二〇一八年十一月八日、京都府長岡京市で、オペラ「細川ガラシャ物語」が上演された。長岡京市は、細川忠興とガラシャが新婚生活を送ったゆかりの地であり、毎年十一月には「ガラシャウィーク」として様々な催し物が市内で行われる。その一つがオペラだ。このオペラの主役ガラシャを演じたのが、市民公募で選ばれたソプラノ歌手の平田葉子さん。二〇〇三年からガラシャを演じてきたという平田さんは、「ガラシャの中に本物の信仰を見ました。この作品を通して、あまり信仰熱心でなかった私自身も恵まれ、変わってきました」と語る。
 オペラ「細川ガラシャ物語」は、明智光秀の三女、玉(ガラシャ)の波乱に満ちた半生を描いたもので、二〇〇二年に市内の音楽家や郷土史研究家らが制作委員会を立ち上げ、脚本から作曲、演出までを手がける。全三幕のコンサート形式からなり、第一幕は婚礼、第二幕は洗礼、第三幕は殉教、死が描かれる。どんな苦難や迫害下の中にあっても、最期までキリシタン信仰を守り抜くガラシャの強い意志が、作品全体を貫いている。
 このオペラの主役ガラシャ役に市民公募で選ばれたのが平田葉子さんだ。「姉が『ガラシャ役を公募しているからオーディションを受けてみたら』と勧めてくれました。オペラには興味があったので、『たぶん無理だろう』という軽い気持ちで受けてみたら受かったのです」(福音版2019年1月号で詳細)