2000年2月13日号《ヘッドライン》

2000年2月13日号
《ヘッドライン》
 = 1面 =
★震災が私を変えた——シャンソン歌手・光明 千賀子さん
★2000年アジアに祈りの鎖を——アジア福音同盟が提唱
◎日本福音同盟とアジア福音同盟がインドネシアのための祈り要請
★インドネシア:マルク州で衝突、またも死者49人
★インドネシア:抗争で観光地にも被害、教会など焼き打ち
★<21世紀への対話>ペンテコステと福音派(4)万代栄嗣・内田和彦
◎<落穂抄>元祖便利屋右近勝吉さんが自伝『人のために人となる』発刊
 = 2 面 =
★第三千年期の世界宣教—京都会議からの講演抄録8:新しい世界の意味するもの(3) ポール・シダー
★アジア各国福音同盟祈りの課題
★JEA援助協力セミナー:復興援助に心の傷への配慮必要
◎「君が代」伴奏拒否の教師を処分
★東京ミッション研究所:「ポリスの神学」を題材にフォーラム
★<論説>聖書的和解を目指して 記・中川 健一
★<逆転の信仰経営>(36)生まれ変わったビジネスマン<19> 三谷康人回顧録
 = 3 面 2・11特集=
★伝道と社会的問題への取り組みは二者選択ではない 記・大島 博幸
★いま日本のクリスチャンが直面する「信教の自由」 記・高木 寛
★新しい国家神道の兆し 記・山口 陽一
 = 4 面 全面広告=
☆LOVE JAPAN 2000—教会未設置市町村へトラクト配布—
 = 5 面 =
★神様が大地と心を揺り動かして——元宝塚女優・光明 千賀子さん
★メルボルン事件:収監中の最後の一人が受洗
★ウイクリフ地域ディレクターが飛行機事故に遭難
★<召天>船本 坂男氏(大阪女学院理事長)
★<声なき叫びが聞こえますか=36>教会は時代や社会の波に無力なのか 記・岡本富郎
 = 6面 学び・書籍=
★<聖書66巻>ヨブ記(2)罪が苦難の理由なのか 記・山口 昇
★<書評>「グリップ・オブ・グレース——神の恵みの手」マックス・ルケード著
★<新刊書紹介>生ける望み——ペトロの手紙1、2講解」石丸 新著
★<情報クリップ>催し情報ほか  

日本福音同盟とアジア福音同盟がインドネシアのための祈り要請

日本福音同盟(JEA、吉持章理事長)とアジア福音同盟(EFA、蔦田公義議長)は共同で「インドネシアにおけるイスラム・キリスト教徒間抗争解決のための祈りのアピール」を呼びかけた。
それによると、インドネシアではマルク諸島を中心にイスラム教徒とキリスト教徒との抗争が激しくなり、他の島々においても様々なあつれきが生じている。
すでに死者は3000人、負傷者や家屋の破壊、財産喪失などの被害も大きくなっている。
難民も5万人を超し衣食住の提供も十分でないとの報道もある。
こうした現状を憂慮し、早期解決を強く願って、以下の五項目を課題として祈るようアピールしている。
?インドネシアにおけるイスラム・キリスト教徒の間で、まず一切の犯罪行為、暴力行為が速やかに停止され、今後これ以上、犠牲者や破壊による被害が拡大しないように。
?双方が、互いに憎悪から解放され、愛と忍耐をもって早期和解へ向けた対話を開始できるように。
?家族を失った方々、家屋や財産を失った方々、避難を余儀なくされた方々、礼拝の場所を失った方々、心に深い傷を負った方々に主の癒しと慰めがあるように。
また、心身の回復、日常生活の正常化、破壊した家屋、礼拝堂、学校、地域の復旧のために具体的な必要が満たされ、実行に移されるように。
とくに、学習の場を失った子どもたちのために。
?この抗争の早期解決と迅速な復旧、双方の和解と回復のために、インドネシア政府をはじめ各宗教団体、援助団体が適切に対応できるように、主の知恵と導きが与えられるために。
?アジアそして日本の教会、キリスト者がこの問題に心を寄せ、主の導きと助けによって、具体的な祈りと奉仕を実践していけるように。
世界の中にあって、主イエス・キリストの愛をもって仕えていくことができるように。

<落穂抄>元祖便利屋右近勝吉さんが自伝『人のために人となる』発刊

「日本ではじめての『便利屋』を開業してから、早くも20年たってしまいました。
その間、時代の流れ、人々の生活スタイル、心の移り変わりをそのまま反映して、私のところにくる仕事の依頼も変化してきました…」。
サンマーク出版から出た新刊『人のために人となる人』の冒頭の一節である。
著者は元祖便利屋の右近勝吉さん。
内容は、実に興味深い便利屋稼業の体験記が中心となっているが、世間の雑用を引き受けることによって、その「雑」の部分にこそ、建前を取り除いた、飾らない、人の暮らしのそのままの姿、心のすき間やほころびを垣間見る驚きがある。
依頼は「ドブをさらってほしい」「引っ越しの手伝いをしてほしい」といった、日常生活の雑用がほとんどだった。
それがここ数年は「一緒に食事をしてほしい」とか「一週間うちに泊まりにきてほしい」などという、心に寄り添うような依頼が増えているのだという。
ただ一緒に食事をし、話を聞いただけで100万円の報酬を渡した婦人の話など、現代人の孤独がひしひしと迫ってくる。
人間関係の破たんや家庭崩壊||もはや修復できないと思える問題が、全く他人の便利屋に持ち込まれる。
その体験から本書が提案する子育てや教育のあり方には、説得力がある。
クリスチャンとして神に仕え人に仕えるという著者の生きる姿勢が、さりげなく伝わってくる。

「君が代」伴奏拒否の教師を処分

クリスチャンの現役教員らの呼びかけで結成された「『日の丸・君が代』強制に反対するキリスト者教師・生徒・市民のネットワーク」が1月28日、都内の日基教団・信濃町教会で月例の学習会を行った。
昨年6月、東京都日野市の公立小学校で、音楽専科の女性教諭が入学式での「君が代」伴奏を拒否したために戒告処分を受けた事件について、教諭の弁護士を招いて処分の不当性などについて考えた。
同教諭は、伴奏を求める校長の職務命令に従えないことを事前に通知し、式は録音テープによる伴奏で行われたが、職務命令に違反したとして東京都教育委員会から戒告処分を受けた。
「本件処分は極めて不当であり違法」と訴える弁護士の吉峯啓晴氏は、まず国歌としての「君が代」の違法性に言及。
「天皇の代よ永遠にという歌詞は、国民主権を中心にすえ現代を国民の代とうたっている日本国憲法の精神と相いれない」と指摘し、「憲法、教育基本法の下で行われるべき民主教育、人権教育、平和教育の場で歌われることはふさわしくない」と語った。 中見出し 続けて処分の不当性に触れ、「(強要と処分は)憲法で保障された思想・信条の自由に反する」と語り、たとえ公務員であっても基本的人権は奪われないとの考えを示した。
また吉峯氏は、「信仰に立ち信念を曲げないキリスト者がいることは日本の健全性を示すことになる」とネットワークを評価した。
質疑応答では、「今聞いたような話を職員会議でしても最後は校長ひとりに押し切られてしまう」などの声があり、吉峯氏は「保護者や生徒との協力関係を強くするべき」と勧めた。
今回の参加者は、クリスチャン教員や教会信徒ら50人。
次回は、卒業式・入学式の問題が吹き出す時期に合わせ、2月25日に学習会を開く予定。