ヘッドライン
[CSD]2013年11月17日号《ヘッドライン》
[CSD]2013年11月17日号《ヘッドライン》= 1面 ニュース=
◎信教の自由セミナー:「その時が来たら覚悟を」——治安維持法の教訓 「状況が戦時中と似ている」
★2013 ハウス・オブ・クリスマス——東京・銀座教文館で12月25日まで開催
= 2 面 ニュース=
★台湾から世界の中国人に伝道——中・台の若者 へだたりない
◎東京基督教大学:来春、神学博士課程開設——福音主義に立つ研究者・教育者養成へ
★関東聖化大会:神は新しい律法を彼らの中に置く
★米国:諜報機関 バチカンも盗聴か
★エリトリア:首都アスマラ北部で祈祷会中のキリスト者185人を逮捕
★米国:FBI新人捜査官に盗聴対象だったキング牧師記念碑へ訪問指示か
★<落ち穂>東北楽天有優勝と仙台ゴスペルフェスティバル
= 3 面 =
★<フクシマの声を聴く>[26]母たちからの声——絆なんてどこにあるの? 記・中尾祐子
★世界のみんなが食べられる幸せを世界食料デー——教会が発信 登別市民とつながり世界食料デー 記・高橋敏夫
★<オピニオン>「特定秘密保護法案」と教会の歴史 記・上中 栄
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
= 4・5 面 全面広告=
☆クリスマス・スペシャル
クリスマス・プレゼントの応募券つき
= 6 面 関西だより=
★止揚学園の心の福祉これからも——「見えないもの」を大切に50年
◎2016年 日本伝道会議へ——神戸・開催地説明会「今日はキックオフ」
★聖書普及と翻訳の歴史学ぶ——大阪クリスチャンセンター聖書講演会
★近放伝:聖地ガイドのスタイン明子氏講師にイスラエルセミナー
= 7 面 伝道・牧会を考える=
★新連載<見上げる空>[3]「お構いなく」——被災者を犠牲者にしないために 記・米内宏明
★<迫られる宣教と教会の再構築>[5]——信仰理解が個人化 共同体意識が希薄に 記・石田 学
= 8 面 クリスマス情報 =
☆西日本クリスマス集会ガイド
◎信教の自由セミナー:「その時が来たら覚悟を」−−治安維持法の教訓 「状況が戦時中と似ている」=13
政府は安全保障にかかわる秘密の漏えいに重罰を科す「特定秘密保護法案」を10月26日閣議決定し国会に提出、今国会での成立を目指している。同法案は憲法や刑事法の専門家から「平成の治安維持法」と呼ばれ、危機感を募らせる人々も少なくない。そんな中、第25回信教の自由セミナー(日本福音同盟=JEA=社会委員会主催)が10月31日、東京・千代田区神田駿河台のお茶の水クリスチャン・センターで開催された。戦時中、クリスチャンであった父親が治安維持法で投獄された作家の石浜みかる氏が「憲法改正が目指す国~戦時下の教会は何を体験したか」の題で講演した。「特定秘密保護法のような法案は今回つぶしてもまたしぶとく出てくる。戦前は宗教管理の法案が1899年、1927年、29年に出たがつぶされた。しかし、39年には通ってしまった。私たちは今、自分たちが立っている土台、位置というものをしっかり持っていないと、恐らく巻き込まれてしまいます」。石浜氏は、警鐘を鳴らした。
自民党改憲草案の「信教の自由」(第20条)、「国民の権利」(第13条)、「憲法尊重擁護義務」(第102条)についても触れた。「現憲法では『信教の自由は、何人に対してもこれを保障する』とあるが、改憲草案では『社会的儀礼又は習俗的行為』という2つの条件がある。これは公の組織が宗教活動をしますよと言っているのと同じ。また、13条では『公益及び公の秩序に反しない限り』とあるが、何が反するのかは言わない。秘密保護法案でも、その範囲は言わない。なぜか? 範囲を拡大していくことが目的だから。102条では天皇と摂政が憲法尊重擁護義務からスパッと抜けている」
このことは1935年にも起こったことだと指摘する。「国会が美濃部達吉の天皇機関説(天皇は憲法のもとで治める)を排撃決議したことにより、皇国日本(日本は現人神天皇の統治する国)という復古的国家に?法的に?変貌した。今の自民党改憲草案の中身は、『天皇は憲法の枠の上にある』という35年から45年までの戦時中の日本と重なります」
石浜氏は、明治維新後の体制が国家神道を創造し、その枠組みからはみ出す神道、仏教、キリスト教を、その10年間に激しく弾圧したこと、一方で日本のキリスト教会が合同し、一斉に神社参拝や宮城遥拝をして国家と一体化していった経緯を振り返り、その過程でプリマスブレザレンの伝道者だった父親が投獄された2つの事件に触れた。「戦前、歯医者だった父は街頭伝道中に捕まったが、刑事から『天皇は人間か、神か?』と問われた時、『人間です』と答え、国家にたて突く者として8か月服役した。2回目は治安維持法違反で検挙され、懲役6年を求刑された。保釈でよれよれになって帰ってきた時、気弱になり、刑の軽減を期待して伊勢神宮に参拝し、判決前に参拝証明を提出した。敗戦のために2年半で出所したが、それが父の最大の心の痛みとなりました」
「1945年、敗戦を迎えた日本は、国家神道が廃止され、神社神道は一般的宗教となった。国民は長い歴史の中で初めて個人として信教の自由を得た」と石浜氏。「日本国憲法ができてから67年間、私たちは今までになかった貴重な時代を生きている。この時間をもう10年、もう20年、延ばしたい」と願う。
しかし、「時代はめまぐるしく移り変わる。本当の理性と行動の規範をもって引き受ける覚悟がいる」と強調。「日頃から自分は非暴力主義者であることを示すためにも、固い棒を持たない、肩より上に手をあげない。捕まったら刑事はプロと肝に銘じ、言葉の暴力を受けたり懐柔されるのだと覚悟を決めること」と結んだ。
◎東京基督教大学:来春、神学博士課程開設−−福音主義に立つ研究者・教育者養成へ=1311170202
東京基督教大学(千葉県印西市、倉沢正則学長)は2014年4月に、福音主義に立つ神学博士課程を開設することを発表した。10月25日付で文部科学省大学設置・学校法人審議会からの答申を受け公表された。名称は「神学研究科神学専攻(博士後期課程)」。同過程は、同大の東アジアにおける神学の教育研究の一拠点となるビジョンを反映し、グローバル化し複雑化する教会と社会の神学上の諸課題について提言し、新しい未来の構築に貢献できる高度な専門性と研究能力を持った指導者の養成を目指す。
すでに2012年には大学院神学研究科修士課程を開設しており、これにより、福音主義に立つ神学大学院として修士課程(博士前期課程)と博士課程(博士後期課程)が完成することになる。修士課程においては国内外における牧師・伝道者の養成を行い、日本の福音派諸教会から送られた献身者を育て送り出すことを目指し、博士課程においては神学教育機関の研究者・教育者およびキリスト教諸団体における高度な専門性と研究生を持った指導者を養成することを目指す。
授業科目は「神学特論」と「研究指導」の2科目。論文作成は英語でも可能。専任教員は同大教員の中から神学部、大学院修士課程、博士課程と継続して教授する。入学定員は2名(収容定員6名)。修業年限は3年間。専任教員は次の各氏(敬称略)。ステパノ・フランクリン、稲垣久和、木内伸嘉、小林高徳、伊藤明生、岡村直樹、ランドル・ショート。
大学院博士後期課程の入学条件は、修士(神学)の学位等を有しているキリスト教への信仰を表明した者。おもに同大大学院修士課程からの入学を想定しているほか、国内外の神学教育機関で修士課程を取得している人も入学可能。
入学試験の詳細はウェブサイトで。http://www.tci.ac.jp/
問い合わせは学長室広報Tel.0476・46・1131(担当・中南守)まで。
◎2016年 日本伝道会議へ−−神戸・開催地説明会「今日はキックオフ」=1311170602
第6回日本伝道会議(JCE6)が、2016年9月27日(火)~30日(金)、神戸市中央区の神戸コンベンションセンターで開かれることが6月に決まった。この決定に伴い、10月21日にイエス・キリスト・神戸中央教会でJCE6開催地説明会が開かれ、神戸近隣の牧師、信徒約40人が集まった。第1部の礼拝では、開催地委員長の大嶋博道牧師(フリーメソ・神戸ひよどり台教会)が「私たちの希望と使命」と題して説教した。
「前回の伝道会議のテーマは危機の時代。今や教会は慢性化した危機を抱えている。そこに我々は福音宣教の使命を担い、立ち向かわなければならない。世界を根源的に変えていくのは福音の力のみ。そこに新たに確信を見い出し、神戸を選んでくださったことに感謝し、力を合わせて進んで行こう。今日をキックオフの日として」
第2部の説明会はJCE6プログラム局長の小平牧生牧師(基督兄弟団・西宮教会)の司会で進められた。JCE6副実行委員長の石田敏則牧師(シオン・キリスト・蒲田教会・クロスロード・チャペル)が、これまでの伝道会議の流れと、「教会間の宣教協力が密であり、歴史的にも日本宣教の中心地のひとつである神戸で開催する意義は大きい」と、神戸決定に至る経緯を説明した。
大嶋氏は開催地委員会の立ち上げに至る経緯を語り、委員を紹介した。現在委員は9人で、今後増員の予定。テーマ・理念作りも進めている。各委員から「実りを先取る準備期間でありたい。伝道会議が終わった後の神戸は、それぞれの違いを認め合った、今まで以上の協力体制ができるのでは」と、期待と意欲にあふれた声が上がっていた。