ヘッドライン
[CSD]2012年9月23日号《ヘッドライン》
[CSD]2012年9月23日号《ヘッドライン》= 1面 ニュース=
◎三浦綾子全作を電子化——絶版38作品も順次配信 「3・11後の今こそ読まれる」
★岡山で「6時間ぶっとおし賛美フェス」——賛美なしにリバイバルはない
= 2 面 ニュース=
◎放射線避け外遊びうれしい——「子ども保養プロジェクト」長期化へ協力体制
★受刑者の回復と社会復帰を支援——獄中で聖書読み 回心した元受刑者「マザーハウス」設立
★イラン 死刑判決の牧師を釈放——背教罪、刑法規定あいまい
★<落ち穂>3・11被災女性が出会った福音
= 3 面 =
★<いのちへのまなざし>[27]受け身の1年 記・柏木哲夫
★息の合ったキリストの香り——ユーオーディア・アンサンブル25年
★<オピニオン>「しっかりしなさい、わたしだ」 記・白岩 正明
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
= 4・5 面 異端・カルト特集 =
◎メシヤが死んでも崩壊しない 異端の不思議——迷走と分裂へ…文鮮明死後の統一協会 記・張清益
★モルモン教はなぜ一夫多妻だった?
★「私はこうしてダビデ張を再臨のキリストと信じた」——人間をメシヤと信じさせる心理トリック
= 6 面 関西だより =
★化石が語る創造の真実——「いのちありがとう記念館」設立準備室に化石展示室
★今夏も熱いパワー 「なにゴス」まさに礼拝
★メディアは希望つなぐ助け——近放伝40周年 1年前大会開催
★マイティシープ大阪参上——OCC子どもフェスティバルで着ぐるみショー
★奈良から「生きる勇気」発信——賛美とメッセージの集い
= 7 面 伝道・牧会を考える =
★教会ルポ<ここも神の御国なれば>[23]同盟基督・那須高原教会?——誰にでも、できることは協力
★ケープタウン決意表明(45)パート?解説——弟子として生き互いに愛し合え(最終回)
= 8 面 ひと =
★森 祐理さん 福音歌手デビュー20周年を迎えた——天国に行くその日まで歌い続け
◎三浦綾子全作を電子化−−絶版38作品も順次配信 「3・11後の今こそ読まれる」=120923010
『氷点』『塩狩峠』『銃口』などキリスト教信仰を描いた小説家三浦綾子さん(1922~1999)の全単独著作(約80作を予定)が小学館から今秋より電子書籍で順次配信される。電子書籍で全集が出る作家はまだ少ない。9月11日、北海道旭川市での発表会で今、三浦作品が読まれる意義が語られた。
綾子さんは今年生誕90周年を迎え、同じく今年創業90周年を迎える株式会社小学館(東京都千代田区、相賀昌宏代表取締役社長)が三浦綾子記念文学館(北海道旭川市、三浦光世館長)と共同で電子全集を企画した。
10月12日の『氷点(上・下)』『銃口(上・下)』を皮切りに、毎月2回約5冊ずつ配信し、来年6月までに全80作品を配信する。価格はすべて1点525円(税込)。電子書籍専用端末、スマートフォン、タブレット端末、パソコン、携帯電話などで読める。また特典として秘蔵写真、夫・光世さんによる創作秘話などが加わる。
小学館取締役副社長の白井勝也さんは、「3・11以降の今こそ、祈り、いのち、愛、原罪を描いた三浦作品が新しい角度から読まれ、作品が生き返ると確信します」と述べ、光世さんは「絶版になった38作品も電子書籍で再び読まれる。天国の綾子も喜んでいると思います」と感謝した。
三浦綾子作品は約4千300万部読まれてきたが、絶版も多い。三浦綾子記念文学館にも「本を買えないか」と問い合わせがくる状況。三浦綾子記念文化財団・専務理事の松本道男さんは今年9年ぶりの三浦綾子新作『丘の上の邂逅』(小学館)の刊行と電子化を話し合った際、これらの現状を話した。「全作品を電子にすればうれしいと提案すると、小学館の方も『是非とも』と答え、とんとん拍子に進んだ」
ほかの大手出版社に比べ、小学館の文芸部門は後発だ。その中で三浦綾子の最晩年作『銃口』(1994)は単行本、文庫を合わせて約50万部売れた。近年小学館は直木賞受賞の『下町ロケット』(池井戸潤著)など数々のヒットが続くが、「これらのきっかけを『銃口』が開いた。小学館にとって特別な存在」と佐藤正治さん(取締役)は認識する。「『心が洗われる』『やさしい気持ちになれる』『前向きな気持ちになれる』。この読後感をもう一度日本の読者に伝えていきたい。それだけでも意義がある」とし、電子書籍事業の観点からも「若い人にはこういう作品、作家がいたと知ってもらえる。電子書籍に馴染みがない人には、これを読んでみようと思ってもらいたい」と期待する。
守山菜穂子さん(デジタル事業局コンテンツ事業室)は「新しい作品を出すのと同時に、昔の作品に光を当てることも大事。電子でも紙でも同じ感動がある。入れ物が違うだけ。『やっぱり中身だよね』と知ってもらいたい。作品に描かれる風景は古びるかもしれないが、愛や恨み、絆など人間の心のやりとりは古びない」と価値を語った。
三浦綾子記念文学館特別研究員で全国三浦綾子読書会代表の森下辰衛さんは「どの作品も読めることが大事。『愛の鬼才』『われ弱ければ』など良質の伝記で絶版した本がある。作品を気に入った人が、さらに80冊を読めたら大きいことだ。そうすれば何でも起きます」
現在も三浦作品の影響は大きい。三浦綾子読書会が同文学館と実施した東北での著作配布活動・イベントを通じて、仮設住宅に住む人から「作品に感動した」という声が出ている。今後も現地の人たちで自主的に集会や『塩狩峠』などの映画会を開くという。三浦綾子記念文学館では綾子さんの資料整理をボランティアたちで実施している。最近参加した女性は「ボランティアの皆さんは温かくて前向き。三浦先生の作品も、やさしくて前向き。その姿勢が皆さんに受け継がれているのだと思います」と実感を語る。全著作の電子化を通して注目を集め、新たな読者層が切り開かれることが期待される。
小学館ebooksサイト内に「三浦綾子 電子全集」のページが開設されている。http://ebook.shogakukan.co.jp/miura-ayako/
◎放射線避け外遊びうれしい−−「子ども保養プロジェクト」長期化へ協力体制=1209230201
東日本大震災から1年半。福島では原発事故による放射線の被害が今なお続いている。そのような中で、大人よりも放射能の影響を受けやすく、外で遊ぶこともできずにストレスにさらされている子どもたちやその保護者たちに、一時的に放射線の少ない地域で過ごす「保養」プログラムを提供しようと、福島県内諸教会による「福島県キリスト教連絡会」のもとに「福島県キリスト教子ども保養プロジェクト(通称「ふくしまHOPEプロジェクト」)が開始。9月4日、郡山市のミッション東北・郡山キリスト福音教会に県内の教会関係者や支援関係者が集まり設立式が行われた。同連絡会代表でプロジェクトの共同運営委員会代表でもある木田恵嗣牧師(郡山キリスト福音教会)がルカ11・5~13から「信仰の祈り」と題した説教とともに経緯を説明。震災以来、県内の教会のネットワークで仮設住宅の住民への支援、除染、子どものケア、野菜プロジェクトなどに取り組んできたが、「一番みんなの心が集まってきたのが子どもプロジェクトだった」という。
「表面的には普通に生活しているように見えると思うが、よく見るとおかしなところがたくさんある。子どもたちは外で遊んでいない。休日は室内の遊び場がいっぱいになり、1時間半で交代しなければならない。できれば毎週、子どもたちを放射線量の低いどこかに連れて行ってやりたい。月1回でものびのび外で遊ばせたい。そんなお母さん方を覚えて精いっぱい奉仕させていただきたい」と抱負を述べた。
同様の趣旨の保養プログラムは、東北ヘルプ(吉田隆代表、川上直哉事務局長)や福島市のふくしま教会復興支援ネットワーク(上代謙代表)でも始めていた。「ふくしまHOPEプロジェクト」は、それらにもかかわってきた東北ヘルプ、CRASHジャパン、3・11あおもり教会ネットワーク、日本国際飢餓対策機構、日本同盟基督教団震災復興支援本部と福島県キリスト教連絡会からの代表者を正会員として協力体制を結集、共同運営委員会(木田恵嗣代表、朝岡勝事務局長、久場政則会計)によって運営される。
7月に岩手県の錦秋湖キャンプで、8月に県内の会津自然の家で、プログラムを実施した。外で自由に遊び沢登りやカヌーなども楽しんだ。少しでも放射線量の低いところで過ごすことで心身に回復の効果があることが分かっているが、参加した子どもの表情が最初は硬かったのが、最後には明るくなったことからもそれがうかがえたという。ふだん外で遊びたがる子どもをつい怒ってしまうという母親からも、「ここなら自由に遅くなるまで外で遊ばせられる」と喜ぶ声が上がった。
一時はインターネット上にあふれていた保養プログラムも最近は減っており、資金を継続する困難がうかがわれる。だが放射線の影響は5年後ぐらいから出てくるともいわれ、「ふくしまHOPEプロジェクト」では少なくとも5年間は続けることを申し合わせた。
同プロジェクトを継続するため賛同者・支援会員(会費制)、カンパを募っている。
◎メシヤが死んでも崩壊しない 異端の不思議−−迷走と分裂へ…文鮮明死後の統一協会 記・張清益=120
はじめに
1954年5月1日、韓国ソウルで「世界基督教統一神霊協会」という看板を掲げて活動を開始した文鮮明氏が9月3日、92歳で死去した。これまで韓国の社会だけでなく、日本そして世界に多くの悪影響を及ぼした彼の死を、長い間多くの人々が待っていたかもしれない。
統一協会は創立初期から正統的なキリスト教会が到底受け入れられない教義を掲げ、善良な多くのクリスチャンたちを誘惑した。そして、文鮮明氏と妻の韓鶴子氏(文鮮明氏が40歳の時、当時17歳の少女)を人類の「真の父母様」として仕えるという荒唐無稽な教義を教え、彼らがいう「統一王国」(地上天国)の建設のために手段と方法を選ばず走ってきた。正統的な教会と一般社会からの厳しい批判にさらされながらも、まったく耳を傾けずゲリラのように生き残ってきた。
統一協会の日本での活動は1963年、崔奉春(日本名西川勝)が文鮮明の指示で日本に密入国し違法に開始された。それから約50年の間、彼らの特殊な教義にだまされて精神的にも経済的にも社会的に重大な被害を受けた日本人がどれほど多くいることか?
さらに残念なのは、その日本人信者たちが統一協会を世界中に広める忠僕になったという事実である。
紙面の関係上、統一協会がどのように韓国で発生し、日本で根付くようになったのかについて言及することはできない。「再臨のメシヤ」とされた文鮮明の死亡後、果たして統一協会はどのようになるかについての所見を述べるにとどめたい。
1、体質は絶対
に変わらない
?正体を隠した勧誘活動
すべての異端の特徴の一つが正体を隠しながら多くの人を誘惑することである。統一協会も例外ではない。偽りで彼らの組織を守るしかないのだ。今でも新宿駅周辺では、自分たちが統一協会の信者であることを隠し、相手を騙しながらの勧誘活動及び高額の物品販売などの工作活動を繰り広げている姿を見ることができる。筆者が出会った統一協会の信者たちは、この事実を否定したり、今後改善すると言うが、一向に改善の余地は見られない。
?お金に対する執拗な執着
文鮮明は生きている間〈万物復帰=簡単に言えばこの世界のお金を文鮮明の手に渡し、そのお金で文鮮明は人類の平和のために使うという教え〉という特殊な教義を作って、日本の信者たちからの高額の献金が韓国に送られた。日本の統一協会は長い間〈霊感商法 〉というインチ商法を開発して善良な市民を騙し、稼いだお金を毎月約20億円程度韓国の統一協会に送金し続けてきた。その体質は、文鮮明の死をもさらに金集めの機会とすることからも分かる。文の死亡直後に日本統一協会の信者たちに下された指示(1人当たり12万円の弔意金を持参し、3万人の信者を葬儀に出席させる…これだけでも、約36億円という莫大な資金が簡単に集められようとしている)を出した。 統一協会の信者は「メシヤ文鮮明」を信じるが、その文は、お金を信じて生きてきた不可解な?メシヤ?であった。今後も様々な多くの口実を作って日本の円で飢えを凌ごうとするだろう。そのため韓国の統一協会による日本の統一協会への締め付けはさらに厳しくなるだろう。
2 、〈統一協会〉から
〈分裂協会〉に転落
?文家の分裂
ある統一協会信者の財布の中には文鮮明氏の家族の写真が入っていた。メシヤとしての理想的な家族像を信者に刻印するためであろう。しかしいまだに彼らの写真を持っているだろうか気になる。なぜならば、その中には文鮮明から異端者であり爆破者であるとまで言われていた三男も一緒に写っているからである。すでに兄弟たちの間に分裂と告訴告発が開始され、〈王子の乱〉と言われている。
文鮮明がすでに指名した後継者(宗教部門は七男の文亨進、経済部門は四男の国進)と、三男の文顕進との間で、醜い戦いが繰り返されている。危篤状態の父の病室を訪れた三男を四男と七男の支持勢力が押しのけたといううわさも聞こえる。しかも三男の文顕進は、母である韓鶴子を相手に法廷闘争に至っている。家族の和合も果たせず、自分の息子に向かって異端とまで言わないといけないほどの?メシヤ?である文鮮明に、世界統一を論じる資格があるだろうか?
?日本の統一協会内部の分裂と韓国統一協会との決裂
さらに言えば、日本の統一協会がいつまでも韓国の統一協会の言いなりになるのか目を離せない。 今でも韓国の統一協会に対する反発心と不信感は募るばかりで限界にきている。しかし日本の統一協会を締め付ける政策は強化されるであろう。韓国の統一協会は日本の統一協会からの人的資源や経済的資金なしには存続することは困難である。そのためにも日本の統一協会を手放す訳にはいかない。もちろん文鮮明が生きている時のように盲目的に従う勢力、改革を叫ぶ勢力、完全に離れる別の路線を歩む勢力に分かれるであろう。
3、第2の文鮮明の登場
すでに統一協会から派生したグループが存在している。幸せの女神であり、待望の救世主であると称している千夕龍華という女性のグループもその一つである。日本では「摂理」として有名な鄭明析も文鮮明からの分派である。
ある人は、異端の教祖が死んだらその組織は簡単に崩れると勘違いしやすい。ところが一度異端に陥った人の一般的な特徴はそれだけではその異端から脱出できず、自分を納得させてでもその異端の中で居場所を作ろうという習性がある。そこで新たに作られた偽メシヤに付く場合が多い。
1950年代、統一協会の草創期と時を同じくして活動していた有名な天父教の教祖朴泰善という人がいた。彼の主張する教義では?メシヤ?である彼は絶対に死んではいけないはずだった。しかし当たり前のことだが、彼もまた死んでしまった。だが天父教は消えてなくならなかった。その中から新しい第2の朴泰善が登場した。例えば永生教の教祖熙星、新天地の李萬煕などがそうである。もちろん勢力もだいぶ弱体化が進むだろう。しかし安易に楽観するわけにはいかない。〈神様の教会=ハナニムエキョヘ〉という異端のように、教祖安商洪が死んだ後、彼の4番目の妾だった張吉子という女性が「女の神様」を名乗り勢力を拡大した事例もある。
終わりに
主の再臨の日まで私たちクリスチャンは異端と戦わなければならない。純粋な福音を変質させて魂を狩り、精神的な奴隷にしてしまう異端は消えないからである。しかし異端それ自体は軽蔑の対象であるが、異端に陥った者たちの回復と癒しのための努力は怠ってはいけない。