は聖霊の導きだと受け止めています。青山学院136年の歴史を前に、厳粛な気持ちです。創立に尽力した幾多の宣教師の労苦を思うとき、これからは開かれた学院をつくっていきたい。神に恵みをいただいて、エバーグリーンでありつづけたい」と挨拶。その中心にあるものとして礼拝を挙げ、「学院はこれまで、激動の時代に翻弄されつつも、礼拝をやめることはなかった。礼拝とは、神の前に謙虚であり続けること。主が仕えてくださったように、イエスにおいて仕え合うことで、一つになろうではありませんか。これからは一段と厳しい時代。だからこそ、学院は困難を超えて御心を表していきたい。宣教スピリットに立ち、広く深く宣教に励みたい」と就任の辞を述べた。
 山北氏の任期は7月1日から14年6月30日までの4年。日基教団総会議長は、37回総会期の終わりまで務める。聖ヶ丘教会の牧会については「学院長という委ねられた職務を全力で担える日まで、助けてもらいつつ、今しばし仕えたい」と継続を表明した。
 同大学の根本規則である「寄付行為」には、キリスト教信仰に基づく教育という建学の精神が厳格に定められ、その基本として、「院長制度」(同細則第4条=院長は、プロテスタント教会の信者及び学識経験者であって、…建学の精神を堅持する者でなければならない)と、理事のキリスト者条項(同第7条第6項=理事の過半数は、キリスト教信者でなければならない)が規定されている。
 深町前院長退任以降、理事会のキリスト者が半数に満たないことから、今春、「建学の精神を有名無実化させる状況」を憂慮した同学院宗教主任、宣教師らが声明を発表。・同第7条第6項を満たす理事会の構成、・同細則第4条にふさわしい院長の選出を求めていた。
 同学院では、理事のキリスト者条項、院長制度の問題については声明以前から着手していたが、5月27日の理事会において、山北氏の院長選任とともに理事会の構成を規定通りに改善。これに対し、「対応に敬意を表し、心から歓迎する…学院教育の実現を祈り続けてまいりたい」との声明が、6月3日付で同学院宣教師、宗教主任から出された。

◎消火器教会投げ込み事件の容疑者逮捕−−「悔い改め、更生して」=1007181001

 関西のプロテスタント教会を震撼させた消火器投げ込み事件の容疑者が7月4日、器物損壊容疑で逮捕された。大阪府豊能町に住む池田康政容疑者(29)は、2008年から72件続いた犯行を「すべて自分がやった。牧師に願いを聞いてほしかった」と供述しているという。容疑者の自室から襲撃日時や場所を克明にメモしたファイルも見つかっている。警察は防犯カメラに映った容疑者のバイクから、池田容疑者を突き止めたという。
 約6年前から08年まで川西市の教会に通っていたという池田容疑者は、掃除や送迎など奉仕にも熱心な信徒だったが、牧師の留学を機に「見捨てられた」と、ふさぎ込むようになったという。多数の教会に送りつけていた犯行声明文には、親族の病気などの「不幸は神の仕業」、「教会を襲撃すれば止まると思った」ことなどが書かれていた。
 事件の情報収集などを行ってきた近畿福音放送伝道協力会(近放伝)の山口登久実行委員長は「牧師に願いを聞いてほしかったと言っていますが、門をたたいて入ればいいのに、消火器を投げ込むことしかできなかった。こんな形でしか自分の生き方や考え方、信仰を表現できなかったのは残念です。通っていた教会の牧師を個人崇拝的に慕っていたことが、信仰の問題だったと思います。この人も本当の救いを経験してほしいです。教会もいろんなことに遭遇する時代です。様々な面での危機管理を考えていかなければならないと思います」と話す。
 被害を受けた大阪市西成区のフリーメソ・岸之里キリスト教会の畑野順一牧師は「一安心という感じです。動機を知って、彼だけが特異ではないのかもと思いました。消火器を投げ入れることにこだわって、それ以上エスカレートしなかった様子から、こだわりの強い性格だったのかもしれません」と、容疑者の人間像に触れた。
 事件に関して近放伝の窓口を務めていた岩間洋事務局長は「容疑者が全部認めているので、事件の終息を感じています。彼がクリスチャンだったことに心の痛みを覚えます。信仰が回復され、悔い改め更生するように祈っています」と、この事件が改めて重い祈りの課題となったと語った。

◎日本発!「四つの法則」漫画トラクトに−−発売3カ月 伝道用にと好評=1007181101

 「日本は漫画がいっぱいあるのに、どうして伝道用のものは少ないんだろう」日本キャンパス・クルセード・フォー・クライスト(JCCC)の代表代行ロー・ウェンコンさんは、「伝道用の漫画がほしい」と企画を6年ほど前から温めてきた。そのアイデアがかたちとなって今春発行された。その『The Search|道を探して|』(A5判、48ページ)は「四つの法則」の現代版だ。

 これまでJCCCで使われてきたトラクト「四つの法則」は1965年に発行されたもの。その後2000年に大幅リニューアルした「KNOWING GOD PERSONALITY」は初代の「四つの法則」の要点をまとめたシンプルなもので、今回新しく出た「The Search」も「四つの法則」を踏襲しているが、大きな特徴はストーリー仕立てになっていることだ。主人公の青年が旅を通して四つの法則(神の愛、私たちの状態、神からの応え、私たちの応答)に気づき、キリストに出会っていく。
 「65年に出たものと00年に出たものは、世界191か国に広がるキャンパス・クルセードで使われています。とくに65年に出たものは、翻訳の色が濃く、日本語ではわかりにくいところもあるという反省がありました」
 リニューアルされた「KNOWING GOD PERSONALITY」は、オールカラーで日本語もこなれているが「字が小さいなどの指摘も受けていました」。また、どちらも初めて読む人には解説者がいないと理解しづらいという難点があった。
 「JCCCのスタッフやトラクトを利用している教会の牧師からそのような意見を受けていたのでますます、漫画のようなものがあったらと思うようになりました」。とはいえ、ウェンコンさん自身シンガポール出身。日本のクリスチャン漫画家のコネクションはない。「夢のような話だと思っていました」
 あるとき、ウェンコンさんは同じ教会のメンバーに相談したところ、「メサイア」(新生宣教団)などの漫画を描いたケリー篠沢さんを紹介された。「ただ、そのメンバーも四つの法則を漫画にするのは無理なんじゃないかと消極的でしたが」
 まずは、ケリーさんに話を聞いてもらおうと会ってみると「やってみたい」という好感触を得た。「その後、何度か話し合いを重ねて少しずつかたちが整ってきました」。6年温めたが、実際の企画、制作は約1年。とんとん拍子でできあがっていった。そして今年4月、大学の新学期に合わせて発売した。
 「これまでの伝道用アイテムは海外からの輸入、翻訳ものでした。しかし、今回の漫画トラクトは日本の国内発、国内向けで売り出しました」
 伝道用のため、1部50円(税込)という安さだ。「聖書に興味がある、キリスト教って何だろう? と思っている人に『これを読んでみて』と渡すと、5、10分で読んでくれます。その場ですぐ読める手軽さや解説がなくてもわかるので幅広く用いられています」 
 「また、イエス様を受け入れる祈りも含まれ、救いの確信を持つこと、クリスチャンとの交わりと教会への案内の内容も入っています。読んだ方がすぐに他の方にその内容を分かち合えるシンプルさも特徴です」
 初版2万部のうち「1万部くらい出ればいいかな」と思っていたと言うが、実際はすぐに2万部が完売。「これまでになく問い合わせがあったり、反応もいろいろなところからいただいている」とウェンコンさん。「大学だけでなく、教会でも使ってくださり、『3か月しか教会に通わなかった娘に渡したら、ポロポロ泣いて神様を受け入れた』というお母さんの証しや『これを読んで教会に行きました』という声も届いています」
 反応は国内だけではない。「海外のキャンパス・クルセードもどこで聞きつけたのか、『うちの国にもほしい』と続々と翻訳作業が進められていて、中国語がもうすぐできます。英語や韓国語なども着手しています」
 これまで宣教の方法もツールも輸入だったが、「漫画トラクトで発信できることに気づいたことも大きい」とウェンコンさんは感じている。 「正直、これほど使われるとは想像していませんでした。私やJCCCの思いをはるかに超えて神様が豊かに用いてくださっていると感じます」
 同トラクトは全国のキリスト教書店で購入できる。