ヘッドライン
[CSD]2010年11月21日号《ヘッドライン》
[CSD]2010年11月21日号《ヘッドライン》= 1面 ニュース=
◎ANRC:つながればネットワークに——地域発 リターニーが交流
★中国:山東省で「家の教会」の牧師が襲撃される
= 2 面 ニュース=
★愛と教育の両方がカギ——東京・玉川聖学院60周年記念シンポジウム
◎日韓高校生 友情誓い合う——韓国・崇義女子高校で玉川聖学院と交流会
★気を落とさず 絶えず祈れ——横田早紀江さんを囲む祈り会10年
★<落ち穂>龍馬を斬った男と坂本家の和解
= 3 面 =
★<竜馬をめぐる人々>[4]勝海舟の章:11——アンナ・ホイットニー物語? 記・守部喜雅
★信仰と情熱 受け継いで——W・M・ヴォーリズ生誕130年記念式典 記・芹野与幸
★米国:「キリスト者はどこでも目標」とアルカイダ
★<オピニオン>「神の国」を生きる自覚 記・赤坂 泉
= 4 面 ビジネスパーソン=
★加藤誠一さん[下]([有]渚商店代表取締役)——効率悪くても一つ一つ丁寧に
★<働く人の境界線>[14]植えた物を引き抜くのに時がある 記・中村佐知
= 5 面 情報 =
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★EVENT:「大阪コレギウム・ムジクハ」(11/28[日]東京・第一生命ホールで15:00~)
★CD:「器楽による聖歌・讃美歌選?」トリオ・ワン(ミクタムレコード、全27曲、2,700税込)
★REVIEW:『ローマ人への手紙講解? 1-3章』榊原康夫著(教文館、2,940円税込)評・伊藤明生
= 6・7 面 全面広告 =
☆クリスマス・スペシャル——応募してクリスマスプレゼントを当てよう
= 8 面 クリスマス情報 =
☆近畿・中国・四国地域のクリスマス集会ガイド
= 9 面 教会学校 =
★チャーチスクール・コンベンション2010?:友達となら心からの笑顔——地域規模で密な協力「ネットワーク」立ち上げ
= 10 面 全面広告 =
☆聖書週間11月21日(日)~28日(日)
☆「第2回 写真とみことば」募集 来夏刊行予定の『みことばフォトブック2』採用公募
ホームページ http:www.bible.or.jp
= 11 面 クリスチャンライフ =
◎「始めないことに、平安なかった」——立川市にゴスペルカフェ「5つのパンと2匹の魚」オープン
★MOVIE:「ふたたび swing me again」——過去と今、人と人はつながっている
= 12 面 教会 =
★演劇ミッションで「淵田美津雄の回心」上演——JBBF・港北ニュータウン聖書バプテスト教会
◎ANRC:つながればネットワークに−−地域発 リターニーが交流=1011210101
海外の教会で受洗したクリスチャンが、帰国後も生き生きとクリスチャン生活を送るためにどのようなフォローができるか。帰国者クリスチャンの課題と可能性を探るカンファレンス、ANRC(All Nations Returnees Conference)が首都圏で2年連続開かれた。「遣わされた地域で神様と人に仕えたい」。全国から集まったリターニーに与えられたビジョンの実現に向け、キャンプや祈り会などネットワーク強化に動き出した。ANRCをきっかけに生まれた地域グループは全国6つを数える。各地域で集会やキャンプなどを通して、帰国者(リターニー)同士の交流や情報交換が積極的に行われようとしている。その一つ、東北地域のRIM(Returnees in Michinoku)は10月10、11日に岩手県のシオン錦秋湖で初めてキャンプを行い、50人が参加した。
「ANRCに参加するまでは、東北にどれくらいリターニーがいるのかわからず、孤独感を持っている人もいましたが、カンファレンスを通して東北にも確実にいるとわかりました。このメンバーで何かできないだろうかと話し、ANRCで秋にキャンプを開催することが決まりました」
その場にいた7人が発起人となり、ホームページ作成、場所決め、日程調整、ネットワーク作りを行ってきた。今回のキャンプにはANRCに参加していない人も多数参加した。「たとえば岩手県から参加したTさんは、英国に研修で1年間滞在したときにキリストに出会い、これから主に従って生きる思いをもって今春帰国しました。そして親の大反対にあう中、Tさんを励ましている英国の人からRIMキャンプのことを教えられたそうです。 また、岩手県北上にいるリターニーのSさんは、帰国後につらい経験をしていて近くで祈り合えるリターニーの仲間を神様に求めていました。このキャンプでSさんはTさんが同じ市内の近くにいる方と知り、祈りに答えた主を涙で証され、私たちは主を畏れました。リターニーと一口に言っても背景は千差万別ですが、神様のご計画としか思えないことがキャンプを通してたくさんありました」と実行委員のひとり、三上洋輔さんは語る。
そして、「このようなことはRIMキャンプだけでなく全国の集会で起こっています。根付く教会が見つからないなど現実の困難があっても、動き出すことで新しい流れが作られ、新しいビジョンが与えられます。各地域の動きがお互いの励ましにもなっています」。
また、今回のRIMキャンプにはANRCに参加していない地域の牧師らも加わった。「教団教派を超えたムーブメントです。それは教会を離れての活動ではありません。このムーブメントに牧師たちが扇の要のようになってくだされば」
「今回のテーマは『集まれ神の家族』でしたが、イメージはそこから各県、地域に遣わされていくこと。同窓会ではなく、ミニストリー。海外で救われたのに日本で信仰を失ってしまう人が一人もいないように働きかけていくことです」
相互牧会やメンタリングをテーマにした分科会、聖書からのメッセージなど盛りだくさんのプログラムだった今回のキャンプ。RIMのテーマソングも作られた。「神様は不思議なタイミングで海外で救われた人を日本に戻しました。どんな計画があるのかそのすべてを人は知りません。でもご計画一つひとつを仲間と見いだし、共に喜ぶ。それは教会の励ましにもなると考えています」 RIMは今後、奥羽、宮城、山形、福島に分けて細かな対応をしていきたいという。
12年秋に次のANRCが開かれる予定だ。その時、神様がどのように働いてくださったか、全国から報告があるだろう。
◎日韓高校生 友情誓い合う−−韓国・崇義女子高校で玉川聖学院と交流会=1011210202
玉川聖学院高等部(東京都世田谷区)と韓国の崇義女子高校(ソウル市銅雀区)の交流の集いが10月28日、崇義女子高校で開かれた。昨年、玉川聖学院創立60周年記念集会に、崇義女子高校の代表者を正式招待したことがきっかけとなって始まった両校の交流が、今回、修学旅行(高校2年生180人)で韓国を訪問する形で継続することになった。礼拝では、崇義女子高チャプレンのチョン・ソハック氏が、「神と人、人と人との隔ての壁を取り去ってくださったイエス・キリストの愛のなかで、次代を担うみなさんが、韓国と日本の隔ての壁を打ち壊す平和の道具、神のグローバル・リーダーとなって活躍してください」とメッセージ。日本でもよく歌われている「きみは愛されるため生まれた」を全員で合唱した後、玉川聖学院高等部の生徒有志が壇上に上がり、「God Bless You」を日本語、英語、韓国語で特別賛美。美しいハーモニーと韓国語の発音のすばらしさに、会場の生徒たちから驚きの声と温かい感動の拍手が送られた。10月初め、日韓のクリスチャン・アーティストたちが集ってこの曲を賛美し、謝罪と赦し、回復と友情を願って祝福し合ったが、奇しくも日韓高校生たちが同じ思いを分かち合うこととなった。
2部の交流では、まず崇義女高のウ・ナミル校長が「崇義では第二外国語として日本語を学んでいます。玉川聖学院高等部が修学旅行先として韓国を選んでくださったことを心から感謝します」と挨拶。玉川聖学院高等部の水口洋部長は「崇義女子高校が、創立107年という歴史の中で全能の神への信仰を守り通してきたことに心から敬意を表します」と応じた。玉川聖学院の生徒代表は、「今回のために、事前学習を通して過去の悲しい歴史を学びました。過去を変えることはできないが、私たちの力で明るい未来を作ることはできます。主が与えてくださった今日のこの友情が、いつまでも続くことを期待します」と決意を述べた。続いて両校の学生たちがこの日のために準備した歌や踊り、伝統文化などを披露し合った。
一対一のパートナーとなって席に座った両校の学生たちは、初めはぎこちない雰囲気に戸惑いながらも次第に和やかな空気に包まれ、互いに携帯で写真を撮ったりメールアドレスを交換し合うなど、長年の親しい友人のような雰囲気となった。
玉川聖学院の松本瞳教諭は、「韓国のミッション・スクールとの交流をずっと願っていました。学生たちは韓国語で賛美のプレゼントを準備しました」。宗教部主任の櫛田真実教諭は、「温かい雰囲気で交流ができてよかった。顔と顔を合わせて交わりを深めることの大切さが生徒たちに伝わったと思う」と話す。
生徒たちは、「日本の友達と会えてうれしい。話が通じるか心配だったけど、対話ができて楽しい」(イ・ヒョンジさん)、「韓国は初めてだけど、とても楽しいし、新鮮な印象」(岡山晃子さん)、「遠く感じていた日本がとても近く感じた。一度日本に行ってみたい」(サ・イェスルさん)、「昔の帳消しはできないけど、これからは仲良くしていきたい」(堀越優衣さん)などと感想を語った。
短い時間ではあったが互いに出会えたことを喜び、いつまでも続く友情であることを願い合う、心温まる交流のときであった。
◎「始めないことに、平安なかった」−−立川市にゴスペルカフェ「5つのパンと2匹の魚」オープン=101
東京西部の拠点都市、立川市のJR立川駅北口から中央線の線路沿いに国立方向へ約3分。夜になるとネオン輝く歓楽街の一角に9月15日、ゴスペル・カフェがオープンした。その名も「5つのパンと2匹の魚」。クリスチャンにはよく知られた、イエス・キリストの奇蹟の一つから取られた名前である。一つの転機だ、と
この店のオーナーは村上幹さん(単立・日野キリスト教会会員)。立川駅周辺で居酒屋など数店舗を経営しており、元々経営コンサルタントでもある。
「ここで居酒屋をやっていました。でも今年になって、入居しているビルの1階に、まったく同種同業態の居酒屋がオープンすることになったのです。普通、ありえないことですよね。何で? と腹も立ちました」と、村上さん。しかし、その思いをビルのオーナーや不動産屋さんにぶつけることはなかった。
ここで居酒屋をやっていても、なぜか平安がなかった。競合店ができたことは、村上さんにとって一つの転機だった。そのとき、3つの選択肢があった。
「店の権利を手放して清算する」、「競合しない業態に変える」、「ゴスペル・カフェに転じる」
経営コンサルタントの目から見ても、常識的に判断しても、もっともやるべきでないのが「ゴスペル・カフェ」。まず経営が成り立たないことは目に見えていた。しかし、主の促しは「ゴスペル・カフェ」だった。
そこで祈った。「人間的には100%やりたくなかった。ただ、変な言い方ですが、やらないことに平安がなかったんです。数か月間、格闘がありました。でも、主はそれで進めと言う。結果、『では、やります』と」
福音の種をまきたい
居酒屋仕様からカフェスタイルに改装し、黒に近いダーク系のモノトーンで統一し、グランドピアノも入れた。外にはビルの3階まで届くような大きな看板をつくり、「5つのパンと2匹の魚」の店名とともに、金と赤の十字架を描き、英文でみことばを掲げた。
歓楽街の一角。夜ともなれば派手なネオンが輝き、呼び込みが立ち、若い女性の嬌声(きょうせい)が響き、酔客が行き交う。そんな場所だからこそ、福音の種を、まかなければならない。そんな思いが村上さんを突き動かし、奥さんの弥生さんも賛同した。さらに、スタッフとして、教会音楽家養成学校「ワーシップ ジャパン」のインターンをしている永田愛さんも加わった。
隔週土曜日の午後に聖書の学びも始めた。参加は自由。たまたま案内を見た女性が飛び入り参加した。クリスチャンだが、今一つ確信が持てない。「聖霊って何ですか?」そんなところから分かち合い、証しをする。時にはクリスチャンでない人も加わって人生論を語り合うこともある。
「いつでも協力します」
ともすれば、教会の敷居は高く、なかなか中に入ることができない。しかし、カフェレストランなら、気軽に入れるし、人を連れて来られる。
開店して1か月。予想通り経営は楽ではない。クリスチャンに利用してもらいたい。グランドピアノにミニステージ、音響設備があるからライブもでき、集会や聖書研究会、各種交わりにも利用できる。
村上さんの夢はさらに広がる。「ゴスペル・カフェ100店舗構想」だ。全国各地にゴスペル・カフェができれば、誰でも気軽に訪ねていくことができ、そこで伝道もできる。
「私たちは運営ノウハウを持っていますから、ゴスペル・カフェ伝道をしたい人がいればいつでも協力しますよ」と村上さん夫妻。できれば、若者らが後に続いて欲しいと願っている。
【5つのパンと2匹の魚】ランチタイム午前11時30分.午後2時(月.金)、ディナータイム午後5時30分.10時(月・水・金)。定休日は土・日曜日、祝日。〒190-0012東京都立川市曙町2ノ15ノ18アンドービル2F。Tel.042・522・1399