ヘッドライン
2002年1月27日号《ヘッドライン》
2002年1月27日号ヘッドライン《ヘッドライン》
= 1面 =
★ハリー・ポッターは危険?——オカルトへの入口か、無害なファンタジーか
◎VIPクラブがインターネットTV・V-Stationを開設も
★中国:「華南教会」創設者、死刑判決後に控訴
★中国:江主席「宗教に隠された外国勢力は断固排斥」議
★新連載<「信仰」という名の虐待>[2]罪責観を植えつけ心理操作 記・パスカル・ズィヴィー
★<落穂抄>映画館ならではの感動を店
= 2 面 =
★インドネシア:クリスマスのテロ回避
◎「日本宣教と天皇制」論争が結実——賛否両論の2冊が出版け
★アッセンブリー:21世紀の伝道計画——教会のセル化、信徒伝道を指向
★バプ教会連合:「ビジョン2010」開始——メディア伝道など新領域へ
★在日韓国基督教宣教協議会:在日大韓から初の会長
★インドネシア:スラウェシで元旦に教会連続爆破
★<今月の試写室>「ぼくの神さま」——ナチス圧政下にキリストを生きた少年 評・高梨 大
★<論説>教科書問題その後——歴史認識と近隣諸国との和解 記・油井 義昭
= 3 面 =
★ディアコニアセンター:長野県原村にリトリート施設を建設 ◎コンパス通信が2001年の迫害10大ニュースを選出
= 4・5 面 =
★2002年新年の抱負——教団・教派・団体
★2002年新年の抱負——教団・教派・団体
☆第24回 あかし文学賞公募(応募締切日2002年2月15日着、400字詰50枚)
= 6 面 全面広告=
☆ゴール2001 韓日共催W杯伝導目指して(http://www.goal2002.org/)
= 7 面 特集・世界宣教=
★中国:問われる中国のキリスト教の体質
★台湾:宣教の大使命に教会が一致協力
= 8 面 ザ・教会=
★単立・吹田聖書福音教会——高木牧師の召天を越え働き継続
(http://suita-seisho.kansaiconnect.com/)
= 9 面 =
★アッセンブリー:若者伝道のための新雑誌「Book of Hope」を発刊
★<北から南から>栃木県宇都宮:「ヤベツの祈り」をみことばプレートに
★<北から南から>広島県向島:日英友好のモニュメントを
★主に赦された信仰を抱き——名古屋保険金殺人の竹内死刑囚に刑執行
★JR新大久保ホーム転落事故から1年——「第1回秀史文化祭」を日韓同時開催
= 10 面 生活のページ=
★<あの日のメッセージ>「神の評価を知った2つの説教」一人の魂全世界より価値あり」 記・朝川 清秀
★<投稿>「ヤベツの祈り」に思う
★<投稿>「随筆」ある老人会の会話
★<今週の本棚>『大正デモクラシー・天皇制・キリスト教』富坂キリスト教センター編(新教出版社、4000円)
★<今週の本棚>『讃美歌21 選曲ガイド』日本基督教団讃美歌委員会編(日本基督教団出版局、4200円)
★<今週の本棚>『全能の主との親しい交わり』C・スウィンドル著(いのちのことば社、1000円)
★<情報クリップ>催し情報ほか
VIPクラブがインターネットTV・V-Stationを開設も0201270102
3人のビジネスマンの祈りから始まったインターナショナルVIPクラブ。都内に25、全国に50、世界に70か所でビジネスマンらが集い、聖書を中心とした集会が広げられている。多くのビジョンを掲げるなか、1月21日には、ブロードバンド(高速・広帯域)通信を用いたインターネット・テレビ局「V-Station」を開設した。総務省によると2005年までには、日本の3千万世帯がブロードバンドを導入することが予測されている。導入することによって、インターネットで配信される動画を快適に見ることができる。そのため、クリスチャンのもつメッセージを伝える、これからの重要な媒体になってくる。「神のビジョンを持つクリスチャンが、世の中を追いかけるのではなく、最先端をリードしていく必要がある」と、VIPの立ち上げにかかわった国際弁護士の佐々木満男さんは言う。
コンテンツ(内容)には、音楽、NGO、政治、交流、家庭、ライフ・スタイル、ビジネス、教育などがあり、93年から始められたVIPの交流で培われてきたネットワークが、生かされている。今あるネットワークを共有し、また、それぞれの働きを支援し、宣教の働きを進めていくことを目的としてV-Stationが開設された。具体的には、VIPの紹介番組のほか、特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパンの番組や、衆議院議員の土肥隆一氏が国会の様子を報告する番組などがある。10番組ほどが、今後、定期的に更新され、充実した内容が放送されていく予定だ。近く、VIPのメンバーを通してV-Station紹介のためのCD-ROMが配布されるが、これには日本ルーテル・アワーが資金的に協力している。
V-Stationの開設者のひとり堀井洋二さんは、「VIPが仲介役となって、様々な働きを紹介、支援していきたい。キリスト教界全体を応援していく」と語る。
VIPでは、今後、日本全国、韓国、アメリカ、中国などの主要都市へ展開していくことを期待し、また、ゲームソフトの開発や、映画、ビデオの制作などもビジョンとして掲げている。
VIPのオフィシャル ホームページはhttp://vip-club.tv。V-Stationホームページは http://v-station.tv。
「日本宣教と天皇制」論争が結実−−賛否両論の2冊が出版け0201270202
日本宣教がふるわないのはクリスチャンが天皇制に反対するからだ——月刊「ハーザー」誌上において、同誌編集長の笹井大庸氏が投げかけたそんな問題提起が発火点となって、同誌やクリスチャン新聞紙上などで展開された「日本宣教と天皇制」論争が、2冊の本に実を結んだ。1冊は、いのちのことば社から昨年12月に刊行された21世紀ブックレット『日本宣教と天皇制』(本体1000円)。笹井氏の主張に対し、反論を展開した石黒イサク(美濃ミッション富田浜聖書教会牧師)、櫻井圀郎(東京基督教大学教授)、上中栄(ホーリネス・鵠沼教会牧師)、瀧浦滋(改革長老・岡本契約教会牧師)の各氏が改めて書き下ろし、持論を展開している。
櫻井氏は、律令導入以来の日本特有の法意識と日本人性の体質を説明し、天皇制の精神構造が日本の教会とキリスト者の中にも潜んでいることを論証。日本宣教がふるわないのは、むしろ天皇制を否定してこなかったからだと主張した。昨年3月の公開討論で反笹井論の論陣を張った石黒氏は、戦前に神社参拝を拒否して弾圧された「美濃ミッション事件」の概要を述べ、その本質が天皇制とクリスチャン信仰との衝突であったことを明らかにした。
上中氏は、天皇制は偶像ではないとしてきた日本の教会の信仰理解の問題点を指摘。瀧浦氏は、キリスト王権を軸とする聖書の立場から天皇制を考察し、「日本宣教における天皇制の利用は不可能である」と結論づけた。序文で西川重則氏(「政教分離の会」事務局長)は、キリスト者の日常の歩みからこの問題に対応する視点を提示し、キリスト者の責任を示している。
マルコーシュ『キリスト教と天皇制』(予価本体2000円)では、「ハーザー」誌で笹井氏が展開した天皇制有用論と、それに対し寄せられた反論および再反論を収録。公開討論の全文も掲載され、論争の全ぼうが概観できる。
コンパス通信が2001年の迫害10大ニュースを選出0201270302
【ルーテルアワー・PS】昨年、さまざまな大ニュースが紙面をにぎわせるなかで、キリスト教関連の人権問題を重視する「コンパス通信」が、迫害10台ニュースを選出した。? アフガニスタン…外国人救援活動家の逮捕と釈放
布教活動を行ったとして、外国人救援活動家8人がタリバン政権に15週間にわたって拘束された。救援団体「シェルター・ナウ」の8人の活動家が現地16人のスタッフと共に逮捕されたのは8月初め。9月11日に米国のテロ事件が起き、10月7日のアフガン空爆開始後、彼らは爆撃を避けて拘留場所を移された。11月12日、北部同盟によりアフガン人スタッフと共に釈放された。
?中国…引き締めと方針の転換
宗教局は3年前から、福音派の一掃に力を入れ始めた。「神学的建設」を呼びかけ、その教義を定期的に読み、模範回答を行うキャンペーンを続けた。一時全盛をきわめたが、次第に海外の信頼を失い、さらに三自愛国教会内の牧師や会員の多くがより寛大な「家の教会」に移ってしまうという結果を招いた。しかし、昨年は少なくとも200人以上が逮捕、50人に判決が言い渡された。一方、当局は家の教会に対し、三自愛国教会とは別の独立した地位での登録を認める方向に動いている。政府は教会管理方法を変え始めており、家の教会内部では、登録賛成派と反対派の分裂が起きる可能性も指摘されている。
?コロンビア…行方不明の宣教師、死亡と断定
93年にパナマで誘拐された「ニュー・トライブス・ミッション」の3人の米国人宣教師は、8年におよぶ捜索の末、遺体未発見のまま、誘拐した左翼ゲリラのコロンビア革命軍に射殺されたと断定された。アメリカ大陸で最も危険な国といわれる同国では40年も内戦が続いている。ここ3年内戦はさらに激化し、3年間で閉鎖に追い込まれた教会は350から500。殺害された牧師は12人。
?フランス…セクト禁止法が、宗教迫害の道具に
福音派クリスチャン50万人の抗議にもかかわらず、仏議会は5月30日、カルト禁止法案を可決。当初は統一協会やサイエントロジー教会など172団体を監視する目的だったが、結局「カルト」を定義するには至らず、宗教活動に政府が介入できる糸口を作っただけとなった。海外から多く関心が寄せられ、まず中国が法案を称賛、研究し始めた。ドイツ、オーストリア、ベルギーでも同様の法案が検討されている。
?インド…日常的に行われるヒンドゥー過激派によるクリスチャン攻撃
ヒンドゥー教過激派は、国内4千万人のクリスチャンの中でも特に福音派に対し殺人、嫌がらせ、中傷などを繰り返している。しかし、3年前に修道女を襲ってレイプした犯人10人に終身刑が言い渡されたり、オーストラリア人宣教師グラハム・ステインズ氏殺害の容疑者が逮捕され、裁判も始まっている。
?インドネシア…イスラム教徒とクリスチャンの対立続く
マルク諸島ではイスラム教徒とクリスチャンの対立が2年間続いている。教会は海外からの介入をたびたび呼びかけたが、政府は介入を嫌い、紛争を東部マルク諸島だけに限定させることを試み、人口2万人の地域で9千人が死亡するという結果を招いた。オサマ・ビンラディン氏とつながりがあるとみられる国内のイスラム教過激派グループの「ラスカル・ジハード」などが多方面で影響力を及ぼす。しかし、国内1億8千万人のイスラム教徒の大多数は、過激より穏健を、イスラム教国家より民主主義国家を望んでいるという。
?イスラム教世界…クリスチャンが国外へ脱出
宗教的に不寛容とされるスーダン、トルクメニスタン、イラン、エジプト、パキスタン、イラクなどから多くのクリスチャンが国外へ脱出し、西側へ政治亡命を求めた。亡命者は身体的な暴力、財産の没収、自分や家族への脅迫など、何らかの形で迫害を受けていた。
?ナイジェリア…シャリア法が生み出した政情不安
99年以来、ナイジェリア北部12州ではシャリア法(イスラム法)が導入された。国の憲法では特定の宗教に偏らない国家と宣言しており、シャリア法導入はクリスチャンたちの批判を受け、各地でイスラム教徒とクリスチャンの衝突が起きた。昨年は、中部の都市ジョスで、9月7日から11日間紛争が続いた。ささいなことから対立となり死者2千人、けが人や家を追われた人は数千人という衝突事件に展開した。
?パキスタン…「イスラム冒とく禁止法」でクリスチャンが冤罪に
多くのクリスチャンがイスラム教、コーラン、預言者ムハンマドを冒とくしたとの容疑をかけられ、「イスラム冒とく禁止法」に抵触したとして長期にわたり拘留、死刑判決を受ける者がでた。過去15年間で、冒とく法で裁判にかけられたパキスタン人クリスチャンは50人以上。短くて数か月、長くて数年拘留され、特にムハンマド冒とくの罪は死刑となる。現在、最も長く拘留されているのはアユブ・マシー氏の5年で、釈放のメドは立っていない。
?ベトナム…みせかけの宗教開放政策
クリスチャンへの迫害は依然続いているにもかかわらず、政府は昨年4月、ベトナム福音教会を法的に承認した。神学校の開校やキリスト教書籍の印刷などはまだ許可されていない。この政策は、当局が教会への介入を目的としたものであることは明白。ベトナム中部の高地に居住するクリスチャン部族、約50万人に対する当局からの抑圧はさらに強まっている。昨年、21人の教会指導者が逮捕され、現在、32人が拘留されている。