「ウクライナは強い緊張感に包まれています」ウクライナ船越宣教師報告 2023年6月1日、2日
ウクライナの船越真人宣教師から現地の情報が6月1日、2日に編集部あて寄せられた。一部編集して掲載する。
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6月1日
いつも尊いお祈りに心より感謝しています。
近く始まると予測されている(あるいはすでに部分的に始まっているかもしれない)ウクライナ軍による大規模反転攻勢を前に、ウクライナは強い緊張感に包まれています。ウクライナ東部での戦闘は熾烈さを増し、激戦が続いてきたバフムトの街はすでに廃墟になってしまいました。
5月に入ってからヘルソンの街への砲撃がさらに激しくなり、多くの一般市民が犠牲になっています。
オデッサ教会にもヘルソンから避難してきている人々がいますが、その中には自分の家や親戚の家が砲撃によって破壊されてしまった人々もおられます。反転攻勢が始まってヘルソンの東部とザポリジャ州で激しい戦闘が始まれば、そこに住む人々の生活環境が破壊されることになります。どうかウクライナの上に主の特別の守りとあわれみがあるように、お祈りください。
HOPEニコラエフのはたらき、続けて用いられています。食料配布と子供キャンプに加えて、現在は3つの村の教会でスモールグループを立ち上げる働きを支援しています。引き続きHOPEニコラエフの働きが豊かに祝福されるようにお祈りください。
HOPEオデッサのはたらきも続けて祝福され用いられています。お祈りに感謝します。現在ウクライナ東部・南部から多くの避難民の方々がオデッサに来ていますが、現時点で国外に避難しているウクライナ人のうち、戦争が終わっても東部・南部の故郷の町や村が破壊されているために帰ることができない人々の中にはオデッサに来ることを選択する人々が多く起こることが予測されています。そのことも視野に入れて今後のHOPEオデッサの働きを発展させていきたいと願っています。続けて主の導きをお祈りください。
5月28日の礼拝でバプテスマ式を行いました。今回は四名(サーシャ、アンドレイ、イリヤ、アリーナ)がバプテスマを受けました。この四名のこれからの歩みの祝福をお祈りください。
HOPEソルジャーズの働きも続けています。前線の兵士たちに救急具と防護服を送る働きを続けてきましたが、その働きに加えて、オデッサ南部地区にある病院での負傷兵たちの訪問活動をおこなうことになりました。この働きを通して、体と心に傷を受けている兵士たちとその家族に福音と主の愛を届けることができるようにお祈りください。そして、その後の帰還兵とその家族へのサポートの働きにつながるようにもお祈りください。
HOPEスクールを続けてくることができ本当に感謝です。5月31日に終業式を行いました。この戦時下でHOPEスクールと幼稚園をすることができ、終業式と卒園式を迎えられることを本当に主に感謝しています。そして、祈って支えてきてくださったことに感謝しています。6月1日から夏休みが始まります。この夏には「HOPEサマー」を計画中しています。これは夏のキャンプのプログラムです。
6月19日から24日までは奉仕者(特にユース)のための準備のキャンプをします。
6月26日から30日までは、マリフカ村で小学低学年のためのキャンプを行います。
7月4日から7日までは、マリフカ村で小学年高学年・中学生のためのキャンプを行います。
7月11日から14日までは、イングルカ村(マリフカ村の北)で小学低学年と高学年の合同のキャンプを行います。
7月18日から21日までは、オデッサで小学低学年のためのキャンプを行い、16日(日)の礼拝には子供たちの家族も招いて特別礼拝をします。
7月25日から28日までは、オデッサで小学高学年・中学生のためのキャンプを行い、30日(日)の礼拝には子供たちの家族も招いて特別礼拝をします。
8月7日から12日までは中高生のための「英語キャンプ」を計画しています。
8月14日から19日までユースのためのファイナル・キャンプを計画しています。
今回は戦時中なので、オデッサ州を含めたウクライナ南部では子供たちを一箇所に集めてアクティビティを行ってもよい人数に制限がかかっているため(30人以上は集められません)、大きなキャンプを行うことができませんが、このように何度かにわたってキャンプを行うことによって、よりきめ細かい子供たちとの関わりが可能となることを期待しています。そしてこのキャンプを通して特に中高生、ユース(テイーン)たちが用いられ、成長することを大いに期待しています。ぜひ祝福をお祈りください。
ウクライナ東南部での大規模な反転攻勢が始まると、戦況も大きく変化します。ロシア軍が航空戦力を投入すれば戦争のフェーズが変わってしまうかもしれません。また、ザポリージャ原子力発電所で「事故」が起こる可能性も指摘されています。多くの不安材料がありますが、その中で主の守りを確信し、愛するメンバーとともに宣教を大胆に前進させていきたいと願っています。
6月2日
キーウ市当局者は、キーウが1日未明にもロシアのミサイル攻撃を受け、子ども2人を含む3人が死亡し、14人が負傷したこと、さらに診療所が攻撃を受けたことを明らかにしました
昨日6月1日はウクライナ(旧ソ連諸国)では「子どもの日(原語では「День защиты детей」直訳すれば「子どもたちを守る日」)」でした。ニュースでは「ウクライナの検察当局は“国際子どもの日”にあたる6月1日、ロシアによる軍事侵攻により、これまでにウクライナの子どもたちは少なくとも484人が死亡し、992人が負傷したと明らかにした」とありますが、この数字をこちらのウクライナ人に見せると「そんな数でおさまるわけがないじゃないか」と憤慨します。実際にはもっともっと多いのでしょう。さらには、ウクライナからロシアに強制移住(誘拐、連行)された子どもたちの数は不明です。また、激戦地にいた子どもたちはPTSDなどの問題をすでに負わされている子どもたちも多くいます。また、戦争で親を失った子どもたちも数知れずいます。失われた子どもたち、傷ついた子どもたち、これがウクライナの未来にどう影響を与えていくのかを考えると、その被害は決して数字だけでは表せないものだと痛感します。今はとにかく戦争を終わらせる(ロシア軍を撤退させる)ことに向かってできるだけ感情をオフにしながら突き進んでいるウクライナですが、いったん戦争が終息し、そこから本格的な癒しと回復の過程が始まっていくとき、そこに横たわる課題は言語に絶するほど大きなものであることを今から感じています。どうか続けてウクライナのうえに主のあわれみがありますように、お祈りください。
船越真人・美貴