ヘッドライン
[CSD]2002年2月10日《ヘッドライン》
[CSD]2002年2月10日《ヘッドライン》= 1面 =
★土肥隆一衆院議員、キング財団から表彰——日韓の信の和解に貢献
★断食祈祷聖会2002閉会——イスラム圏のための祈りも
★国際:3宗教指導者、パレスチナ紛争停戦で共同宣言
◎メシアニック・ジューとアラブ人クリスチャンの交流深まる
★<「信仰」という名の虐待>[3]人格無視の「告白儀式」 記・パスカル・ズィヴィー
★<落穂抄>景気がよくても悪くても伝道しよう
= 2 面 =
★アメリカのホームスクール事情[中]教会というコミュニティ 記・渡辺 聡(アキラ)
★「君が代」伴奏拒否の小学校音楽教師、戒告処分取り消し求めて提訴
★韓国W杯サッカー会場でイースター礼拝
◎日本の右傾化憂え平和と和解へ強調——日韓教界指導者が共同声明
★ギリシャ正教最高指導者がイランを初訪問
★WVJ:コンゴ火山噴火避難民に支援
★<世界の出来事フラッシュ>米国、バチカン
★<論説>平和の福音の旗を見せる——国家を超えた公共性の確立 記・稲垣 久和
= 3 面 =
★どう見る「ハリー・ポッター」——読者の声から
= 4 面 2・11特集=
★卒業式で「君が代」斉唱時に着席求め処分の対象に
★「日の丸・君が代」強制に屈しない——大阪府教育委からの処分教師らが市民集会で訴える
★事実に基づく歴史認識の共有を——靖国神社問題を考える1・18緊急集会
★辻子さんのWhat’s ヤスクニ?
★2・11集会情報
= 5 面 =
◎赤字続きでシャロン保育園閉鎖の危機——不法滞在児童預かり3年目
★メディアで「神と大衆の橋渡し」——映画「シスター」製作へ
★高橋めぐみ「腹話術25周年記念ライブ」
★日本を元気にしたい——土肥衆院議員が「隆’(リュウズ)ビジネスクラブ」発足
★トルクメニスタン:服役中の信徒牧師を釈放
★米国:NCC環境保護CM開始
= 6 面 生活のページ=
★<あの日のメッセージ>眠れなかった翌朝の決心 記・八束 選也
★<真っ向勝負>質問:証しをするようなことないしなぁ 回答者:小澤 由紀恵
★<今週の本棚>『希望の旅路』李 仁夏ほか著(日本基督教団出版局、1800円)
★<今週の本棚>『ともに生きる家族と信仰の継承』平山正実ほか著(いのちのこと社、800円)
★<今週の本棚>『わたしはあなたを忘れない』片柳弘史 写真・編・訳(ドン・ボスコ社、800円)
★<情報クリップ>催し情報ほか
メシアニック・ジューとアラブ人クリスチャンの交流深まる0202100104
ユダヤ人伝道団体AMFI日本委員の石黒イサク氏によると、昨年末、カルメル山にあるカンファレンスセンターに、100人以上のメシアニック・ジューとアラブ人クリスチャンが集まり、「メシアにあってひとつ」を主題に集会を開催した。紛争が起こってから過去2年間で、信者間の連帯は深まり、このような会合が頻繁に開催され、毎週祈祷会も開かれているという。日本の右傾化憂え平和と和解へ強調−−日韓教界指導者が共同声明0202100204
歴史教科書問題、小泉首相の靖国神社参拝など、昨年はアジア、ことに韓国の教会から憂慮や抗議の声が上がったが、そうした中で年末に日本のキリスト教界代表が韓国を訪れ、12月4日ソウル市内で韓国キリスト教界代表と懇談した。日本側からは、日本福音同盟(JEA)、日本カトリック正義と平和協議会、日本キリスト教協議会(NCC)、日本キリスト教会、およびNCC加盟の日本基督教団、日本聖公会、日本バプテスト連盟、日本バプテスト同盟、在日大韓基督教会、日本キリスト教婦人矯風会、日本YWCAなどの代表18人が参加。韓国側からは、韓国福音同盟(KEF)、韓国基督教総連合会(CCK)、韓国基督教協議会(KNCC)、韓国カトリック正義と平和協議会などから代表が参加した。
懇談では日本側から日本の状況を説明し、用意した共同声明を検討。韓国側がこれを受け入れ、韓国側からも応答の声明が出され、今後とも両国の教会が平和と和解のために協調して進むことを確認した。
共同声明は、日本キリスト教界の代表が、現在の日本が再び戦争への道を歩んでいることに深く憂慮して訪韓し、韓国キリスト教界代表と協議して「この地域に平和の主である神の御旨が行われるよう共に働く」決意を表明。軍国主義時代の日本が韓国を植民地支配し人々を極度に苦しめたこと、日本のキリスト教界がそれをとどめることができず、中でも韓国キリスト者に神社参拝を強制したことは「神のみを神として崇め、隣人を愛しなさいという聖書の戒めに背いた重大な罪」と認識。「神と隣人の前に、この罪を深く悔い、赦しを求めるとともに、これらの犠牲や殉教を無駄にしない」と決意を示した。
その上で、2001年に引き起こされた日の丸・君が代強制、教科書問題、小泉首相の靖国神社参拝、自衛隊の海外派兵など、「過去の過ちを認めようとせず、侵略戦争を美化し、戦争準備へと進む」状況に、日本のキリスト者が反対運動を展開してきたことを紹介。しかし右傾化の流れを止められなかったことに対してキリスト者の責任を表し、「過去の歴史を直視しつつ平和と和解のために取り組み続ける」ことを表明した。
赤字続きでシャロン保育園閉鎖の危機−−不法滞在児童預かり3年目0202100501
不法滞在している外国人の子どもたちを預かり、保育している「シャロン保育園」(東京都足立区梅島・和田龍蔵園長)が経済的に困窮し、閉鎖を余儀なくされている。この保育園は非営利認可外保育園として、2000年7月に開園された。現在、園には韓国人をはじめ、エジプト人、ガーナ人の子どもたちが通っている。 和田園長は長年にわたり、海外医療伝道やホームレス医療伝道を行ってきた医師だ。同じ足立区内の梅島で開業している病院に、不法滞在者であるため保険を受けることができない外国人が多く来る。そんな中、国の認可保育所で保育を受けるのが困難な不法滞在児の存在を知り、「誰かがしなくてはならないことを私がさせていただいている」という使命の下、同保育園の設立に至った。不法滞在者の収入が景気に左右されるため、同保育園では当初から安定した収入がなく、毎月平均約50万円の赤字続きだった。和田園長の使命と努力によって運営されてきたが、「負担が大きく、限界」となり、今年3月で閉鎖する予定だ。
園長代理の冨永成喜さん(同盟基督・足立愛の教会員)は「閉鎖を機に自分も辞めようかと思った。しかし、園を閉鎖すれば親子ともに行くところがなくなってしまう現実に、園存続のためにやるだけやってみよう」と思ったという。国や企業からの補助金を受けるため精力的に動いているが、昨年、無認可保育園に対する国の制度が変わり、支援を受けるのが困難だ。不法滞在の外国人それぞれの大使館も、不法滞在者であるため実際的な支援の手を差し伸ばせないのが現状だ。現在、他の保育園との合併も模索中だが、経済的に厳しい状況が好転する見通しは立っていない。
閉鎖を前に1月30日に行われた保護者への説明会では、これまでの経緯が説明され、保護者からの意見が出された。「どうすればよいかわからない。預けるところはほかにない」と本音をもらす保護者と、存続を希望する職員が話し合い、ともども涙する場面もあった。同時に職員から、保護者らによって子どもたちの保育を支える枠組みを作ることが提案され、今後、存続のため具体的に動いていくための態勢づくりが行われた。
説明会の中で和田園長は新約聖書ヨハネの福音書14章18節「わたしは、あなたがたを捨てて孤児にはしません」のことばを引用し、「保育園から離れて孤児になっては困る」と語り、厳しい現況に苦悩の色を見せた。最後は神の導きを求めて祈り、会を閉じた。
冨永さんは「不法滞在そのものは罪でも、子どもたちには罪はない。困難な状況の中、いつも犠牲になるのは子どもだ」と語る。
園では2月末までには支援態勢を整えたいとして、支援物資・不法滞在児の保育環境に対する情報・保育の場所の提供を求めている。連絡先はTEL&FAX03・3849・5779。