【新型コロナ関連】コンゴ首都キンシャサで感染拡大 基本的な感染症対策徹底 ハンガーゼロ・コンゴ駐在員報告
中央アフリカに位置するコンゴ民主共和国では5月7日現在、新型コロナウイルス(以下・コロナ)の感染者数は682人、死者28人。首都キンシャサでは、刑務所と兵舎で140人以上の感染が確認されるなど感染者数が652人に拡大した。以下はハンガーゼロ(日本国際飢餓対策機構)コンゴ民主共和国駐在員ジェローム・カセバ氏(ハンズ・オブ・ラブ・コンゴ代表)の報告の要約。
最初の感染者は3月10日。フランスから帰国した52歳のコンゴ人だった。この時点では「コロナは寒い国でのみ発症する」「薬草や根を煎じて飲むなどの伝統的な民事療法で治る」という国民の認識不足もあり、コロナの危険性が伝わらなかった。現在はWHOと連携してメディアや保健員による啓発活動により、人々のコロナ感染への理解と協力が進んできた。検査設備の不備で1日に120人程度だった感染検査が500人まで拡大する一方、キンシャサでしか検査できない課題が出てきている。
キンシャサでは、市の刑務所と兵舎で140人以上の感染が確認されるなど、さらに感染が拡大した。拡大し始めた当初、女性の感染率はわずか12%だったのが、最近では38%まで上昇。地元医師会の見解では、女性の感染が広がっている背景には、女性が社会の中で果たしている役割に関連がある。コンゴでは、実際に家計を支えているのは女性だ。朝早く起きて公設市場に行き、物を売り買いしている女性たちは、マスクも着けず感染予防対策を全くしていない。多くの人たちと接触する日常を送っているため感染が広がっている。
ハンズ・オブ・ラブ・コンゴの活動地はプエト、ルブンバシ、カレミ、キンシャサだが、4月24日、ルブンバシで初の感染者が確認されたことを受け、プエトの協力スタッフとルブンバシの協力者とで電話会合。活動地の人々から感染者を出さないため、こまめに手洗いをする、多数で集まることを避けるなどの基本的な感染症対策を徹底することを確認した。現在は外出制限で自由に動けない状況が続いているが、活動地の人々の健康状態と活動の進捗状況を把握するため、各地の協力スタッフと電話による連絡体制を構築し、緊急的な必要に備えている。
ハンガーゼロは、新型コロナウイルス感染拡大の影響下にある人々のために「緊急救援募金」を募っている。送金方法は郵便振替またはウェブサイト(URL https://www.jifh.org)からのクレジット決済で。郵便振替00170・9・68590 日本国際飢餓対策機構(記入欄に「緊急救援募金」と明記)。
写真左=手洗いをする子ども。写真右=消毒作業をしているところ