[CSD]2011年12月4日号《ヘッドライン》

[CSD]2011年12月4日号《ヘッドライン》

 = 1面 ニュース=
◎「連帯して脱原発活動を」——安全神話崩れた原子力発電 聖書の視点からどう見る
★感謝の歌声♪ 街中に——復興音楽祭典♪ 仙台ゴスペルフェスタ

 = 2 面 ニュース=
★津波の恐怖語る 陸前高田キリスト教会の森田為吉牧師——8か月目の3・11一致祈祷会
◎「君が代」強制に信仰の苦悩共有——超教派キリスト者が「祈りの会」 記・永野厚男
★「弱さを通して神が働かれた」——日本CGNTV開局5周年記念礼拝
★<落ち穂>宗教の入門書にみる文書伝道へのチャレンジ

 = 3 面 =
◎宣教フォーラム秋田:地方の視点を次期伝道会議へ——大震災後の課題も視野に
★<オピニオン>日本の深層からの宣教アプローチ 記・片桐 進
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか

 = 4・5 面 聖書・ディボーション特集=
★グループでの分かち合いが霊的活力に——同盟基督・松原聖書教会
★ディボーションは継続化が大事——苦しい時は、まずはなにごともしないこと
★フランシスコ会訳「聖書」の魅力——聖書を続けて読むと躍動感がある
★聖書新改訳 解説・適用付「バイブル・ナビ」の魅力——毎日の決断が教会の成長に

 = 6 面 仕事と信仰 =
★西田清子さん(芸術造形研究所代表取締役)——図書館司書から臨床美術へ
★<『もしドラ』教会編>[13]リーダーシップ?——聖書からイエスのリーダーシップ学ぶべき 記・千葉雄志


 = 7 面 伝道・牧会を考える =
★ケープタウン決意表明(9)——私たちが愛する主のために?
★解説:世界を愛する
★<小さき人々のパラダイス>[8]共働学舎の挑戦?——志を維持するために、経営センスが必要 記・佐原俊幸

 = 8 面 レビュー =
★MOVIE:「クリスマスのその夜に」——いのちと愛情をつなぐ5つの物語
★CD:「マイティーシープ みことばソングVol.1」(ライフ・クリエーション、1,890円税込)
★DVD:「Dear Jesus」ビョン・ホギル(全5曲、MAGCUP RECORDS、1,500円税込)
★BOOK:『日本の植民地支配と「熱河宣教」』渡辺裕子ほか共著(いのちのことば社、1,500円税込) 評・山口陽一
★BOOK:『近代日本の戦争と教会』古谷圭一著(さんこう社、2,625円税込)——
★BOOK:『聖書のパワー物語——人生を変える20の秘訣』大沢史伸著(日本地域社会研究所、1,575円税込)
★BOOK:『神さまは大切な事ほど小さな声でささやく』ビル・ハイベルズ著(福音社、1,890円税込)
★BOOK:『実を結ぶ人生——泉田昭牧師とその半生』石井忠雄著(いのちのことば社、1,260円税込)



◎「連帯して脱原発活動を」−−安全神話崩れた原子力発電 聖書の視点からどう見る=1112040101

 福島第一原発の事故により、国内外で原発の危険性が叫ばれる中、脱原発を目標に4月から活動してきた「原発体制を問うキリスト者ネットワーク(CNFE)」(崔勝久代表)は、このほど韓国、モンゴルで脱原発の活動にかかわっているクリスチャンと連携。11月11日11時に記者会見を3国同時刻に開き、Nuclear Free Asia(脱原発)を目標に今後、日本、韓国、モンゴルのクリスチャンが連帯していくことを表明し、共同宣言文を発表した。

 日本は東京・新宿区西早稲田の日本キリスト教会館で会見。共同宣言文では「核エネルギーは人類の幸福のため、ただ平和目的に利用する。核エネルギーは、廉価で環境に優しく、最も安全で、最も信頼できる」という作り話を私たちは信じてきたとし、「モンゴル、日本、韓国市民である私たちは、アジアで稼働中の多くの原発を停止し、原発を新設せず、ウランの採掘をやめるよう、モンゴル、日本、韓国、その他アジア各国政府に要求する」と宣言。また「核の脅威に反対し、手を取り合って協力することを宣言すると共に、世界中の全ての市民が私たちのこの闘いに合流するようアピールします」としている。
 この韓国、モンゴルのクリスチャンと連帯ができたきっかけは、崔氏が10月26日から11月9日まで両国を訪問し、脱原発活動に関わっているクリスチャンと出会い、話し合いをもったことから。この連帯について崔さんはこう語る。
 「日本国内では、枝野幸男経産相が海外の要請があるなら原発技術を売る、と言っている。韓国では原発を推進する李明博大統領が、2030年までに原発による電力の占有率を39%から60%に引き上げるという国家戦略を発表する一方、高速道路で放射性セシウム137が検出された。モンゴルでは、採掘されたウラニウムを原発で使い、そこから出た灰をモンゴルに持ち帰り、加工して埋めるという日米蒙の合意があることが分かった。日本ではこの合意はなくなったかのような報道がなされているが、この合意は正式に無効になっていないという点に注目する必要がある。韓国でもモンゴルでもクリスチャンの市民運動家がいるが孤立しやすい。アジア全域での連帯が必要です」
 今後の活動としては、?来年1月、横浜で開かれる「脱原発世界会議」への参加、?来年5月、青森県の六ヶ所村で国際シンポを開催(予定)、?日本、韓国、モンゴルの大学教授による連帯運動の具体策検討、情報交換、講演会の資料作成、?フクシマ原発を体験した日本の資料・映像を各国語に翻訳して提供する、など。崔さんは「目標はアジアだけでなく全世界だ。Nuclear Free Asiaを、すべてのアジアの国々、世界へと広げていくための、今日がスタートだ」と期待を込めた。
 http://wwwb.dcns.ne.jp/~yaginuma/

◎「君が代」強制に信仰の苦悩共有−−超教派キリスト者が「祈りの会」 =1112040202

 「日の丸・君が代強制に反対し、信教の自由を求める超教派キリスト者の会」の首都圏の教員や保護者ら市民約60人が11月12日、東京・千代田区のカトリック聖イグナチオ教会で「祈りの会」を開き、東京都教育委員会の進める?君が代?強制に対し、苦悩を共有し、対応策を語り合った。
 はじめに、橋下徹・前大阪府知事率いる「維新の会」の、「君が代条例」(継続審議の「案」を含む)に反対するアピールを出した、「日の丸・君が代」強制反対ホットラインの呼びかけ人の一人、松浦悟郎・カトリック大阪大司教区補佐司教が、1946年の日本国憲法制定時の国会審議で、当時の吉田茂首相が、国民主権について「新憲法になっても国体(天皇主権の国家体制)は些かの変更もない」と答弁している事実を紹介。
 松浦氏は「英国の歴史家トインビーは『文明は常に、自らの内面に生じた虚ろなものによって滅びる』という言葉を残している。だが、権力の暴走を規制するはずの憲法に反する、君が代処分のエスカレートは、戦前・戦中の国体が維持されてしまい、私たちが『虚ろなもの』を乗り越えていないことになる」と語り、「広い連帯を作るには、君が代の賛否はいろいろあっていいから、『強制は反対』という人たちを増やし、この問題が普通に話せる環境を作ることが重要」と訴えた。
 続く懇談では、都教委の?君が代?処分撤回2次訴訟原告の高校教諭が「原告らが信仰するキリスト教が、その教義上、(卒業式等の?君が代?時の)起立斉唱等を禁じていることを認めるに足りる証拠はない。起立斉唱は、一般的、客観的に見て、儀礼的所作に当たる行為であり、それを超えて、宗教的意味合いを持つ行為であるということはできない」とされた地裁判決(7月25日)について、「司法が教義にまで判断・言及する資格はない」と発言。二人目の教諭も「信教の自由とは何か、理詰めに裁判所に訴えよう」と述べた。もう一人の教諭は、「卒業式で起立する約束をしなければ、来年度担任にしない」と、校長に恫喝されている実態を語った。
 会合の最後に「憲法第19条・20条の思想・良心・信教の自由は最も大切な人権。非常識な大阪府条例(案)の廃止・廃案を求める」というアピールを採択した。
 (永野厚男=教育ライター)

◎宣教フォーラム秋田:地方の視点を次期伝道会議へ−−大震災後の課題も視野に=1112040301

 日本の深層を探ることを目的に「宣教フォーラム・秋田」が10月31日、11月1日、日本福音同盟(JEA)宣教委員会主催により秋田県仙北市のたざわこ芸術村で開かれた。JEAが2016年に計画している第6回日本伝道会議に向けて地域の課題や意見を積み上げていこうと趣旨で、地方での開催は昨年の名古屋に続くもの。秋田県伝道協力会、秋田放送「希望の光ラジオ」などが共催し、県内諸教会をはじめJEAに加盟する諸教派・団体などから60人余りが参加した。
 秋田側の要望で「日本の深層を探る」をテーマに予定していたが準備のさなかに東日本大震災が起こり、一時は開催が危ぶまれた。だがそうした中でこそ宣教の問題を考えようと、テーマに「新たな危機と宣教」を追加。プログラムにも東日本大震災の現状報告や、分科会に「心のうめきに向き合う」「阪神大震災から東日本大震災へ」などの要素を加えた。秋田の教会からは、雪国の特徴と宣教、子どもや高齢者の問題、地域の伝道協力などが発表された。また、「危機の中の宣教協力」を主題とした第5回日本伝道会議のプロジェクトの中で注目され、JEAが力を入れている「ディアスポラ宣教協力」についても発表があった。
 震災で傷ついた人々への心のケアが課題となっている中、東北出身の牧会カウンセラー丸屋真也氏が主題を受けて講演。JEA理事長の安藤能成氏は、エペソ2・14から「キリストはすべての壁を打ち壊す」と題して、「日本では福音の提示が地域との壁をつくり、教会が隔ての壁を築いてきたのではないか」と問題提起。地方と都会の教会が連携を取り、魂を育てていくべきことなどを提言した。
 大曲ルーテル同胞教会牧師の片桐進氏はウェルカム礼拝で、日本海側に位置する秋田県の宣教について触れ、日本の深層からの宣教アプローチについて提言した。