[CSD]2001年6月24日号《ヘッドライン》

[CSD]2001年6月24日号
《ヘッドライン》
 = 1面 =
◎池田小・児童殺傷事件:「手を置いて祈った子」も犠牲に
★「教会再発見セミナー」注目——新世紀に本来の使命を果たせるか
★宣教船ハンナ2号:韓国から初の日本来航
★<講壇に立つ女性たち>[22]信愛小金井教会教会牧師 大倉 君江さん(下)
★<落穂抄>食糧危機・北朝鮮への祈り
 = 2 面 =
◎サッカーW杯伝道へ「GOAL2002」が具体策を提案
★草加市長選に立候補——「個性生かせる市長目指す」と瀬戸健一郎さん
★朝祷会全国大会:伝統の違い保持しながら一致を
★歴史歪曲許さない——アジアから700人参加し連帯会議
★フランス:セクト法成立に福音派への差別強化を懸念
★<教界の動き>フェローシップ・ディコンリーほか
★<論説>「いやし」の共同体としての教会 記・岡村 又男
★<論説>教会による不登校生支援を 記・杉本 玲子
★<あかし文学>神様いのちをありがとう[9] 作・山口かおる
 = 3 面 全面広告=
☆第33回 日本伝道の幻を語る会 8月20日—22日(千葉県・市川市)
 = 4 面 PRのページ=
★書籍ガイド:『生きる』元ハンセン病患者谷川秋夫の77年 大谷美和子著(フォレストブック、1400円)
★書籍ガイド:『イエスに出会った僧侶』松岡広和著(いのちのことば社、1200円)
★書籍ガイド:『大いなる物語の始まり』芳賀 力著(教文館、2000円)
★書籍ガイド:『イエスの死と復活』山下次郎著(聖書知識社、3400円)
★書籍ガイド:『希望と共に』チョー・ヨンギ著(純福音出版、953円)
★書籍ガイド:『平和塔』永井 隆著(サンパウロ、680円)
★書籍ガイド:『明日への道』ヘンリ・ナウエン著(あめんどう、2400円)
 = 5 面 =
★開拓から14年 次の開拓を——広島福音自由教会のビジョン
◎<北から南から>兵庫:自分たちにもできることを——福音ルーテル神戸教会
★宣教船ハンナ2号:伝道と訓練の場——日本からの参加も期待
★バチカン:「オンラインの告解は問題にならず」
★オーストラリア:ギデオン聖書をホテル客室から撤去
★<召天>稲尾 三活氏(ホーリネス・所沢福音キリスト教会牧師)
 = 6 面 =
★<聖書66巻>ヤコブの手紙 主の御前でへりくだりなさい 記・野田 秀
★<書評>『摂理の恵み』大倉 君江著(一粒社、1300円)
★<新刊書紹介>『キリストの心で』デニス・キンロー著(いのちのことば社、1600円)
★<新刊書紹介>『お父さんの失明は私が治してあげる』西田朋美・西田稔・大野重昭共著(主婦の友社、1700円)
★<情報クリップ>催し情報ほか

中野記者<ハンナ2号><韓国から初の宣教船来港>
 韓国に本部を置く宣教団体「ハンナ宣教会」の所有する宣教船「ハンナ2号」が6月7日に東京港晴海埠頭に入港した。同船は7月2日まで晴海に停泊し、各種のセミナーや交流会、日本の教会との協力プログラムを行う予定。また、船は公開されており、停泊中は自由に見学することができる。
 ハンナ2号は日本の気象庁が30年間使っていた気象観測船を買い取って改造したもの。船上に2つの大きなドーム型レーダーが乗っているのが特徴。福音船になり、中は取り払われているが外観の特徴となっている。
 同船には9か国60人が乗り込んでいるが、船長はじめすべての乗組員とスタッフが自弁の宣教師。日本では東京港のほか神戸港にも帰港し、各種の催しとともに船上公開をする予定。神戸での船上公開は7月7日から8月2日まで。その後ハンナ2号は東南アジア諸国をめぐる航海に出る。 
(関連記事5面)
 

池田小・児童殺傷事件:「手を置いて祈った子」も犠牲に0106240101

「大阪府池田市緑丘の大阪教育大学付属池田小学校で6月8日に起きた児童殺傷事件で、池田市内の各教会はこの事件を大きな痛みとして受け止めている。
犠牲者の家族と深いかかわりがある教会やキリスト教主義の幼稚園はショックを受け、子どもを亡くした母親と親しい信徒は、どう声をかけていいかわからない状態だという。
事件後の10日の礼拝、家庭集会などで、牧師が一様にこの事件に触れ、「なぜ、こんな事が起こったか完全には理解しえない」としつつ、聖書から「その意味することは何か」について語った。
  事件は、精神安定剤を常用して入退院を繰り返していた宅間守容疑者(37)が、池田小学校の1年生と2年生のクラスに乱入し、児童に刃物で切りつけ、児童8人を死亡させ、教諭2人を含む15人に重軽傷を負わせるという、残忍なものだった。
  「亡くなった児童の一人が卒園児でした」と語る学校法人・池田五月山教会幼稚園園長の松浦八恵子氏は、その児童の通夜と葬儀に出席した。
「この子はお祈りが好きだった。
祈ってあげて欲しい」との母の言葉に心打たれ、枕べで祈った。
松浦さんは保護者会で「今、私たちにできることは、悲しみの中にあるご両親を、いろんな言葉で励ますことよりも、そっと見守り、寄り添ってあげることではないでしょうか。
そしてとりなし、祈ること」と話したという。
  今年の5月まで日本基督教団・池田五月山教会の牧師だった難波實氏は「手を置いて祈ってきた子どもの一人が突然召されたことは、衝撃だった。
この事の意味を突きつけられている。
ご遺族の気持ちを考えると本当につらい」と語った。
  日本メノナイト・ブレザレン教団・石橋教会(真鍋孝主任牧師)は、亡くなった児童の一人が以前同教会の教会学校に通っていた。
真鍋氏はスタッフミーティングで、ルカ13章から「シロアムの塔が倒れ落ちて死んだあの18人は、エルサレムに住んでいるだれよりも罪深い人たちだったと思うのか(中略)。
あなたがたも悔い改めないなら、みな同じように滅びます」の御言葉を引用し、「今は何が起こるか分からない時代。
何が起こっても大丈夫と言えるように、永遠の命を得てもらうため、いっそう福音を宣べ伝えることに専心しよう」と勧めた。
  同教会牧師の船橋誠氏は礼拝でこの事件に触れ、信徒に、?御心の中には、人の思いを超えたものがあること、?この世は不完全で絶対的な安全は存在しないこと。
だから救いの備えをせよ、?悲しみの中にある人々が神を知ることができるよう助けること、?苦しみ悩む人のため祈る、の四点を語った。
  日本イエス・キリスト教団・池田中央教会は、池田小学校から約200メートルの所にあり、市内で最も現場に近い。
「町はヘリコプターや報道陣で騒然としている」(11日現在)と言う鎌野善三牧師は、家庭集会のメッセージで事件に触れた。
ローマ2章から「加害者について先走った判断をしてはならない。
神は正しく裁かれると同時に、また愛しておられる。
彼が真の悔い改めに導かれるよう祈るとともに、私たちも裁かれるべき存在と自覚しよう」と述べた。
犠牲者の一人をよく知る教会員の要請で、特に「そのご両親のために祈った」という。
  単立・池田チャペル牧師の高杉正英氏は、「池田市はこのような犯罪のない町だったのでびっくりしている。
今までもそうしてきたが、子どもを持つ教会員には、祈りをもって学校に送り出すよう指導していきたい」と語った。
先週号までの見出し

サッカーW杯伝道へ「GOAL2002」が具体策を提案0106240201

2002年韓日ワールドカップをスポーツ伝道の機会として用いようと発足した「GOAL2002全国委員会」(吉持章会長、峯野龍弘委員長)は6月7日、東京・銀座の日本聖書協会で会議を開き、具体的な伝道プログラムについて提案した。
W杯が開催される全国10都市の地域教会や、韓国のスポーツ伝道関係者および開催地教会との連携など協力体制づくりを進めていたが、本大会まで1年を切り、具体的な伝道プログラムの準備段階に入った。
  会議では、?スポーツ伝道プログラム「J*KIDS CUP」「J*YOUTH CUP」、?「CUPPARTY」、文書とビデオ配布、?フェスティバル(文化交流、韓日友好を含めたもの)、?メディアの活用(テレビ、新聞、ラジオ)などが、伝道用プログラムとして提案された。
  同全国委員会は、開催都市の教会の牧師による地域委員会を通して同プログラムへの参加を地域教会に呼びかける。
宣教の実行は教会・クリスチャンの自主的な営みと位置づけ、同全国委員会は各教会のパートナーとしてサポートする。
同委員会は「これらのプログラムは複合的に活用できるものだが、各教会が独自にアレンジ、ピックアップして、できる範囲で何か一つでも実施してもらえれば」と考えている。
  「J*KIDS CUP」「J*YOUTH CUP」は、1985年にスペインのクリスチャン女性がスポーツを用いて子どもたちに伝道できないかと考え出し世界中で成果を上げている「KIDS GAMES」を日本向けにアレンジしたもの。
スポーツと聖書の学び、伝道を組み合わせた。
キリスト教界の大きなイベントでは開催中の反響は大きいにもかかわらず、必ずしも地域の教会に実が残らない現実がある。
そうしたことを踏まえ、日本の各教会にスポーツ伝道プログラムを知ってもらい、教会に青少年伝道の実が残るようにと企画された。
  「J*KIDS CUP」は3歳から小学6年生まで、「J*YOUTH CUP」が中高大学生、青年対象としている。
米国ではクリスチャンの80%が14歳以下で信仰を持つという統計が出ている。
日本でもクリスチャンの80%が子どものころに教会に行ったことがあるといい、子どものころに信仰を持つ人が多い現状から、子どもたちを対象とした。
  「CUP PARTY」は、教会や街の壁に大きなスクリーンを設置してワールドカップの実況中継を投射し、人を集め伝道に役立てるプログラム。
フランスのワールドカップで伝道に使われた。
今回のワールドカップはNHKが日本代表の試合を放送する予定だが、全試合を放送する衛星放送会社スカイパーフェクTVと各教会が契約すれば、プロジェクターを使って投射できるようにする。
スクリーン、プロジェクターが必要になるが、各教会で用意できない場合を考え、同全国委員会がその確保を検討している。
  同全国委員会では、これらのプログラムを7月の地域委員会の代表者との協議で紹介し、検討してもらう予定だ。
  同全国委員会は2002年韓日共催ワールドカップを機に、?日本に主の福音を伝える、?日本と韓国との「和解と理解」、教会間の交わりを深める、?スポーツ伝道の可能性を探るなどを目的に発足した組織で、韓日ワールドカップサッカーをサポートする教会、伝道団体の窓口となる。
  今回の会議にあたって、同全国委員会名誉会長の土肥隆一氏(日基教団・和田山地の塩伝道所牧師、衆議院議員)は「ワールドカップのために全国十都市の開催地の行政サイドでは、何かいい企画はないかと考えている。
GOAL2002は教会の運動だが、伝道のためにアイデアをとおして各自治体にどのようにくいこめるか、利用できるかを考えていこう」とあいさつした。
  峯野龍弘同委員会委員長(ウェスレアン教会連合・淀橋教会主管牧師)は「心のつながる教会を一つでも多く増やしていきたい。
韓日共催ワールドカップは日本宣教の好機。
教団教派を超えて呼びかけていきたい」と語った。
  先週号までの見出し

<北から南から>兵庫:自分たちにもできることを−−福音ルーテル神戸教会0106240502

「愛をあげて、愛を知る喜びを!」…NGO「エスナック教育里親グループ」を通じてアジア、アフリカの子供たちを支援するチャリティーゴスペルコンサートが六月三日に日本福音ルーテル神戸教会(朝比奈晴朗牧師)で、ゴスペルグループ「雨宮千晶&SINGING SPARROWS」が中心となって開催された。
神戸教会の庭は、普段から地域の子どもが集まる遊び場となっている。
毎週火曜日には、教会が企画し絵本の読み聞かせをしたり、手話をつけて賛美歌を練習したりする「ルーテル子どもクラブ」の活動を通し、20人から40人ほどの子供たちと交流している。
今回のコンサートは、「自分たちにも何かできることを知ってほしい。
アジアやアフリカの子供たちの様子を知り、視野を広く持ってほしい」という朝比奈牧師夫妻の願いから、ルーテル子どもクラブに集まる子供たちに参加を呼びかけ、小学生20人が参加した。
エスナック教育里親プログラムは、シスター藤田文子さんがはじめた国際NGO教育。
現在、インド、バングラディシュ、エチオピアの1700人以上の里子を援助している。
現地の必要にこたえるため、現地の立場に立つとともに、「キリストのみ旨がそこにあるか否か祈りながら」運動を進め、「わが国の中にある精神的な貧しさを、心の豊かな現地の子供たちの祈りにより助けられる、相互関係であること」を大切にしている。
会員は1か月2000円の養育費と500円の事務費、任意の自由支援金を送金する。
この精神に基づいたフルタイムのクリスチャンスタッフ募集中。
エスナックの連絡先はTEL044・951・3707、FAX044・951・9994。