聖書に基づいた教科書 刊行−−ホームスクール推進へ環境整備0103250102

「全教科で神様がいることを前提とした教育を」と、聖書に基づいた教科書シリーズの刊行がチア・にっぽん(チャーチ&ホームスクーリングを進める会)とアメリカのボブ・ジョーンズ大学の共同プロジェクトで進められている。
その第一弾がホームスクーリング・ビジョン株式会社(「チア・にっぽん」内=稲葉寛夫代表)から発刊された。
アメリカのチャーチスクールやホームスクーラーの間で最も用いらているボブ・ジョーンズ大学の教科書を日本語に訳した。
全ページカラーで、5歳から12歳対象。
ボブ・ジョーンズ大学はクリスチャン教育のパイオニアで、スタッフ700人を抱え、幼稚園から高3まで全科目1000点あまりの出版を行っている。
 「クリスチャンとして、子どもに福音を伝えたいと思っていても、学校教育は無神論に基づいている。
この教科書は初めから神様がいることを前提として書かれています」と稲葉さん。
「神様を中心とした教育を」と願って、昨年チャーチ&ホームスクーリングを進める会「チア・にっぽん」を立ち上げた。
 「ホームスクーリング」とは、学校教育に頼らず家庭で独自に子どもたちを教育することだが、アメリカではクリスチャンの間で聖書をベースに一般科目も含めて教育する手だてとして注目され、現在200万人を超える子どもたちがこうした教育課程で学んでいる。
 日本でも「チャーチスクール」や「ホームスクーリング」の必要性への認識が急速に広まっている。
昨年5月に行われた「チア・にっぽんセミナー」にも600人余りのが参加し、実際に今後展開していくために教科書の整備を求める声が多数寄せられた。
今回その声に答える形で教科書の刊行となった。
「教科書がチャーチスクールやホームスクーリングをする上でのリズムにもなります」。
各ユニットの概要や「教師の備え」「教え方」などを詳しく解説した教師用のテキストもあり、だれにでも教えることが容易となった。
「教会学校や、週2時間程度のホームスクーリングでも用いてほしい」 シリーズの第1弾としてまず「聖書」を選んだ理由を稲葉さんは「聖書の教えはすべての教科にもつながる。
何を学ぶにもまずベース(土台)が大切」という。
「ただ暗記をさせるよりも、主に仕えていく心を育てたい」 昨年1年間、稲葉さんは同テキストの英語版で自分の子どもたちを教育した。
「私自身が教えられたことが多い。
神様に聴き従っていくことの恵みと喜びをさらに深く体験した」。
そして息子の真祈史くん(8)に自己の確立が見えてきたという。
「今まで、何をするにも友達に影響されやすかったが、神様と自分の関係を考え、神様だったらどうするかという基準で物を考えるようになりました」教科書の内容は、聖書の記述に基づき、事実関係を整理したり、登場人物の思いを考えたりする。
教理問答集も詳しく、聖さん式や洗礼の意味など神や罪のことを深く興味をもって学べる内容になっている。
そして「実際の生活でどうしていくのか」まで考察していく。
想像力を高める絵がふんだんに使われていることも特長の一つだ。
今後、協力者や協力出版社に呼びかけて聖書的な理科や世界史などの出版を目指していく予定。
(写真は生徒用教科書「聖書」の一ページ)生徒用教科書(303ページ)・2400円、教師用ガイド(500ページ)・4000円。
教師用が発売されるまでは、子ども用に限定五百部の教師用トライアル版をプレゼント。
5月31日までは、教師用、生徒用セットで5800円(発売記念セット)。
連絡先はTel.03・5915・1223(「チア・にっぽん」事務局)。

[CSD]2001年3月25日号《ヘッドライン》

[CSD]2001年3月25日号
《ヘッドライン》
 = 1面 =
★沖縄宣言を「私たちの責任」に——「第4回日本伝道会議シリーズ」刊行開始
◎聖書に基づいた教科書 刊行——ホームスクール推進へ環境整備
★路傍伝道の叫びに監督ほれ込む——アーサー・ホーランドさん映画「クロエ」に出演
★「あかし文学賞」8編が第1次選考会通貨
★<講壇に立つ女性たち>[10]嵯峨野キリスト教会牧師 宮城 周子さん(下)
★<落穂抄>愛と死をテーマにした映画「クロエ」
 = 2 面 =
★えひめ丸事故「謝罪」をめぐる日米の意識差
★インドネシア・マルク抗争に対して「声」を上げる 寄稿・金子 新
★土肥隆一衆院議員も現地調査し呼び掛け
★東京地裁判決「昭和館」の違法性認めず——原告ら「訴えの争点分かっていない」
◎「新靖国法案」提出 未然阻止へ——請願法に基づく署名運動を開始
★従軍慰安婦謝罪クリスチャン基金を新たに届ける
★<教界の動き>日本福音自由教会協議会、日本聖公会東京教区、日本聖書協会
★<論説>ヒトゲノム解読時代の「人間」 記・稲垣久和
★<神の国の物語>[18]和解の恵み 記・谷口和男
 = 3 面 特集・カルトの実像=
★「統一協会の伝道方法は違法」——画期的な最高裁判決
★過去10年でカルト問題はより深刻化 記・ジャン・ドウゲン
★<書評>『良心の危機』レイモンド・フランズ著
★『良心の危機』の翻訳者・樋口 久さん——生きることは楽しいと感じてほしい
★<書籍紹介>『ものみの塔の源流を訪ねて——創設者ラッセルの虚像と実像』(新世界訳研究会、1800円)
★<書籍紹介>『あぶない宗教を見分けるために』(デオ・グロリア出版、286円=税別)
 = 4 面 =
★沖縄の「祖先崇拝と福音宣教」 記・荷川取 順一
★「リーダーを育てるコーチング」セミナー 記・福田 充男
 = 5 面 賛美特集=
★「何かを伝えるのがゴスペル」——歌いながら気づいた神様の愛
★みことばが大切なら、音響も演出も
★キリスト教音楽の歴史集大成——初代教会からJ・S・バッハまで
★全曲口語で歌えます——イムマヌエルの新賛美歌集「ひむなる」5月発売
★<書籍紹介>『賛美、それは沈黙のあふれ』新垣壬敏著(教文館)
 = 6 面 スポーツ伝道特集=
★自分に厳しく人に優しく——プロゴルファー中嶋常幸さん
★メンバー全員クリスチャン、韓国実業団サッカーチーム「ハレルヤ」
★空手教室やってます——バプ連盟・東久留米教会
 = 7 面 =
◎憎まれても愛しています——イスラム教徒からクリスチャンへ
★「それでもジーザスはいる」——映画「クロエ」に出演のA・ホーランドさん
「閉じこもり」主婦に救い——大阪キリスト栄光教会・ゴスペル教室
★EHCからイースター トラクト発売
★タイ「教会ワークキャンプ2001」
★第1回「日本の文化」ツアー
★ロシア:トルストイの子孫が先祖の破門再考を要請
 = 8 面 =
★<聖書66巻>エペソ人への手紙 神のことばこそ最大の武器 記・村上 久
★<書評>『宗教改革の思想』アリスター・E・マグラス著(教文館、4200円)
★<新刊書紹介>『現代の賛美歌ルネサンス』横坂 康彦著(日本基督教団出版局、2900円)
★<新刊書紹介>『白血病からの生還』村上 正則著(いのちのことば社、1200円)
★<情報クリップ>催し情報ほか

「新靖国法案」提出 未然阻止へ−−請願法に基づく署名運動を開始0103250205

新靖国神社法案(仮称)の国会提出を阻止するために、請願法による署名運動が提唱されていたが、具体的に動き出した。
この運動について説明し考える集会が、日本キリスト教協議会(NCC)靖国神社問題委員会の主催で3月9日、東京・新宿区の日基教団・信濃町教会で行われた。
この運動を提唱した西川重則氏(「政教分離の会」事務局長)は、「今の状況では、靖国法案が通ってもおかしくない。
有事法制下にあって、再び戦争が起こり得る状況が作られるのは避けられない」と言及。
また「靖国神社問題について詳しく知らないような国会議員が多くなっている」と話し、議員がよく考えないまま多数決で法案が通る危険性を指摘した。
「法案ができてから反対するのは大変。
そのために請願法が有効なのです」。
請願法は、日本国憲法第16条を根拠にしたもので、「だれでも『法律の制定や廃止、その他の事項』について『平穏に請願する権利』を持っている」と西川氏。
一般に行われている署名と違う点は、署名を集めた上で、国会議員にこちらの趣旨を訴え、紹介議員となってもらい、その署名と共に国会に提出すること。
「直接、国会議員に請願の趣旨を理解してもらうのが重要。
その結果、全国会議員に『公報』を通して私たちの要望している内容が知られ、影響力がある」 請願事項は「政府は、日本国憲法第20条(信教の自由、政教分離規定)の国家と宗教の分離の原則を尊重し・擁護し、国家が宗教に介入することのないように、政治姿勢の徹底を図ること」「アジアの信頼を大切にして、国権の最高機関・国の唯一の立法機関である国会は、日本国憲法の原則を尊重・擁護し、靖国神社問題に慎重に配慮し、いかなる形であっても、かつての靖国神社法案のような法律を制定しないこと」。
基本的には小選挙区内で署名、紹介議員に渡すが、不可能な場合は、署名だけを集め、事務局にゆだねることも可能だ。
昨年以来の呼びかけに応じて現在署名が寄せられつつある。
同運動事務局では次の段階として、署名提出に向け、国会議員に趣旨説明をし、賛同・協力議員を増やしていきたいという。
この問題についての詳細は『天皇の神社「靖国」増補版』(西川重則著・梨の木舎・2000円)に書かれている。
▽新靖国神社法の制定に反対する請願運動事務局Tel.03・3203・0372。

憎まれても愛しています−−イスラム教徒からクリスチャンへ0103250701

憎まれても、愛していることを知って欲しい・元イスラム教徒だったイラン人のアリ・マンサーさん(バプ連盟・東京バプテスト教会員)は、東京でイエス・キリストと出会い信仰を持ち、1999年に受洗した。
アリさんは現在、宗教上の理由で母国イランに戻れない状態だが、「同胞を愛し、イスラム教徒を愛し、家族を愛している。
救われた喜びを多くの人に伝えたい」と語る。
●聖書を読破運送会社の仕事をしていたアリさんは、ナイジェリア人の友人に「次の日曜日、教会に来ないか」と誘われた。
いろいろな宗教に顔を出し、「真の宗教とは何か」について真剣に考えてきたアリさんは、2つ返事で「いいですよ」と応じた。
礼拝に出席し、牧師の話に感動。
イラン語の聖書をもらうと、たちまち二週間で聖書全巻を読破。
「私の心が渇いていたのでしょう。
一つひとつの聖書の言葉が迫ってきた。
すばらしい体験だった」。
  ●志願兵としてアリさんは1日5回、毎日欠かさずアラーの神にひざまずく熱心なイスラム教徒だった。
一方で、「真の宗教は、神が一人ひとりを愛する宗教」と考えてきた。
 1980年にイラン・イラク戦争が起こり、当時14歳だったアリさんは志願兵として戦地に行った。
「多くの親友を失った」と、戦争が自分にとって悲しい体験だったことを話す。
 ある時、イラク兵を銃殺する場に立ち会った。
アリさんは「たとい敵であっても『助けてくれー』と必死に嘆願するイラク兵に、銃を向けることはできなかった」と回想する。
結局、ほかのイラン兵が、アリさんの目の前でイラク兵を銃殺した。
「神は愛、平和の神ではないのか。
『やったらやりかえせ』は神の教えなのか」と考えた。
  ●信仰の代償戦争が終わる1年前の1987年、アリさんは輸送会社に就職し、いろいろな国を巡った。
やがて日本にも来て、東京で仕事をすることに。
以来9年間日本に滞在。
稼いだ金は、家族に仕送りしていた。
 キリスト教信仰を持ってから、身辺が急激に変わった。
「私はイエス様を信じました」とイラン人の仲間に証しし、家族にも話した。
 しかし、その代償は大きかった。
全員イスラム教徒の家族からは「自分の子どもでない」と言われ、連絡が取れなくなってしまった。
一緒に仕事をしていたイランの友人からは「裏切り者」と呼ばれ、アリさんの財産はすべて没収された。
しかし、「教会というすばらしい家族を与えてくださった」と、教会員の励ましが力となった。
 仲間から殴られたこともあった。
しかし、昔のように殴り返さなかった。
「神は自分を『左のほおを打たれたら、右のほおを向ける』愛の人間に変えて下さった」とアリさんは感謝する。
 「私は1日5回神にひざまづいていた。
今は24時間神と一緒にいる」とアリさんは喜ぶ。
 証しは3月3日、東京・千代田区のお茶の水クリスチャンセンターで行われたインターナショナルVIPアフリカチャプターで語られた。