4歳から14歳の世代への伝道と信仰成長を推進する「4/14(フォーフォーティーン)の窓運動」。これを関西で進める関西フォーラムサーバントチーム主催の関西フォーラム2021「会いたかった! 君に!」が、10月30日に開催された(11月14日号既報)。多様な分科会の内容を伝える。

 

分科会3 「性と恋愛をオープンに話せる教会を目指して」 「小さないのちのドア」施設長 西尾和子さん

大人がセーフティネットに

「皆さんの教会は恋愛や性についてお話しできていますか?」という問いかけから、子どもたちにどのように、どんな時期に性と恋愛を伝えるか、オープンに話すためにどんな準備が必要かを語った。

まず日本の子供たちの現状を数字で提示した。1日に子どもの自死が1・3人。15歳から24歳の自殺率は先進国でワースト1位だ。2030年のユニセフの調査では幸福度は38か国中20位となった。

2020年の厚労省の調査では、人工妊娠中絶は10代が最多で、16歳から49歳の6人に1人が経験者だ。中絶で女性は深く傷つき、7割以上の人が罪悪感で苦しんでいる。青少年の性感染症も増加している。子どもの虐待死は週に1人。その半数は0歳児だ。加害者の96%が実母が関与している。

これらのデータから、自分の価値や生きる意味を見出せない若者たちの姿が見える。
「あなたは大切な存在、価値あるかけがえのない一人だと、大いに発信していくことがクリスチャンである私たちの役割だと思います」

性といのちの大切さをどう伝えるか。
「自己を肯定し、いのちの大切さを知るために、誕生を肯定してほしい。そして、心と体、霊性、社会性のアンバランスな思春期は、自立に向かう大切な時期。この時期を大人は支え、神様の価値観で恋愛とセックスの大切さを伝えてほしいのです。100%祝福を受けるためには、自分も相手も大切にして大きく愛を育てること。神様の語られる、本当に大切な人と“一体となる”ということは全身全霊の一致ということ。行為の先にあるのは、いのちを生み出す可能性もあるということも伝えなければなりません」

性と恋愛をオープンに話すためには大切なのは関係づくり。子どもたちが小さな時から定期的に語り続けることから始めていく。教会の大人がセーフティネットになり、どんな相談もありのまま受け止め、ジャッジするのではなく信仰の友になってほしいと結んだ。【藤原とみこ】