ヘッドライン
[CSD]2011年10月9日号《ヘッドライン》
[CSD]2011年10月9日号《ヘッドライン》= 1面 ニュース=
◎ネットで世界の求道者導く——ジーザス・ネットジャパン 対話ボランティアを募集
★被災地に元気を——東北応援団文化祭
= 2 面 ニュース=
★君は愛されて生まれたよ——七生養護学校の性教育は正当 2審判決も教職員らの主張認める判決
★いのちの尊厳を支えるケア——日野原重明氏100歳 キングス・ガーデン30周年で講演
★<落ち穂>教会出席40%の新宿コリアタウン
★情報クリップ:集会・イベント情報
= 3 面 =
★<竜馬をめぐる人々>[61]坂本直寛の章:20——福音を語る高知県会議員 記・守部喜雅
◎映画「エンディングノート」から見えてくるもう一つのつながり——砂田麻美監督に聞く
★<オピニオン>死と向き合う被災地支援 記・米内宏明
= 4・5 面 放送伝道=
★日本CGNTV 開局5周年——47都道府県の牧師 出演
★CRCメディアミニストリー:新番組「希望のことば」6月開始——悲嘆している人々に届けたい
★PBA:福音番組作り続けて60年——変わらないものを伝える
★近畿福音放送伝道協力会:新実行委員長に吉木 裕氏——「ラジオに大きな可能性が」
= 6 面 信仰と人生 =
★田坂能彦さん[上](日美商事[株]取締役社長)——悠久の世界と、小さな自分
★<『もしドラ』教会編>[10]リーダーシップは資質ではなく仕事 記・千葉雄志
= 7 面 伝道・牧会を考える =
◎ケープタウン決意表明(1)——信仰の告白と行動への呼びかけ
★新連載<小さき人々のパラダイス>協働学舎の挑戦?——小さき人々が、自立できる社会に
= 8 面 インサイド・ニュース =
★被災地の子どもの隣人になるとは——国分寺バプテスト教会フレンド・パークミニストリー
◎ネットで世界の求道者導く−−ジーザス・ネットジャパン 対話ボランティアを募集=1110090101
世界16か国語に翻訳され、インターネット上の複数サイトで段階的に福音を解説し、教会への入り口となるネットワークJesus.netが10月から日本にも開設された。同サイト上で求道者と対話する「eコーチ」という働きのトレーニングセミナーが同ネットワーク主催により9月10、12日横浜市、東京都で開催された。【高橋良知】
日本版Jesus.netjapanには3つのサイトがあり、求道者は関心に応じて段階的に閲覧し、福音を知ることができる。Hope For Living.netでは、福音歌手の森祐理氏など阪神大震災を体験したクリスチャンが画像で希望の話を閲覧でき、KnowingGod.netでは福音の概要を知り、WhyJesus.netではeコーチとの対話や、複数の人と話題を共有するチャット、フォーラムがあり、より深い質問や対話ができる。対話は5週間。次の段階で地域教会、スモールグループ、 VIPクラブ、アルファコースの学びなどを選択できる。
KnowingGod.netはフランス、WhyJesus.netはオランダのキリスト教テレビ局で作られた。担当者が集まり、05年Jesus.netが発足。協力者が各国に広がった。ポーランドでは年間100万人以上閲覧され、教派を超えた協力で教会が開放的になったという影響もある。11012年には日本、ロシア、中国で開設を目指す。トルコ語やヘブライ語のサイト、ユースや学生、またカトリック教徒向けのサイトなども制作中だ。
eコーチの役割はサイトを訪ねた求道者とのメールによる対話。個人情報を厳守した上で3、4人を担当する。難問は専任スタッフが助ける。週3、4時間をめどとし、日常生活とのバランスが崩れないよう注意する。
対話方法として講師のアルヨ・デ・ブルーム氏(Jesus.netプロジェクトマネージャー&トレーナー)は「質問主導コーチング」を勧める。「『神は創造主である』と押しつけるよりも、『世界の創造に神が関わったと思いますか』と質問する方が、相手が何を考えているか、受け入れるのにどんな障がい物があるか分かる」
そのほか、相手の世界のことばを使い、クリスチャン用語を差し控える、自分で答えを発見できるように助ける、などアドバイスがあった。 「求道者にとって初めて触れるクリスチャンかもしれない。参加者が続けて来られるよう励まして欲しい」。説明の工夫とともに、「聖霊の導きを信じること」が大事だ。祈りのサポーターを求めることも呼びかけられた。
「グーグルで検索する内容の25パーセントは仏教、他宗教など含め霊的な内容。『神』も年間2億回検索される」と。Jesus.netを訪ねる求道者も「人生に何かが足りない」「信仰をどこから始めたらいいか分からない」という課題を抱える。だが現代の求道者はサイトを次々と見るように宗教、哲学も欲しいところだけ選択する。「まるで『宗教スーパー』で買い物をするようだ」。クリスチャンに伝道したい思いが強すぎると、距離を広げてしまう。教会の敷居も高い。「求道者はどんなことでも話せる安全な場所を求めている」。両者の橋渡しとしてJesus.netは作られた。
日本語版は以前から準備していたが、東日本大震災後、急ピッチで作成。主宰者は「震災で被害に遭われた方々だけでなく、閉塞感に囚われがちな社会にある日本に希望をもたらせれば」と願っている。
同ネットワークは、日本キャンパス・クルセード・フォー・クライスト(JCCC)、ビリーグラハム伝道協会(BGEA)、新生宣教団、クラッシュジャパンと協力して活動している。Jesus.netjapanの各サイトは10月から順次公開される。http://jesusnetjapan.wordpress.com/
◎映画「エンディングノート」から見えてくるもう一つのつながり−−砂田麻美監督に聞く=11100903
「見終った後に自分の家族や大切な人をふと思い出すような作品であってほしい」と砂田麻美監督
10月1日に公開された映画「エンディングノート」(砂田麻美監督)。科学メーカーの熱血営業マンとして段取り いのち!で生き抜いた主人公・砂田知昭さん(享年69歳)は、会社役員まで勤め上げ、退職2年後にがんの宣告を受けた。人生の残り少ない日々を覚悟し、まず取り組んだのが「エンディングノート」づくり。自分の葬儀に向けて最後の日々を段取りし準備を進めていく姿を、次女の砂田監督が撮影し、編集したドキュメンタリー。この作品は、「エンディングノート」への関心が30~40代の働き盛りの世代にも広がりっている中で、どのように届くのか。そんな関心を持ちながら砂田監督に話を聞いた。
◇神父を訪ねる
映画は父・砂田さんの教会での葬式から始まり、神父を訪ねて自分の葬儀をお願いしたいとの申し入れる1か月前に遡る。砂田さんは「自分の人生をきちんとデッサンしておかないと、残された家族は困るでしょうから…」と「エンディングノート」を書き始めた心境を神父に語っている。
仏教からキリスト教へ。実母にどう了解を得るか。また、家族との交流などが、砂田監督のユーモアとテンポのいいナレーションで、砂田さんの快活な人柄が描かれる。
娘の視点で父親の人生と最期の日々を描いているが、一方では「死というものが内包している一言では言い表せない尊さを一人の人間の死を通じて表現したいという強い欲求」という、作り手としての視点もある。
◇洗礼を受ける
キリスト教での葬儀と回心について、「キリスト教はリーズナブルだから」と、砂田さんが案外真面目な表情で答えるシーンがある。「決してそれだけじゃなかったと思いますよ(笑)。今ならブログなどで自分を表現出来たり、励まされたりしますが、父にはそういうものはなかった。夫として、家長として誰にも言えない心の悩みや思いを向けるものが必要だったのかもしれませんね」。内心の迷いや感動の喜びを素直に表現できずに照れで隠してしまいがちな世代。神様の時がそこにあったのだろう。
09年のクリスマス前頃から様態が急変。クリスマスが終わったばかりの多忙な時期に「父の心臓がいつ停まってもおかしくない状況になって、神父様と相談しましたら『(キリスト教徒の)あなたが洗礼を授けられてもいいですよ』とアドバイスをいただいたので」、砂田監督が電話で教えられた式文を読みながら授洗式。その厳粛な出来事の展開とナレーションの妙が不思議な和みさえ醸し出す。
エンディングで語られる砂田さんの最後の言葉に、生を全うした先にある光が感じられる。自分の人生のデッサンを描きながら砂田さんに見えてきたもう一つのつながりが、明るく、それでいて真摯に語られる。
【遠山清一】
映画「エンディングノート」は東京・新宿ピカデリーほかで上映中。スペインのサン・セバスティアン国際映画祭出展作品。URL http://www.ending-note.com/
◎ケープタウン決意表明(1)−−信仰の告白と行動への呼びかけ=1110090701
◎ケープタウン決意表明(1)——信仰の告白と行動への呼びかけ第3回ローザンヌ世界宣教会議(2010年10月16~25日、ケープタウン。以下「ケープタウン会議」という)は198ヶ国から4千200名の福音派リーダーを集めて行われた。さらに、オンラインなどによる世界中の会議の参加者は、この他に数十万人に及んだ。その目標は、イエス・キリストとそのすべての教えについて、あらゆる国で、あらゆる社会階層で、そして思想分野において、証しをするよう、全世界の教会に新たなチャレンジを与えることである。
ケープタウン決意表明は、その努力の成果である。この文書は歴史の流れを汲み、「ローザンヌ誓約」及び「マニラ宣言」の両文書にその基礎を置く。この決意表明は2つの部分から成る。パートIは、聖書を通して私たちに受け継がれてきた聖書的確信を言い表し、パートIIは行動への呼びかけを発する。
パートIはどのようにまとめられたのか。最初の協議は2009年12月にミネアポリスで行われた。そこには全大陸から招かれた18名の神学者と福音派リーダーが集まった。この中から選ばれたグループが、ローザンヌ神学作業グループ委員長クリストファー・J・H・ライト博士をリーダーとして、ケープタウン会議に提示されるべき最終的文書を作成するよう依頼された。
パートIIはどのようにまとめられたのか。広範なヒアリング作業がケープタウン会議の3年余り前に始まった。ローザンヌ運動の国際副ディレクターたちは、各自の地域で会議を企画し、その中でキリスト教界のリーダーたちに、教会が直面する主要な課題を特定するよう要請した。6つの重要課題が浮かび上がった。この6つの課題によって(1)ケープタウン会議のプログラムの大枠が決まり、(2)行動への呼びかけの枠組が形作られた。このヒアリング作業はケープタウン会議会期中まで継続し、クリストファー・ライト及び宣言文作業グループはすべての有益な発言を忠実に記録するために労苦した。それは並々ならぬ記念碑的な努力であった。
ケープタウン決意表明は、今後10年間のローザンヌ運動のロードマップとして機能する。この文書は、業と祈りへの預言者的な呼びかけである。私たちの願いは、この文書が教会、宣教団体、神学校、マーケットプレイスのクリスチャン、キャンパス内の学生グループを引き寄せ、彼らがこの文書を自分のものとして受け止め、この文書の完遂のための自分の役割を見出すようになることである。
多くの教理告白文は、教会が何を信じるかを確言する。私たちはこれを一歩進めて、信仰と実践とを結びつけたいと考えた。私たちの模範は使徒パウロであった。使徒パウロの神学的な教えは、実践的な指示という形に具体化された。たとえばコロサイ人への手紙で、パウロはキリストの主権を、核心を突いて、見事に描き出しているが、そこからキリストに根ざすとはどういうことかについての現実的な教えを導き出している。
私たちは、キリスト教の福音の核心にあるもの、つまり私たちが一致しているべき主要な真理と、二義的な問題点とを区別する。後者については、誠実なクリスチャンの間でも、聖書の教えや要求についての解釈が一致していない。私たちはこの点で、「境界線内での幅広さ」というローザンヌの原則を体現するよう努めてきた。パートIにおいて、その境界線は明確に定義されている。
この作業の全過程を通じて、私たちは世界福音同盟(WEA)と協働できたことを喜んでいる。WEAは作業の各段階において私たちと労を共にし、WEAのリーダーはこの信仰の告白及び行動への呼びかけの両方に全面的に賛同している。
私たちはローザンヌ運動において福音派の立場から語り、また文章を書いているが、キリストのからだは一つであることを確認し、他の伝統の中に主イエス・キリストに従う人々が数多くいることを喜びのうちに認める。私たちはそれらの伝統に属する複数の歴史上重要な教会から、幹部代表者を陪席者としてケープタウンに迎えた。私たちはすべての教派の教会にとって、ケープタウン決意表明が役立つものであるよう願う。私たちは謙虚な心をもってこの文書を提示する。
ケープタウン決意表明に対する私たちの望みは何であろうか。世界中の福音派からの共同声明として、この文書について話し合われ、その内容が協議され、この文書が重視されるようにと願う。この文書がキリスト者の働きの計画事項を方向付け、公共の場で思想リーダーを力づけ、この文書から大胆な構想やパートナーシップが生まれることを願う。
神のみことばが私たちの道を照らしてくださるように。主イエス・キリストの恵み、神の愛、聖霊の交わりが、私たち一人ひとりと共にあるように。
総裁
S・ダグラス・バーザル
国際ディレクター
リンゼイ・ブラウン
(本稿は、第3回ローザンヌ世界宣教会議の声明文The Cape Town Commitmentの、日本ローザンヌ委員会による公式日本語訳です)