[CSD]2013年5月5日号《ヘッドライン》

[CSD]2013年5月5日号《ヘッドライン》

 = 1面 ニュース=
◎憲法守り平和実現を——全国のメノナイト有志ら呼びかけ
★異端の活動で韓国教界混乱——そのロビー活動の実態とは
★ホームレスの人々招き食事会——富士クリスチャンセンター鷹岡チャペル

 = 2 面 ニュース=
◎「神」は「創造主」に訳し換え『創造主訳聖書』——日本人に福音を伝わりやすく
★宣教の最前線基地は東京から——2つの単立教会牧師らが協力しお茶の水で開拓伝道開始
★<落ち穂>教会は理想ではなく現実

 = 3 面 =
◎104歳 ジョージ・ベバリー・チェー氏逝く——ビリー・グラハム氏と70年「キリストには代えられません」
★<オピニオン>憲法96条改定で民意は反映されるか 記・根田祥一
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか

 = 4 面 憲法特集=
★信教の自由をめぐる憲法論争と危険な改憲——歴史をたどる ここから始まり、今に至った 記・小池健治
★日本国憲法を守り、平和を実現しよう——全国のメノナイト教会、そして諸教会への呼びかけ文
★憲法記念日に「改憲対策祈祷会」


 = 5 面 神学=
★「神の忍耐の時」の中で、苦難の救い主に仕える——リチャード・マウ氏講演抄録?

 = 6 面 葬儀特集=
★創造主の御手に

 = 7 面 伝道・牧会を考える=
★教会ルポ<ここも神の御国なれば>?[47]EEAM・富士クリスチャンセンター鷹岡チャペル?——「温かいご飯食べてもらいたいと…」
★<憲法が変わるってホント?>[4]震災で露わ「生存権」侵害——脅かされた神のかたちの尊厳 記・朝岡 勝

 = 8 面 レビュー=
★Movie:「飯舘村 放射能と帰村」 http://doi-toshikuni.net/j/iitate2/
★CD:「私の愛するイエス様に」ダビデの天幕3(エクレシア桜 全12曲 1,000円税込)
★Book:『キリストの肖像 ラファエル前派と19世紀イギリスの画家たち』近藤存志著(教文館、A5判、2,625円税込) 評・町田俊之
★Book:『明治の政治家と信仰 クリスチャン民権家の肖像』小河原正道著(吉川弘文館、四六判、1,785円税込) 評・守部喜雅
★Book:『母を語る』日野原重明ほか著(日本基督教団出版局、四六判、2,100円税込)
★Book:『祈りの力 改訂新版』ジョージ・ミュラー著(マルコーシュ・パブリケーション、A5判、2,100円税込)
★Book:『心を新たに ウェスレーによる一日一章』J・ウェスレー、A・ルシー編(朝日新聞出版、A5判、2,940円税込)
★Book:『ちいろば牧師の一日一章』榎本保郎著(いのちのことば社、新約聖書篇2,100円税込、旧約聖書篇3,990円税込)
★Book:『光年の謎と新宇宙論』ジョン・ハートネット著(バイブル・アンド・クリエーション、A5判、1,050円税込)



◎憲法守り平和実現を−−全国のメノナイト有志ら呼びかけ=1305050101

 歴史的平和教会メノナイトの全国の教会の有志が、5月3日の憲法記念日を期し「日本国憲法を守り、平和を実現しよう」と、全国のメノナイト教会と諸教会のキリスト者への呼びかけをまとめた(4面に全文)。北海道、東京、近畿、中国、九州の各地方にあるメノナイト系諸グループから14人が呼びかけ人となった。
 共同世話人の佐々木淳二氏(大分メノナイトキリスト教会牧師)によると、全国のメノナイト関係者が共同で表明を出すのはおそらく初めて。メノナイトは非暴力・平和主義に立つと同時に無抵抗を標榜し、国政に声明を出すことは珍しいという。安倍政権が進める憲法改正により憲法9条に国防軍設置が盛り込まれることなどへの危機感の大きさがうかがえる。
 メノナイトはプロテスタント宗教改革の時代、
徹底して聖書に帰ることを目指して幼児洗礼を否定し信仰者のバプテスマを主張したメノ・シモンズ(1496~1561)の流れをくみ、アナバプテスト(再洗礼派)とも呼ばれる。平和と社会正義の問題に関わり、兵役拒否をして圧迫を受けたこともある。敵を愛するキリストに従い、たとえ自分や家族の身を守るためでも一切の暴力や戦争を否定する。和解や調停、弱者救援などの社会貢献には国際的に定評がある。
 日本では北海道を中心に日本メノナイト・キリスト教会協議会、首都圏に東京地区メノナイト教会連合、近畿を中心に日本メノナイト・ブレザレン教団、山口県を中心に日本キリスト兄弟団、九州を中心に日本メノナイト・キリスト教会会議が展開している。
 

◎104歳 ジョージ・ベバリー・チェー氏逝く−−ビリー・グラハム氏と70年「キリストには代えられませ

 名曲「キリストには代えられません」の作者で、世界的な伝道者ビリー・グラハム氏と共に世界中の伝道大会で豊かな歌声を聞かせた福音歌手ジョージ・ベバリー・シェー氏が4月16日、自宅のある米国ノース・カロライナ州モントレーで104年の生涯を閉じた。グラハム氏と組んで歌った奉仕は1943年、シカゴでのラジオ番組が最初。以来、近年に至るまで半世紀以上にわたり、グラハム氏が行く所は全米はもとより世界中どこでも、シェー氏の深い霊性を感じさせる独唱が人々の魂を揺り動かした。
 グラミー賞の候補に10回選ばれ、1965年に同賞を、2011年にはその終生の偉業に対する栄誉賞を受けた。78年にゴスペル音楽の、96年には宗教放送の殿堂入り。
 ビリー・グラハム氏はシェー氏について、「私の知る限り最も謙遜で礼儀正しい人物であり、最も近しい友人の1人だった」としのんだ。
 カナダのオンタリオ州ウィンチェスターでウェスレアン・メソジストの牧師家庭に誕生。父が牧会する教会の聖歌隊で歌ったのが最初の奉仕だった。多くの国の伝道大会、ラジオ、テレビでの働きの傍ら、何百回とコンサートで歌い、宗教音楽のアルバムは70枚以上。
 23歳で作曲した「キリストには代えられません」は世界中で愛唱され、シェー氏自身、高齢になるまで繰り返しこの曲を独唱。ビリー・グラハム氏来日のたびにシェー氏も随行し、85歳の時に東京ドームでのミッション94大会でも歌った。
 グラハム氏はその歌詞にならい、「他のだれにもまさって今なお彼の歌を聴きたい」と語った。

◎「神」は「創造主」に訳し換え『創造主訳聖書』−−日本人に福音を伝わりやすく=1305050201

 「神」を「創造主」と訳し換え、日本の宣教に役立てようとの試みで『創造主訳聖書』(同刊行会主宰)が刊行された。
 提案者の堀越暢治氏(単立・創愛キリスト教会主任牧師、いのちありがとうの会理事長)は刊行の動機をこう説明する。「日本人に神様を伝えようとすると、『木や石にも神様は宿る』と言われる。相手の『神』を否定しなければ真の『神』を伝えられず、相手が心を閉ざすこともある。国語事典で『創造主』を引くと『キリスト教の神』と説明される。『創造主』と訳する聖書があれば、福音が伝わりやすくなると願っていました」
 「牧会生活では神社や寺と衝突があり、『神』の名の戦いだったが、いのちを語れば否定する人はいない。民間の先祖崇拝もいのちをつくってくれた人への感謝だ。先祖をたどれば、最初の人をつくった創造主に行き着く。創造主訳聖書を通して日本で宣教する基盤ができた」と喜ぶ。
 神主の息子の堀越氏は11歳で母を失ってから「いのち」について考えてきた。戦後、天地をつくった神を知り牧師となった。教会付属の幼稚園では「神」を「創造主」と教えた。1999年には創愛キリスト教会を設立。同教会では礼拝で使用する聖書(新改訳)の「神」を「創造主」に読み替えて13年経つ。
 同刊行委員代表の峯野龍弘氏(ウェスレアン・淀橋教会主管牧師)は「『自分の生きているうちに』と言う堀越先生の真摯な思いに共感した。淀橋教会では礼拝で新共同訳聖書を使用しており、創造主訳聖書に替えるということではないが、兄弟姉妹にこの聖書を必携してほしいと願う。
カトリックや日本キリスト教協議会系の人たちにも推奨したい」と話す。
 翻訳底本には逐語訳聖書ではなく、「原文の意味に忠実」であることを目指す「ダイナミック・エクイバレンス」という原則で訳した尾山令仁氏個人訳『現代訳聖書』を用いた。地図や図表など多数収録し、巻末には創造論の視点による考古学や生物の仕組みなどをカラーで紹介する。出版を担当した現代訳聖書刊行会代表、ロゴス出版社代表の小坂圭吾氏は「日本の99パーセントのまだ創造主を知らない人々のために用いてほしい」と願う。