関西学院大学と特定非営利活動法人STAND連携企画シンポジウム「CHALLENGE FOR 2020 パラリンピックで社会を変える」が、2017年12月9日に関西学院大学で開かれた。基調講演は視覚障がい者柔道の半谷静香氏。パネルディスカッションのパネリストは半谷氏と視覚障がい者ランナーの伴走を務めるガイドランナー中田崇志氏、STAND代表理事・一般社団法人東京オリンピックパラリンピック競技大会組織委員会顧問の伊藤数子氏、関西学院大学学長の村田治氏。コーディネーターは同大学教授で日本テレビ「NEWS ZERO」メインキャスターの村尾信尚氏が務めた。
開会挨拶で村田学長は、「今回のシンポジウムは、“Mastery for Service”をスクールモットーに掲げる関西学院大学と、共に豊かに生きる社会を目指すSTANDの連携で、これからの共生社会づくりへの意識を高めることを目的として開催するものです。今日の講演からパラスポーツへの理解を深め、自分がどう関わって行けばいいか考えてほしい」と、勧めた。
半谷氏はリオデジャネイロパラリンピック視覚障がい者柔道48キロ級5位入賞。先天性の視覚障がいがあるが、兄の影響で柔道を始めて才能を開花させた。2年後の東京を目指す。「自分の可能性を信じて~今できる事を全力でやる」をテーマに講演した。IMG_2441
「柔道を通した多くの出会いや経験が私を成長させてくれました。この大好きな柔道で恩返しをしたい。私の座右の銘は“今できることを全力でやる”。できないと思うからできない。できると思えばできる。大事なのは自分の可能性を信じること。誰でも挑戦すれば道は開けます。可能性はみんな平等に、無限大にある。ぜひチャレンジしてください」
日本の視覚障がい者女子柔道は、パラリンピックではリオの銅メダル以外、銀と金はまだない。半谷氏が講演の中で「2020年初の金メダルは私が取りたい」と抱負を語ると、会場が湧き、拍手が起こった。
パネルディスカッションでは、視覚障がい者のマラソン走者でアテネの金メダリスト高橋勇市選手や、ロンドンの5千m銅メダリスト和田伸也選手らトップランナーの伴走を務める中田氏がその体験を語り、視覚障がい者への理解を求め、日常での接し方にも言及した。
「障がいを持った人は世の中にたくさんいます。誰がいつ、障がいを持つようになるかわかりません。技術が進歩してバリアフリーになっても、やはり人がいないと困る。みんなが助け合える世の中になればいいと思います。視覚障がいの人がおられたら、ぜひ声を掛けて手を貸してほしい。そして選手の方々を応援してください。メダルを取ると人生が変わる。どうか皆さんの応援で選手の皆さんの夢をかなえてほしいのです」