イエスのように傾聴する 第53回CSK中学科教師研修会

教会から遠のきやすく、コロナ禍で集まりにくい難しさが重なる中、どのように中高生に寄り添うことができるか。
第53回CSK(中学生聖書クラブ協力会)中学科教師研修会が3月5日オンラインで開催された。埼玉県新座市の清瀬福音自由教会から配信された。
講師の蔡香氏(ОMF宣教師、東京基督教大学非常勤講師)は、「傾聴─新しい時代を若者とともに生きるために─」と題して語った。
福音宣教の 二つの翼「聴く」「語る」があり、「聴く」が先行する。聴くためにも、語るためにも訓練が必要となるが、語る訓練は多いが、聴く訓練はあまりされていないのではないかと問うた。
午前の部では、中高生の一般的な特徴について話した。中高生の時期は子供 から大人への移行期であり、脳の前頭前野が未成熟で不安定、思い悩み、危険行動を起こすリスクがある。

蔡香氏

親からの自立をしようとするが、自信がまだなく、認めてほしい。アイデンティティーを探す。なりたいものとなれるものの間のギャップに悩む。また、現代の中高生は、外から見えない家庭や個人での内在性の問題が注目されている。
小中高の自殺者の増加やドメスティックバイオレンスの増加にも触れた。ネットのトラブルやゲーム依存など様々な問題があるが、共通して居場所を探している。教会が子どもたちの居場所として、相手に寄り添う必要がある。
午後の部では、聖書から示されたクリスチャンの傾聴三原則について語った。この三原則は相関関係にあり、ともに働くものだという。
一つ目は、「相手の立場に立って聴く」。キリストが人となられたように自分の立場を離れ、自分の思い、考え、都合を脇に置き、相手の視点から見る必要がある。
二つ目は、「聖霊に耳を傾けながら聴く」。中高生を愛して導いておられるのは、神様ご自身。もう一人の助け主、聖霊なる神が一人一人を助けてくださる。聴き手自身が主とつながる。会話の主導権を神に委ねる。相手と主のつながりを支える。ともに御心を聴く。愛を持って真理を語る。一方的ではなく、双方向的に語る。
最後に、「自分の心を見守りながら聴く」。人格の中心の心を見張る。
神様の前で自分の反応を振り返り、聴き手自身が良い状態でいることが大切である。
傾聴とは相手中心の働きであり、主の愛と知恵が必要である。人の力によらず、聖霊の力による奉仕をしていきたい。
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嶋田博考氏(CSK主事、聖書同盟総主事兼務)は、昨年イースターから始まったCSKグループデボーションの働きを紹介した。月一度日曜日にジュニアみことばの光の執筆者または編集責任者との分かち合いができる。教師やスタッフとともに参加できる中高生が対象となる。【後山元紀】

クリスチャン新聞web版掲載記事)