発災4か月 熊本水害被災地支援の現状と課題とは 衛生管理負担増でも予防効果増えた おかやま親子応援プロジェクトオンライントークライブ

公益財団法人YMCAせとうちは、おかやま親子応援プロジェクト連続オンライントークライブを10月19日から開始している。26日にはその一環として、「熊本南部豪雨による発災から約4か月、熊本は今、どうなっているのか ポストコロナ時代を見据えて~わたしたちは、どう生きていくのか」をテーマに、「熊本水害被災地支援の現状と課題」について現地からの報告があった。報告者は公益財団法人熊本YMCA旧多良木高校避難所運営所長の丸目陽子さん、熊本YMCA副総主事の神保勝巳さん、NPО法人くまもと災害ボランティア団体ネットワーク(KVOAD)代表理事の樋口務さん。聴き手は岡山から災害支援ネットワークおかやま・岡山NPОセンター代表理事の石原達也さん、YMCAせとうち代表理事の太田直宏さん。【中田 朗】
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丸目さんは「7月豪雨災害支援~旧多良木高校避難所支援~」と題し報告。「発災後、球磨村の被災者が避難する旧多良木高校避難所の運営をしている。人口3千400人ほどの球磨村では25人が亡くなり、多くの住宅や施設が被災。水道、電気、道路の復旧を待つ長期避難者も多い。村の避難所はここも含め10月31日に閉所する」
旧多良木高校避難所は、球磨村役場から熊本YMCAへの業務委託として引き継いだ。「熊本地震の時に避難所経営の経験がある私どもに声がかかり、YMCAとピースボート災害支援センターとの共同運営という形で8月17日から参加。行政と連携して、あるいは新しい形のパートナーシップで全国初の避難所運営の業務委託として、コロナ禍でも全国のYMCAから応援スタッフがPCR検査を受けた上で来てもらっている。高齢者ケアの専門性をもつ賛育会などの協力も受けた。ボランティアはガイドラインを設け独自に受け入れている」

オンラインで行われたトークライブの様子

コロナ禍での避難所運営の目標は①災害関連死を出さない、②新型コロナウイルス感染症を出さない、③避難所生活を楽しむ、こと。避難所での感染症予防は、三密の回避、検温、マスク、手洗いの徹底、静養室設置。県外からの派遣スタッフはPCR検査を受けてもらう。ボランティア受け付けは条件付きだ(炊き出し、慰問、視察など)。
コロナ禍での避難所運営は、「外出帰宅の管理徹底で住民の負担が増したが、防犯効果も増した。運営スタッフが限定され、顔触れも変わらない。何か行事がある時はマンパワーが不足する。新型コロナ対策の徹底で衛生管理の負担増と共に他の感染症の予防効果も増した。芸能人、著名人らの慰問活動が制限され、楽しみ励ましは減少。メディアによる取材制限で報道が減り、現状が伝わらず、、、、、、

2020年11月15日号掲載記事
トークライブの内容は、URL https://www.youtube.com/watch?v=w0tHd7qvLfY&feature=youtu.beで視聴できる。