ヘッドライン
2001年１０月２１日号《ヘッドライン》
2001年１０月２１日号《ヘッドライン》
＝ １面 ＝
◎報復によらない主の平和——米英攻撃開始に神学生ら緊急学習
★日本のキリスト者は報復軍事攻撃を支持しません——ＮＣＣが米大統領に中止を要請
★アフガニスタン：米国が脅しやめれば８人釈放とタリバン
★小泉首相の靖国参拝に違憲訴訟——各地でキリスト者・市民ら準備
◎ワールド・ビジョン・ジャパン：「報復攻撃反対」明示し難民支援
★テロ後緊急レポート：アメリカの教会は今＜３＞——対応への倫理的な模索
★＜落穂抄＞偏見落書きを消す沈黙の奉仕
＝ ２ 面 ＝
★民放の歴史と共に50年——「世の光」「ライフ・ライン」のＰＢＡ
★保守バプテスト同盟：10年で30教会「ハーベスト2010」へ向けて
★移住外国人との出会いで教会の閉塞状況が見えた
★外国人住民基本法制定へキャンペーン
★『新聖歌』好評——これ一冊で老いも若きも一緒に礼拝できる
★信州夏期宣教講座：日本の説教、歴史を再考
★パキスタン：キリスト者が英米の報復攻撃開始で恐怖感
★映画「親分はイエス様」前売り券の５割未使用
◎共立基督教研究所がテロ対応緊急シンポ——グローバル時代の国際秩序とキリスト教探る
★アフガニスタン：ルワンダの悲劇にも匹敵する難民の恐れ
★ＪＯＣＳ：軍事力行使によらぬ解決を
★＜世界の出来事フラッシュ＞
★＜論説＞同時多発テロに対する祈り——真の敵はだれかを明確に 記・稲垣 久和
＝ ３ 面 キリスト教主義学校特集＝
★「共に生きる」をテーマに——明治学院中学校・東村山高等学校
★創立114年を迎える男子教育——名古屋学院名古屋中学校・名古屋高等学校
★社会福祉学部を増設へ——聖隷クリストファー看護大学
＝ ４ 面 キリスト教書籍ガイド＝
★『いまを生きぬくビジネスマン聖書塾』小形真訓著（いのちのことば社、900円）
★『恩寵 2000』西大寺キリスト教会創立70周年記念（西大寺キリスト教会、2800円）
★『人生の道』チョー・ヨンギ著（純福音出版、952円）
★『見えない神を捜し求めて』フィリップ・ヤンシー著（いのちのことば社、2400円）
★『荒れ野に道を』金 圭 東著（淀韓東京基督教会、1500円）
★『あなたの人生は意味がある』上野 亘著（いのちのことば社、600円）
★『シンギラ ミンギ』徳永瑞子著（サンパウロ、1200円）
★『わたしはあなたを忘れない』片柳弘史著（ドン・ボスコ社、800円）
＝ ５ 面 ＝
★『どんなことにもくよくよするな！』発売３週間で１万部完売
★サンフランシスコ＆ロス「星野富広 花の詩画展」終了——口で描いた「やさしさ」に１万人が触れた
★＜召天＞大江捨一牧師（元アライアンス教団理事長）
★世界腹話術師の祭典「国際交流フェスティバル」（11月17日—18日）
＝ ６ 面 生活のページ＝
★＜あの日のメッセージ＞「神の国」を築き始めた 記・石川 良男
★＜真っ向勝負＞質問：拒食と過食の私、教会に行きたくない 回答者：平林佐知子
★＜今週の本棚＞『信仰の友への手紙』ユージン・Ｈ・ピーターソン著（いのちのことば社、1300円）
★＜今週の本棚＞『おもしろキリスト教Ｑ＆Ａ７７』山北宣久著（教文館、1200円）
★＜今週の本棚＞『日本キリスト教史物語』鈴木範久著（教文館、1500円）
★＜情報クリップ＞催し情報ほか
報復によらない主の平和−−米英攻撃開始に神学生ら緊急学習0110210101
９月11日の米国中枢を狙った同時多発テロから１か月たたない10月７日（日本時間８日）、米英軍はアフガニスタンのタリバン政権と最重要容疑者のオサマ・ビンラディン氏、そのテロ組織アルカイダに対する報復攻撃を開始した。この一連の事件を「（クリスチャンの）わたしたちはどのように考えたらよいか」をテーマに、東京基督神学校（東京キリスト教学園、千葉県印西市）の学生会「ピスガ会」と学生サークル「ザーカル会」主催の緊急講演会が９日、油井義昭氏（福音キリスト教会連合・長津田キリスト教会牧師／同神学校講師）を講師に行われ、有志の神学生62人が集まった。
油井氏は「平和をさまたげるものは敵意、憎しみです」と聖書エペソ２章15節を引用し、憎しみをかきたて、自らの正義のみを吹聴する中で戦争は起こるとし、「一方的に善と悪を判断し、戦争を起こそうとする、目に見えない悪の霊に私たちは気付かなくてはいけない」と語った。
この事件に複雑にからむイスラエル・パレスチナ問題にふれ、シオニズム運動や十字軍など、神と正義の名の下に行われてきた歴史事実を紹介。
「その時の大きな恨みが現在でもイスラム世界に残っています」と指摘した。
「報復を繰り返すのではなく、過去の過ちを謝罪し、悪循環を善循環に変えるべき。
それができるのは十字架上の赦しによってしかない」 特に神学生たちに向けて語った意味を油井氏は、「漠然と『戦争反対、テロ反対』と言うのではなく、歴史的背景やイスラムの人たちの苦しみも知った上で声をあげてほしい。
聖書が示す『平和をもたらすもの』と世界が変わるように、各教会にも伝えていってほしい」と語った。
主催した「ザーカル会」代表の大瀧恵理也さん（30）は「戦争を知らない若いぼくたちが、戦争を覚え、問題意識を持たなくてはいけないと思った。
こうして歴史を聞かないとわからなかったことがたくさんあった」という。
実際にできることとして、東京基督神学校ピスガ会、ザーカル会連名で米大統領と日本の首相あてに声明文を出す予定。
報復戦争反対を訴え、テロで愛する者を失った人々のためにとりなしの祈りをするという内容だ。
小泉首相あての声明文では報復戦争への加担反対を訴える。
「報復ではもたらされない、キリストによる平和を願います。
それは人間業ではできない。
神様の介入を願い求めています」と大瀧さんは言う。
ワールド・ビジョン・ジャパン：「報復攻撃反対」明示し難民支援0110210105
特定非営利活動法人ワールド・ビジョン（ＷＶ）ジャパンは10月５日、無差別テロ事件に関連して声明を発表し、アフガニスタン難民支援の募金を訴えた。声明骨子は▽いかなるテロにも断固反対し、その行為を厳しく非難する。
▽テロ行為を行った犯罪者に対しては国際法に基づく秩序ある処罰を求め、報復攻撃に反対する。
▽テロ行為を生む背景の一因となっている開発途上国の状況への支援を求める。
▽貧しく、抑圧されている人々への支援を求める。
ＷＶインターナショナルも先に同様の声明を出したが、同ジャパンは報復攻撃反対の姿勢をより明確にした。
ＷＶでは同日、アフガニスタン難民支援のため、タジキスタンのドゥシャンベに向けて26万米ドル相当の支援物資（毛布、水、テント、食糧など）の緊急輸送を開始した。
またパキスタンのペシャワル近郊で、他のＮＧＯと共に難民に食糧・医療援助を行う。
募金あて先は郵便振替００１３０・６・２５４０５９、特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパンへ（「アフガニスタン難民支援」明記）。
共立基督教研究所がテロ対応緊急シンポ−−グローバル時代の国際秩序とキリスト教探る0110210209
米国での同時テロ事件は現代文明の大きな曲がり角を象徴していると見て、東京基督教大学共立基督教研究所（倉沢正則所長）は11月９日午後６時から、千代田区のお茶の水クリスチャンセンター８階チャペルで、「グローバル時代の国際秩序とキリスト教」を主題に緊急シンポジウムを開催する。21世紀の新しい戦争の始まりといわれる危機的な状況の中で平和を希求し、神の愛と正義とは何かを問うキリスト者は、どのように考え行動したらよいのかを探る。
発題は、浜田文夫氏（センド国際宣教団みずほ台キリスト教会牧師）がアフガン難民の学校をパキスタンで運営した経験から、宮脇聡史氏（東京基督教大学専任講師、国際関係論）がグローバル時代の地域政治の視点から湾岸戦争後の宗教と政治との関係について、東條隆進氏（早稲田大学教授）が東西イデオロギー対立後の南北の貧富の差、宗教と社会の問題に、経済社会学の視点から迫る。
コーディネーターは稲垣久和氏（研究会議議長）。
席上献金あり。