[CSD]2001年3月18日号《ヘッドライン》

[CSD]2001年3月18日号
《ヘッドライン》
 = 1面 =
◎歴史教科諸問題に韓国教界も抗議——「黙認せず国に発言を」
★全員がサッカー宣教師——韓国「ハレルヤ」チーム親善来日で伝道
★クリスチャン教諭「君が代」伴奏を忌避——天皇を神と礼賛した歌は信仰に反する
★スリランカ:教会堂を破壊され3人重傷
★<講壇に立つ女性たち>[9]新町キリスト教会牧師 丸山 園子さん(上)
★<落穂抄>なぜ、人を殺してはいけないのですか?
 = 2 面 =
★<21世紀教会は何を>[10]聖霊の動向と流行、一致の土台を見極め
★未来志向は過去の歴史懺悔から——クリスチャン議員・金泳鎮氏が訴え
★近畿福音放送伝道協力会:新時代の教会協力へ——デジタル時代のメディア伝道模索
★ホーリネス教団:「日の丸・君が代」考えるパンフレットを教会学校に配布
★芦屋市の小島十二牧師らJR新大久保で犠牲死の李さん両親に弔意募金届ける
★<世界の出来事フラッシュ>米国、ロシア、コロンビア、カザフスタン
★<論説>聖書が教える良い牧者とは 記・小助川 次雄
★<神の国の物語>[17]反対者と祈る 記・谷口和男
 = 3 面 キリスト教書店特集=
★長年の夢が実現——HISBRAND
◎人と教会の掛け橋——ライフセンター新潟書店
★本がすぐ手に入るように——純福音書店
 = 4・5 面 =
★春の教会案内
 = 6 面 =
★<伝道牧会とリーガルマインド>[11]教会と著作権(2) 記・櫻井圀郎
★<企業社会の生き方ガイド>[11]情報公開と正直の原則 記・梅津光弘
★<英語ことわざメモ>[11]言葉は身の文 記:デビット・ブルック
★<投稿>剣を取る者は剣によって滅びる
★<投稿>宣教地を離れることは挫折か?
★<今月の試写室>「星降る夜のリストランテ」 評・高梨 大
★<CDの時間>「やすらぎ」 Jam
 = 7 面 =
★「ハレルヤ」と声張り上げ——目的はサッカーに勝つことではなく、宣教」
★ビデオ「ジーザス」子ども版 登場——3月24日に東京で試写会
◎<北から南から>大分:玖珠教会のパソコン教室——人生相談からIT革命まで
★神戸学生センター:求む古本、アジア留学生奨学金に
★クリスチャンパートナーズが15周年——西カリマンタンに援助
★<召天>リチャード・ウルムブランド氏(「殉教者の声」創始者)
 = 8 面 =
★<聖書66巻>ガラテヤ人への手紙第 愛で働く信仰だけが大事 記・後藤 喜良
★<書評>「愛の手紙・説教」加藤常昭著(教文館、3000円)
★<新刊書紹介>「古今東西キリスト教デキゴトロジー」岩村信二著(キリスト新聞社、1500円)
★<新刊書紹介>「キリストの花嫁」第一部 バジレア・シュリンク著(カナン出版、1876円)
★<情報クリップ>催し情報ほか

歴史教科諸問題に韓国教界も抗議−−「黙認せず国に発言を」0103180101

「新しい歴史教科書をつくる会」(会長・西尾幹二電気通信大教授)の理事らが中心に執筆した2002年度版中学歴史教科書が、韓国、中国から強い批判を浴びている。
韓国のキリスト教界でもこの問題に対する見方は厳しい。
そうした空気を背に、韓国で謝罪と和解の宣教を20年以上続けているソウル日本人教会の吉田耕三牧師(日韓親善宣教協力会宣教師)は3月5日、「日本人よ、恥を知れ—3度目の『教科書問題』に寄せて」と題する緊急訴えを日本の文部科学省教科書検定官に出した。
韓国国家朝餐祈祷会会長、世界クリスチャン議員連盟総裁の金泳鎮(キム・ヨンジン)議員も「日本|平和共存のための勇気ある懺悔を!」と題する声明を、本紙を通し日本のクリスチャンに寄せた。
「つくる会」の歴史教科書には、韓国併合について「国際関係の原則にのっとり、合法的に行われた」などの記述があった。
文部科学省検定審議会は、近隣諸国で問題になっている部分など137か所の修正を求め、出版元の扶桑社がすべての修正を受け入れたため、合格の見通しが強まっている。
西尾氏は「個別部分は屈辱的とも言える修正をも受け入れたが、歴史観を変えたわけではない」とのコメントを発表した。
吉田耕三氏はこうした現状に対し、文部科学省への緊急訴えで「日韓両国の歴史を振り返って見る時、日本の不当性が誰の目にも明らか」として、1910年、武力で脅迫の中、日韓併合条約を強制締結させるに至った歴史を概観。
その後36年間に及ぶ総督府政治が国語や宗教を奪うなど、いかに非人道的で残虐なものであったかを指摘した。
教科書問題が過去2回(1982年・高校社会科、1986年・高校「新編日本史」)に続いてまたしても起きたことに「『日本人よ、いい加減にしろ!』というのが侵略支配の被害国の心情」と指摘。
韓国国民が最も憂慮していることは、歴史を歪曲した教科書で学んだ子供たちが、第二の「帝国臣民」にならないかということだとして、日本製品の不買運動や反日デモなどが起こっている韓国国民の空気を伝えている。
また今回の教科書歪曲は、金大中大統領が「過去を清算し未来志向で行こう」という姿勢を打ち出したのに歴史の針を逆戻ししたことで、日本は韓国側の期待と信頼に背いたとし、日韓関係の歴史に大きな汚点を残すと警告。
「2002年のサッカーW杯共催にも悪影響を及ぼしかねないような雲行き」を懸念し、近隣諸国との信頼関係を崩れ去らせてしまうことのないようにと、「賢明なる処置」を切望した。
吉田氏によると、こうした韓国民の反発はキリスト教信仰の有無にかかわらず同じ。
日本軍慰安婦問題に取り組む「韓国挺身隊問題対策協議会」の会合でも話題になった。
「3・1独立節のこの時期に、日本人はどういう国民なのかと、韓国ではみんな怒りを通り越し首を傾げている」という。
「日本人クリスチャンにも問題意識を持って立ち上がって欲しい、どうして国に対して何も言わないのかとの声があり、黙っていれば黙認していると取られてしまう」として、政府文部当局と一般世論に対し、歴史の証人として祈りと行動を起こし、世の光・地の塩として役割を果たすように吉田氏は呼びかけている。

人と教会の掛け橋−−ライフセンター新潟書店0103180302

新潟県新潟市高美町にあるライフセンター新潟書店は1976年、キリスト教出版社いのちのことば社と新潟地区の教会との共同経営(出資)で再出発してから今年で24年目。
地域教会との強い協力関係の中で働きを進めてきた。
同書店は、99年に同盟基督・新潟福音教会(本間進牧師)の敷地内に移転した。
周りに何もなく、自動車がないとなかなか行きにくい所だが、「都会のように買い物ついででなく、最初からここだけを目指して来る客がほとんど」で、それだけにお客との関わりは深い。
長話をして帰る客も多い。
「地方の書店の特徴です」と店長の小杉和子さんは語る。
キャッチフレーズは「オアシス」。
肩の力を抜き、来た人を100パーセント受け止める姿勢で、お客を迎え、話相手になる。
直接伝道するわけではないが、結果的に教会との窓口として役立っている。
地域教会にとってもなくてはならない存在だ。
新潟福音教会で教会事務の働きをする斎藤初江さんは、「初めて教会に来る人は、まず書店に行った人が多い」と語る。
書店が教会へ来るためのワンクッションになっているだけでなく、信徒のいこいの場でもあるという。
本間さんは「ライフセンターと教会は持ちつ持たれつの関係」と表現。
「最近の出版ニュース」や集会の時の出張販売が、教会にとっての大きな刺激となっていると述べた。
同盟基督・新津福音教会牧師の松永堡智さんは、昨年、同書店を通じ「壮年の学びのテキストに」と、いのちのことば社発行の『プロミス・キーパーズ』(プロミス・キーパーズ編)の再版を依頼、百冊注文した。
図書係がボランティアとして奉仕し、委託図書も有効に活用されているという。
今年2月に行われた感謝会では映画「親分はイエス様」のダイジェスト版の上映会も行われた。
大教会、大都会でしか呼べない人、得られない情報も、同書店が窓口となることによって可能となっていくことに地元の教会は感謝している。
しかし、「書店と教会がいい協力関係にある」と言いつつも、日本の不景気を反映し、採算的にはここ数年赤字が続いている現状もある。
同盟基督・亀田キリスト教会牧師の斎藤五十三さんは「さらに教会が祈り支えるべきと思う。
創立当初の支援体制も世代変わりで変化しつつある。
もっとパートナーシップを築く努力が必要」と語った。
本間さんは「健全経営できていないことは、書店だけでなく教会にとっても痛み」と受け止めている。
同書店では、今年から月に1回月曜日早朝に、地域教会の牧師にメッセージをお願いし、ディボーションも始めた。
小杉さんは「今日まで肩ひじ張らずに書店の働きをしてきた。
一番小さいから神様がしてくれる。
だから、どんな時にもゆったりと構えていられる」と、長年同書店で奉仕してきた恵みを語った。

<北から南から>大分:玖珠教会のパソコン教室−−人生相談からIT革命まで0103180703

大分県の日本基督教団玖珠教会牧師の宮崎富男さんは、教会でパソコン教室、パソコン点字教室、ワープロ教室をしている。
教会に親近感を持ってもらうことが目的で、教会付属の保育園に通っている園児の保護者、教会員、求道者を対象としている。
宮崎氏がこの教会に赴任して、保育園と教会が全く分かれていると思い、改善しようと十数年前からワープロを教えることにした。
2つをつなぐ新しいプログラムにとの思いの実現で、2年前からパソコン教室も立ち上げた。
パソコンは、インターネットやデジタルカメラなどいろいろな機能を学ぶことができ、次のステップを提示すれば長期間継続しての交わりを見込めると期待している。
しかし、継続してくる人は少なく、パソコンを自宅で所有していない人にとっては実用的でない。
講習時間は、1時間半で子供が保育園に通っている時間帯が主で、一人ひとりのレベルに合わせて集中的にパソコンの知識を伝授するときもあれば、悩み相談で終わるときも。
パソコン点字教室では、点字奉仕者を目指す人のためにパソコンで点字を作成する方法を教える。
だが、現在、ワープロ教室と並んで受講生はいない。
玖珠教会のホームページ(http://homepage2.nifty.com/kusuchurch)には、点字が必要な教会員に教会の資料を届けるため、以前ワープロで作成した「便利なソフト・資料(点字・法人書式ほか)」や、受講生からの要望に応えて作成した、?パートタイマーの1カ月の勤務時間累計表、?学校の成績管理表が有料でダウンロード出来る。
勤務時間累計表は注文が多く、汎用性のあるバリエーションを増やした。
ダウンロードによって得た資金を教会建築のために積み立てている。
「パソコンを使っての奉仕者が出てきてくれるには、まだ時間がかかるでしょう。
しかし、受講生の中からクリスチャンになる人が出てきて、将来書記として奉仕してくれるようになると信じています」と、宮崎さんは言う。