第26回英連邦戦没捕虜追悼礼拝

「困難にへこたれるな」と コロナ禍の中で

 

第二次世界大戦終結から75周年。今年も戦時中に日本軍捕虜として日本に連行され亡くなった連合軍兵士を追悼しようと、「第26回英連邦戦没捕虜追悼礼拝」(同実行委員会主催)が8月1日、神奈川県横浜市保土ヶ谷区の英連邦戦没者墓苑で開かれた。今年は新型コロナウイルスの感染拡大で開催が危ぶまれていたが、「困難状況だからこそ、追悼礼拝を行おう」と決行。検温、アルコール消毒の徹底、賛美は一番だけ歌うなど、感染防止に配慮して実施された。今年は初めての試みとして、オンラインによる中継も行われた。

感染防止に配慮し追悼礼拝が行われた

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関田寛雄氏(日本基督教団教師)は「大戦終結75周年に当たり、戦争の苦しみと悲しみの最中で、母国を思い、家族を慕いつつ、異国の地である日本でその生涯を終えざるを得なかった、ここに眠る千800余人の兵士の方々」を追悼。「この方々とその遺族の方々の残された声は何か。それは何よりも戦争のない平和と共生の世界の回復であり、人類の和解の実現だった」。だが敗戦後、「新憲法と共に新しい歩みを始めた日本だが、豊かさを根拠にまたもや韓国・朝鮮をはじめアジア諸国に対し傲慢な歩みを続けている」と指摘。そんな中、アフガニスタンで働いた中村哲医師のことに触れた。「中村医師は『アメリカは爆弾を積んで空を飛ぶが、我々はいのちのために大地を掘る』と常々語っていた。そこには彼の信仰に裏打ちされた人間愛があった。彼は凶弾に倒れたが、彼の残した愛は決して滅びない」と語った。
続いて英連邦・旧連合国代表/ニュージーランド大使館付武官・空軍大佐のニコラス・マクミラン氏が挨拶。「すべての戦争において、私たちの意識は、ある特定の戦闘や事件がもたらした戦死者の数に向けられる。しかし、戦争において私たちは、悲惨な状況の中に生き、ひどい扱いにさらされ、いつ帰国できるか何の保証もない捕虜について見過ごしてしまう。この追悼礼拝は、そんな戦死者の方々に敬意を表すものであり、実際に起こったことを考えさせる。この追悼礼拝によって、、、、、、、、

左から雨宮氏、関田氏

2020年8月16日号掲載記事