2001年12月9日号《ヘッドライン》

2001年12月9日号
《ヘッドライン》
 = 1面 =
◎宣教師の道のり疑似体験プログラム
★北朝鮮拉致日本人のために祈る——米国のクリスチャン人権団体
★英国:ローマ法王が案去る対象のトップに?
★マニラ:比ゲリラ誘拐の宣教師らクリスまでに開放か
★テロ後緊急レポート:アメリカの教会は今<最終回>——大衆伝道集会
★<落穂抄>牧師退任と信徒の関係  = 2 面 =
★殉教した父・朱基徹牧師の実像——四男・光朝氏が証言
★救世軍:全国大会に大将が来日
★日本長老教会:「学生宣教ビジョン」を承認——部門常設で活動進展めざす
◎「クリスチャン・スクールを始めませんか」——聖書を人生の灯火とする教育を
★米国の軍事優先に警鐘——青山学院・草の根平和講演会
★米国:カトリック司教協議会はアフガン攻撃支持
★TCC世界宣教講座:コロンビア国際大学長がキリストの神性と世界宣教を講演
★<論説>企業のリストラ——不払い賃金が叫び声をあげていないか 記・片岡 伸光  = 3 面 全面広告=
☆日本国際飢餓対策機構(http://www.fhi.net/jifh/)
クリスマスにあなたの愛を  = 4 面 全面広告=
☆日本聖書協会(http://www.bible.or.jp/)
世界聖書日曜日 2001年12月9日(日)  = 5 面 特集:カルト問題=
★宗教遍歴数知れず——60年待って下さった神様
★カルトに走る若者の「求め」とは——いまどきの子どもたち
◎危ないカルト集団はこう見分ける——マインド・コントロール研究所長が指南
★エホバの証人の日本での成長率マイナス1%に——第7回被害者全国集会で報告  = 6 面 特集:放送伝道=
★深夜の若者一緒に泣き笑い——PBA「ジェネレーションX」
★イエス様のアシスタントとして——近放伝「福音の光」清水共子さん
★戦後の町に届いた希望——沖縄バプ連盟「バプテストアワー」
★真理のメッセージからいやしのメッセージへ——CRCメディアミニストリー「あさのことば」  = 7 面 =
★タブーを超えて——『不良牧師』アーサー・ホーランドの生き方
★元ホームレスをモデルの人形を加え——高橋めぐみさん腹話術伝道25周年記念ライブ
★宣教演劇学校、来春開校へ——演劇は素晴らしい媒体
★米国:エルビス・プレスリー「ゴスペル音楽の伝道」入り
★イラク:聖書の売れ行き好調
★森 祐理さん、TV「ボランティア21」に出演
★<CDの時間>「感謝の賜物(こころ)」レーナ・マリア(ライフ・ミュージック、2500円)  = 8 面 生活のページ=
★<あの日のメッセージ>「救いは神の御手の中に」日本人留学生伝道から 記・丸山 悟司
★<真っ向勝負>質問:マスターベーションって? 回答者:小澤 由紀恵
★<今週の本棚>『旧約聖書が、今、語りかける』鍋谷 尭爾著(いのちのことば社、2300円)
★<今週の本棚>『子どもをバイリンガルに育てる方法』木下 和好著(ダイヤモンド社、1400円)
★<今週の本棚>『ホスピスでの語らいから』森山 健也著(いのちのことば社、1200円)
☆<情報クリップ>催し情報ほか

宣教師の道のり疑似体験プログラム0112090101

カバンの中の常備薬を「麻薬だ」と税関員に指摘され、投獄される参加者がいる。インドネシア人クリスチャンから身振り手振りを使い、簡単なインドネシア語を教えてもらって徐々にコミュニケーションをとっていく||「あなたも一日宣教師、キリストの御心の核心へ向かう旅」と題して宣教シュミレーションプログラム「ジャーニー」が、11月23日神奈川県横浜市の本郷台キリスト教会ダイアモンドチャペルで開催された。ジャーニーは宣教師がたどる道のりをひととおり疑似体験できるプログラムだ。  当日集まった約80人の参加者は、2~4人のグループに分かれ、宣教師になるための召命を受けた後、牧師から宣教師になることはどういうことかという説明を受け、実際的な準備やサポート態勢について相談する。その後、アンテオケ宣教会、LMI宣教会、日本ウイクリフ聖書翻訳協会、OMFインターナショナル日本委員会のいずれかの宣教団体ブースに行き、レクチャーを受け、宣教師志願申請書を記入し、申請書が受理されると諸経費として、おもちゃの紙幣が支給される。参加者は支給された紙幣をさっそくその場で数え始めた。支給額は参加者によって違うが、同じグループ内の合計額は同じで、最終的には誰かが誰かを助けることで、メンバー全員の必要額が満たされる。続いて神学校で学び、さらに実際の宣教師から言語習得、異文化適応の訓練を受ける。
 一通りの学びを終えると参加者たちはパスポートを取得し、仮想国家カイナンツーの大使館に行ってビザを申請する。大使館独特の張りつめた雰囲気の中、申請書類に不備があると大使館員役のスタッフに厳しく指摘され、書いた書類を目の前で破られることもあり、参加者の中には泣きそうになる人もいた。ビザを取得すると派遣式が行われ、ひとりひとり祈り励まされて送り出される。
 航空券を入手した参加者は、飛行機代わりのマイクロバスにアイマスクをして乗り込む。バスが走行中、車内には本物そっくりの機内放送が流れ、臨場感がある。
 バスで移動後、入国審査と税関を通る。税関では荷物検査が行われ、聖書が見つかると、「カイナンツー国内では聖書を見せないように」と注意を受ける。最後に帰国報告会で参加してみての感想を分かち合う。
 参加者の本郷台キリスト教会員、矢島京子さんは「宣教師になるためにはたくさんのステップがあることがよくわかり、ビザ取得の大変さが実感できた」。矢島さんとともに参加した角田美希子さんは「税関員の『聖書を見せないと約束できますか』という質問に自分の信仰が問われていると感じた」と振り返った。
 今回のプログラムを準備した日本ウイクリフの福田崇総主事は、「若い人の参加が多かった。日本の教会ではまだまだ宣教プログラムを持っているところが少ない。このプログラムを通して宣教に興味をもつ人が増えてほしい」と語った。

「クリスチャン・スクールを始めませんか」−−聖書を人生の灯火とする教育を0112090204

聖書に基づく教育を子どもたちにするため学びあおうと、教育講演会「クリスチャン・スクールを始めませんか」が11月17日、東京・千代田区のお茶の水クリスチャンセンターで開かれた。
 キリスト教教育推進協議会(吉岡良昌会長)、クリスチャン教育学会(田頭真一会長)、日本キリスト教子育て・教育センター(岡本富郎所長)共催で、日本でのクリスチャンスクールの可能性を考えるため、米国・クリスチャンスクールズ インターナショナル(CSI)学校開発部主事のジョン・デ・ジャガー氏を講師に迎え、「クリスチャンスクールの土台」について話を聞いた。
 CSIはアメリカで1920年に立ち上げられ、全北米475校のクリスチャンスクールが所属し、10万人の生徒が支援を受けているキリスト教教育支援組織。現在リベリア、ロシア、フィリピン、韓国、そして日本からはキリスト教教育推進協議会(日本キリスト改革派信徒有志)も加盟していている。
 講演で「ミッションスクール」と「クリスチャンスクール」の違いについてふれ、教科の一つとして聖書やキリスト教を学ぶのではなく、「聖書のみことばを私たちの生きる道の灯火とする」「すべてが神の栄光をあらわすためにある」など、神様を中心、土台とする「クリスチャンスクール」を、と訴えた。
 「クリスチャンスクールは『いい人を育てること』が目的ではありません。神様に寄り添うのでもなく、『神様を人生の中心におく』ということを教えます」
 司会を務めた岡本氏は「『日本の文化の中で聖書に基づいた教育をしたい』というチャレンジを受けた」と語った。参加者の中には日本の公教育を嘆く声が多く、質問コーナーで、聖書に基づいた教科書や教師の人材を求める声があがった。
 問い合わせはTEL03・3484・8240、E-mail : t_sano@mvd.biglobe.ne.jp(キリスト教教育推進協議会・佐野)

危ないカルト集団はこう見分ける−−マインド・コントロール研究所長が指南0112090503

危険なグループの見分け方
 まず紹介したのが「全体主義的セクト」の概念。「全体主義」は他者からの反対も、民主主義的な考え方も絶対認めない。「セクト」は熱狂主義的なグループを指す。その意見は狭く、厳格で、異説を強烈に排除する。人々を管理し、その管理を通して人間の自由な判断を奪う。場合によっては反社会的な行動や事件を伴う危険性がある。
 反社会的行動をしていなくても、全体主義的セクト的考えを持っているかどうかで、その団体が危険かどうか見分けがつくという。どの団体が危険かを専門家に教えてもらうことよりも、危険な団体に当てはまるかどうか自分から答えを見つけることが大事だと、パスカルさんは強調する。そうでないと、一つのカルトから脱会してもまた別のカルトに入ってしまうといったことが起きる。 全体主義的セクトの特徴
 ?グループの中で指導者は自分自身を崇拝させ、特別な使命をもっていると教える?指導者は自分と教義に対して絶対的な服従を求める?指導者は大きな権力をもち、しばしばカリスマ的である。それによってメンバーたちに魅力を感じさせ、彼らの行動をコントロールする?全体主義的セクトは、指導者をひたすら信じる人々によって成り立っている。そして、メンバーを経済的、政治的な分野に進出させることもある?グループの本当の目的を隠している。このため、本人は自分の意思でその団体に入ったと思っていても本当に自由な自発的判断とは言えない?人の善意を利用する。 回復への道
 そのような全体主義的セクトに入ると、自分自身で考えるのをやめ、指導者の教え通りに考えるようにマインド・コントロールされてしまう。そうなると人間性(精神)が破棄され、家族の破壊が起こり、自分たちの独自のルールに従うようになるため普通の社会で生きられなくなる(社会の破壊)。知識面でも、道徳面でも、金銭面でも、詐欺的な行動に取り込まれてしまう。
 そのような呪縛から解放されるために必要なこととして、パスカルさんはフランス語のJe(ジュ)の大切さを説く。日本語でいえば「私は、私が」という意味だが、フランス語のニュアンスではむしろ、自分自身の「精神性」「アイデンティティー」のこと。全体主義的セクトの信者は、このJeがダメージを受ける。
 救出カウンセリングで対話すると、全体主義的セクトに入っている人は「組織の中で働きをする私」を答える。「本当にそれが?私?ですか」と聞き続けることによって、カルトの「私」が本当の「私」と向き合うことが必要。「これは本当の私じゃない」と気づくと、「では私は何だ」という疑問をもつ。そうして、初めて外からカルトの自分を見ることができるようになるとき、回復への道筋が見えてくるという。