[CSD]2013年5月19日号《ヘッドライン》

[CSD]2013年5月19日号《ヘッドライン》

 = 1面 ニュース=
◎DV防止活動が宣教に NPO女性・人権支援センター ステップ——別居夫婦が回復 信仰決心も
★復興祈念会堂スタート——震災で解体した仙台・尚絅教会再建(関連記事2面)

 = 2 面 ニュース=
★震災越え恵みを分かち合う使命——仙台学校教育の系譜・日本バプテスト尚絅教会
◎「生命軽視の時代、使命一つに」——小さないのちを守る会創立30周年 理事会を発足
◎危機募る憲法の変質——憲法記念日 市民と教会が共闘
★地域にあった教会の方策探る——KDK開拓伝道セミナー
★<落ち穂>伝道できない中国で増え続ける信徒数

 = 3 面 =
★新連載<フクシマの声を聴く>[1]母たちからの声?——あのとき、なぜ? 記・中尾祐子
★韓国文化届けて20年——「妻家房」28店舗めオープン
★<オピニオン>「みんなで靖国参拝」が常識になる日 記・根田祥一
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★川上直哉

 = 4・5 面 ペンテコステ特集=
★24時間祈り絶やさず——新宿シャローム教会 新宿祈りの家
★歴史的宣教拡大目指して——ペンテコステ前10日間全国一斉「救国」断食祈祷
★心一つにして仲良く——千葉で若者の賛美集会
★テゼの集い:西方教会・東方教会超え和解と一致——委ね沈黙する時持てる

 = 6・7 面 全面広告=
☆tギャラリー オープン記念展 5月20日(月)~6月1日(土)
~クリスチャン・アートフェスティバル~ 入場無料
問合せ先:Tel.03-5341-6911(いのちのことば社 tギャラリー)

 = 8 面 ・9 全面広告=
☆第17回世界宣教セミナー(アンテオケ宣教会主催)
7月2日(火)~4日(木) 会場:関西聖書学院 費用:20,000円
主講師:高見沢 栄子 「もしかすると、この時のため!」
問合せ先:Tel.0743-70-8600 Fax.0743-70-8601

 = 10 面 仕事と信仰=
★三谷 恭寛さん(中小企業診断士、ビジョン教会王子伝道所担当牧師)[下]——舌を制御できない罪知らされ
★<首都圏大震災に備える>[9]町ぐるみの防災ネットで大震災の備えを 栗原一芳

 = 11 面 伝道・牧会を考える=
★教会ルポ<ここも神の御国なれば>?[49]EEAM・富士クリスチャンセンター鷹岡チャペル?——講壇を降りて人々にキリストの愛を
★<憲法が変わるってホント?>[6]学校の中で憲法を考える——頭髪指導してほしいですか? 記・岡田 明

 = 12 面 ひと・証し=
★朝比奈 燦さん(GOSPELER MISIC DIVISIONマネージャー)——日本のゴスペル 韓国でも発信



◎DV防止活動が宣教に NPO女性・人権支援センター ステップ−−別居夫婦が回復 信仰決心も=130

 内閣府2010年の統計によると、日本人の年間結婚件数70万6千件に対し離婚件数は25万1千件、その原因の第2位が配偶者から振るわれる暴力(ドメスティックバイオレンス=DV)だ。女性の3人に1人がDV経験者とも言われている。長年、DV被害者を守る働きをしてきたNPO法人「女性・人権支援センター ステップ(以下ステップ)」理事長の栗原加代美さん(JECA・かもい聖書教会員)は、11年からDV加害者更生プログラムを開始。これまで6組の夫婦が回復し、プログラム参加者とその家族が信仰をもつケースも起きている。

 「一般的にDVは直らないと言われている。しかし思考を変えれば必ず直ります」。栗原さんはそう断言する。
 理由はこうだ。人間の全行動には思考と感情がある。思考は変えられるが感情は変えられない。多くのDV加害者は感情をいじくろうとする。そうなると我慢するしかないので、やがて爆発する。一方、感情の裏にある思考を変えれば、行動も感情も生理反応も変わってくる。その結果、怒らなくなり、怒鳴ったり殴る蹴るなどの暴力行為もなくなってくる。
 では、どう思考を変えるのか? 栗原さんはこう説明する。「私たちは思考の裏に上質世界(理想の価値観)をもっている。夫は妻に対し『こうあるべき』という理想があり、その理想と現実とにギャップがあると怒りが生じる。だから『べき』を一つひとつ取り除き、思考を変えていく。そうすると、怒りは生じなくなるのです」
 実際にプログラムを受けた利用者の多くは、半年後になると人が変わったように穏やかになる。例えばKさんは、冷蔵庫の中のものが腐っているのを見るたびにイライラし、妻を怒鳴ったり、殴ったりしていた。だがステップのプログラムを通し、「買い物は妻の自由。冷蔵庫の管理は妻に任せよう」と考え方を変えた。その翌日、冷蔵庫を開けた。腐った鶏肉を見つけたが怒りは生じず、代わりに「これ、捨てていいか?」と妻に言えた。その時、妻は夫に初めて「ごめんね」と謝った。「Kさんは、人は変われるんですねと涙ながらにおっしゃっていた。こういう変化がいろんな夫婦、家族の中に起こっています」
 活動を始めたのは、栗原さん自身の体験が大きい。小学生の頃、叔父が離婚して栗原さんの家族と同居していた。叔父は酒乱で毎晩のように母や祖母に暴力をふるった。栗原さんは弟、妹を連れ出し、叔父が鎮まるまで田んぼ道をさまよい歩いた。「この時の悲しさが、この働きに導かれた原点です」と言う。
 01年、ステップ設立に参加。電話相談、面接相談、DV被害者保護のためのシェルターの運営をしてきた。だが、DV加害者が更生しなければ根本的解決にならないと知り、DV加害者更生プログラムを始めた。プログラムはアメリカのものに選択理論を加え、日本人向けに独自アレンジしたものを使用している。
 ステップはNPO法人だが、この働きに共感して集まってくるスタッフはクリスチャンが多い。栗原さん自身、プログラムの中で聖書の言葉をかみ砕いて利用者に伝えている。講演会でも必ずコリント人への手紙第一13章の「愛の章」を提示している。
 聖書を読み始めたり、教会に行き始めたり、信仰をもつ利用者も多い。「ステップは宣教の働き。教会やクリスチャンの祈り、サポートも大きい。マザー・テレサのように、ここが日本のカルカッタだと思い、皆さんに心から仕えさせていただいています」
 ▽問い合わせ=Tel&Fax:045・227・7787、Email: npo-step@a01.itscom.net URL : http://step7787.exblog.jp/

◎「生命軽視の時代、使命一つに」−−小さないのちを守る会創立30周年 理事会を発足=13051902

 人工妊娠中絶防止を願い、そのための支援と養子縁組、聖書が教えるいのちの尊厳と性の大切さを訴えてきた小さないのちを守る会(辻岡健象代表)が今年創立30周年を迎えた。その記念総会が4月20日、東京・千代田区のお茶の水クリスチャン・センターで開催。会員をはじめ120人が集った。
 「30年はあっという間だった。今、皆さんが小さないのちを救おうという使命を一つにしてくださっていることに感謝しています」。辻岡氏は、会衆に感謝の意を表した。
 小さないのちを守る会は現在、会員約2500人、これまで300組近い養子縁組を斡旋してきた。「助けた人を含めたら相当な数になる。その中で、クリスチャンになった人も多い」と語る。
 辻岡氏はメッセージで「最も小さい者たちのひとりにしたのは、わたしにした」(マタイ25・40)、「その人にあわれみをかけてやった」(ルカ10・37)良きサマリヤ人の譬え話を引用し、「小さないのちを守る会はこの御言葉に従って30年間歩んできた。信じるだけでは不十分、信じていることを行いで表すのが私たちの理念だ」と強調。「私たちは今、史上最大の生命軽視の時代に生きている。年間300~500万人の小さないのちが闇に葬られている。胎児の血の上に教会を建ててはいけない。私たち一人ひとりが良きサマリヤ人にならければいけない」と語りかけた。
 記念総会ではゴスペルシンガーMigiwaによるコンサートを開催。Migiwaのリードで同会のテーマソング「小さないのち」をみんなで唱和する場面もあった。
 小さないのちを守る会はこれまで運営委員会が活動を支えてきたが、「この働きは聖書を土台とし、教会に仕える宣教の働き。聖書的にしているかどうかチェックが必要だ」とし、30周年を機に新たに理事会をスタート。理事に宮村武夫(単立・聖望キリスト教会協力牧師)、神田英輔(「声なき者の友」の輪代表)、平井正治(鳩ヶ谷福音自由教会牧師)、川端光生(新生連合・キリストの栄光教会牧師)、角田淳(センド国際・八街福音キリスト教会牧師)の各氏が就いた。事務所も4月、千代田区神田駿河台のお茶の水クリスチャン・センター2階(Tel:03・5577・6653)に移転。「活動の更なる広がり、発展を期待している」と辻岡氏は語る。

◎危機募る憲法の変質−−憲法記念日 市民と教会が共闘=1305190203

 安倍首相が憲法改正発議のハードルを下げる96条の変更を目指し、「憲法改正」を7月の参議院選挙の争点にするなか、憲法記念日前後の連休、各地で平和憲法の擁護を訴える集会が開かれた。
 政府が沖縄の強い反発の中で「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」
を開いた4月28日、東京・板橋区内で「とめよう戦争への道!百万人署名運動」が主催した「福島・沖縄とつながり、国際連帯で改憲と戦争をはばもう!4・28全国集会」では、沖縄と福島から労働組合関係者が報告したのに加え、キリスト者遺族の会の西川重則実行委員長が国会報告をした。
 東京の東久留米キリスト者九条の会は4月29日、同市内で「原発もいらない、戦争もいらない! ~今、私たちが考えること」をテーマに集会を開催。平和を実現するキリスト者ネットの鈴木伶子事務局長が「キリスト者の立場から憲法を守るために共に考えたいこと」について講演した。
 5月3日、東京・八王子市の日本ホーリネス教団由木キリスト教会では、市内の4つの「九条の会」が共同で、「憲法9条が危ない 改憲を許さないための集い」を開き、市民やカトリックを含む近隣教会から95人が参加した。
 八王子九条の会に参加している同教会の小枝功牧師が、九条の会関係者らと改憲の動きに危機感を募らせ、急きょ集会を企画したもの。同教団で戦争責任告白や信教の自由などの問題に取り組んでいる「福音による和解委員会」委員の根田祥一・本紙編集長が、自民党の改憲案の危険性は9条だけでなく、国民主権を有名無実化し、憲法全体の思想を戦前の帝国憲法に近いものへと変質させようとしている点にあることを解説した。
 同日、佐賀県嬉野市の日本バプテスト連盟嬉野キリスト教会では第1回「改憲対策祈祷会」を開き、近県の諸教会や西南学院からも参加。「憲法改正草案の問題点を知って祈る」をテーマに、同教会の藤野慶一郎牧師が自民党憲法改正草案の問題点を解説し、参加者同士が懇談会形式で学び合い祈りに心を合わせた。