[CSD]2001年6月17日号《ヘッドライン》

[CSD]2001年6月17日号
《ヘッドライン》
 = 1面 =
◎「新改訳聖書」表記を一部改正——不快語・差別語・「らい」見直し
★KGK学生ら「歴史教科書」切り口に——合宿亜細亜在住日本人基督者・歴史と現在
★IFES東アジア卒業生大会:社会で信仰の確立願い日本で初開発
★<講壇に立つ女性たち>[21]信愛小金井教会牧師 大倉 君江さん(上)
★<落穂抄>地域に住んでいる実感
 = 2 面 =
★日本における「部落差別問題」——キリスト者は今、どうあるべきか 記・古川 修二
★第3回キリスト教学校伝道協議会——礼拝の活性化が学校全体の活性化へ
★神奈川県・2001年キリスト教学校展——共通の価値観、使命を発信
★神学生らも「歴史教科書」抗議——私たちも延長上に存在している
★第12回日本伝道協議会:「教団信仰告白」共通基盤に
★日本伝道協議会公開講演:伝道に燃える教団形成を目指す——山北宣久氏
★<論説>「いやし」の共同体としての教会 記・岡村 又男
★<あかし文学>神様いのちをありがとう[8] 作・山口かおる
 = 3 面 「日本宣教と(天皇制)」論争をめぐって(3)=
★天皇免責と共に残った教会の罪 記・上中 栄
 = 4 面 青年伝道は今=
★はじめまして。聖書知ってる?——大学生伝道の現場から
★学生が多く集まる教会——ニューホープ・インターナショナル・フェローシップ東京
 = 5 面 結婚特集=
◎夫婦は互いに ただいま「工事中」——信徒・牧師を励ますオアシスチャーチミニストリー
★献身と結婚 どっちが大切? 天野弘昌・百合香牧師夫妻
★カリマンタンから春 トゥグー・トゥリヤントさん・塚田真理子夫妻
★結婚を考える男女に「出会いの場」提供 ブライダル会社「トリニティ」
 = 6 面 信仰と生活のページ=
★<伝道牧会とリーガルマインド>[14]送迎バスの運行責任 記・櫻井圀郎
★<企業社会の生き方ガイド>[14]仕事と家庭 記・梅津光弘
★<英語ことわざメモ>[14]石の上にも3年 記:デビット・ブルック
★<投稿>頭はイエス・キリストです
★<投稿>にもかかわらずすごい御言葉が
★<投稿>CS教師の醍醐味を感じ
★<今月の試写室>「メトロポリス」 評・高梨 大
★<CDに時間>「ド・コ・マ・デ・モ」 JOIN  = 7 面 =
★フラダンスで心の隙間埋めます——ハワイのダンスチームが原宿のコスプレ族に伝道
◎好善社主催「ハンセン病を正しく理解する講演会2001」
★「イエスは私のすべてだと感じとって」——ラーネル・ハリス&ゴスペルリトル
★KGKミッションナイト:「キリスト教界神社参拝」の歴史から学ぶ
★<北から南から>高知県:開拓伝道10年とうとう会堂購入
★イギリス:エロチックな写真使った聖書  = 8 面 =
★<聖書66巻>ヘブル人への手紙[2]苦難を経て完成に至る信仰 記・市川 康則
★<書評>「悪タレ極道いのちやりなおし」中島哲夫著(講談社、1500円)
★<新刊書紹介>「陶芸と聖書」椿 巌三著(いのちのことば社、1900円)
★<新刊書紹介>「感謝の力」チョー・ヨンギ著(純福音出版、953円)
★<情報クリップ>催し情報ほか

「新改訳聖書」表記を一部改正−−不快語・差別語・「らい」見直し0106170101

新改訳聖書(翻訳・新改訳聖書刊行会、発行・日本聖書刊行会)中にある「らい病」や障害に対する差別語・不快語にあたるとされる表記が、来年3月をめどに改訂される見込みとなった。
6月4日から6日、静岡県掛川市で開かれた日本福音同盟(JEA、蔦田公義理事長)第16回総会の席上、JEA社会委員会(油井義昭委員長)の事業報告などに関連して、ハンセン病についてのJEAの取り組みが報告された際、議場からの質問に答えた清水昭三氏(JEA理事、新改訳聖書刊行会理事)が明らかにしたもの。
これにより、先に「らい病」の語を「重い皮膚病」に置き換えるなどした日本聖書協会発行の聖書新共同訳に続き、教会で現在使われている主な日本語聖書の不快語改訂作業が進むことになる。
 JEAは1992年7月、岡山県のハンセン病療養所、長島愛生園内にある単立長島曙教会の大嶋得雄牧師から、JEAに加盟する教団・団体へキリスト者としてのハンセン病の正しい理解を求める書簡を受け取ったことに対応し、聖書に記されている「らい病」は必ずしも現代のらい病(ハンセン病)と同じではないこと、また、聖書において「らい病」が罪の象徴としては記されていないことを確認。
同年9月、その旨を加盟教会に通知し、「らい病を正しく理解し、…伝道牧会において誤解を招くことのないよう、また、ハンセン病の方々にご迷惑をおかけすることのないよう」注意を促した。
  「らい予防法」廃止(96年3月)後の97年6月には声明を発表して、?「らい予防法」の存在に疑問を抱くこともなく、ハンセン病患者とその家族の人権を守る戦いに対して無関心であったことを恥じる?ハンセン病そのものに対する無知から、ハンセン病を不治の病と誤解し、またハンセン病があたかも強力な感染力を持つものと曲解し、その結果、国家による患者の隔離政策を黙認していたことを神の前に反省する、などと表明。
「改めてハンセン病に対する誤った認識を払拭し、正しい理解の浸透を目指し、同盟をあげて学び、取り組んで」いく決意を表し、その具体化の一環として、新改訳聖書の訳語「らい病」「らい病人」を適切な語句に差し替えるように、日本聖書刊行会(NSK、岡村又男理事長)および新改訳聖書刊行会(SSK、舟喜順一理事長)に申し入れるなどした。
  同聖書の訳語について著作人格権を持つSSKの改訂編集委員会では研究・検討を重ねてきていたが、JEAとの間でも適切な訳語について誠実に意見交換。
JEA社会委員会および神学委員会は99年8月、SSKに対し、翻訳の困難さを認めつつも、ハンセン病患者の苦しみを受け止め「重い皮膚病」またはふさわしい別の訳語を、と提案した。
昨年秋にSSKは関西と関東で懇談会を開き、新改訳聖書を使用している教会関係者らの問題意識を聞いた。
  その後SSKは、懸案の不快語・差別語の改訂を含む新しい改訂版の準備のためTEAM・いのちのことば社と協議を重ねてきた。
  今年5月には、現在新改訳聖書の著作財産権を有するいのちのことば社(多胡元喜会長)/TEAM(ダグラス・ヘック理事長)が、改訂問題に対して、自らの判断と責任において方針を立て、推進する立場であることを確認。
差別語・不快語の調査・研究は一九八六年から、また「らい予防法」が廃止された1996年に「らい」表記の改訳を求められてからすでに五年が経過していることをふまえ、「改訂作業はできるだけ迅速にする」ことなどを決定。
2002年3月に標準版の改訂版を発行する方針を立て、6月1日、新改訳聖書刊行会に、本年9月末までに改訂個所を特定するよう協力を要請した。
  いのちのことば社/TEAMの基本方針では、今回の改訂の範囲は、差別語・不快語、「らい」のほか、すでにSSKで十分な検討がなされ、結論が出ている個所にとどめる。
また「らい」の訳語は、もし適切な日本語の言葉が見つからなかった場合、暫定的にヘブル語原語の「ツァーラアト」に変えることなども提案している。
この改訂作業に要する費用はいのちのことば社が負担する。
  清水昭三氏によると、この協力要請に対し、正式決定は今後の理事会を待つものの、SSKではすでに用語の改訂についての研究・検討の積み重ねがあり、今年九月までに改訂の方針をまとめ、来年3月に改訂版発行を間に合わせる方向で進めることはできるとの見解を確認した。
  JEA総会では「新しい聖書翻訳の課題をめぐって」の懇談会もあり、その席上でも新改訳の訳語問題に関連して、「以前は新改訳を使っていたが、不快語が改訂されないので新共同訳に切り替えた」「不快語の改訂がされなければ新改訳を使いたくても使えない」など、教会の立場から切実な声があがっていた。
  ◇ 日本聖書協会の新共同訳は、刊行当初から旧約の「ツァーラアト」を「重い皮膚病」としていたが、新約の「レプラ」は「らい病」と表記していた。
96年の「らい予防法」廃止に伴い、いくつかの教会および教区の総会決議要請を受けて、共同訳委員会は訳語の変更を決定し、97年4月以降に販売する分から新約も「重い皮膚病」と置き換えた。
現在の新共同訳にはすでに旧新約とも「らい病」「らい病人」の表記はない。
これは、ギリシャ語の「レプラ」の訳として何が最適かについて議論はあるが、ハンセン病者の苦痛を重く見て人権尊重を優先し、暫定的な措置として「重い皮膚病」としたもの。
口語訳も変更の方針で検討中

夫婦は互いに ただいま「工事中」−−信徒・牧師を励ますオアシスチャーチミニストリー010617050

「『クリスチャンだからわかるでしょ?』、『牧師だから自分で悩みを解決できるだろう』ではすまされない。
現実に結婚生活や牧会などで悩んでいるクリスチャンや牧師たちはたくさんいます」。
5月に「オアシス・チャーチ・ミニストリー」を立ち上げた玉井邦美さん(59)=日本同盟基督教団牧師=、敦子さん(56)夫妻は語る。
  玉井夫妻は昨年、18年間の牧会生活からいったん離れ、1年間カナダのリージェントカレッジで学び、帰国後ストレスや疲れを覚える牧師、信徒たちの励ましになればとミニストリーを立ち上げた。
  カレッジでは牧会者と教会、牧会ケア、クリスチャンの結婚生活などのコースを集中的に学び、今までの牧会、結婚生活の経験をふまえた上で、?宣教ミニストリー、?教育ミニストリー、?カウンセリング・ミニストリー、?セミナー・ミニストリーと4つの分野に分けて集会講師やカウンセリング、セミナーを行う。
  玉井さんは認識すべき事実として「お互いが罪赦された罪人であることを認めること」と、人間関係や夫婦関係について語る。
  「クリスチャンはすべて主にあって完全に贖われるまでは、『ただ今工事中』。
工事中の看板には、『ご迷惑をおかけいたします』という言葉と、『ご協力をお願いします』が書いてあるでしょ。
夫婦関係も一緒ですよ」と笑顔で語る。
「まず、男女が違うということを知らなくては」という敦子さん。
話しあうことが少ない日本の夫婦の現状に、「お互いに話す習慣をつけた方がいい。
その習慣がないと、『気持ちが伝わらないこと』をいつしかあきらめてしまう。
子どもが与えられれば関心は子どもにばかりいき、夫婦の関係を理解しあい、成長させることを辞めてしまう」。
夫婦の成長が必要。
つまり、お互いがまだまだ未熟ものだということを理解するべきだという。
  そんな玉井夫妻は結婚して35年たった今でも「こういう風に思っていたんだ」という発見の連続だという。
「毎日が不思議発見よね」と顔を見合わせてほほえむ。
また、石神井福音教会で牧会をしていた時に、クリスチャン以外の地域の人から「教会で結婚前カウンセリングをやっていますか?」と聞かれたことがある。
「人間関係、夫婦関係、結婚問題で悩みを持っている人々に、教会だからこそ答えられる真理があります」と玉井さん。
「聖書のはじめの創世記から、結婚が神に制定されたものと書いてあるのだよ」と言うと、とても驚き、耳を傾けるのだという。
  玉井さんは若いカップルだけではなく、定年を迎えようとしている熟年カップルにも語っていきたいと話す。
「『定年離婚』が増えてきたことも、夫婦がお互いを理解し、成長することを辞めてしまった末の結果です」   今の教会で、「離婚」を受け入れることがなかなか難しい。
牧師に相談できず、教会を離れるケースも少なくない。
そうではなく、離婚が増加しているという現状そのままを受け止めた上で、「本人たちの声に耳を傾け、『神様の声を聞きながら向き合って話し合える関係を築けるように』サポートしていきたいと語る。
  「オアシス・チャーチ・ミニストリー」は、結婚に関することだけではなく、主日礼拝・特別集会のメッセージ、信徒教育・子育てなど教育プログラム、牧師・牧師夫人・伝道者・クリスチャンのカウンセリング、セミナーなどそれぞれの教会に合わせた集会、関わりを持つことが可能。
連絡先はTEL&FAX047・442・1474。

好善社主催「ハンセン病を正しく理解する講演会2001」0106170702

「らい予防法」が廃止されてもなお、払拭されないハンセン病に対する差別・偏見を社会全体が改めていく大きな一歩となることを願い、社団法人好善社は今年も「ハンセン病を正しく理解する講演会2001—ハンセン病差別のいま・入所者と医師の立場から」を関東、関西で開催する。
 この講演会では、入所者の「人間復帰」への歩みを聞くことと、聖書翻訳に起因する誤った理解を検証し、ハンセン病に対する正しい理解を深める。
   日程   関東の部 6月23日(土)午後2時から4時30分。
会場は東京都大田区の日基教団・田園調布教会。
テーマは「聖書の『らい病』とハンセン病」で講師は犀川一夫さん(元国立療養所沖縄愛楽園園長)で『聖書のらい|その考古学・医学・神学的解明』(新教出版社)の著者。
本書では聖書の「らい病」とハンセン病は違うことを医学的に検証している。
日基教団・東京教区南支区社会部が共催している。
連絡先はTEL03・3712・3845、FAX03・3791・1150。
  関西の部 6月23日(土)午後3時から5時。
会場は日キ教会・西宮中央教会。
テーマは「人間復帰への願いと私の闘い」で講師は森本美代治さん(国立療養所多磨全生園入所者)。
TEL&FAX06・6418・5430。