ヘッドライン
[CSD]2013年9月8日号《ヘッドライン》
[CSD]2013年9月8日号《ヘッドライン》= 1面 ニュース=
◎シンポ「地方伝道を考える」:日本宣教の突破口は開拓に——教会が教会を生み出す
★礼拝はビーサン+アロハシャツで——サーフスポット九十九里 グレースコート一宮
= 2 面 ニュース=
◎<逝去>日本ミッション創設者ニール・ファーベイ氏逝く——最期の床でも「イエスを信じて」
★幸せな風景…でも怖い世界——「フクシマ」の現実 写真で訴え 小林惠写真展
◎次世代に「御国の文化」を——Asia for Jesus2013東京聖会
★米国:キング牧師の夢 実現はいまだ——「ワシントン大行進」50周年で再び
★<落ち穂>避難生活のオアシス「お茶っこはうす」
= 3 面 =
★<フクシマの声を聴く>[16]母たちからの声?——自分の今はなんて異常なんだろう 記・中尾祐子
★100年を祝った豪ナース・クリスチャン運動——看護にケアリングの遺産を継いで
★<オピニオン>「戦争と宗教」について考える(上) 記・安藤能成
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
= 4・5 面 全面広告=
☆エンパワード21全日本大会 聖霊の力を受けて宣教せよ!
2013年10月11日(金)~14日(月) 会場:国立京都国際会館
公式サイト http://www.empowered21aj.com/
= 6 面 仕事と信仰=
★門谷一さん(元[株]小松製作所研究本部首席技官)——新商品のアイデアは神様から
★<サーバントリーダーシップ>[3]特殊ではなく本来のリーダーシップに不可欠 記・真田茂人
= 7 面 伝道・牧会を考える=
★教会ルポ<ここも神の御国なれば>?[72]コミテッド・ジャパン浜松?——弱い人たちと一緒に歩む夢握って
★<憲法が変わるってホント?>[19]我が国の安全保障に——アメリカ追随で儲ける人たち 記・内藤新吾[2]
= 8 面 インサイド・ニュース =
★フィリピン貧困地帯孤児の母——ミッション・あどない・いるえ 現地スタッフ香嶋 愛さん
◎シンポ「地方伝道を考える」:日本宣教の突破口は開拓に−−教会が教会を生み出す=1309080101
北関東神学研修センター(茨城県石岡市)主催の第14回シンポジウム「地方伝道を考える|自立と連帯|」が、8月19、20日、岡山市の日本同盟基督教団西大寺キリスト教会で開かれた。テーマは「教会が教会を生み出して」。会場に選ばれた同教会は岡山市郊外の田園風景の中にあるが、千人教会のビジョンを掲げ、近隣の町々に子教会を生み出す「瀬戸内ベルトライン計画」のもと、1985年以来10の教会・伝道所を開設してきた実績がある。この働きを推進しているのは、教会員のビジョンの共有、信徒リーダーの育成、教職・信徒の徹底したディスカッション、宣教師との連携、綿密な方法論の上に立った信仰の実践だ。両日の発題者、説教者は、同教会主任牧師の赤江弘之氏、同教会牧師の西村敬憲氏、単立・高松コミュニティチャーチ牧師の櫛田節夫氏、同盟基督・円山聖書教会牧師の時松六博氏、同・岡山めぐみキリスト教会長老の岡崎修市氏、同・西大寺キリスト教会長老の虫明英雄氏、同・西大寺キリスト教会牧師の佐野泰道氏、そして、今回もっとも遠方からの参加者で保守バプテスト同盟・仙台バプテスト神学校校長の森谷正志氏も登壇した。
同センター所長の山口勝政氏は挨拶で「現在日本全国の教会で無牧化、あるいは閉鎖が進んでいる。特に過疎地の教会は危機的状況にあることを、都市の教会は見ているだろうか。教会が活力を取り戻すためには、今一度聖書に立ち帰る必要があるのではないか。そんな中で、西大寺キリスト教会は初代教会を思わせるすばらしい働きをしている。教会が教会を生み出すための犠牲、祈り、献身の姿を同教会に見る。その生き方から日本のリバイバルが見える。同教会をモデル教会として学ぼう」と述べた。
赤江氏は全体講演で、「地方伝道はキリストの宣教命令に従うもの。これが地方伝道の根拠となった。西大寺は大都市ではないが経済的、文化的に日本の平均的な町。着任当時は1千万救霊が盛んに語られていた頃で、この町で千人教会を目指して今日に至っている」。
「教会は大宣教命令を成し遂げるための神の主要な器であり、教会開拓は大宣教命令の本質的な働き。すべての民は神の召しに応答すべきだ。西大寺は教職も信徒も献身者という意識を強く持っている」とし、「教会開拓は宣教の拠点作り。日本は教会数の増加が信徒数の増加につながっている。日本宣教の突破口は教会開拓の推進にあるのではないか。現存の教会が新しい教会を生み出すことができるなら、日本伝道は一層拡大・前進するだろう」と語った。
開拓計画をさらに進めたのが、香川県高松市を拠点に、西日本で100の教会を開拓するビジョンを持ったTEAM宣教団の故ラルフ・カックス宣教師との出会いだ。カックス宣教師のビジョンの一部を西大寺が担い、協力して教会を生み出していった。
カックス氏に関して、「香川カックス方式とその後」と題して、その信仰、人格、貢献を発題したのは櫛田氏。カックス氏は教会数を増やすことが信徒数を増やす最善の方策と考え、08年に亡くなるまでに約60教会が開設され、献身者も多く輩出した。
信徒による教会開拓も西大寺の大きな特徴だ。長老の岡崎氏、虫明氏は各地の開拓・運営を担ってきた。教職・宣教師と協力し、ときに牧師と「侃々諤々の議論」をしたと振り返り、懸命に開拓に取り組んできた経緯と、成果、課題について各自発題した。9月に新会堂を起工する時松氏は「求められるのは働き人の成長。それが教会の成長に直結する」と結んだ。森谷氏は教会主体の神学教育指導者の育成を進めている。西大寺の地域貢献と、教会でこそできる人格的霊的に成長したリーダー育成を評価した。
パネルディスカッション「西大寺方式を評価する」では、教会のビジョンの共有と信頼関係の上に立った一致の大切さが強調された=写真。山口氏は、「よく整えられた教会の姿を目の当たりにした。さらに神学的考察を期待する」と総括した。さらに、無牧化の進む過疎地の教会のために祈り、手を差し伸べてほしいと訴えた。
◎<逝去>日本ミッション創設者ニール・ファーベイ氏逝く−−最期の床でも「イエスを信じて」=13090
南アフリカから宣教師として来日し、宣教団体日本ミッションを創設して61年間、日本人の救いに尽くしたニール・ファーベイ氏が8月5日22時53分、悪性胸膜中皮腫のため奈良県生駒市の自宅で死去、86歳だった。本人の希望で遺体は献体。9月16日午後1時30分から、大阪市天王寺区のナザレン・大阪桃谷教会で召天感謝会(お別れの会)を催す(葬儀ではないので平服で、お花料は辞退)。1952年、日本伝道隊の宣教師として来日。翌年イギリスから来日した日本伝道隊宣教師ペギーさんと54年に結婚し、大阪府羽曳野市にあった日本伝道隊の支部白鳥園(現・日本イエス・キリスト教団羽曳野教会)に夫婦で赴任。近くに当時東洋一といわれた結核療養所、羽曳野病院が開設され病院伝道を始めた。次々と患者が救われ、入院患者600人中140人が信仰を持った。
そうした中で病院伝道専門の宣教団体を設立するビジョンを抱き、いったん帰国して日本伝道隊から独立したかたちで再び来日。1959年、教会を持たない病院伝道団体として日本ミッションを設立した。その後、日本人の伝道師も備えられ、羽曳野を本部に、大阪府池田市、京都市、兵庫県明石市、大阪府泉南市、茨木市など近畿各地のみならず東京都清瀬市など、結核療養所があるところへ伝道活動が繰り広げられた。
さらに、ラジオ伝道、テレビCM伝道、映画伝道と、病院の患者が福音に触れられるなら、あらゆることを用いて伝道した。通信教育や聖書無料配布もし、やがて信仰を持って退院した人には近くの教会を紹介し、付き添って教会に案内するなどもした。
ラジオの聴取者大会を大阪SABホール(700人収容)で開催すると超満員の聴衆が参加。献金の中に当時大ホールを借りられる40万円の現金があり、それを元手にクリスマスフェスティバルを開いた。年々多くの人が集まるようになり、2千人を超える大ホールでの大会となり、現在関西で開かれているクリスマス集会の先駆けともなった。
途中、母国南アの人種差別問題で支援者が減ったり、病院が次第に宗教活動を排除するようになったり、為替相場の変動で海外からの支援献金が目減りするなど、病院伝道が困難な時代になった後も、私財をなげうって日本人の救いのために尽くし続けた。
3年前から悪性胸膜中皮腫(肺のがん)を発症し、痛みに苦しんだが、「がんになることで同じように病で苦しむ人に、より深くイエスさまの希望を分かつことができるようになった」と息子のダビデ氏は、父親の晩年を振り返る。ファーベイ氏が昔から親しくしているガソリンスタンドの主人が病気になったとき、ファーベイ氏ががんを患っても平安を保ち生き生きしているのを見て、そのような平安を得たいとファーベイ氏の導きで夫婦そろってイエスを主として迎えた。また病床で多くの医師、看護師や介護者にイエスのことを話し、自宅に往診した医師が「私にできることはありますか」と聞くと、「先生もイエスさまを信じなすったら救われますよ」と勧めた。「父の願いは最期の一呼吸まで主にお仕えすることでした」
また日本ミッションで長年ファーベイ氏と働きを共にした高原幸男氏は、「『裸で母の胎を出たのだから、また裸でかしこに帰ろう。主が与え、主が取られた。主のみ名はほむべきかな』というみことばのとおり、ファーベイ氏は日本のためにすべてを投げだし、ささげ尽くしていかれた」と感慨を深くしている。
医療の役に立ちたいと献体し、葬儀はしないで感謝の時にして平服で集まってもらってほしいと言い残していった。今後日本ミッションは子息ダビデ氏が引き継ぐ。またダビデ氏の息子アレックス氏は、祖父が息を引き取る際に献身を表明、9月から日本ミッションのフルタイム職員となる。
◎次世代に「御国の文化」を−−Asia for Jesus2013東京聖会=1309080203
アジアで若い世代を中心にクリスチャンたちのネットワークが広がっている。「Asia for Jesus 2013 東京聖会」が東京福音リバイバル聖会主催で8月8日~10日、新宿区の単立・東京中央教会で開かれた。4月に札幌で開催された聖会に続く。Asia for Jesusは、2006年に教団教派を超えて、アジア各国の5人のユースパスターによって結成されたミッショングループ。若者の訓練セミナー、聖会を通して「アジアをイエス・キリストに」導くことを目的にする。近年は「御国の文化」を次世代にもたらすための「天国文化フェスティバル」を開催している。日本開催は今年が初。
同聖会主講師のフィリップ・マントーファ氏はインドネシア・Mawar Sharon教会の副牧師で39歳。70の教会を管理し、3万5千の信徒をケアする。10万人以上をキリストに導いた。イスラム過激派のテロリストからの暗殺計画や脅迫がある状況の中で力強いメッセージを続けている。
柔和な面持ちだが、メッセージが始まると「私は福音のことは妥協しない。単刀直入に話す。あらゆる人間的配慮で結果的に何もしないということがないように」と、ときおり激しいジェスチャーで会衆に迫った。「私は日本のクリスチャンの目を覚ますために遣わされた。福音のために生きるだけでなく、福音のために死ぬ信仰をもってください」と勧めた。
ヨシュア記14章から「カレブは40歳のときに偵察した土地を与えられるように45年間繰り返し語った。年齢は障害ではない。信じ抜いてください」と語り、?神のビジョンを思い起こすこと、?日ごとに力を刷新することを勧め、具体的に食事ごとに国家救済のために祈ったり、町で歩く人の救いをイメージすることをアドバイスした。また神による戦略と、戦略のために戦力を養うことについて、ヨシュア記を中心に説き明かした。
ほかにゲストには、世界各地に300の枝教会を持つ台北霊糧堂のユースパスター長でAsia for Jesusの実行委員長のイーウエン・チョー氏と、その妻で台湾オーディション番組優勝者のゴスペルシンガー、シエン・ヴァネッサ氏が登場した。