[CSD]2010年10月31日号《ヘッドライン》

[CSD]2010年10月31日号《ヘッドライン》

 = 1面 ニュース=
◎日韓併合100年 ソウル、仁川でGod Bless You コンサート——作者の岩淵さんも感涙
★代3回ローザンヌ会議開幕——中国代表ら参加足止め

 = 2 面 ニュース =
★「強い円への信念 一貫」——故速水優氏記念会で福井前日銀総裁が思い出語る
◎ISC大会に向けネットワーク強化——スポーツネットがカンファレンス
★TCU20周年 宣教200年へ使命検証——11月 記念行事開催
★チリ北部サンホセ鉱山落盤事故 全員救出——テント村で生還感謝ミサ
★<落ち穂>God Bless You in KOREA

 = 3 面 教界ニュース =
★<竜馬をめぐる人々>[28]勝海舟の章:8——江戸無血開城を導いた勝と西郷 記・守部善雅
★日本人はもっと賛美を作るべき——ワーシップジャパン・カンファレンス2010
★<オピニオン>世界宣教会議の広がりの意味 記・根田祥一

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★有薗 浩見さん[下](オリーブ動物病院院長)——小さな命を助けたい 記・清水茂則
★<働く人の境界線>[13]不要、余剰なものは思い切って刈り込む 記・中村佐知

 = 5 面 情報 =
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★CD:「God bless you 愛と祝福の歌」(BEEカンパニー、全12曲、予価1,575円税込)
★BOOK:『信じたって悩んじゃう』みなみななみ著(いのちのことば社、1,890円税込)
★REVIEW:『和解と教会の責任』信州夏期宣教講座編著(いのちのことば社、1,050円税込)評・広瀬 薫

 = 6・7 面 特集/十字式健康法の真実=
★百万人の背骨を癒した男の実像——「施療法は神さまが教えてくれた」

 = 8・9 面 放送伝道特集 =
★テレビ:スイッチ一つの手軽さと口コミに期待——「スプリング・オブ・ライフ いのちの泉」
★ラジオ:ラジオとSNS どう組み合わせる?——CRCメディアミニストリー
★テレビ&ラジオ:メディアの違い生かした地域伝道に——太平洋放送協会(PBA)
★クリスチャン議員、アーティスト、帰国者などに焦点——日本CGNTV 秋の新番組スタート

 = 10 面 関西だより =
★音楽で広く愛を届けたい——森 祐理さん新たにミニストリー立ち上げてて出発——
★JIFH 愛の力で「ハンガーゼロ」へ——世界食糧デー大会で呼び掛け
★「聖書から御声聴こう」——アシュラムセンター大阪聖書教室
★ベー・チェチョル(テノール)さん 大阪でも感動の公演——阪神クリスマス・フェスタにも出演予定
★信徒伝道者目指して受講——OCCカレッジ講座開校

 = 11 面 クリスチャンライフ =
◎教会に巣くうカルトの実態——被害者らがセミナー開催
★生きたメッセージ伝えたい——PBA60周年でCD「世の光」羽鳥明メッセージセレクションを発売
★ヴァチカン:マキロップ修道女ら6人を列聖に

 = 12 面 ひと=
★内海恵子さん(オルガニスト)——人生の暗闇にも届く神の愛

 = 別刷カラー イスラエル聖書地図 =
☆カラー イスラエル聖書地図
★解説 イスラエルの地 記・菊池 実



◎日韓併合100年 ソウル、仁川でGod Bless You コンサート−−作者の岩淵さんも感涙=1

 日本発のゴスペルソング「God Bless You」(関根一夫作詞/岩渕まこと作曲)の歌にのせ、神の祝福を世界中に届けようと今年1月から始まった「God Bless You(略称GBY)プロジェクト」。10月8~10日には韓国・ソウル、仁川で、「謝罪、赦し、愛そして祝福」をテーマに「GBYコンサート in Korea」(日韓祝福コンサート実行委員会主催)を開催。主にCD「God Bless You」(日本版、韓国版)に参加する日韓のゴスペルアーティストが集い、共演した。「被害を与えた国が受けた国に神の祝福を届ける」という難しいコンセプトだったが、ツアー最後のコンサートでは、岩渕さんが証しの途中で感極まり涙を流すなど、感動的な幕切れとなった。

 10日夜開かれた仁川ヒョソン中央教会(仁川市ケヤン区)におけるコンサートでのこと。岩渕さんは突然声を詰まらせこう語った。「私がどれほど皆さんのことを知らなかったことか…」
 「昨晩、食事の時に林美貞さん(ゴスペルシンガー)と歴史の話をしました。今まで聞いたことのないような話でした。終わりに彼女はこう言ってくれました。『殴られたほうは忘れて終われる。でも殴ったほうはずっと自分を責めるでしょ。だから殴ったほうがかわいそう…』。ありがたい言葉でした」
 続けて、涙声でこう語った。「(韓国人と)友だちになりたい。これからは友だちとして、いろんな話を聞かせてほしい」。岩渕さんへの温かい拍手が、会場を覆った。
 今回は日本から岩渕まこと・由美子、国分友里恵、塩谷達也・美和、Migiwa、神山みさ、韓国からは林美貞、チェ・インヒョク、混声トリオ「Say」、双子のデュオ「Rina&Kana」、男性デュオ「詩と絵」、アン・ソンジンら、実力派シンガーが参加。初日は日本人アーティストが3組に分かれ、仁川市内にあるスンイ監理教会、ソンリン監理教会、ベテル監理教会で賛美。9日はライブハウス「ローリングホール」(ソウル市マポ区)での2回のコンサートで韓国人クリスチャンアーティストと共演。10日は桂山中央教会(仁川市ケヤン区)での礼拝で岩渕夫妻、塩谷夫妻、国分友里恵、神山みさが賛美。仁川ヒョソン中央教会では再び韓国人クリスチャンアーティストと共演した。
 どの会場でも、非常に反応が良かった。特に全く韓国語のできない日本人アーティストが、最低1曲は韓国語で賛美。ローリングホールでは、岩渕夫妻がオリジナル曲「パラダイス」を韓国語で歌い出すと「ワァー」という歓声が上がり、「パ、パ、パ、パラダイス。マウム・ソゲ(心の中に)」の大合唱がわき起こった。十字架から流れてくる神様の愛を歌った「父の涙」では、涙ぐむ韓国人も。国分さんが「天のお父様」という歌を難しい韓国語で歌いきると会場がどよめいた。参加者は口々に「ほぼ完璧な韓国語で歌っていた。驚いた」と感動していた。
 同コンサートは「韓国併合100年の今年に日韓クリスチャンアーティストが集って一緒に賛美し神様の祝福を届けなさい」と示された礒川道夫氏(いのちのことば社常任役員)のビジョンに、崔信成牧師(桂山中央教会)、日韓アーティストたちが共鳴。本紙韓国支局、ライフ・クリエイション、ソウルと仁川にある日本人教会、日本伝道に重荷のある韓国教会、超教派団体などの協力で実現した。
 崔牧師は「日本のクリスチャンは1%以下なのに、自分がクリスチャンだと告白して勇気をもって生きている。その方々がボランティアで韓国まで来て、和解と愛の手を差し伸べてくださった。イエスの愛を悟る時、私たちは日本を赦し愛することができる。私たちもイエス様の愛を日本の方々に分かち合っていきましょう」と奨励した。
 コンサートに来た韓国人クリスチャンからは「このコンサートをぜひ続けてほしい」、「God Bless Youのホームページを立ち上げたい」などの声が寄せられている。 http://gospeltv.jp/gby/

◎ISC大会に向けネットワーク強化−−スポーツネットがカンファレンス=1010310202

 スポーツ宣教に取り組んでいるクリスチャンのネットワーク「スポーツネット」(代表世話人・米内宏明=国分寺バプテスト教会牧師)主催による「スポーツミニストリーカンファレンス」が10月4、5日、神奈川県横浜市栄区のJECA・本郷台キリスト教会で開かれた。

 近年、組織的なスポーツ宣教の働きが世界的に拡大している。草の根的なスポーツ伝道だけでなく、オリンピック(五輪)やサッカーワールドカップ(W杯)などの大きなスポーツイベントの際には、多くの短期宣教チームやクリスチャンスポーツ選手たちが開催地に入り、現地の教会と協力して様々な企画を催し、宣教活動が行われている。
 これらの働きの連携・支援を国際的に進めているのがインターナショナル・スポーツ・コーリション(ISC)。アテネ五輪を控えた03年にギリシャのアテネで開かれた大会には、171か国から790人のスポーツミニストリーのリーダーたちが集った。北京五輪を控えた07年にもタイのバンコクで大会を開いた。
 日本でスポーツミニストリーが本格的に始まったのは、02年に開催されたサッカーW杯日韓大会の時で、これを契機に「スポーツネット」が生まれ、これまでセミナーの開催やメーリングリストによる情報交換などを通して交流を深めてきた。
 ISCは、2012年のロンドン五輪に向け、来年秋に米フロリダ州で次回の大会を開く予定で、日本からも多くのリーダーたちの参加が期待されている。
 今回のカンファレンスは、このISC大会に向けて国内のスポーツミニストリーの推進とネットワークの強化のため開かれたもので、13の教会、宣教団体から24人の牧師、宣教師、神学生、信徒が参加。ISCからは2人の講師が招かれ、ISCのネットワーク紹介とスポーツミニストリーリーダーの訓練・育成プログラムの説明などを行った。
 カンファレンス後半では、日本でスポーツミニストリーを推進していくための具体的な取り組みについてグループ別に話し合いをもち、フルタイムのスポーツミニスターの育成や教会のチームによるスポーツリーグの開設など、既存の枠組みにこだわらない積極的な意見が飛び交った。
 ISCは、スポーツミニストリーを10分野に分け、各国に分野ごとのリーダーを立てていくことを目指しており、日本でも今後、各分野のリーダーの育成を目指していくことになった。
 ISC側からは来年、日本で開催されるサッカーのクラブW杯に照準を合わせ、夏に日本人のスポーツミニストリーリーダーの訓練・育成のためのイベントを国内で行うという提案があった。
 今後、海外にあるスポーツミニストリーのための施設で行われるプログラムへの訓練生の派遣と合わせ、「スポーツネット」でその準備が進められていく。(レポート・梶野智弘=本郷台キリスト教会ベースボール事務局)

◎教会に巣くうカルトの実態−−被害者らがセミナー開催=1010311101

 「献金が目標額に満たないのは信仰が足りないから」、「信徒が増えないのは、信仰が足りないから」…。人の目には見えない信仰を、目に見えるもので計ろうとし、信徒を追い詰めてしまう「信仰という名の虐待」。一見、普通の教会がそんなふうにカルト化してしまうことがある。そのような教会で傷を受けた人たちが、傷から癒され、立ち上がっていこうと作られた「手をつなぐちいろばの会」が、10月10、11日に東京・立川市の99+TACHIKAWAで「健全な信仰とは何か」をテーマにセミナーを開いた。
 今回、東京では第1回のセミナーだったが、これまで沖縄でセミナーを開き、カルト化する教会について勉強会を続けてきたことが、今回のセミナーにつながったという。講師に立ったのはウィリアム・ウッド(カルト研究リハビリセンター所長)、パスカル・ズィヴィー(マインドコントロール研究所長)、村上密(アッセンブリー・京都教会牧師)の3氏。

 「現代の教会の問題について」語ったウィリアム・ウッド氏は、「自分は神に立てられたから、より神に近い存在。だから、自分に従う者が神に従うものだと教える」傾向にあるという。「権威は聖書のみなのに、いつの間にか牧師が権威あるものとなってしまう。その時点で聖書から逸脱しているが、人を支配し、間違った牧会をして人をつまずかせる。おかしいなと思うことが言えなかったり、質問できなくして信徒に自由を与えない」。また、最近の特徴として「成功していくのが神様の祝福の道だと教え、その成功が、教会の信徒数増加や献金増額などに結びついている。成功哲学が教会に入ってきて、『人数的に成長していない教会はおかしい』という考えに陥っている」という。

 「信仰という名の虐待」「悩むことは不信仰ではない」ことについて語ったパスカル氏は、「まず、自分の被害を理解することが大切。多くの場合、『私は』『私が』と語る(意見を言う)ことはいけないと思い込まされているが、そうではない」と語る。「カルト化した教会の信徒が『私たちは』とよく言うが、それは牧師の考え方。自分の考えを述べることができなくなっている。その教会から出た後、『私は』と言えるように訓練が必要」
 「自分がなぜ、その教会に行ったのか。たいていの場合、何か課題を抱えて、解決を求めて教会にやって来たのに、いつの間にか教会で受ける様々な傷で心の傷が深くなっていく。カルト化した教会で自分の意見が言えないだけでなく、ノーも言えない。ノーを言えない人は、実はイエスも言えないのと同じ。イエス、ノーが自分の意志で言えて、自分の境界線を決めることが大切。境界線を作ることはわがままではない」と繰り返し語った。

 「間違いやすい聖書解釈」と「権威主義」について語った村上密氏は、「カルト化した教会は、問題があると『赦しなさい』を強調するが、聖書では『戒めなさい、悔い改めたなら赦しなさい』の順。戒めと悔い改めなくしてはない」。「聖書の解釈をゆがめているかどうかは、牧師でないと解き明かせない部分でもある」とも。

 今回のセミナーでは、多くの実例が紹介された。
 「カレーはインドのもの。悪霊がいる、とかエンヤやケルト音楽は、悪魔の音楽と言う。また、リサイクルの洋服を買ってはいけないと言う。そこに悪魔が宿っているからだ、と。生活の隅々まで悪魔がいて、自分の中に入ってしまうという恐れを植え付けられています。牧師自身がそのマインドコントロールにかかってるケースと、信徒を支配するために恐怖心をわざと植え付けているケースとあります」

 このようなケースは決して極端ではない。パスカル氏は「このように生活の隅々までマインドコントロールをかけられた信徒は、恐怖心から抜け出せない。クリスチャンを見るのも怖い、聖書を開けない、という人もいる。不安や恐れから解き放たれるよう、彼らへのサポートを時間をかけ、様々な人を通して行うことが急務」と語る。