[CSD]2013年9月29日号《ヘッドライン》

[CSD]2013年9月29日号《ヘッドライン》

 = 1面 ニュース=
◎WVJ現地スタッフ報告:シリア難民200万人超す——子どもの心・学習支援が課題
★宗教制限国が急増——07年からの4年で30%から40%に

 = 2 面 ニュース=
★講演から:水野源三と三浦綾子 その共通点は?——光に導き、支えた人がいた
★お茶の水聖書学院 OCCと再統合へ——牧師夫人コース、信徒説教者育成も視野に
◎同郷先人の信仰が原点——県人会「中国地方」で
★JIFH東北事務所開設——被災地から世界に支援を
★<落ち穂>どうしたら教会の敷居は低くできるか

 = 3 面 =
★<フクシマの声を聴く>[19]母たちからの声?——手探りで苦闘する米作り農家 記・中尾祐子
★「生活の中の子どもの権利」小冊子に
★<オピニオン>田中正造100年と今日の状況 記・渡辺敬直
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか

 = 4・5 面 全面広告=
☆エンパワード21全日本大会
10月11日(金)~14日(月)、京都国際会館
http://www.empowered21aj.com/

 = 6 面 神学=
★「神の忍耐の時」の中で、苦難の救い主に仕える——リチャード・マウ氏講演抄録?
★イスラエル:聖書の記述裏付ける壺の断片の出土か?
★バチカン:新教皇の難題は聖職独身制問題

 = 7 面 伝道・牧会を考える=
★教会ルポ<ここも神の御国なれば>?[75]コミテッド・ジャパン浜松?——福祉事業は御言葉の実践訓練の場
★<憲法が変わるってホント?>[22]子どもたちの視点から——未来に生きる世代の幸せめざす 記・坪井節子[1]

 = 8 面 レビュー=
◎MOVIE:「TRASHED—ゴミ地球の代償—」(9月28日より公開) http://trashed.jp/
★BOOK:『リーダーシップのダークサイド』ゲーリー・L・マッキントッシュほか共著(いのちのことば社、1,995円税込)評・藤掛 明
★BOOK:『ビジネスマンから牧師への祝福された道』門谷一著(イーグレープ、1,050円税込)評・三谷康人
★BOOK:『シネマで読むアメリカの歴史と宗教』栗林輝夫ほか共著(キリスト新聞社、2,520円税込)
★BOOK:『新版 アメイジング・グレイス~あふれるほどの愛に気づいて』森住ゆき著(いのちのことば社、1,260円税込)
★BOOK:『アメージング・グレース 光と希望を! 絶望から救われた奴隷商人の物語』中澤幸夫著(女子パウロ会、1,260円税込)
★BOOK:『アメージング・グレイス 恵ゆえの楽しさ』ケン・ボード著(ヨベル、1,680円税込)
★BOOK:『あかし文章道への招待』池田勇人著(ヨベル、1,050円税込)
★CD:「nonfiXion」ナイトdeライト(ジェネラス・ギバーズ、全8曲、1,890円税込)



◎WVJ現地スタッフ報告:シリア難民200万人超す−−子どもの心・学習支援が課題=130929010

 シリアの化学兵器使用問題をめぐり国際社会が揺れる中、シリアでは2年半続く内戦でレバノン、ヨルダン、トルコ、イラクなどの周辺国へ逃れる難民が200万人を超えた。うち100万人以上が子どもで、シリア難民の子は十分な教育が受けられていないなどの大きな問題を抱えている。今年3月から、主にヨルダンでシリア難民の子どもたちの保護に関わる仕事をしてきた特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)の山野真季葉スタッフに話を聞いた。


 山野スタッフは「難民の子どもたちの多くは学校に行く道が閉ざされている。ヨルダンの学校に行くことができても一緒に勉強するのが難しい」と現状を語る。「難民の子の多くは2年の教育の機会を失い、小学5年の年齢でも3年のレベルで止まっている。また、シリア難民には支援物資が届くが、同じく苦しい生活を強いられている受け入れ側のヨルダン人には支援がないといった不満があり、学校ではシリア人の子どもが差別を受けている。ヨルダンとシリアの教育システムの違いも、同じクラスで勉強するのを難しくしている」
 「支援だけで生活を続けることが難しく、シリア難民の子は新しい環境で家族を支えるため、中学生、高校生の年齢から農業、サービス業、建設業などの仕事に従事するケースが多く見られる」とも言う。このような状況をふまえ、国際NGO「ワールド・ビジョン(WV)」はシリア難民だけでなく、ヨルダンやレバノンなどの現地の人々にも支援している。
 山野スタッフはWVのパートナー団体との協力で、難民の子どもが早くヨルダンおよびレバノンの学校になじめ勉学についていけるよう、授業の後に補習を行う学習支援を、学校に行けない子どもや部屋に閉じこもってしまった子どものために設けられたチャイルドフレンドリースペースで遊び支援をしてきた。「内戦で親や兄弟姉妹と別れ別れになった子もいる。銃声や暴力の記憶も新しく、大きな物音に怖がったり、眠れない子もいる。そんな子どもたちの不安を和らげ、新たな環境に馴染め、学びを続けられるよう尽力しています」
 山野スタッフは?ヨルダン、レバノンは冬に向けて非常に寒くなるので、この厳しい環境の中でシリア難民の生活が守られるように、?内戦が軍事介入でなく、外交的、人道的努力で解決されるように、?シリア難民の支援にあたっているNGOスタッフのために、祈りを要請した。


◎同郷先人の信仰が原点−−県人会「中国地方」で=1309290203

 全国各地のふるさとを覚えて祈るクリスチャン都道府県人会は、9月7日に「中国地方」を愛する集会を開いた。今回は東京・杉並区のピアニスト菅野万利子邸でピアノ演奏を交えて開催した。菅野さんが演奏した童謡、山口百恵の「秋桜」など秋にまつわる曲や、「中国地方の子守歌」に、参加者は聞き入った。
 続いて岡山県津山市出身の竹内豪さん(JECA・永福南キリスト教会牧師)が、影響を受けた故郷の先人たちの信仰を語った。祖父の弟竹内璋ニはクリスチャン・ビジネスマン、戛三は画家で賀川豊彦の貧民救済活動に関わるクリスチャンだった。夭折した戛三の墓前で母親から聞いた話を「思春期の荒れた時代、心の闇に一筋の光を灯されたようだった」と振り返る。
 この背景があり、高校時代に友人の誘いで地元の教会を訪ねた。牧師に教会に来た理由を問われ、「人格形成のため」と答えた。ほめられると思ったが、牧師は「教会は、罪に汚れた人間が自分に絶望したときに他者なる神に希望を置く所だ」と語った。その時は反発し教会から離れたが、その言葉が心に残った。神学生時代に、どうしても愛せない人がいた。その時に、この言葉がよみがえり悔い改めた。「自分も初めて教会に来た人に同じことを語れるか。聖霊によらなければ語れない言葉を語れるように」と自らに問いかけている。
 大学生となり欧米での海外生活を志し、シカゴへ渡航した。同地のレイキサイド日本人教会で英語を学べると知り、問い合わせると、牧師の父親が同郷と分かる。教会員に高齢者は多かったが、信仰で生き生きとしている様子に、あこがれ、信仰に導かれる。
 その牧師の父が、101歳のとき息子たちに 「父親として行き届かなかった。赦してくれ」と告白した逸話を紹介、「赦しを語る牧師が赦しを求めて生涯生きる。私が牧師の働きを進める上での原点です」と語った。その後、約20人の参加者らは、中国地方の課題を共有し、祈った。
 中国地方について『クリスチャン情報ブック2014』の教会教勢データでは、教会の平均礼拝信徒数で島根県が全国で47位、山口県40位、鳥取県39位。10年間の礼拝出席者数推移は広島県が大阪府、兵庫県に続いて減少傾向。教会数は広島県が静岡県、和歌山県に続き減少傾向。一方、岡山県と山口県は増加した。
 10月12日には「沖縄を愛する集会」がある。問い合わせは 携帯:090・7015・4264(井上)

◎MOVIE:「TRASHED−ゴミ地球の代償−」(9月28日より公開)=1309290801

◎MOVIE:「TRASHED—ゴミ地球の代償—」(9月28日より公開)=1309290801=CSD3388=

 地球が壊されていく。誰に。私たち人間が、毎日の生活からつくりだすゴミによって、確実に地球は壊されていく。切なくなるほど、その事実を実感させられるドキュメンタリー作品だ。
 宇宙から見る青い海と緑豊かな地球がズームアップされると、自然発火するゴミの山と海を漂うポリ袋やプラスチック容器。そしてナイロン製ロープが体に絡みつき痛々しいほどの大傷を負った動物たち。
  環境問題にも関心の高いアカデミー賞受賞俳優のジェレミー・アイアンズが、解決への希望を捨てずにレバノンやイギリス、中国、ベトナムなど世界各地の状況をルポする。
 毎日80トンものゴミが海岸線の処理場に排出される。川沿いで水面にせり出すように家が立ち並ぶスラム街からは、直接川へ生活ゴミを投棄し、やがて川を下り海へと流されていく。
 地球に危険な放射能だけが最終処理が確立されていないわけではない。さまざまな産業廃棄物や生活ゴミは、実際のところ最終処理の方法が確立していない現実。かつては地域生産地域消費の営みで、ゴミは腐葉土になり自然界を循環して食物や水に還った。
 だが、150年ほど前からは、腐らない物質が大量生産され、投棄したままでは化学反応を起こして発熱発火したり猛毒素化していく。焼却すればダイオキシンや二酸化炭素など有害物質を輩出し大気汚染や温室効果の要因にもなる。
 現代のゴミが有毒化する問題は深刻。粉塵化する有害物質やダイオキシンなどの毒素は、魚や鳥類にも蓄積する。だが、「健康被害を与える証拠は不十分」という。
 ゴミは容赦なく地球の寿命を縮めている現実をみつめながら、地道だが刺激的なエコライフ、サステナビリティ(持続可能)の発展へ真摯な問題提起をしている。 

監督:キャンディダ・ブラディ 2012年/イギリス/英語/97分/原題:Trashed 配給:GREENROOM FILM 2013年9月28日(土)よりシネマライズほか全国ロードショー。

公式サイト Shttp://trashed.jp/