2018年12月09日号 02面

日本人の検定好きと勤勉性に着目し、昨年9月にスタートした聖書検定。それから1年が過ぎた11月24日、東京で初めて第1級の聖書検定試験が行われた。また、聖書検定公式テキスト著者の鈴木崇巨氏(日本基督教団牧師)による「聖書検定 第1回記念講演」(一般社団法人聖書検定協会主催)が、中央区銀座のカンファレンスブランチ銀座で開かれた。聖書検定講演会
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発案者で聖書検定協会代表理事の村上芳氏によると、この1年間で第5級から第1級までの受検者がのべ534人。うち30人が当日、第1級の試験に臨んだ。受検者は東北、中部、近畿、北陸、沖縄など、日本全国から集まった。クリスチャンでない人もいるという。
村上氏は「聖書検定を立ち上げる時、ある人から『もし第1級の聖書検定試験が一人だった場合でもしますか』と聞かれ、もちろん『します』と返答した。しかし、30人も受検者が与えられ、先ほど無事試験が終わりました」と報告。「聖書検定は用いてくださる皆様がおられ、書いてくださった鈴木先生がおられ、神様が導かれて本日を迎えることができました」と挨拶した。
鈴木氏は、「聖書検定はどの教団教派からも支援されることなく、全く独立している、まさに聖書を愛する者の信徒運動。理事には一人も牧師が入っていない、教派色も着いていない一つの運動体」だとし、「聖書検定が国民運動になっていければと願っている。英語検定、漢字検定など他の検定と同じように一般社会に受け入れられるよう応援したい」と挨拶。講演では、「聖書を学んでいる世界の人々」と題して語った。村上
鈴木氏は、現在、約25億の人々が聖書を学んでいるが、南半球の人口爆発で世界人口は過去47年で倍以上になり、またアフリカでキリスト教徒が激増、一方ヨーロッパでは、第二次大戦後、キリスト教が停滞していると指摘する。「伝統的プロテスタント教会が停滞し、聖霊派教会が増えるという内部地殻変動が起こった。1901年から異言を伴うプロテスタント教会(ペンテコステ教会)が急成長し、06年頃、アメリカから世界中に広まった。60年代から、伝統的プロテスタント信徒の中にも聖霊の賜物を体験する人が増えた(カリスマ派教会)」
「アフリカのキリスト教徒は、すでに45%をこえている。かつての宗主国のキリスト教が強く、カトリック、正教会、プロテスタント各派が存在するが、聖霊派が非常に多く、アフリカ発のカリスマ派教会が発展している」
「南アメリカでは、16世紀に、スペイン、ポルトガルによって征服され、カトリック教徒に改宗させられた。19世紀から20世紀前半にプロテスタント教会が伝道を始めたが、あまり進展しなかった。ペンテコステ教会、カリスマ教会が20世紀に伝道を始め、第二次世界大戦後、非常な勢いで進展し、カトリック教会信徒がプロテスタント・カリスマ派に移行している」鈴木
アジアも福音が広がっているという。「フィリピンは全人口の80%がカトリック教徒、韓国は35%ほどがクリスチャン、台湾は30年前までは2、3%だったのが今は7%、中国では家の教会が増えており、その数がすべてオープンになれば、クリスチャン人口が跳ね上がると言われている」
最後に日本について言及。「宗教法人を取っているキリスト教会を完璧に網羅している『宗教年鑑』(文部科学省文化庁宗務課)によると、カトリック・プロテスタント合わせて7千907教会。だが『キリスト教年鑑』を基にはじき出した宗教法人を取っていない教会数を含めると9千58教会。1教会平均信徒数62・4人(『クリスチャン情報ブック2018』より)をかけると200万人近くになり、クリスチャンは全人口の1・5%はいる」と語った。
当日は、ゴスペルシンガーMichiruさんの特別賛美もあった。聖書検定ウェブサイトURL https://seisho-kentei.com/