ヘッドライン
[CSD]2011年4月17日号《ヘッドライン》
[CSD]2011年4月17日号《ヘッドライン》= 1面 ニュース=
◎CRASHジャパン:地域教会通して「希望」を——5か所に救援拠点 ボランティア1000人募集
= 2 面 ニュース =
◎各地で震災支援ネットワーク——情報共有・活動の交通整理めざす
★「闇に勝」目覚めに期待——再臨待望聖会
★「時が悪い」からこそ——被災地からのメールに励まされて開催 ユーオーディア賛美の夕べ
★<逝去>八束和心氏(日本チャーチオブゴッド教団監督、東京ライトハウスチャーチ牧師、70歳)
★<落ち穂>現地での支援と現状を見る大切さ
= 3 面 教界ニュース =
◎教会が沈んだ?——液状化の千葉・浦安
★東北に遠慮し我慢している——3週間ぶり礼拝で体験話し合う
★東日本大震災 教会の被害状況
★<オピニオン>災害時への備え——安否確認 記・石川 正
= 4 面 ビジネスパーソン=
★市川 益子さん[下]([社福]こひつじ会 小羊チャルドセンター創設者)——試練も祈れば祝福に 記・三浦 三千春
★<働く人の境界線>[19]ときには摩擦があるのも当たり前 記・中村佐知
= 5 面 牧会/神学/社会=
★牧師性加害はなぜ起きたか(2)——日本ホーリネス教団 検証報告を公表
★<精神障害と教会>[94]災害対策(1)「わかってもらえた」安心感を 記・向谷地 生良
= 6・7 面 高齢者特集=
★自宅感覚で利用者も安心——介護事業所 シャロームきこえ
★イエスの教え 地域密着介護で——老人保健施設 はなみずき
= 8 面 全面広告=
☆聖句書道紙上展
☆各地の開催予定:大阪(4/29~5/2 天三・おかげ館)、岡山(5/7~5/10 倉敷市民会館)、京都(6/2~6/5 集画楽サカタニギャラリー)、軽井沢(7/6~7/8 恵みシャレー軽井沢)、金沢(9/28~10/3 エムザギャラリー)、新潟(9月下旬)、富山(10/13~10/16 星ノ街ギャラリー)、埼玉(10/20~22 川口リリア)、東京(11/7~11/10 小津ギャラリー)
= 9 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★EVENT:牧会者セミナー(4/26~4/28、灯台教会)Tel.045-325-7768
★REVIEW:『癒しを求める魂の渇き』窪寺俊之著(聖学院大学出版会、1,890円税込)評・堀 肇
= 10 面 関西だより =
★阪神復興の恩恵 奉仕で返そう——「最も必要なのはマンパワー」
★台湾・アフリカの「神の家族」熱心な祈り——緊急祈祷聖会 教会一致の支援呼びかけ
★南大阪聖書教会:ゴスペル・フェスでマートンも激励——教会地域協力で毛布を被災地へ
= 11 面 クリスチャンライフ =
★心のケアに何が必要?——トラウマ・カウンセリング・セミナー
★<また行きたい! 教会の魅力>[10]キーワード「ミニストリー」?——大震災へ?支援 「僕らが持っているもの差し出そう」
= 12 面 震災/神の愛と義=
★「キリストにある愛は押し流せなかった」——津波被害にあった気仙沼第一バプテスト教会
★被災地の子どもたちへイースター・シューズボックス——KFSMが文房具を届けるミッションを
★見えない「実」へ向かって——保守バプ・福島第一バプテスト教会?
◎CRASHジャパン:地域教会通して「希望」を−−5か所に救援拠点 ボランティア1000人募集=11
災害時に救援活動するクリスチャンを支援するネットワーク「クラッシュ(CRASH)ジャパン」は今後、長期的にボランティアを被災地に送るための足がかりとなるベースキャンプを東北・北関東の5か所に設置。4月1日、日本福音同盟(JEA)と協力して渋谷区の青山学院大学で災害支援ボランティア説明会を開催し、牧師・教会指導者ら約200人が集まった。JEMA(日本福音宣教師団)の宣教師らを中心に、震災後すぐ救援本部を東京・東久留米市に立ち上げ、被災地の情報収集のためにアセスメントチームを派遣するなどしてきたが、被災地の教会と各地の教会が協力して地域の復興支援に向かう態勢が整った。◇
クラッシュ代表のジョナサン・ウィルソン氏はJEA援助協力委員でもあり、同委員会(中台孝雄委員長)はボランティアの窓口をクラッシュに一本化し、5か所の拠点にチャプレン的な役割をする担当者を派遣するなど、地域教会との連携を図りながらクラッシュと共同で今後の救援・復興活動を進める方針を打ち出している。
説明会でウィルソン氏は、専門の救援団体に任せるだけでなく、教会が人を被災地に派遣して援助活動に参加する意義について、「私たちはキリストのからだ。一本の手が痛んでいるとき、もう一本の手を伸ばして助けることができる」と述べた。名称のCRASHは英語の「クリスチャン救済協力支援と希望」の頭文字。
「クリスチャンが被災地にいることの一番大きな意味は、キリストにある希望を知っていること。被災地の地域教会を通して必要な助けと希望を分かち合うことで、その地域の人たちは教会に希望があることを知るようになる」と期待する。
具体的には、栃木県那須町、茨城県日立市、宮城県利府町、岩手県遠野市、一関市に、ボランティアが安全に宿泊・食事をし体を休めることのできるベースキャンプを置く。地域教会がサブベースになる可能性もある。
震災から1か月目の4月11日までに5か所の拠点に合わせて毎日100人、5月11日までに200人、6月11日までに500人、大学が夏休みに入る7月11日には千人のボランティアを送りたいとしている。「家の片付けなど力仕事もあるが、小さな子どもの世話や、被災した人の話を聞くことも必要。一緒に悲しむこと、時に祈ること、ただ共に座ることも奉仕です」
説明後、ボランティア、子どもへの奉仕、住居の提供、看護師やITなどスペシャリスト、牧師に分かれて登録した。
ボランティアは基本的に2週間単位。教会ごとなど5人以上のチームでの登録を推奨している。詳しくは http://www.crashjapan.com/
◎各地で震災支援ネットワーク−−情報共有・活動の交通整理めざす=1104170201
東日本大震災の被災地に支援活動をしていくために、各地で教会のネットワークが構築され、インターネットのサイトが情報収集に活用されている。仙台キリスト教連合がいち早く立ち上げた被災支援ネットワーク(東北HLP)、北海道クリスチャン宣教ネットワーク「ホクミン」のクリスチャン地震情報に続き、「3・11いわて教会ネットワーク」が始動した。岩手県の諸教会は3月末、「3・11いわて教会ネットワーク」(コーディネーター=近藤愛哉・盛岡聖書バプテスト教会牧師)を結成した。教会員も地域の人々も喪失と困難の中に置かれている中で、教団教派を超え支援する教会・団体と支援を受ける教会とが情報を共有しようという趣旨。
「3・11いわて教会ネットワーク」ニュース第1号によると、岩手県内の被災地には、県外はもとより海外からも多くの支援の手が伸ばされており、その多くが「教会を拠点に支援活動をしたい」と願っている。また、このことを機会に岩手や沿岸における福音宣教の働きに長く関わりを持っていきたいと願う団体も少なくないという。そのような中で、支援する側と支援される側の教会が互いの働きを理解し合うことで、より効果的な支援や補い合う関係が築けるのではないか、と発起人らは考えている。
「3・11いわて教会ネットワーク」の基本的な考え方は、・情報の共有・提供によって諸教会や各支援団体の支援活動に貢献する、・外部からの支援活動の窓口となりコーディネートの役割を果たす、・義援金や資金の管理を行わない。義援金の送金等の問い合わせは、ネットワークに参加している各教会・団体に直接してもらう、・諸教会、各支援団体の信仰を尊重する、・被災教会が地域の中にあって支援教会となっていけるように祈り求める、・支援の核となる教会がない地域に主の教会が生み出され、建て上げられていくことを願い求める。
具体的には、インターネット上に開設した専用サイトでの情報共有が基本。ネットワークへの参加は電話、ファクス、メール、サイト上から可能。サイトにユーザー登録することで情報を掲載したり、カレンダーに予定を書き込むこともできる。
発起人らは、「ぜひ祈りを合わせ、互いに持てる情報を共有し合い、励まし合って、この震災の長い復興の道のりを歩んでまいりましょう。そして、やがていつの日か、支援の核となりうる教会のない地域にも、主の教会が生み出されていくことを願い求めてまいりましょう」と呼びかけている。
岩手県は対人口比教会数の少ない県の一つ。
「3・11いわて教会ネットワーク」発起人は近藤氏のほか、佐々木真輝(北上聖書バプテスト教会牧師・事務局)、若井和生(水沢聖書バプテスト教会牧師)、大塚史明(盛岡みなみ教会牧師)の各氏。
各ネットワークのサイトが共通して目指すのは被災地の状況や必要を伝えることと、どのような支援がどこで得られるかの情報の集約。各ネットワークを形成している教会の地域性が反映され、それぞれ得意な情報分野に特色が表れる。
そうした中、東京・千代田区のお茶の水クリスチャン・センターに関係する諸団体が協力して3月25日までに体制を整えた「東日本大震災救援キリスト者連絡会」(会長=中台孝雄・JEA援助協力委員長、事務局長=稲垣博史・アンテオケ宣教会事務局長)は、各ネットワークをつなぐポータルサイト的なホームページを構築して支援側・被災地側の情報共有をよりスムースにするハブとなり、情報を集約・整理し提供できるセンターとしての役割を構想している。
◎教会が沈んだ?−−液状化の千葉・浦安=1104170301
東日本大震災では首都圏湾岸にも被災地域がある。地震に伴う液状化現象で泥水が噴き出した千葉県浦安市今川の浦安聖約キリスト教会では、教会前の道路が1メートル近く隆起、会堂自体も27センチほど傾いた。「地震が収まるのを待って外に出ようとしたら、階段を3段上がったところにあった玄関の高さまで道路が盛り上がっていた。泥水が大洪水のように押し寄せてきました。水が引いて、ようやく大量の泥だったと分かりました」と斉藤潔牧師は当日の様子を話す。自転車置き場は自転車が半分泥に埋まるほどで、市から紹介されたボランティアが来てくれたが、水を含んだ重い大量の泥を撤去するのに3日かかったという。その泥でボランティアたちが土嚢を作り、雨に備えて道路より土台が下がってしまった教会と道路の際に積んでくれた。
周辺は至るところ電柱や家が傾いており、教会近くの電柱は沈んだために、街灯に手が届きそうになっている。町なかに山と積まれた泥は、3週間を過ぎてようやく撤去された。だが、「晴れた日はほこりっぽくてマスクが手放せない状態。雨が降るとぬかるみになります」。
地震以来断水が続き、水が出る地域までもらい水に行ったり、少したつと給水車が頼りになったが、4月5日ようやく水道が復旧した。しかし排水はまだできないため、トイレが使えず不便している。教会2階の牧師館に住む斉藤牧師家族は、建物が傾いているので「歩くとヨロヨロする」という。震災以来礼拝は続けているが、「とても、どなたもお出で下さいと言える状態ではないので、来られる教会員だけで守っています」。
傾いた会堂の復旧にはジャッキアップが必要で、補強工事や開かなくなってしまったドアの修理など内装の補修も含めると費用はざっと1千万とも言われた。いっそ建て替えた方がいいのではという声もあり、「時間をかけて教会で議論するしかありません」。